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LeagueU参加サークルインタビュー (1) 東京大学「メンバー全員で楽しむために」
インタビュアー●ハメコ。
取材・構成●松井ムネタツ
ライオットゲームズは『リーグ・オブ・レジェンド』(以下:LoL)の大学生・専門学校生プレイヤーによるサークルを対象に、「LeagueU」という支援プログラムを実施している。こうした活動の成果もあり、『LoL』プレイヤーが学生のあいだでどんどん増えているが、実際のところ学生たちの『LoL』サークルではどのような活動をしているのだろうか。
そんなことが気になった編集部は、早速2つの大学『LoL』サークルにコンタクトを取り、サークル代表にあれこれと話を聞いてみた。1回目は、東京大学『LoL』サークルの代表、shuさんだ。今年3年生のshuさんは、昨年度に副代表を経験したうえで、今年は代表として活動している。
TwitterのDMでサークル勧誘
――『LoL』を始めたキッカケを教えてください。shu:中学3年生から始めました。シーズン1からやってますね。仲良かった友だちがみんな『StarCraft: Brood War』をやってたんですが、僕はパソコンでゲームをしたことがなかったので遊んでいなかったんです。『LoL』がリリースされたとき、「一緒にやろう」と誘われて遊んでみることにしました。
――高校を卒業するまでアメリカで生活されていたそうですね。
shu:そうなんです。周りの友だちがみんなパソコンでゲームを遊んでいたので、『LoL』を始めたのはその影響も大きいです。
ちょうど中古パソコンを手に入れたのでそれで『LoL』をやってみようと思い、遊び始めてみました。ただスペックが古くて……10fpsくらいで動いてるんじゃないかってくらいカクカクで、しかもタッチパッドで操作していたので何かと大変でした。
中学・高校とずっと『LoL』を遊んでいたのですが、日本に戻って大学に入ったとき、周りに全然『LoL』を遊んでいる人がいなくて……。なので、東大生で『LoL』をやってそうな学生をTwitterで検索して、ひとりひとりにダイレクトメッセージで誘いました。遊んだことない人にも一緒に遊んでみようと積極的に声をかけて、最終的に20人くらい集めたんです。
そんなとき、別の研究室で『LoL』が流行っているのを知りました。彼らはLeagueUに参加する手続きを準備しているということだったので、「だったら合流しませんか?」と相談して、1つのサークルにしました。それで一気に30人以上のサークルになったんです。
基本は「楽しく」、大会があれば優勝を目指したい
――サークルとしてはどんな活動をされているんですか?shu:以前はARAM(All Random All Mid)を一週間に1回遊んだり、カスタムゲームでチーム戦やったりしてたんですけど、今年はJCL関東リーグ(※)など大会にも重点を置いています。今(2017年8月現在)もLeagueUによる「All Campus Series(ACS)」をやっているところです。
※JCL関東リーグ
関東の大学生サークルによる『LoL』の学生リーグ。
――なるほど、ということは競技寄りのサークルなんですね?
shu:大会があればそちらに力を入れますが、基本的にはみんなでワイワイと楽しむスタイルのサークルです。メンバーみんなが楽しめる!というのが、うちのサークルのポリシーなので。
――サークルメンバーのランクはどのあたりですか?
shu:ブロンズの人もいれば、チャレンジャーの人もいますね。今期はうちのサークルにチャレンジャーが4人います。大会があれば、ランクの高い人から順番に声をかけていきます。
――実力差はどうしても出てしまうと思うのですが、たとえばブロンズとチャレンジャーの人が一緒に遊ぶとき、どういうところに気をつけていますか?
shu:まさにそこは課題でした。最初のころはカスタムゲームでやってたんですが、みんなで楽しむときはARAMにしてます。
ブロンズとかシルバーの人でもチャレンジャーと一緒に遊びたい!というなら、もちろん拒みません。チャレンジャーから容赦ない指摘がガンガン入りますけどね(苦笑)。かなりキツい言い方をすることもあります。
――険悪なムードになったり?
shu:みんな最低限の距離感というのはわかっているので、踏み込みすぎることはないですね。悪意があって言っているわけではないので、言い方はキツめでも建設的な指摘です。ゲームが終われば、試合中のいざこざは完全に消えてます。ブロンズ側もうまくなりたいから、その指摘を受け止めてしっかり勉強してますね。
――それは双方建設的ですね。『LoL』の小規模コミュニティーを継続させていくのは難しいと思っているんですよ。上手い人と下手な人の目的ってどうしても違うものなので、そこを組み合わせ続けると歪みが出てくるというか。僕も40人ぐらいの『LoL』コミュニティーにいるんですが、紅白戦のチーム割り振りの段階で微妙に険悪なムードになったりします(笑)。
一同:(笑)
shu:ときにはがっつり練習もしながら、いまはACSで優勝を狙っています。大会向けのメンバーはちゃんと決まっているので、オンラインでたまたまそのメンバーが集まれば大会に向けた練習をしますね。ただ、サークル活動としての基本はみんなで遊ぶことなので、そこはそのとき集まったメンバーしだいでフレキシブルにやってます。
プロは観るほうが楽しい
――サークルから、Rampage 2部チーム「RPG Quintet」に加入された方がいますよね? shuさんもプロを目指しているんですか?shu:僕はセンスがないので無理です。上達すること自体はとても楽しいんですけど、プロでは通用しないと思います。そういう方面に進もうとは考えたことないですね。
プロは観戦するほうが楽しいです。日本だとRampageやDetonatioN FocusMeの動向は気になってますが、メインの配信視聴は海外ですね。NA LCS(北米)、EU LCS(欧州)、LCK(韓国)は全部観てます。ご飯食べる時間とか普通に観てますよ。チームだとNA LCSのTSM(Team SoloMid)がとくに好きです。
――普通にプロスポーツとして観てるだけでも十分面白いですよね。
shu:そのあたり、日本はもっとがんばってほしいですね。海外と比べてしまうのもアレですが、あっちだと選手を追いかけたドキュメンタリー番組もありますし、韓国だとふつうにテレビで今日のLCK結果をニュースで流してくれたりしてて。日本だとTwitterで報告がある程度とかで、北米のプロシーンから見始めている自分としては、ちょっと物足らなく感じてしまいます。
――でもそこまでがっつりハマっていると、もう一生の趣味として楽しめますよね?
shu:ネットで観戦したり、選手の動向を追いかけているだけで楽しいですね。『LoL』ひとつから10とか100くらい引き出してる気がします。いつでも観ることができるコンテンツが無限といっていいほどあるので。
メンバーの意見を聞いて、サークル活動に反映
――サークルの代表をやってみて、自分自身どのように変わったと思いますか?shu:みんなが楽しめる環境にするはどうしたらいいんだろう……と、つねに周りを見るようになりました。メンバー全員が楽しめるような土台を作らなくてはいけないので、普段のコミュニケーションからみんなが何を望んでいるかを読み取るようにしています。
――素晴らしい! 理想的な代表ですね。
shu:だといいんですけどね。あとサークルを作って嬉しかったのは、単純に自分の『LoL』スキルがアップしました。うまくなりましたね。周りにチャレンジャーもいるのでいろいろ教えてもらえますし。
――大学を卒業することになれば、当然サークル代表を誰かに引き継ぐことになると思います。東大『LoL』サークルとして、ここだけはちゃんと守ってほしい、という部分はありますか?
shu:自分がやりたいことをみんなに押しつけるんじゃなくて、メンバーがやりたいことを聞き入れてサークル活動に反映させる、ということは引き継いでほしいです。
……でも引き継ぎは僕の重要な課題のひとつです。代表になった瞬間から、「次の代表どうしよう」とずっと考えています。副代表も今年3年なので、あと1年半で僕と一緒に卒業してしまうんですよ。誰かに「君にやってほしい」とお願いする形ではなく、「自分がやります!」と言い出してくれるのを待っているのですが……。
やりたくない人に代表をやらせると、このサークル活動自体楽しめなくなってしまうかな、と。サークル設立の目的は、代表も含めて「みんなで楽しむこと」なので。
他の大学では、細かく役職も決まってて引き継ぎもスムーズに行っているという話を聞くので、そういう点は頑張らないとって思っています。
サークル代表だからこそロールはジャングル!?
――最後にすごく基本的なことを聞きますけど、『LoL』のどこが好きですか?shu:限界がないことです。練習しただけうまくなりますし、メタも変わりますので吸収することも多いですし……飽きることがないですね。やればやっただけ楽しいです。
遊んだことない人は、とりあえず1回遊んでみて、その面白さを実感してほしいですね。周りに遊んでいる友だちがいれば、きっと喜んで教えてくれると思います。
――ちなみにshuさんのメインロールは?
shu:いまはジャングルです。2~3シーズン前まではサポートでした。最初にサポートを選んだのは、タッチパッドのパソコンだったので(苦笑)、「たいして操作できなさそうだから、お前はソラカとソナでサポートをやれ」って言われて(笑)。
――タッチパッドではどのくらい遊んでいたんですか?
shu:2年間くらいです。高校入学時に自分のパソコンをちゃんと買ってもらいまして、そこでマウスにしました。もうビックリしましたね、こんなに遊びやすいんだ!って(笑)。
僕を誘ってくれた友だちは別のゲームを遊ぶようになったんですが、僕はずっと『LoL』を続けてました。1人で遊ぶようになったらサポートにこだわる必要はないので、いろいろやってみたんですが、いちばんしっくりきたのがジャングルでした。
――なるほど、ジャングラーとして全体を見るという、まさにサークルの代表としての仕事をゲーム内でもこなしているわけですね。
shu:うまくまとめてくただき、ありがとうございます(笑)。
一同:(爆笑)
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