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(前編)【LoL 2018春プロシーン特集】古きと新しきが混じり合う新生北米リーグ、NA LCS開幕
北米リーグ「North America League of Legends Championship Series (NA LCS)」は、『リーグ・オブ・レジェンド』(以下『LoL』)においてもっとも広く知られているリーグだ。昨年より中国リーグがその人口に見合った規模へと大きく拡大してきているが、北米リーグも得られる名声や報酬も世界で一、二を争う。
2018シーズンから、北米リーグは大きな変化を迎えることとなった。リーグをフランチャイズ化し、参加権を購入できたチームによるリーグへと再編されることとなったのだ。降格のリスクを負わなくなったことで、参加チームは長期的な育成や経営が可能になる。一部リーグ参加チームは育成チームを立ち上げ、サブリーグとなる「NA Academy League」へ並行して参加することも必須となった。Academy Leagueの参加選手は一部チームのサブとしても起用できるため、参加組織が実践的な選手育成を行えるシステムに変わったといえるだろう。
一方で参加権は決して安い買い物ではなく、人気を得られないチームは採算割れを起こしてしまうことも十分にありえる。また北米のチームは国際的な大会でよい結果を残せていないため、投資に見合った結果を出せるのかが問われることにもなる。
新体制1年目の北米リーグは果たして成功するのか失敗するのか、大きな岐路に立っている状況だ。
※写真は、https://twitter.com/TeamSoloMid/status/953454409517735937 より
北米においてもっとも成功しているチームのひとつであり、過去の実績・ファンの規模ともに最大。北米リーグではつねにプレイオフの決勝戦まで進んでおり、『LoL』を代表するチームと言える。北米での華々しい活躍と裏腹に、世界大会ではグループステージで足踏みをしている状態を続けており、国際的な大会における北米の苦戦をも象徴してしまっているのは苦しいところだろう。
創立者にしてチームのミッドレーナーでもあったReginald氏の運営手腕は確かで、メンバーを入れ替えながらその位置を守り続けているのはさすがのひと言だが、国際大会での躍進を目指した今年の補強の結果はどうなるだろうか?
■注目のプレイヤー:MikeYeung選手
TSMにとって、ジャングラーはSeason 4以来の頭痛のタネだった。ヨーロッパから多くの優秀な選手を招いてきたが、悲願であるグループステージ突破はできずにいたのだ。今年から加入したMikeYeung選手は北米出身のプレイヤーであり、昨年デビューした新人でもある。今後の北米を代表する選手としてReginald氏が期待しているのは間違いない。彼に見いだされ、TSMで頭角を現したプレイヤーは多い。トップのHauntzer選手、今やTSMそのものと言えるミッドのBjergsen選手、チームを去りはしたものの、TSMで輝かしいデビューを飾ったBiofrost選手のように飛躍できるのか、チームのみならず北米リーグの行く末を占う選手の一人と言えるだろう。
・トップ:Kevin “Hauntzer” Yarnell
・ジャングル:Mike “MikeYeung” Yeung
・ミッド:Søren “Bjergsen” Bjerg
・ADC:Jesper “Zven” Svenningsen
・サポート:Alfonso “Mithy” Aguirre Rodríguez
・ヘッドコーチ:Kim “SSONG” Sang-soo (김상수)
※写真は、https://twitter.com/lolesports/status/951222118934441984 より
Team Liquidはその前身であるCurse Gaming時代から長い苦闘の歴史をファンとともに共有してきた。TSMやCloud9、CLGといったチームが華々しく活躍する陰であと一歩届かないチーム、それがTLだったのだ。2014年にはSeason 3の世界王者SKTでADCを務めたPiglet選手を招き、さらに多くの補強を繰り返してきたが、2017シーズン終了に至るまでリーグ制覇、世界大会出場のいずれも実現できずにいる。
フランチャイズ化によって参戦チームが大きく様変わりした2018シーズンの開幕に向けて、TLはすべてのメンバーを入れ替えるという大規模な改革により新生を図った。昨年まで北米の台風の目として猛威を振るったImmortalsを実質的な核として、全ポジションを昨年の世界大会出場選手で固めており、北米のドリームチームと言っても過言ではない。ただし、黎明期からいまに至るまで、ドリームチームと呼ばれたチームがその期待どおりの結果を残したことがないのも『LoL』というゲームだ。シーズン恒例の「今年のLiquidは一味違う」が去年までと異なる結果を迎えられるのか、困難な挑戦が始まろうとしている。
■注目のプレイヤー:Doublelift選手
最年長クラスの選手にして北米有数のADCの一人であり、北米のADCを代表するプレイヤー。CLGやTSMといった名門を渡り歩き、北米リーグ優勝を経て幾度となく世界大会に挑んできた古強者でもある。トラッシュトーク(挑発的な発言などによるパフォーマンス)でも知られる彼は、TSMのメンバー変更によって新たなチームへの異動を余儀なくされたことについて、「TSMを木っ端みじんに粉砕することで返礼とする」と豪語している。彼と同じぐらいアクが強いと言われるOlleh選手とのコンビで立ちふさがる全てのチームを打倒し、TLに悲願の優勝をもたらすことができるのだろうか?
・トップ:Jung “Impact” Eon-yeong (정언영)
・ジャングル:Jake “Xmithie” Puchero
・ミッド:Eugene “Pobelter” Park
・ADC:Yiliang “Doublelift” Peng
・サポート:Kim “Olleh” Joo-sung (김주성)
・ヘッドコーチ:Jang “Cain” Nu-ri (장누리)
※写真は、http://www.lolesports.com/en_US/articles/2018-na-lcs-spring-split-almost-here より
元NBAトッププレイヤーの一人であるRick Fox氏がオーナーを務めるチーム。もともとはRick Fox氏が2016年にGravityというチームをメンバーごと買い取り、チーム名をリブランドしてNA LCSに参戦したのが始まりだ。プロゲーミング組織としても多くのタイトルのプロ選手と契約を結んでおり、日本のプロ格闘ゲーマーであるときど選手やももち選手の所属する組織として名前を聞いたことがある人もいるだろう。
LCSでの成績はお世辞にも良いとは言えず、参戦以来毎シーズン降格圏という状況だった。とはいえ2018シーズンは一世を風靡したプレイヤーを集めることに成功しており、昨年までの姿を払拭する可能性も十分にある。
■注目のプレイヤー:Huni
昨年SKTの一員として世界大会を戦ったトップレーナー。2015年にFnaticで衝撃的なデビューを果たし、その後北米、韓国と各リーグで実績を挙げ続けてきた歴戦のプレイヤーだ。今回の移籍については北米に世界王者の冠をもたらすことが目標とコメントを残している。はからずも、かつてFnaticで世界大会ベスト4を取った同僚であるReignover選手・Febiven選手と北米リーグで戦うことになったが、攻撃的なプレイスタイルを貫く闘志は十分なようだ。
・トップ:Heo “Huni” Seung-hoon (허승훈)
・ジャングル:Joshua “Dardoch” Hartnett
・ミッド:Kim “FeniX” Jae-hun (김재훈)
・ADC:Johnny “Altec” Ru
・サポート:Adrian “Adrian” Ma
・ヘッドコーチ:Nick “Inero” Smith
※写真は、https://twitter.com/FlyQuestSports/status/936359701805072384 より
もともとはCloud9の二部チームが昇格・売却と改名を経て2017春シーズンからLCSに参戦しているのがFlyQuestというチームだ。昨年は元Cloud9のメンバーを主軸とした中堅チームという結果に終わったが、フランチャイズ制へ移行した今シーズンはWildturtle選手以外の4ポジションを入れ替える大幅なメンバーチェンジを行っている。
元Immortalsの選手陣に韓国のKT Rolsterにも所属していたFly選手を加えて基本ラインの充実を図り、さらにコーチとしてEDGやSKTでキャリアを積んだRapidStar氏を加えて戦略面も大きな補強を行った。上位を狙う新規チームや強豪を相手にどこまで戦えるか、参入2年目の戦いが始まる。
■注目のプレイヤー:Fly
KT Rolster、Longzh Gamingといった韓国のチームでミッドレーンを務めてきたプレイヤー。幅広く、かつプロの試合ではあまり使用されないチャンピオンに習熟していることで知られており、時に意表を突く選択で勝利をもぎ取ることができる。チームメイトはトップレーンのFlame選手、ボットレーンのWildTurtle選手ともに北米で十分な結果を残しているプレイヤーでもある。これまでの北米リーグ史上最も激しい戦いが予想される2018シーズンにおいて彼が独自の存在感を発揮できるか、チームがどのような形で仕上がるのか楽しみなことになりそうだ。
・トップ:Lee “Flame” Ho-jong (이호종)
・ジャングル:Andy “AnDa” Hoang
・ミッド:Song “Fly” Yong-jun (송용준)
・ADC:Jason “WildTurtle” Tran
・サポート:William “Stunt” Chen
・ヘッドコーチ:Robert Yip
※写真は、https://twitter.com/clgaming/status/934920298490556416 より
Team SoloMidと並び立つ北米最古参のチームであり、積年のライバルとして人気を二分している強豪。
かつては優勝争いからは縁遠い時期もあったが、2015シーズンから一気に浮上し名実ともに強豪の位置を占めるようになった。練達のジャングラーXmithie選手を失い、チームの変革の一環としてaphromoo選手を放出したが、Reignover・Biofrost選手の獲得に成功している。いずれも十分な実績を持つプレイヤーであり、2018シーズンを戦い抜くための大きな戦力となってくれるはずだ。多くの新規チームが莫大な資金を元に実績のある選手やコーチを揃えている中、迎え撃つ古豪チームもその真価を問われる年になりそうだ。
■注目のプレイヤー:Biofrost
もともとはTSMのトライアウトで見いだされ一部リーグデビューを果たした若手選手。Doublelift選手のパートナーとして1年半をTSMで過ごし、2度の世界大会に挑んだがいずれもグループステージ突破は成らなかった。TSMがボットレーンを丸ごと入れ替えたためにチームを離れることとなったが、長期的なキャリアを考えれば複数のチームに所属し、その一員として戦うことは大きなプラスになるだろう。
TSMでは一番の若手ということで自らのカラーを出していくことが難しい環境にあったのも確かで、今シーズン新たなチームでどのような活躍を見せてくれるのか楽しみな選手のひとりだ。かつてのパートナーであるDoublelift選手が「ラッシュアワー」と呼ばれ活躍したCLGで、「シャンハイ・ヌーン」の幕が上がろうとしている。
・トップ:Darshan “Darshan” Upadhyaya
・ジャングル:Kim “Reignover” Yeu-jin (김의진)
・ミッド:Choi “Huhi” Jae-hyun (최재현)
・ADC:Trevor “Stixxay” Hayes
・サポート:Vincent “Biofrost” Wang
・ヘッドコーチ:Tony “Zikz” Gray
※写真は、http://www.lolesports.com/en_US/articles/2018-na-lcs-spring-split-almost-here より
公認トップリーグLCSが始まったSeason 3に新星として現れた強豪、それがCloud9だ。このチームは以来ほとんどのシーズンで北米リーグにおけるトップ争いに参加し、世界大会へも出場を続けている。多くのチームが立ち上がっては解散・降格している北米において、結果を出し続けているという点でも稀有なチームのひとつと言えるだろう。
創立時のメンバーはSneaky選手を除いて他のチームへと移籍していったが、新たな選手を見出してチームとして機能しつづけて来たこのチームであれば、大きなメンバー変更は不安要素にはなりづらい。かつてCloud9を強豪として盛り立てたHai選手やLemonNation選手、Meteos選手は今シーズンが互いにライバルとして戦うという点も一つの楽しみである。
■注目のプレイヤー:Jensen
Hai選手の後継者としてCloud9へとやってきた欧州出身のミッドレーナー。チーム加入当初はうまくなじめずに苦戦していた時期もあったが、現在ではチームの主軸として世界で戦える選手へと成長した。今年のメンバーも昨年から続投しているチームメイトやCloud9の2部チームから上がってきた選手、ベテランのジャングルが揃っており不安材料はほぼ無い状態だ。強豪と野心ある新チームが割拠する2018シーズンの北米リーグであっても、揺るがない強さを見せてくれることを期待したい。
・トップ:Eric “Licorice” Ritchie
・ジャングル:Dennis “Svenskeren” Johnsen
・ミッド:Nicolaj “Jensen” Jensen
・ADC:Zachary “Sneaky” Scuderi
・サポート:Andy “Smoothie” Ta
・ヘッドコーチ:Bok “Reapered” Han-gyu (복한규)
ここまで6チームを紹介した。記事後半ではリーグのフランチャイズ化に伴い、新規参入したチームを紹介する。
©2017 Riot Games, Inc. All rights reserved.
■LoL 2018春プロシーン特集
【LoL 2018春プロシーン特集】変わらない最強を目指して。韓国トップリーグLCK開幕
(前編)【LoL 2018春プロシーン特集】伝統と革新の発信地、EU LCS開幕
(後編)【LoL 2018春プロシーン特集】伝統と革新の発信地、EU LCS開幕
■関連リンク
『リーグ・オブ・レジェンド』
http://jp.leagueoflegends.com/
NA LCS 2018 Spring Split 開催概要(英語)
http://www.lolesports.com/en_US/articles/2018-na-lcs-spring-split-almost-here
NA Academy League 開催概要(英語)
http://www.lolesports.com/en_US/articles/2018-academy-league-spring-split
LoL Esports NA LCS 試合スケジュール(英語)
http://www.lolesports.com/en_US/na-lcs/na_2018_spring/schedule/regular_season/1
LoL Esports NA Academy League 試合スケジュール(英語)
http://www.lolesports.com/en_US/na-academy/na_academy_2018_spring/schedule/regular_season/1
LoL Esports 公式グローバル配信チャンネル(英語配信)
https://www.youtube.com/channel/UCvqRdlKsE5Q8mf8YXbdIJLw
LoL Esports 公式Twitter(英語)
https://twitter.com/lolesports
2018シーズンから、北米リーグは大きな変化を迎えることとなった。リーグをフランチャイズ化し、参加権を購入できたチームによるリーグへと再編されることとなったのだ。降格のリスクを負わなくなったことで、参加チームは長期的な育成や経営が可能になる。一部リーグ参加チームは育成チームを立ち上げ、サブリーグとなる「NA Academy League」へ並行して参加することも必須となった。Academy Leagueの参加選手は一部チームのサブとしても起用できるため、参加組織が実践的な選手育成を行えるシステムに変わったといえるだろう。
一方で参加権は決して安い買い物ではなく、人気を得られないチームは採算割れを起こしてしまうことも十分にありえる。また北米のチームは国際的な大会でよい結果を残せていないため、投資に見合った結果を出せるのかが問われることにもなる。
新体制1年目の北米リーグは果たして成功するのか失敗するのか、大きな岐路に立っている状況だ。
Team SoloMid
※写真は、https://twitter.com/TeamSoloMid/status/953454409517735937 より
北米においてもっとも成功しているチームのひとつであり、過去の実績・ファンの規模ともに最大。北米リーグではつねにプレイオフの決勝戦まで進んでおり、『LoL』を代表するチームと言える。北米での華々しい活躍と裏腹に、世界大会ではグループステージで足踏みをしている状態を続けており、国際的な大会における北米の苦戦をも象徴してしまっているのは苦しいところだろう。
創立者にしてチームのミッドレーナーでもあったReginald氏の運営手腕は確かで、メンバーを入れ替えながらその位置を守り続けているのはさすがのひと言だが、国際大会での躍進を目指した今年の補強の結果はどうなるだろうか?
■注目のプレイヤー:MikeYeung選手
TSMにとって、ジャングラーはSeason 4以来の頭痛のタネだった。ヨーロッパから多くの優秀な選手を招いてきたが、悲願であるグループステージ突破はできずにいたのだ。今年から加入したMikeYeung選手は北米出身のプレイヤーであり、昨年デビューした新人でもある。今後の北米を代表する選手としてReginald氏が期待しているのは間違いない。彼に見いだされ、TSMで頭角を現したプレイヤーは多い。トップのHauntzer選手、今やTSMそのものと言えるミッドのBjergsen選手、チームを去りはしたものの、TSMで輝かしいデビューを飾ったBiofrost選手のように飛躍できるのか、チームのみならず北米リーグの行く末を占う選手の一人と言えるだろう。
・トップ:Kevin “Hauntzer” Yarnell
・ジャングル:Mike “MikeYeung” Yeung
・ミッド:Søren “Bjergsen” Bjerg
・ADC:Jesper “Zven” Svenningsen
・サポート:Alfonso “Mithy” Aguirre Rodríguez
・ヘッドコーチ:Kim “SSONG” Sang-soo (김상수)
Team Liquid
※写真は、https://twitter.com/lolesports/status/951222118934441984 より
Team Liquidはその前身であるCurse Gaming時代から長い苦闘の歴史をファンとともに共有してきた。TSMやCloud9、CLGといったチームが華々しく活躍する陰であと一歩届かないチーム、それがTLだったのだ。2014年にはSeason 3の世界王者SKTでADCを務めたPiglet選手を招き、さらに多くの補強を繰り返してきたが、2017シーズン終了に至るまでリーグ制覇、世界大会出場のいずれも実現できずにいる。
フランチャイズ化によって参戦チームが大きく様変わりした2018シーズンの開幕に向けて、TLはすべてのメンバーを入れ替えるという大規模な改革により新生を図った。昨年まで北米の台風の目として猛威を振るったImmortalsを実質的な核として、全ポジションを昨年の世界大会出場選手で固めており、北米のドリームチームと言っても過言ではない。ただし、黎明期からいまに至るまで、ドリームチームと呼ばれたチームがその期待どおりの結果を残したことがないのも『LoL』というゲームだ。シーズン恒例の「今年のLiquidは一味違う」が去年までと異なる結果を迎えられるのか、困難な挑戦が始まろうとしている。
■注目のプレイヤー:Doublelift選手
最年長クラスの選手にして北米有数のADCの一人であり、北米のADCを代表するプレイヤー。CLGやTSMといった名門を渡り歩き、北米リーグ優勝を経て幾度となく世界大会に挑んできた古強者でもある。トラッシュトーク(挑発的な発言などによるパフォーマンス)でも知られる彼は、TSMのメンバー変更によって新たなチームへの異動を余儀なくされたことについて、「TSMを木っ端みじんに粉砕することで返礼とする」と豪語している。彼と同じぐらいアクが強いと言われるOlleh選手とのコンビで立ちふさがる全てのチームを打倒し、TLに悲願の優勝をもたらすことができるのだろうか?
・トップ:Jung “Impact” Eon-yeong (정언영)
・ジャングル:Jake “Xmithie” Puchero
・ミッド:Eugene “Pobelter” Park
・ADC:Yiliang “Doublelift” Peng
・サポート:Kim “Olleh” Joo-sung (김주성)
・ヘッドコーチ:Jang “Cain” Nu-ri (장누리)
Echo Fox
※写真は、http://www.lolesports.com/en_US/articles/2018-na-lcs-spring-split-almost-here より
元NBAトッププレイヤーの一人であるRick Fox氏がオーナーを務めるチーム。もともとはRick Fox氏が2016年にGravityというチームをメンバーごと買い取り、チーム名をリブランドしてNA LCSに参戦したのが始まりだ。プロゲーミング組織としても多くのタイトルのプロ選手と契約を結んでおり、日本のプロ格闘ゲーマーであるときど選手やももち選手の所属する組織として名前を聞いたことがある人もいるだろう。
LCSでの成績はお世辞にも良いとは言えず、参戦以来毎シーズン降格圏という状況だった。とはいえ2018シーズンは一世を風靡したプレイヤーを集めることに成功しており、昨年までの姿を払拭する可能性も十分にある。
■注目のプレイヤー:Huni
昨年SKTの一員として世界大会を戦ったトップレーナー。2015年にFnaticで衝撃的なデビューを果たし、その後北米、韓国と各リーグで実績を挙げ続けてきた歴戦のプレイヤーだ。今回の移籍については北米に世界王者の冠をもたらすことが目標とコメントを残している。はからずも、かつてFnaticで世界大会ベスト4を取った同僚であるReignover選手・Febiven選手と北米リーグで戦うことになったが、攻撃的なプレイスタイルを貫く闘志は十分なようだ。
・トップ:Heo “Huni” Seung-hoon (허승훈)
・ジャングル:Joshua “Dardoch” Hartnett
・ミッド:Kim “FeniX” Jae-hun (김재훈)
・ADC:Johnny “Altec” Ru
・サポート:Adrian “Adrian” Ma
・ヘッドコーチ:Nick “Inero” Smith
FlyQuest
※写真は、https://twitter.com/FlyQuestSports/status/936359701805072384 より
もともとはCloud9の二部チームが昇格・売却と改名を経て2017春シーズンからLCSに参戦しているのがFlyQuestというチームだ。昨年は元Cloud9のメンバーを主軸とした中堅チームという結果に終わったが、フランチャイズ制へ移行した今シーズンはWildturtle選手以外の4ポジションを入れ替える大幅なメンバーチェンジを行っている。
元Immortalsの選手陣に韓国のKT Rolsterにも所属していたFly選手を加えて基本ラインの充実を図り、さらにコーチとしてEDGやSKTでキャリアを積んだRapidStar氏を加えて戦略面も大きな補強を行った。上位を狙う新規チームや強豪を相手にどこまで戦えるか、参入2年目の戦いが始まる。
■注目のプレイヤー:Fly
KT Rolster、Longzh Gamingといった韓国のチームでミッドレーンを務めてきたプレイヤー。幅広く、かつプロの試合ではあまり使用されないチャンピオンに習熟していることで知られており、時に意表を突く選択で勝利をもぎ取ることができる。チームメイトはトップレーンのFlame選手、ボットレーンのWildTurtle選手ともに北米で十分な結果を残しているプレイヤーでもある。これまでの北米リーグ史上最も激しい戦いが予想される2018シーズンにおいて彼が独自の存在感を発揮できるか、チームがどのような形で仕上がるのか楽しみなことになりそうだ。
・トップ:Lee “Flame” Ho-jong (이호종)
・ジャングル:Andy “AnDa” Hoang
・ミッド:Song “Fly” Yong-jun (송용준)
・ADC:Jason “WildTurtle” Tran
・サポート:William “Stunt” Chen
・ヘッドコーチ:Robert Yip
Counter Logic Gaming
※写真は、https://twitter.com/clgaming/status/934920298490556416 より
Team SoloMidと並び立つ北米最古参のチームであり、積年のライバルとして人気を二分している強豪。
かつては優勝争いからは縁遠い時期もあったが、2015シーズンから一気に浮上し名実ともに強豪の位置を占めるようになった。練達のジャングラーXmithie選手を失い、チームの変革の一環としてaphromoo選手を放出したが、Reignover・Biofrost選手の獲得に成功している。いずれも十分な実績を持つプレイヤーであり、2018シーズンを戦い抜くための大きな戦力となってくれるはずだ。多くの新規チームが莫大な資金を元に実績のある選手やコーチを揃えている中、迎え撃つ古豪チームもその真価を問われる年になりそうだ。
■注目のプレイヤー:Biofrost
もともとはTSMのトライアウトで見いだされ一部リーグデビューを果たした若手選手。Doublelift選手のパートナーとして1年半をTSMで過ごし、2度の世界大会に挑んだがいずれもグループステージ突破は成らなかった。TSMがボットレーンを丸ごと入れ替えたためにチームを離れることとなったが、長期的なキャリアを考えれば複数のチームに所属し、その一員として戦うことは大きなプラスになるだろう。
TSMでは一番の若手ということで自らのカラーを出していくことが難しい環境にあったのも確かで、今シーズン新たなチームでどのような活躍を見せてくれるのか楽しみな選手のひとりだ。かつてのパートナーであるDoublelift選手が「ラッシュアワー」と呼ばれ活躍したCLGで、「シャンハイ・ヌーン」の幕が上がろうとしている。
・トップ:Darshan “Darshan” Upadhyaya
・ジャングル:Kim “Reignover” Yeu-jin (김의진)
・ミッド:Choi “Huhi” Jae-hyun (최재현)
・ADC:Trevor “Stixxay” Hayes
・サポート:Vincent “Biofrost” Wang
・ヘッドコーチ:Tony “Zikz” Gray
Cloud9
※写真は、http://www.lolesports.com/en_US/articles/2018-na-lcs-spring-split-almost-here より
公認トップリーグLCSが始まったSeason 3に新星として現れた強豪、それがCloud9だ。このチームは以来ほとんどのシーズンで北米リーグにおけるトップ争いに参加し、世界大会へも出場を続けている。多くのチームが立ち上がっては解散・降格している北米において、結果を出し続けているという点でも稀有なチームのひとつと言えるだろう。
創立時のメンバーはSneaky選手を除いて他のチームへと移籍していったが、新たな選手を見出してチームとして機能しつづけて来たこのチームであれば、大きなメンバー変更は不安要素にはなりづらい。かつてCloud9を強豪として盛り立てたHai選手やLemonNation選手、Meteos選手は今シーズンが互いにライバルとして戦うという点も一つの楽しみである。
■注目のプレイヤー:Jensen
Hai選手の後継者としてCloud9へとやってきた欧州出身のミッドレーナー。チーム加入当初はうまくなじめずに苦戦していた時期もあったが、現在ではチームの主軸として世界で戦える選手へと成長した。今年のメンバーも昨年から続投しているチームメイトやCloud9の2部チームから上がってきた選手、ベテランのジャングルが揃っており不安材料はほぼ無い状態だ。強豪と野心ある新チームが割拠する2018シーズンの北米リーグであっても、揺るがない強さを見せてくれることを期待したい。
・トップ:Eric “Licorice” Ritchie
・ジャングル:Dennis “Svenskeren” Johnsen
・ミッド:Nicolaj “Jensen” Jensen
・ADC:Zachary “Sneaky” Scuderi
・サポート:Andy “Smoothie” Ta
・ヘッドコーチ:Bok “Reapered” Han-gyu (복한규)
ここまで6チームを紹介した。記事後半ではリーグのフランチャイズ化に伴い、新規参入したチームを紹介する。
執筆:山口佐和子
執筆協力:ユラガワ
©2017 Riot Games, Inc. All rights reserved.
■LoL 2018春プロシーン特集
【LoL 2018春プロシーン特集】変わらない最強を目指して。韓国トップリーグLCK開幕
(前編)【LoL 2018春プロシーン特集】伝統と革新の発信地、EU LCS開幕
(後編)【LoL 2018春プロシーン特集】伝統と革新の発信地、EU LCS開幕
■関連リンク
『リーグ・オブ・レジェンド』
http://jp.leagueoflegends.com/
NA LCS 2018 Spring Split 開催概要(英語)
http://www.lolesports.com/en_US/articles/2018-na-lcs-spring-split-almost-here
NA Academy League 開催概要(英語)
http://www.lolesports.com/en_US/articles/2018-academy-league-spring-split
LoL Esports NA LCS 試合スケジュール(英語)
http://www.lolesports.com/en_US/na-lcs/na_2018_spring/schedule/regular_season/1
LoL Esports NA Academy League 試合スケジュール(英語)
http://www.lolesports.com/en_US/na-academy/na_academy_2018_spring/schedule/regular_season/1
LoL Esports 公式グローバル配信チャンネル(英語配信)
https://www.youtube.com/channel/UCvqRdlKsE5Q8mf8YXbdIJLw
LoL Esports 公式Twitter(英語)
https://twitter.com/lolesports