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【LoL 2018春プロシーン特集】変わらない最強を目指して。韓国トップリーグLCK開幕

韓国──『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)において、それは「最強地域」を意味する言葉だ。今年で8年目を迎える『LoL』プロシーンにおいて、韓国は世界大会優勝チームを5年連続で輩出しており、一般プレイヤーの技量も非常に高い地域として知られている。そのレベルの高さは、各国のプロチームがオフシーズンや国際大会前にこぞって強化合宿を行うほどだ。


そんな最強地域の頂点を争うトップリーグが、公認一部リーグ「League of Legends Champions Korea」、通称LCKとなる。年が明けて続々と各地のプロシーンが開幕予定の中で、早くも1月16日に開幕するLCK Spring Split。プロシーンの歴史が積み重ねられていくにしたがい、この地域にも徐々にではあるが世代交代の波が押し寄せつつある。若手とベテランが入り混じりつつ頂点を目指して争うチームたちを、さっそく見ていこう。

Kongdoo Monster


・2017 LCK Spring Season 10位
・2017 LCK Summer Promotion 降格
・2018 LCK Spring Promotion 昇格
・2017 LoL KeSPA Cup 13~20位

韓国のeSportsマネジメント企業KONGDOOがタイトルスポンサーを務めるこのチームは、かつての強豪NaJinの系譜を受け継ぐチームでもある。実力としては残念ながら、2016年から「春の終わりに降格して夏の終わりに昇格」を繰り返している。最下位2チームが二部リーグとの入替戦に臨むシステムを持つトップリーグにおいて、「降格圏のチームはリーグにいられる実力がない」のは明白だ。
降格圏脱出を目指して、昨年のメンバーから一部選手の入れ替え、さらに新コーチの就任といった補強を行っている。

・トップ:キム”Roach”ガンヒ(김강희)
・ジャングル:オ“Raise”ジファン (오지환) / ナ“U Jun”ユジュン (나유준)
・ミッド:イ”Edge”ホソン(이호성) / チェ“Han”ヒョヌ (최현우)
・ADC:ソ”SSol”ジンソル(서진솔)
・サポート:パク”Secret”ギソン (박기선)
・コーチ:チョンジョンヒ(천정희)
・監督:チャン”MC”ミンチョル(장민철)

■注目プレイヤー:Roach選手
昨シーズンからKMに残ったのはミッドのEdge選手、ADCのSSol選手、そしてこのトップRoach選手の3名だ。この3名はチームがNaJinの名を冠していた頃から在籍し続けており、チームの屋台骨といっていいメンバーとなる。
Roach選手はどちらかといえば縁の下の力持ち的なプレイスタイルで、チームを勝利へ向けてグイグイと引っ張るタイプではない。つねに変わりゆくメタゲームからも、トップレーナーの「引き出しの多さ」がチームの実力に直接響いてくるのが昨今の『LoL』だ。降格圏脱出には個人とチーム全体の大きな成長が求められるだろう。

ROX Tigers


※写真はhttps://twitter.com/roxgaming_jp/status/947422086334636033より

・2017 LCK Spring Season 6位
・2017 LCK Summer Season 7位
・2017 LoL KeSPA Cup 9~12位

かつて世界大会でSKTと覇を競い合ったメンバーが全員脱退し、2016シーズン終了時にチームの再構築を余儀なくされたROX。再出発となった2017シーズンの結果はまずまずで、春夏ともにプレイオフ進出はならなかったが、下位チームからの脱出には成功した。
このオフシーズンには2012年よりプロとして活動してきた大ベテランであるトップのShy選手が引退したものの他選手はそのまま残留しており、さらにJAGに在籍していたミッドKuzan選手を獲得している。

・トップ:ホ”Lindarang”マヌン(허만흥)
・ジャングル:ユン”Seonghwan”ソンファン(윤성환) / キム “Mightybear” ミンス (김민수)
・ミッド:キム“Lava”テフン(김태훈) / イ”Kuzan”ソンヒョク(이성혁)
・ADC:クォン”Sangyoon”サンユン(권상윤)
・サポート:キム”KeY”ハンギ(김한기)
・コーチ:キム“Emperor”ジニョン (김진현)
・監督:カンヒョンジョン(강현종)

■注目プレイヤー:Emperorコーチ
今年のROXはスタッフに大きな変更を行った。シンヒョクコーチのBBQ移籍にともなって新たに加入したEmperorコーチは、現役時代に世界中のチームを選手として渡り歩いてきた人物だ。ブラジル、北米、ヨーロッパ、タイのチームでのプレイ経験があり、特に2016年春のEU LCSではG2 EsportsのADCとしてスプリット優勝に貢献している。コーチ就任は初めてとなるが、豊富な経験が今後のROXにどう活きるだろうか。

bbq Olivers


※写真はhttps://twitter.com/bbqolivers/status/943108612498472961より

・2017 LCK Spring Season 8位
・2017 LCK Summer Season 9位
・2018 LCK Spring Promotion 残留
・2017 LoL KeSPA Cup 9~12位

一昨年よりLCKに参加しているが、降格圏ギリギリのところで低空飛行を続ける新興チームがBBQだ。とはいえADCのGhost選手はかつての名門「CJ Entus」の若き秘蔵っ子であり、ミッドのTempt選手は昨シーズンにひときわ輝くプレイを見せてくれたことから、磨けば光る逸材を揃えている。
オフシーズンの補強としてヨーロッパで活躍した選手2名を迎え入れているほか、コーチを1名から2名に増員した点にも注目したい。LCKの上位チームと下位チームの違いとして、コーチの人数があるからだ。

・トップ:キム”Crazy”ジェヒ(김재희)
・ジャングル:キム“Trick”ガンユン (김강윤) / キム“bono”ギボム (김기범)
・ミッド:カン”Tempt”ミョング(강명구)
・ADC:チャン”Ghost”ヨンジュン(장용준)
・サポート:イ“IgNar”ドングン(이동근)
・コーチ:キム”Ares”ミングォン(김민권) / シン“Xero”ヒョク (신혁)
・監督:キムガラム(김가람)

■注目プレイヤー:IgNar選手
欧米のチームを渡り歩いた末にLCKに戻ってきた韓国人サポートで、昨年はEU LCS参加チームMisfitsに所属していた。彼の活躍として記憶に新しいのは、なんといっても2017年世界大会の準々決勝「SKT vs MSF」だろう。アーデントセンサーメタから受動的なプレイが多く見られた環境の中、IgNar選手の冴え渡るプレイメイクが積極的な試合の組み立ての要となっていた。
同時に加入したジャングラーのTrick選手も、EU LCSチームG2 Esportsの躍進に大きく貢献した韓国人選手であり、欧米でキャリアアップを果たして戻ってきたこの2名の活躍に期待したい。

MVP


※写真はhttps://lol.gamepedia.com/MVP より

・2017 LCK Spring Season 4位
・2017 LCK Spring Playoffs 5位
・2017 LCK Summer Season 8位
・2017 Season Korea Regional Finals 4位
・2017 LoL KeSPA Cup 5~8位

2016年夏より一部昇格を果たしたMVPだが、昨年夏の結果は降格圏ギリギリと期待ハズレのものだった。上位チームには歯が立たず、下位チーム相手であってもずるずると主導権をもぎ取れない試合を長時間続け、勝ちを譲ってしまうこともあるという有様。
それでもこのオフシーズン、選手・コーチ陣は全員が組織に留まる決断を下した。ヨーロッパ二部チーム帰りのADCであるPilot選手が新たに加わった点のみが変更となる。

・トップ:カン”ADD”ゴンモ(강건모)
・ジャングル:キム”Beyond”ギュソク(김규석)
・ミッド:アン”Ian”ジュニョン(안준형)
・ADC:ナ“Pilot”ウヒョン (나우형) / オ”MaHa”ヒョンシク(오현식)
・サポート:チョン”Max”ジョンビン(정종빈)
・コーチ:イ”Saroo”ジョンウォン(이종원)
・監督:クォン”Hell”ジェファン(권재환)

■注目プレイヤー:ADD選手
サイオンの名手として知られるトップレーナー。その時々のメタにもよるが、基本的には「集団戦で率先して敵中へと突入して暴れまわる」タイプのチャンピオンを得意としている。オフシーズンの11月末に行われたKeSPA Cupにおいては、新ルーンシステムの「秘儀の彗星」をサイオンに採用した試合で勝率100%を叩き出している。
新ルーンに適応していち早く新戦略を示したトップレーナーのひとりとして、どのような活躍を見せてくれるだろうか。

Jin Air Greenwings


※写真はhttps://twitter.com/HwaHH/status/943691921867751424 より

・2017 LCK Spring Season 9位
・2017 LCK Summer Promotion 残留
・2017 LCK Summer Season 6位
・2017 LoL KeSPA Cup 5~8位

昨年は春の入替戦行きという厳しい結果からスタートしたJAG。メンバーを変えずに臨んだ夏には中堅どころまで上がることができ、ホッと一息つけたことだろう。
その後のKeSPA Cupでは上位チームに次ぐ結果を出せており、2017年を上調子で締めくくることができた。オフシーズンではKuzan選手の抜けたミッドに元LZのJustice選手とGrace選手を据えたほか、サポートに世界大会優勝チームSSGのサブサポートであったWraith選手、NA LCSチームPhoenix1など他地域で辣腕を振るったFlyコーチらが加入している。

・トップ:キム”SoHwan”ジュニョン(김준영)
・ジャングル:オム”UmTi”ソンヒョン(엄성현)
・ミッド:ユン“Justice”ソクジュン (윤석준)
・ADC:パク”Teddy”ジンソン(박진성) / イ“Grace”チャンジュ(이찬주)
・サポート:クォン”Wraith”ジミン(권지민)
・コーチ:キム“Fly”サンチョル(김상철)
・監督:ハン“H-Dragon”サンヨン(한상용)

■注目プレイヤー:Wraith選手
2015年からSSGに所属し続けたWraith選手だが、2016年より加入したCoreJJ選手とは使い分けの形を取られていた。
過去のインタビュー(英語)によると、公式試合で起用するサポートを決めるために練習試合でのパフォーマンスや態度を比較されていたとのことで、本人にとってはフラストレーションがあったのかもしれない。一部リーグでの競技歴が短いADCたちを支えるサポートとして、これ以上の人選はないはずだ。

Afreeca Freecs


※写真は、https://twitter.com/Freecs_LoL/status/951680953381826560 より

・2017 LCK Spring Season 4位
・2017 LCK Spring Playoffs 5位
・2017 LCK Summer Season 5位
・2017 LCK Summer Playoffs 5位
・2017 Season Korea Regional Finals 3位

「王者SKTキラー」として名高い中堅チームだが、昨年は今一歩のところで上位チームに上がれないという結果に終わってしまった。
オフシーズンには看板選手であったトップのMaRin選手が脱退してファンを不安にさせたが、Kiin、Summitという若手2名でその空白を埋めた。ほか、ミッドのRuby選手とADCのAiming選手も若手であり、新しい世代の選手を積極的に迎え入れて10マンロースターを作り上げている。

・トップ:キム“Kiin”ギイン(김기인) / パク“Summit”ウテ (박우태)
・ジャングル:イ”Spirit”ダユン(이다윤) / イ”Mowgli”ジェハ(이재하)
・ミッド:イ”Kuro”ソヘン(이서행) / イ“Ruby”ソルミン (이솔민)
・ADC:キム“Aiming”ハラム (김하람) / ハ”Kramer”ジョンフン(하종훈)
・サポート:パク”TusiN”ジョンイク(박종익) / ソン“Jelly”ホギョン(손호경)
・コーチ:イム“Ccomet”ヘソン (임혜성) / イ“Zefa”ジェミン (이재민)
・監督:チェ”iloveoov”ヨンソン(최연성)

■注目プレイヤー:Summit選手
2016年に忠清南道(チュンチョンナムド)チームの一員としてKeSPA Cupに出場した経歴を持つ19歳のトップレーナー。2017年のKeSPA Cupではスターターとして試合に臨んだが、良い結果を残すことはできなかった。
元Ever8のKiin選手とSummit選手のどちらがスターターなのかはまだ定かではないが、MaRin選手が抜けたことで生じた大きな穴を埋めるために選ばれた若手の成長に期待したい。

KING-ZONE DragonX(旧LZ)


※写真は、https://twitter.com/KINGZONEDX/status/944559545535283201 より

・2017 LCK Spring Season 7位
・2017 LCK Summer Season 1位
・2017 LCK Summer Playoffs 優勝
・2017 Season World Championship 準々決勝敗退
・2017 LoL KeSPA Cup 準優勝

昨年夏に破竹の快進撃を見せたLongzhu Gamingだが、世界大会準々決勝では同郷のSSG相手に完敗を喫することとなった。その後のKeSPA CupではKT相手に優勝カップ争いを繰り広げ、トップチームの意地を見せている。
母体組織の経営悪化から、昨年6月にKeSPAが運営委託(韓国語)を請けていたが、2018年1月8日に中国のスマートフォンメーカー「Kingzone」がチームを獲得し、チーム名を「KING-ZONE DragonX(KZ)」にリブランドした。選手だけでなくチームスタッフごと獲得の上、コーチを1名増員する補強も行っている。

・トップ:キム “Khan” ドンハ(김동하) / キム “Rascal”グァンヒ(김광희)
・ジャングル:ムン “Cuzz” ウチャン(문우찬) / ハン“Peanut”ワンホ (한왕호)
・ミッド:クァク”Bdd”ボソン(곽보성)
・ADC:キム”PraY”ジョンイン(김종인)
・サポート:カン”GorillA”ボミョン(강범현)
・コーチ:チェ“supreme”スンミン(최승민) / ヨン“Sin”ヒョンモ (연형모)
・監督:カン”Hirai”ドンフン(강동훈)

■注目プレイヤー:Peanut選手
KeSPA Cup期間中の11月26日、ジャングラーPeanut選手の加入が電撃的に発表された。2017年の所属チームはSKTだったものの、それ以前はROXに所属してSKTなど他トップチームに対して高度な戦いを繰り広げていた名ジャングラーがPeanut選手である。
すでに2017シーズンをこのチームでプレイしていたPraY・GorillA両選手とはROX所属時のチームメイトであり、一部とはいえ往時のROXメンバーの再集結にファンが沸き立った。加入発表直後にLZの一員として出場したKeSPA Cupではのびのびと積極的なプレイを見せており、他にも粒ぞろいの選手を揃えるKZの躍進に大きな期待が寄せられる。

kt Rolster


※写真は、https://twitter.com/KTRolster_tw/status/939005030757146625 より

・2017 Spring Season 3位
・2017 LCK Spring Playoffs 2位
・2017 LCK Summer Season 2位
・2017 LCK Summer Playoffs 3位
・2017 Season Korea Regional Finals 2位
・2017 LoL KeSPA Cup 優勝

LCKの古豪であるSKTのライバル(モバイルウォー)として知られているが、これまではつねに二番手・三番手に留まっていたKT。2017シーズン初頭に、韓国最高のスーパースターたちを集めたドリームチームを編成したことで大いに耳目を集めたものの、世界大会への切符を手にすることは叶わなかった。
シーズン終了後のKeSPA Cupでは、上位3チームを打ち破り悲願ともいえる国内タイトルを初めて手にしたことから、そのポテンシャルを証明している。2018シーズンに向けてRush選手とS0NSTARコーチを加わえて監督も交替したが、基本的なラインナップに変更はない。一年間をかけて完成度を高めた真のドリームチームとしてLCK、そして世界を制覇できるかが問われるシーズンとなるだろう。

・トップ:ソン“Smeb”ギョンホ (송경호)
・ジャングル:イ“Rush”ユンジェ (이윤재) / コ“Score”ドンビン (고동빈)
・ミッド:ホ“PawN”ウォンソク (허원석) / ソン“UcaL”ウヒョン (손우현)
・ADC:キム“Deft”ヒョッキュ (김혁규)
・サポート:チョ“Mata”セヒョン(조세형)
・コーチ:チョンジェスン(정제승) / ソン“S0NSTAR”スンイク (손승익)
・監督:オ“ZanDarc”チャンジョン (오창종)

■注目のプレイヤー:Rush選手
北米プロチームの一員として2015~2016年春を過ごした韓国人ジャングラーだが、2016年夏以降はプロ選手としては一線を退いて韓国から配信を行っていた。北米で活動していたことから流暢な英語を話し、欧米での人気も高い。
卓越したハンドスキルを持ち、積極的にキルを取ってチームを勝利へと導くキャリー気質のプレイスタイルで知られる。綺羅星のようなスター選手の中で一体どのような活躍を見せてくれるだろうか。

SK Telecom T1


※写真は、https://twitter.com/sktelecom_t1/status/936546789729058817 より

『LoL』の世界において知らないものはいない、伝説と呼ぶにふさわしいチーム。過去3度の世界大会優勝にくわえ、2015~2016シーズンの世界大会連覇を成し遂げている。2017シーズンは三連覇がかかった世界大会へ出場して決勝戦まで進んだものの、昨年の雪辱を誓うSSGの前に敗れ去った。
ミッドのFaker選手が世界最高の選手の一人であることを疑う者はいないが、時に無謀にも見える強引なトップレーン、スランプに陥り不安定だったボットレーン、メタへの適応に苦しんだジャングルと2017シーズンの世界大会は、彼らにとって決して楽なものではなかった。
そんな中でも勝ちをもぎ取ってきた組織としての強さは底を見せてはいない。王者の再起が成るのか、注目すべきシーズンとなるだろう。

・トップ:パク“Thal”グォニョク(박권혁) / パク“Untara”ウィジン(박의진)
・ジャングル:カン”Blank”ソング(강선구) / パク“Blossom”ボムチャン (박범찬)
・ミッド:イ”Faker”サンヒョク(이상혁)
・ADC:ペ”Bang”ジュンシク(배준식)
・サポート:イ“Effort”サンホ (이상호) / イ”Wolf”ジェワン(이재완)
・コーチ:イ“PoohManDu”ジョンヒョン (이정현) / ペ“Bengi”ソンウン (배성웅)
・監督:キム”kkOma”ジョンギュン(김정균)

■注目のプレイヤー:kkOma監督
昨年のトップレーンを牽引したHuni選手は北米へと去り、チームからの浮きが最後まで解消できなかったジャングラーPeanut選手も他チームへと移籍していった。そんな中で5年間にわたってチームを率いてきたcCarter監督も退任し、これまで戦略面を担当してきたkkOmaコーチが監督へ昇進することとなった。
かつてプレイヤーとしてSKTの黄金時代を築いたPoogManDu・Bengiコーチらを両腕としたこの体制は、韓国プロシーンの世代交代を象徴するものだろう。ヨーロッパ帰りのThal選手、ソウル代表チームに参加していたBlossom選手、練習生から昇格したEffort選手。若手とベテランの力を結集して王国を再建できるかは、kkOma監督の手腕にかかっている。

KSV eSports(旧SSG)


※写真は、https://www.flickr.com/photos/lolesports/38104713586/in/album-72157687976877391/ より

韓国においてKT・SKTと並ぶ強豪に数えられるチーム「Samsung Galaxy」。2014年世界王者の冠をいただいたものの、2015シーズン前の選手流出による事実上の解体を経た後にチームを再建した。再建後のチームが軌道に乗った2016年は世界大会で決勝まで上り詰めるも、SKTの連覇を目の前で見届けることとなった。
そして迎えた2017シーズン、あと一歩届かなかった悔しさと雪辱に燃えた彼らは、どのチームよりも研究と研鑽を重ねて決勝戦でSKTを完膚なきまでに叩きのめし、リベンジを果たしたのだ。
ひたむきな実力者集団である彼らだが、チームがまるごと買収され「KSV eSports」と名を改めることになった。昨年のように戦い続けられるのか、多くのファンにとっては心配となる点だろう。いみじくもFaker選手が言うように「SKTに一度勝つだけでは伝説たりえない」のだ。頂点に立つものとして、挑戦者たちを迎え撃つシーズンが始まろうとしている。

・トップ:イ”CuVee”ソンジン(이성진)
・ジャングル:カン”Ambition”チャニョン(강찬용) / カン”Haru”ミンスン(강민승)
・ミッド:イ”Crown”ミノ(이민호)
・ADC:パク”Ruler”ジェヒョク(박재혁)
・サポート:チョ”CoreJJ”ヨンイン(조용인)
・コーチ:チュ”oDin”ヨンダル(주영달) / ヨ”TrAce”チャンドン(여창동)
・監督:チェ”Edgar”ウボム(최우범)

■注目のプレイヤー:CuVee選手
昨シーズンに「万能最強のトップレーナー」の名をほしいままにしたのがCuVee選手だ。そのチャンピオンプールは広く、シェンやマオカイなどでの味方支援、クレッドやレネクトンなどではレーンで特定の相手を完封、ジェイスやジャーヴァンIVなどではチームを勝利へ引っ張る役目……あらゆるチャンピオンで求められる戦術をほぼ完璧にこなす稀有なトップレーナーである。新たなチーム名のもとに、新たな伝説を築き上げられるだろうか。

試合日程


※写真は、https://twitter.com/KeSPAen/status/950197066684235777 より

LCK Spring Splitのレギュラーシーズンは1月16日~3月25日の約3か月間にわたって繰り広げられる(2月12~19日の週は中休み)。配信は毎週日・火・水・木・土曜で、17時より第一対戦、20時より第二対戦が予定されている(日本時間)。

フォーマットはダブルラウンドロビン(同じ対戦カードが2回ある総当たり戦)となっており、各対戦はBo3(2本先取制)。レギュラーシーズンの総当たり戦が終了すると、上位5チームが春のプレイオフへ出場する流れだ。

プレイオフ優勝チームは例年5月のゴールデンウィーク頃開催されている国際大会「Mid-Season Invitational」に韓国代表として出場することとなる見込み。

日本のすぐ隣で時差もない最強地域の戦いは、世界中のプロシーンに対する影響力も大きい。初戦は「KING-ZONE DragonX vs. KSV eSports」と、昨年の世界大会準々決勝の再戦となっている。日本語配信は存在しないが、『LoL』プレイヤーにとってはお手本にしたい動きも満載のLCK Spring Splitをぜひお見逃しなく。

執筆:山口佐和子
執筆協力:ユラガワ
スペシャルサンクス:スイニャン

©2017 Riot Games, Inc. All rights reserved.

■LoL 2018春プロシーン特集

(前編)【LoL 2018春プロシーン特集】古きと新しきが混じり合う新生北米リーグ、NA LCS開幕
(後編)【LoL 2018春プロシーン特集】古きと新しきが混じり合う新生リーグ、NA LCS開幕
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