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eSportsアジア競技大会競技選出で注目度アップ! 『StarCraft』シリーズの楽しみ方指南
最近、『StarCraft II』(スタークラフト2。通称「スタクラ2」)の話題を振られることが非常に多くなりました。理由は、先日行われた「第18回アジア競技大会 ジャカルタ・パレンバン」のeSports日本代表選考会の影響で間違いないでしょう。会場や配信で試合を観戦したeSports関係者やファンの方々が、改めて『StarCraft II』に注目するきっかけとなったようです。
ところで皆さんは、このゲームに対してどんなイメージを持っていますか? おそらくほとんどの方が、「難しそう」だと感じていることでしょう。パッと見では何をしているのか理解しづらいため、気持ちはよくわかります。ですが、『StarCraft』シリーズは本当に難しいだけのゲームなのでしょうか。この疑問に対して、私なりに導き出した答えがこちらです。
「完璧にプレイしようと思うと難しく、自分にできる範囲でプレイするなら楽しい」
これに尽きると思うのです。たとえば一般の人が野球で160キロの剛速球を投げたりそれを打ち返したりしようと思ったら、とてつもなく難しいですよね。でもそれをやろうとするのは、プロを目指す人だけで良いと思うのです。一般の人たちは友達同士でキャッチボールをしたりバッティングセンターへ行ったりするだけで、十分楽しめているではありませんか。
『StarCraft』シリーズも同じことだと思うのです。韓国では、「PCバン」と呼ばれるネットカフェでゲームを楽しんでいる一般の人がたくさんいます。そういう人たちは、プロゲーマーのような緻密なプレイはもちろんできません。自分の技量の範囲で楽しんでいるのです。勝てれば嬉しいですが、負けても「面白かった」と思えるゲームだと私は感じています。
そうして韓国では90年代後半から若者を中心にプレイ人口が増え、上位ランカーの実力者たちはプロゲーマーとなりました。時代が移り変わった今でも『StarCraft II』で「GSL」という賞金規模1,700万円のリーグ戦が年3回実施されており、DreamHackで行われる「Circuit」と並んで「WCS(World Championship Series)」の片翼を担っています。新しいeSports種目も次々と誕生しているなかで、韓国では根強い人気を誇っているのです。
『StarCraft』シリーズは、米国のBlizzard Entertainmentによってリリースされた「RTS(Real Time Strategy)」と呼ばれるジャンルのゲームです。戦況に応じて戦略を変えていくシミュレーションゲームで人類の「テラン」、プレデターの「プロトス」、エイリアンの「ザーグ」という3種族によるいわば宇宙戦争。1対1の対人戦が人気ではあるものの、キャンペーン(ストーリーモード)やAI戦も充実しています。また、CO-OPといわれる2名のプレイヤーで協力してミッションをクリアするモードも人気です。
1998年に発売された初代『StarCraft』から、新しいユニット(キャラクター)などを追加した拡張版『StarCraft: Brood War』を経て、ワイドスクリーン対応など時代に合わせた機能を備えたリメイク版『StarCraft: Remastered』が2017年に発売されました。このタイミングで日本語化と無料化が実施され、より親しみやすいゲームに。
しかし現在も多くのプレイヤーを有しているのは、2010年に発売された『StarCraft II』。3部作で、キャンペーンの主人公がテランの『Wings of Liberty』、ザーグの『Heart of the Swarm』、プロトスの『Legacy of the Void』の順にリリースされました。こちらも2017年に無料化され、ラダー(ランク戦)はもちろんキャンペーンの一部も遊ぶことができます。日本語化はされていませんが、「StarCraft II:Legacy of the Void 日本語wiki」というサイトに情報が網羅されているので、英語が苦手な方も心配いりません。(インストール・導入ガイドはこちら)
序盤はどの建物を建ててどんなユニットをつくるか決める「ビルドオーダー」によって戦略が分かれますが、実はこのゲーム、自分のいるところ以外は視界が真っ暗。偵察することによって、相手の情報をどれだけ正確に把握できるかが勝負のカギとなります。そして相手を倒す方法を考えながら自らの戦略をリアルタイムで変えていくことが、このゲームならではの楽しみと言えるでしょう。
また、上位プレイヤーは複数地点を同時に攻撃する「マルチタスク」を得意とする人が多く、「APM(Actions per minute)」と呼ばれる1分間の操作量が300を超えることも。観戦では、そういった超人的なプレイを見て楽しむことも醍醐味となっています。
今回話題となった「アジア競技大会」についても簡単に紹介しておきましょう。6月に行われる「東アジア予選」には8つの国と地域(北朝鮮、韓国、香港、台湾、マカオ、モンゴル、中国、日本)が出場でき、その中から2名が本戦であるアジア競技大会への出場権を獲得します。1枠は韓国が獲るとの見方が強く、残りの1枠をほかの国が争うものと予想されます。強豪選手が多く厳しい戦いとなりそうですが、日本も決してノーチャンスではないので頑張ってもらいたいですね。
日本代表となったPSiArc(さいあーく)選手は、現在日本人で唯一の『StarCraft II』プロゲーマー。「WCG(World Cyber Games)」元日本代表のnazomen氏が監督を務めるCYCLOPS athlete gamingに所属しています。さらに、スウェーデン出身で日本に留学中のWinter選手もこのチームに所属。彼は最近「The Rush」という大会を運営し、日本コミュニティの盛り上げにも尽力しています。
日本の大会の中で唯一定期的に行われているのが、先ほどご紹介した日本語Wiki主催・アフリカTV協賛の「LWJ(Legacy Weekly Japan)」。マネージャーのHoriken氏が毎週末に大会を実施し、勝者にはAmazonギフト券が贈られます。大会に参加する楽しみはもちろん、観戦する楽しみも味わうことができますから、まずは配信を見ることから始めると雰囲気がつかめて良いかもしれません。
それ以外の日本語コンテンツとしては、先に触れたアフリカTV主催の韓国大会「GSL」の日本語公式配信があります。nazomen氏とHoriken氏による実況解説を通じて、トッププレイヤーの試合を楽しむことができます。またベスト16のタイミングで実施される「指名式」というトークショーは、私スイニャンが通訳配信を行っておりますので、合わせてお楽しみいただけると幸いです。
その他、年2回開催されるLANパーティー「C4 LAN」ではステージイベントを行うとともにコミュニティ席の開放もしていますし、オンライン上にはDiscordチャンネルがふたつあります。プレイ人口の少ない日本だからこそ、新規の方は歓迎してもらえること間違いなし!
これを機に、あなたなりの楽しみ方で『StarCraft』シリーズに触れてみませんか?
■関連リンク
StarCraft II
https://wcs.starcraft2.com/en-us/
StarCraft II:Legacy of the Void 日本語wiki
http://www.sc2jpwiki.com/wiki/
StarCraft: Remastered
https://starcraft.com/ja-jp/
CYCLOPS athlete gaming
http://cyclops-osaka.jp/
GSL日本語公式チャンネル
http://afreecatv.com/afgsljp
Discord SC2JP
https://discordapp.com/invite/0vRoIiu3emdC0ZoR
Discord すたくら初心者部
https://discordapp.com/invite/F4zgNum
『StarCraft』シリーズが人気の韓国に学ぶ「スタクラ」エンジョイ方法
韓国で行われている『StarCraft II』大会の様子。大勢の観客が観戦を楽しんでいる
ところで皆さんは、このゲームに対してどんなイメージを持っていますか? おそらくほとんどの方が、「難しそう」だと感じていることでしょう。パッと見では何をしているのか理解しづらいため、気持ちはよくわかります。ですが、『StarCraft』シリーズは本当に難しいだけのゲームなのでしょうか。この疑問に対して、私なりに導き出した答えがこちらです。
「完璧にプレイしようと思うと難しく、自分にできる範囲でプレイするなら楽しい」
これに尽きると思うのです。たとえば一般の人が野球で160キロの剛速球を投げたりそれを打ち返したりしようと思ったら、とてつもなく難しいですよね。でもそれをやろうとするのは、プロを目指す人だけで良いと思うのです。一般の人たちは友達同士でキャッチボールをしたりバッティングセンターへ行ったりするだけで、十分楽しめているではありませんか。
『StarCraft』シリーズも同じことだと思うのです。韓国では、「PCバン」と呼ばれるネットカフェでゲームを楽しんでいる一般の人がたくさんいます。そういう人たちは、プロゲーマーのような緻密なプレイはもちろんできません。自分の技量の範囲で楽しんでいるのです。勝てれば嬉しいですが、負けても「面白かった」と思えるゲームだと私は感じています。
大人数で集まってオンラインゲームをする韓国式のネットカフェ「PCバン」の様子
そうして韓国では90年代後半から若者を中心にプレイ人口が増え、上位ランカーの実力者たちはプロゲーマーとなりました。時代が移り変わった今でも『StarCraft II』で「GSL」という賞金規模1,700万円のリーグ戦が年3回実施されており、DreamHackで行われる「Circuit」と並んで「WCS(World Championship Series)」の片翼を担っています。新しいeSports種目も次々と誕生しているなかで、韓国では根強い人気を誇っているのです。
『StarCraft』シリーズの歴史
左からザーグ、プロトス、テラン。(StarCraft II公式サイトより引用)
『StarCraft』シリーズは、米国のBlizzard Entertainmentによってリリースされた「RTS(Real Time Strategy)」と呼ばれるジャンルのゲームです。戦況に応じて戦略を変えていくシミュレーションゲームで人類の「テラン」、プレデターの「プロトス」、エイリアンの「ザーグ」という3種族によるいわば宇宙戦争。1対1の対人戦が人気ではあるものの、キャンペーン(ストーリーモード)やAI戦も充実しています。また、CO-OPといわれる2名のプレイヤーで協力してミッションをクリアするモードも人気です。
1998年に発売された初代『StarCraft』から、新しいユニット(キャラクター)などを追加した拡張版『StarCraft: Brood War』を経て、ワイドスクリーン対応など時代に合わせた機能を備えたリメイク版『StarCraft: Remastered』が2017年に発売されました。このタイミングで日本語化と無料化が実施され、より親しみやすいゲームに。
しかし現在も多くのプレイヤーを有しているのは、2010年に発売された『StarCraft II』。3部作で、キャンペーンの主人公がテランの『Wings of Liberty』、ザーグの『Heart of the Swarm』、プロトスの『Legacy of the Void』の順にリリースされました。こちらも2017年に無料化され、ラダー(ランク戦)はもちろんキャンペーンの一部も遊ぶことができます。日本語化はされていませんが、「StarCraft II:Legacy of the Void 日本語wiki」というサイトに情報が網羅されているので、英語が苦手な方も心配いりません。(インストール・導入ガイドはこちら)
『StarCraft II』の大まかなルール
対人戦では、資源を集めて軍隊をつくって戦うというのが大まかな流れです。相手の建物をすべて破壊すれば勝ちですが、普通は最後までやらずにチャット欄に「GG(Good Game)」を入力して投了(サレンダー)します。これが観戦を難しくしている原因のひとつであり「結局どっちが勝ったの?」となりがちなのですが、一番わかりやすいポイントは人口(サプライ)を見ること。最大200のサプライが一方的に大幅に減らされてしまうと、逆転が難しくなります。右上の分数がサプライ表記で、PSiArc選手は126枠のなかで98の軍隊がいることを示している。対するWinter選手は168枠に168の軍隊がいる状況(LWJよりキャプチャ)
序盤はどの建物を建ててどんなユニットをつくるか決める「ビルドオーダー」によって戦略が分かれますが、実はこのゲーム、自分のいるところ以外は視界が真っ暗。偵察することによって、相手の情報をどれだけ正確に把握できるかが勝負のカギとなります。そして相手を倒す方法を考えながら自らの戦略をリアルタイムで変えていくことが、このゲームならではの楽しみと言えるでしょう。
また、上位プレイヤーは複数地点を同時に攻撃する「マルチタスク」を得意とする人が多く、「APM(Actions per minute)」と呼ばれる1分間の操作量が300を超えることも。観戦では、そういった超人的なプレイを見て楽しむことも醍醐味となっています。
『StarCraft II』日本代表プロゲーマーの実力は?
「第18回アジア競技大会ジャカルタ・パレンバン」日本代表選手選考会でのPSiArc選手(左)とvaisravana選手(右)
今回話題となった「アジア競技大会」についても簡単に紹介しておきましょう。6月に行われる「東アジア予選」には8つの国と地域(北朝鮮、韓国、香港、台湾、マカオ、モンゴル、中国、日本)が出場でき、その中から2名が本戦であるアジア競技大会への出場権を獲得します。1枠は韓国が獲るとの見方が強く、残りの1枠をほかの国が争うものと予想されます。強豪選手が多く厳しい戦いとなりそうですが、日本も決してノーチャンスではないので頑張ってもらいたいですね。
日本代表となったPSiArc(さいあーく)選手は、現在日本人で唯一の『StarCraft II』プロゲーマー。「WCG(World Cyber Games)」元日本代表のnazomen氏が監督を務めるCYCLOPS athlete gamingに所属しています。さらに、スウェーデン出身で日本に留学中のWinter選手もこのチームに所属。彼は最近「The Rush」という大会を運営し、日本コミュニティの盛り上げにも尽力しています。
日本の大会の中で唯一定期的に行われているのが、先ほどご紹介した日本語Wiki主催・アフリカTV協賛の「LWJ(Legacy Weekly Japan)」。マネージャーのHoriken氏が毎週末に大会を実施し、勝者にはAmazonギフト券が贈られます。大会に参加する楽しみはもちろん、観戦する楽しみも味わうことができますから、まずは配信を見ることから始めると雰囲気がつかめて良いかもしれません。
日本語で『StarCraft II』を楽しむためのコンテンツも豊富!
「指名式」の様子。ベスト16で対戦する選手を成績上位者から指名していく恒例イベント
それ以外の日本語コンテンツとしては、先に触れたアフリカTV主催の韓国大会「GSL」の日本語公式配信があります。nazomen氏とHoriken氏による実況解説を通じて、トッププレイヤーの試合を楽しむことができます。またベスト16のタイミングで実施される「指名式」というトークショーは、私スイニャンが通訳配信を行っておりますので、合わせてお楽しみいただけると幸いです。
その他、年2回開催されるLANパーティー「C4 LAN」ではステージイベントを行うとともにコミュニティ席の開放もしていますし、オンライン上にはDiscordチャンネルがふたつあります。プレイ人口の少ない日本だからこそ、新規の方は歓迎してもらえること間違いなし!
これを機に、あなたなりの楽しみ方で『StarCraft』シリーズに触れてみませんか?
執筆・写真:スイニャン
スペシャルサンクス:nazomen氏
■関連リンク
StarCraft II
https://wcs.starcraft2.com/en-us/
StarCraft II:Legacy of the Void 日本語wiki
http://www.sc2jpwiki.com/wiki/
StarCraft: Remastered
https://starcraft.com/ja-jp/
CYCLOPS athlete gaming
http://cyclops-osaka.jp/
GSL日本語公式チャンネル
http://afreecatv.com/afgsljp
Discord SC2JP
https://discordapp.com/invite/0vRoIiu3emdC0ZoR
Discord すたくら初心者部
https://discordapp.com/invite/F4zgNum