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【TGS2019】「ALIENWARE AURORAは1100ものイメージ案から生まれた」デル/レイ・ワー氏インタビュー
「東京ゲームショウ2019」の会場で華々しくデビューしたALIENWAREの新製品。その発表を行ったのが、デル テクノロジーズ コンシューマーおよびスモールビジネス担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのレイ・ワー氏だ。
自身も家族でゲームを楽しむなど、PCゲーミングに対する思い入れも深いレイ氏に、「TGS2019」の会場では伺いきれなかった最新モデル、ALIENWAREというブランドの今後についてインタビューした。
レイ・ワー氏(以下、ワー):ALIENWARE AURORAは「レジェンド」シリーズを踏襲したデザインの一番最後の機種です。2019年1月の「CES 2019」で最初の「レジェンド」シリーズとなるALIENWARE Area-51mというゲーミングノート最強の製品が、6月の「COMPUTEX TAIPEI 2019」では、ALIENWARE m15/m17が発表されました。ですので、ノートブックタイプのものに関しましては、3機種に「レジェンド」デザインが踏襲されています。
そして、今回の「東京ゲームショウ2019」で、ついにデスクトップタイプのゲーム向けマシンであるALIENWARE AURORAに、この「レジェンド」デザインを導入したモデルを発表しました。
これを踏まえて、モニターに関しましても55インチ、27インチのゲーミングモニター、34インチの曲面ゲーミングモニターの3種類を発表しましたし、3種類のマウス、2種類のキーボード、それから2種類のヘッドセットも同様に発表しています。
ーー中でも特に来場者の興味を引いたのは、やはりALIENWARE AURORAだと思います。ワーさんが一番推しているポイントを教えてください。
ワー:ALIENWARE AURORAに関してはとにかくデザインがユニークであるということですね。お客様からのフィードバックも受けて、「こんなゲーム機があったら会話のきっかけになる」というような、あるいは「そもそもこんな素敵なデザインはどこからきたのか」といったコレクターの方々の要求も満たすような製品を考えていました。ですので、かなりデザインも洗練されて清潔感に溢れ、より近代的なデザインになっています。
加えて、今回はエアフローに関してのイノベーションを取り入れることができました。ゲーミングPCに関しては、やはりいかに熱を放出して効率よく排熱するかが重要ですので、そのあたりをとても重視しています。また、ドライバーなどを使わずにアップグレードが簡単にできるという設計に関しても、アップグレーダビリティという観点での向上・改善点があります。
ワー:おっしゃるように、私も前世代のAURORAも素晴らしいデザインだったと信じていますが、ALIENWAREもデルも絶対にイノベーションへの歩み・追求を止めるということはなく、常に改善する余地はあると考えています。
そもそも今回のようにデザインを刷新したいと意識し始めたのは、ALIENWAREの20周年を記念した頃(2016年)からです。我々ALIENWAREは20年間、言ってみればゲーミングPC業界を引っ張ってきたリーダー的な立場ではあったと思うのですが、では20周年を迎えてさらにこれからどんなことができるのか、さらにリードを広げていくには何ができるのか、ということを考えました。
今まではALIENWAREの新デザインを発表するたびに、「ゲーミングPCの象徴」のようなかたちで捉えられてしまい、他の企業も真似をして角張った黒いデザインや象徴的なラインを使うというような、同じような機種ばかりが増えてしまいました。
そこで、3年前に当社におります20人の高いレベルのインダストリアルデザイナーを招集して、これから新規にデザインするALIENWAREはどんなものがいいかというブレインストーミングをしたのです。実に1万7000時間以上を費やして、1100を超える新デザインのイメージ画像を作りました。この部屋(インタビュー会場となった6畳ほどの部屋)よりもうちょっと広い部屋で四方の壁すべてにデザインを貼り付けて、いろいろと検討しました。新規デザインを、という私たちの要求を満たすかたちで前進してくれたわけです。
その結果出てきたデザインが、今までのゲーミングPCよりももう少しすっきりとクリーンなイメージではあるものの、私どもが大切にしてきた、例えばSF的で宇宙船のような、そして未来を予感させるような近代的な側面もある程度維持した、「レジェンド」デザインのALIENWARE AURORAなのです。
そして一番大事なこととして、デザインを刷新したことによって、ALIENWARE AURORAは他のゲーミングPCとはまったく違うPCになりましたよね。遠くから見ていただいても、絶対に他の企業のPCと間違えられることはないと思います。
さらに、エンジニアリングや設計という観点からも、エアフロー効率が改善されたことにより電圧レギュレータの温度上昇が最大8%軽減され、パフォーマンスが大きく向上しています。もちろん前モデルのAURORAもとてもいいPCだったのですが、デザイン、パフォーマンスの両面で進化した今回のALIENWARE AURORAで、ゲーミングPC業界で再び一歩先んじることができた、と感じています。
ーー特に今回発表された製品の中では、ALIENWARE AURORAと同時に、55インチのOLED(オーレッド)ゲーミングモニターも大きなトピックだと思います。率直に言って、このモニターはどんなユーザーに向けた製品と考えるのが正しいんでしょうか? 正直、私の家には置けるスペースがありません(笑)。
ワー:ご指摘のように、すべてのゲーマーに等しくこのサイズのスクリーンが必要とは思いません。やはり特定のユーザーを考えてはいます。
eスポーツ系のタイトルであれば、まさにこういったスクリーンが最適だと思います。『ストリートファイター』などはまさにピッタリですよ。大型のスクリーンを使ってプレイされるようなケースもあると思いますし、大きければ大きいほどいいとおっしゃる方もいらっしゃいます。もし機会があれば『リーグ・オブ・レジェンド』などもプレイしてみていただきたいですね。これまでとは全然違う経験ができると思います。もっと没入する感じで楽しめるはずです。
ーー性能面で言うと、これだけ大型なのに応答速度が0.5ms、リフレッシュレートが120Hzというスペックにも驚かされました。OLEDモニターはALIENWARE 13で初めて採用され、第2世代のALIENWARE m15には60HzのOLEDオプションが追加されていますが、高いリフレッシュレートを実現するために技術的なブレイクスルーなどはあったのでしょうか?
ワー:そうですね。パネルの業者の方ともかなり密接にやり取りしてきましたし、必要となる技術に関しましても我々デルの方で作り上げてきました。やり方としては、PCゲームにおいてどういうユーザー体験を実現したいのか、というところから始まって、その体験を実現するためにはどんな技術が必要か、という形で開発していきました。ゲーム内のフレームレートが60fpsか120fpsかでは、その体験はまったく違ってきますから。
ーー実際にブースで発表された時の、会場の反応についてはいかがでしたか?
ワー:十分高揚感を持って受け止められたと、私どもは感じています。もともと今回のモニターに関しては、「CES」で公式にアナウンスしたところから始まっているんですけれども、その後しばらく静観する姿勢をとっていたんです。理由は、ちょっと再デザインを考えていたためでした。
実は55インチモニターの開発を発表したときに、一部の記者から「コンセプトとしては確かにこういうものを発表したけれども、実現できないのでは?」という記事が書かれたりもしたんです。
今回はすでに開発中ということは皆さんご存じだったせいか、驚きを持ってという感じではなかったですね。この製品に関する質問が集中したのも、そのせいもあったかもしれません。「高揚感を持って」という言葉を使ったのは、事前にそういうことを聞いたうえで実物が公開されたので、かなり興味のレベルも上がったのではないかと考えてのことでした。
■55インチOLEDゲーミングモニター「ALIENWARE AW5520QF」
Alienware 55 OLEDゲーミング モニター:AW5520QF (2019年10月3日発売)
ワー:基本的に、日本のゲーミングPCの伸びに関してはかなり自信を持っています。楽観的と言ってもいいくらいポジティブに将来を捉えておりまして、直近で出たゲーミング業界自体の伸びが12%成長という数字が出てきておりますし、2019年上半期の私どもの成長率も対前年比で約50%の伸びでした。そして、先程ご指摘いただいたとおり2年連続トップシェアとなりました。
その理由として、「eスポーツ」が今後の成長を楽観視できる要因だと思っています。
eスポーツは現在、徐々に日本でも人気が出ていますが、まだまだこれから成長のポテンシャルがあると考えています。というのも、若い世代の方々がeスポーツをだいぶ見慣れていますし、動画であったりストリーミングなども楽しまれていると思いますが、その方々がもう少し大人になっていった場合に、より積極的にゲームをやろうという方向に行かれると思います。
加えて、例えばサッカーやバスケットボール、野球などの他のスポーツでもサポーターが増えていると思いますが、eスポーツに関してももっと若い世代で増えていくのではないかと思います。そういった方々がその後いわゆるeスポーツのコミュニティに参加していくということも考えますと、「eスポーツがあって当然」というライフスタイルがもっと広がっていくのではないかと思います。ですので、ゲーミングに関する事業やそういった業界自体もこれからさらに伸びていくと思います。
あとは、ゲームによっては映画化されたり、それをきっかけに様々なコンテンツが出てきたり、コレクターのような方々が出てくることがあると思うんですね。そうするとまたさらに興味のレベルが上がるのではないかと思います。
つまり、ゲームだけではなく映画なども含めて循環することによって、プレイヤーや観客の興味を引き上げていく。これもゲーミングPCの伸びにつながると思います。
ーーちなみに、本日の発表の席でワーさんも3人の息子さんとゲームをプレイされていると仰っていましたが、ワーさんご自身はどんなジャンルのゲームが好きで、今まで遊んでこられたかというのも伺いたいです。
ワー: 『ストリートファイター』が1位ですね! シリーズ全体を通して遊んでいますが、どんどん進化してキャラクターが変わってきてしまったので最近は……。私はダルシムをよく使っていまして、初期の頃のケンや春麗なども好きでした。あとは『エイジ オブ エンパイア』も遊びます。今は『オーバーウォッチ』が好きですね。
『オーバーウォッチ』については、私には息子3人と甥っ子がふたりいるのですが、自分を含めて6人でチームを作って戦っているんです。あとはヒーローのキャラクターに、どういった経緯をたどってきたかというストーリーがちゃんと作り込まれているところが素晴らしいです。
日本人のキャラクターのハンゾウとゲンジが一番のお気に入りです。このふたりは兄弟という設定で、竜を操れる一族なんですが、ぜひ映画化などもしてほしいですね。
ゲームの話は続けようと思えばいくらでも続けられるんですけど(笑)、それくらい魅力に取り憑かれるものだということを申し上げたいのと、ゲームをすることによって、例えばチームワークやリーダーシップも学べると思っています。
ーー実際、お子さんや甥っ子さんとはボイスチャットで連携をとりながらプレイされているのでしょうか?
ワー:「Discord」を使っています。家族以外の人とチームを作る時には、ボイスチャットではなくてタイピングです。話し過ぎる方もいますし、息子たちが入ってきちゃったりするとコミュニケーションがとれなくなってしまいますから(笑)。
ワー:ひとことで言うなら、「We are Game」です。
日本語にどう翻訳されるのかわからないのですが、英語で「We are Game」と言うとすごく色々ないい意味で解釈できるんです。
まず、“We”というのがそのままALIENWAREを示していて、我々ALIENWAREがゲーミングPCのトップブランドとして築き上げてきたものを示す「我々こそがゲームである」という意味。
それから、これからPCでゲームをプレイしたいという方に向けては、「我々ALIENWAREはみなさんと一緒にゲームをやっていきます」、つまり「ALIENWAREが皆さんのゲーム体験を支えます」ということを示しています。
Team Liquidがあるサンタモニカにトレーニング施設「Alienware Training Facilities」を作りましたが、そこに入っている機器はすべてALIENWAREです。また、オランダのアムステルダムにも新しくトレーニング施設を作ろうとしていて、そこに入る予定の機材もすべてALIENWAREになります。
それから、『リーグ・オブ・レジェンド』の開発会社であるライアットゲームスともパートナーシップを築いており、「World Championship」で使われたPCもALIENWAREでした。世界で最も強いチームがALIENWAREでトレーニングをした上で、ALIENWAREを使って競技に参加している。つまり、プロチーム側からも一番良い機器として選んでいただき、我々も一番いいチームとパートナーシップを結んでいるわけです。
ですので、ALIENWAREを買っていただくことがあれば、一番いい機器に投資してくださっているのだということをお伝えしたいと思います。We Are Game!
ーーありがとうございました!
■関連リンク
ALIENWRE ゲーミングパソコン|Dell 日本
自身も家族でゲームを楽しむなど、PCゲーミングに対する思い入れも深いレイ氏に、「TGS2019」の会場では伺いきれなかった最新モデル、ALIENWAREというブランドの今後についてインタビューした。
とにかくユニークなデザインのALIENWARE AURORA
ーーデル/ALIENWAREとして2年ぶりの出展となる「TGS2019」で日本初披露の新製品が発表され、非常に嬉しく思っています。まずはあらためて、今回発表された新製品についてお聞かせください。レイ・ワー氏(以下、ワー):ALIENWARE AURORAは「レジェンド」シリーズを踏襲したデザインの一番最後の機種です。2019年1月の「CES 2019」で最初の「レジェンド」シリーズとなるALIENWARE Area-51mというゲーミングノート最強の製品が、6月の「COMPUTEX TAIPEI 2019」では、ALIENWARE m15/m17が発表されました。ですので、ノートブックタイプのものに関しましては、3機種に「レジェンド」デザインが踏襲されています。
そして、今回の「東京ゲームショウ2019」で、ついにデスクトップタイプのゲーム向けマシンであるALIENWARE AURORAに、この「レジェンド」デザインを導入したモデルを発表しました。
これを踏まえて、モニターに関しましても55インチ、27インチのゲーミングモニター、34インチの曲面ゲーミングモニターの3種類を発表しましたし、3種類のマウス、2種類のキーボード、それから2種類のヘッドセットも同様に発表しています。
ーー中でも特に来場者の興味を引いたのは、やはりALIENWARE AURORAだと思います。ワーさんが一番推しているポイントを教えてください。
ワー:ALIENWARE AURORAに関してはとにかくデザインがユニークであるということですね。お客様からのフィードバックも受けて、「こんなゲーム機があったら会話のきっかけになる」というような、あるいは「そもそもこんな素敵なデザインはどこからきたのか」といったコレクターの方々の要求も満たすような製品を考えていました。ですので、かなりデザインも洗練されて清潔感に溢れ、より近代的なデザインになっています。
加えて、今回はエアフローに関してのイノベーションを取り入れることができました。ゲーミングPCに関しては、やはりいかに熱を放出して効率よく排熱するかが重要ですので、そのあたりをとても重視しています。また、ドライバーなどを使わずにアップグレードが簡単にできるという設計に関しても、アップグレーダビリティという観点での向上・改善点があります。
1万7000時間、1100以上のイメージ案から生まれたALIENWARE「レジェンド」デザイン
ーーデザインについては我々も驚かされましたし、非常に魅力的だと感じました。一方で、以前のAURORAの時点で分解のしかたやデザインはほぼ完成されていたとも思えます。その意味で、今回のデザインを開発する上で従来モデルを超えなければならないというご苦労をされたと思うのですが、どういうふうにこのデザインが決まったのでしょうか?ワー:おっしゃるように、私も前世代のAURORAも素晴らしいデザインだったと信じていますが、ALIENWAREもデルも絶対にイノベーションへの歩み・追求を止めるということはなく、常に改善する余地はあると考えています。
そもそも今回のようにデザインを刷新したいと意識し始めたのは、ALIENWAREの20周年を記念した頃(2016年)からです。我々ALIENWAREは20年間、言ってみればゲーミングPC業界を引っ張ってきたリーダー的な立場ではあったと思うのですが、では20周年を迎えてさらにこれからどんなことができるのか、さらにリードを広げていくには何ができるのか、ということを考えました。
今まではALIENWAREの新デザインを発表するたびに、「ゲーミングPCの象徴」のようなかたちで捉えられてしまい、他の企業も真似をして角張った黒いデザインや象徴的なラインを使うというような、同じような機種ばかりが増えてしまいました。
そこで、3年前に当社におります20人の高いレベルのインダストリアルデザイナーを招集して、これから新規にデザインするALIENWAREはどんなものがいいかというブレインストーミングをしたのです。実に1万7000時間以上を費やして、1100を超える新デザインのイメージ画像を作りました。この部屋(インタビュー会場となった6畳ほどの部屋)よりもうちょっと広い部屋で四方の壁すべてにデザインを貼り付けて、いろいろと検討しました。新規デザインを、という私たちの要求を満たすかたちで前進してくれたわけです。
その結果出てきたデザインが、今までのゲーミングPCよりももう少しすっきりとクリーンなイメージではあるものの、私どもが大切にしてきた、例えばSF的で宇宙船のような、そして未来を予感させるような近代的な側面もある程度維持した、「レジェンド」デザインのALIENWARE AURORAなのです。
▲TGSで発表されたレジェンドデザインのALIENWAREシリーズ(左端はDell G5デスクトップ)
そして一番大事なこととして、デザインを刷新したことによって、ALIENWARE AURORAは他のゲーミングPCとはまったく違うPCになりましたよね。遠くから見ていただいても、絶対に他の企業のPCと間違えられることはないと思います。
さらに、エンジニアリングや設計という観点からも、エアフロー効率が改善されたことにより電圧レギュレータの温度上昇が最大8%軽減され、パフォーマンスが大きく向上しています。もちろん前モデルのAURORAもとてもいいPCだったのですが、デザイン、パフォーマンスの両面で進化した今回のALIENWARE AURORAで、ゲーミングPC業界で再び一歩先んじることができた、と感じています。
ーー特に今回発表された製品の中では、ALIENWARE AURORAと同時に、55インチのOLED(オーレッド)ゲーミングモニターも大きなトピックだと思います。率直に言って、このモニターはどんなユーザーに向けた製品と考えるのが正しいんでしょうか? 正直、私の家には置けるスペースがありません(笑)。
ワー:ご指摘のように、すべてのゲーマーに等しくこのサイズのスクリーンが必要とは思いません。やはり特定のユーザーを考えてはいます。
eスポーツ系のタイトルであれば、まさにこういったスクリーンが最適だと思います。『ストリートファイター』などはまさにピッタリですよ。大型のスクリーンを使ってプレイされるようなケースもあると思いますし、大きければ大きいほどいいとおっしゃる方もいらっしゃいます。もし機会があれば『リーグ・オブ・レジェンド』などもプレイしてみていただきたいですね。これまでとは全然違う経験ができると思います。もっと没入する感じで楽しめるはずです。
▲55インチの4K OLEDモニター「AW5520QF」。会場では「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」をもとにした『Blair Witch』のトレーラーや、『FINAL FANTASY XIV』の試遊モニターとして使用されていた
ーー性能面で言うと、これだけ大型なのに応答速度が0.5ms、リフレッシュレートが120Hzというスペックにも驚かされました。OLEDモニターはALIENWARE 13で初めて採用され、第2世代のALIENWARE m15には60HzのOLEDオプションが追加されていますが、高いリフレッシュレートを実現するために技術的なブレイクスルーなどはあったのでしょうか?
ワー:そうですね。パネルの業者の方ともかなり密接にやり取りしてきましたし、必要となる技術に関しましても我々デルの方で作り上げてきました。やり方としては、PCゲームにおいてどういうユーザー体験を実現したいのか、というところから始まって、その体験を実現するためにはどんな技術が必要か、という形で開発していきました。ゲーム内のフレームレートが60fpsか120fpsかでは、その体験はまったく違ってきますから。
ーー実際にブースで発表された時の、会場の反応についてはいかがでしたか?
ワー:十分高揚感を持って受け止められたと、私どもは感じています。もともと今回のモニターに関しては、「CES」で公式にアナウンスしたところから始まっているんですけれども、その後しばらく静観する姿勢をとっていたんです。理由は、ちょっと再デザインを考えていたためでした。
実は55インチモニターの開発を発表したときに、一部の記者から「コンセプトとしては確かにこういうものを発表したけれども、実現できないのでは?」という記事が書かれたりもしたんです。
▲1月のALIENWARE Area-51mの発表会で披露された55インチモニターのコンセプト。ほぼ完成しているが、スタンド部分はよりALIENWAREらしく変更されている
今回はすでに開発中ということは皆さんご存じだったせいか、驚きを持ってという感じではなかったですね。この製品に関する質問が集中したのも、そのせいもあったかもしれません。「高揚感を持って」という言葉を使ったのは、事前にそういうことを聞いたうえで実物が公開されたので、かなり興味のレベルも上がったのではないかと考えてのことでした。
■55インチOLEDゲーミングモニター「ALIENWARE AW5520QF」
Alienware 55 OLEDゲーミング モニター:AW5520QF (2019年10月3日発売)
「eスポーツがあって当然」の社会がやってくる
ーー今回の「TGS2019」での発表の中に、「日本市場で2年連続国内シェアNo.1」という発表もありました。こういった発表は今まで国内の新製品発表会ではあまりされてこなかったと思うんです。日本のゲーミングPC市場についてはどのようなイメージをお持ちでしょうか?ワー:基本的に、日本のゲーミングPCの伸びに関してはかなり自信を持っています。楽観的と言ってもいいくらいポジティブに将来を捉えておりまして、直近で出たゲーミング業界自体の伸びが12%成長という数字が出てきておりますし、2019年上半期の私どもの成長率も対前年比で約50%の伸びでした。そして、先程ご指摘いただいたとおり2年連続トップシェアとなりました。
その理由として、「eスポーツ」が今後の成長を楽観視できる要因だと思っています。
eスポーツは現在、徐々に日本でも人気が出ていますが、まだまだこれから成長のポテンシャルがあると考えています。というのも、若い世代の方々がeスポーツをだいぶ見慣れていますし、動画であったりストリーミングなども楽しまれていると思いますが、その方々がもう少し大人になっていった場合に、より積極的にゲームをやろうという方向に行かれると思います。
加えて、例えばサッカーやバスケットボール、野球などの他のスポーツでもサポーターが増えていると思いますが、eスポーツに関してももっと若い世代で増えていくのではないかと思います。そういった方々がその後いわゆるeスポーツのコミュニティに参加していくということも考えますと、「eスポーツがあって当然」というライフスタイルがもっと広がっていくのではないかと思います。ですので、ゲーミングに関する事業やそういった業界自体もこれからさらに伸びていくと思います。
あとは、ゲームによっては映画化されたり、それをきっかけに様々なコンテンツが出てきたり、コレクターのような方々が出てくることがあると思うんですね。そうするとまたさらに興味のレベルが上がるのではないかと思います。
つまり、ゲームだけではなく映画なども含めて循環することによって、プレイヤーや観客の興味を引き上げていく。これもゲーミングPCの伸びにつながると思います。
ーーちなみに、本日の発表の席でワーさんも3人の息子さんとゲームをプレイされていると仰っていましたが、ワーさんご自身はどんなジャンルのゲームが好きで、今まで遊んでこられたかというのも伺いたいです。
ワー: 『ストリートファイター』が1位ですね! シリーズ全体を通して遊んでいますが、どんどん進化してキャラクターが変わってきてしまったので最近は……。私はダルシムをよく使っていまして、初期の頃のケンや春麗なども好きでした。あとは『エイジ オブ エンパイア』も遊びます。今は『オーバーウォッチ』が好きですね。
『オーバーウォッチ』については、私には息子3人と甥っ子がふたりいるのですが、自分を含めて6人でチームを作って戦っているんです。あとはヒーローのキャラクターに、どういった経緯をたどってきたかというストーリーがちゃんと作り込まれているところが素晴らしいです。
日本人のキャラクターのハンゾウとゲンジが一番のお気に入りです。このふたりは兄弟という設定で、竜を操れる一族なんですが、ぜひ映画化などもしてほしいですね。
ゲームの話は続けようと思えばいくらでも続けられるんですけど(笑)、それくらい魅力に取り憑かれるものだということを申し上げたいのと、ゲームをすることによって、例えばチームワークやリーダーシップも学べると思っています。
ーー実際、お子さんや甥っ子さんとはボイスチャットで連携をとりながらプレイされているのでしょうか?
ワー:「Discord」を使っています。家族以外の人とチームを作る時には、ボイスチャットではなくてタイピングです。話し過ぎる方もいますし、息子たちが入ってきちゃったりするとコミュニケーションがとれなくなってしまいますから(笑)。
合言葉は「We are Game」!
ーー最後に、あらためて日本のALIENWAREファンに向けてメッセージをお願いします。ワー:ひとことで言うなら、「We are Game」です。
日本語にどう翻訳されるのかわからないのですが、英語で「We are Game」と言うとすごく色々ないい意味で解釈できるんです。
まず、“We”というのがそのままALIENWAREを示していて、我々ALIENWAREがゲーミングPCのトップブランドとして築き上げてきたものを示す「我々こそがゲームである」という意味。
それから、これからPCでゲームをプレイしたいという方に向けては、「我々ALIENWAREはみなさんと一緒にゲームをやっていきます」、つまり「ALIENWAREが皆さんのゲーム体験を支えます」ということを示しています。
Team Liquidがあるサンタモニカにトレーニング施設「Alienware Training Facilities」を作りましたが、そこに入っている機器はすべてALIENWAREです。また、オランダのアムステルダムにも新しくトレーニング施設を作ろうとしていて、そこに入る予定の機材もすべてALIENWAREになります。
それから、『リーグ・オブ・レジェンド』の開発会社であるライアットゲームスともパートナーシップを築いており、「World Championship」で使われたPCもALIENWAREでした。世界で最も強いチームがALIENWAREでトレーニングをした上で、ALIENWAREを使って競技に参加している。つまり、プロチーム側からも一番良い機器として選んでいただき、我々も一番いいチームとパートナーシップを結んでいるわけです。
ですので、ALIENWAREを買っていただくことがあれば、一番いい機器に投資してくださっているのだということをお伝えしたいと思います。We Are Game!
ーーありがとうございました!
■関連リンク
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