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【Worlds 2020 準決勝レポート】激戦の果て、決勝戦のステージに立つ2チームがついに決定!
『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)2020年プロシーンの総決算となる世界大会「Worlds 2020」も、残る対戦はあとわずかとなった。各地リーグのトップチームがずらりと揃って激突したグループステージで16チームが8チームになり、準々決勝を経て残ったチームはわずかに4チーム。決勝戦へと進む権利を得られるのはその中の2チームだけだ。
サモナーズカップへの一歩を進める権利を賭けて、各地域で最強の一角を占めるチーム同士が準決勝で激突した。
▲準決勝のステージ演出は「火」がテーマとなった。燃えたぎるマグマと舞い散る火の粉が戦いの舞台を囲み、ステージ奥には決勝ステージへの階段も見える
LECで圧倒的な強さを誇り、準決勝でもGENを破ってLCKチームとの戦いに自信を見せるG2と、昨年のWorlds準々決勝の再戦としてリベンジマッチに挑むDWGが激突した準決勝。第1試合と第2試合は両チームがミッドでツイステッド・フェイトおよびサイラスをピック。少数戦とサイドレーン重視でアクションを増やしていきたいG2に対して、カウンターを取る、あるいは同じようにサイドレーンで勝負するDWGというのが基本的な構成となって1勝1敗と勝利を分けた。
その後に決定的なポイントとなったのは、互いにツイステッド・フェイトやサイラスをバンして集団戦を念頭に置いた構成となった第3試合だろう。G2はアカリにキルを渡して一気に火力を高めていくゲームを狙った。だがDWGも同様にLv6から強力なプレッシャーを持てるシンドラをピックし、さらにシールドでダメージカットできるルルを加えることで、G2のアカリを抑えた。全員がLv6前後、リフトスカトルを奪い合う少数戦でシンドラがキルを獲得したところからDWGがミッドレーンの優位を確立して、それ以降も試合を完全にコントロールしきることに成功した。
G2はどのゲームにおいても積極的な動きを繰り返したが、DWGの反撃とそこで作った優位の広げ方は非常に的確で、G2にゲームの主導権を渡すことなく残る試合に勝利。第4試合ではG2の仕掛けに対してDWGが的確に強力な反撃を積み重ね、これまでの「Worlds」史上最短の試合となった。圧倒的な力を見せつけたDWGは昨年のリベンジと、久しぶりのLCKチームによる決勝戦進出を果たした。
▲LCK Summer Finals後に気胸が発覚し、一時は「Worlds」出場も危ぶまれたNuguri選手。無事に出場を果たしてDWGの圧倒的な勝利を支えている
準決勝第2試合は、LPLチーム同士で決勝戦に進む一方を決するための試合となった。この組み合わせは今夏のLPLプレイオフ準決勝の再戦であり、この時は3勝0敗とTESが勝利したカードではあった。しかしこの「Worlds」でのSNは、常に前評判を覆して勝ち上がってきたことから、結果が注目される試合となった。
前日に行われたG2 vs DWGとは変わって、ツイステッド・フェイトやサイラスが優先してピックされることはなく、両チーム共に集団戦を重視したドラフトを行った。全体的な展開としては、常に青側チームがボットレーン、赤側チームがトップレーンのピックで有利を築こうとする試合が繰り広げられた。
第1試合、第2試合ともに、序盤の有利よりも、集団戦が増えてくる中盤以降の勝負が試合の結果に影響を及ぼし、特に両チームのジャングラーが使うリー・シンの影響力が勝利に直結する形で1勝1敗でにらみ合った。流れが大きく動いたのは第3試合で、SNはTESにリー・シンをあえてピックさせてから、ジャングラーにシェンを割り当ててカウンターを企図した。Karsa選手のリー・シンが戦闘を仕掛けても、SofM選手のシェンがすかさずスキル「瞬身護法」でカバーする体制で、TESのアクションに反撃することに成功する。続く第4試合でも、勝利に向けてキル獲得が必須なアカリに、最序盤からリードを渡すことに成功したSNがゲームテンポを掌握。LPL第3シードのSNがLPL第1シードのTESを破り、LPL地域の3年連続優勝がかかった決勝戦へと進むこととなった。
▲TESのジャングラー・Karsa選手とSNのサポート・SwordArt選手は元チームメイト。どちらかしか決勝に進めない戦いを制したのはSwordArt選手だった
【5:DWG Canyon選手(ヘカリム)】(G2 vs DWG 第4試合)
ドラゴンをめぐる集団戦にて、容赦ない追撃の先陣を切ったシーン。
【4:SN Bin選手(ジャックス)】(TES vs SN 第3試合)
機動力と回避能力を駆使してTESを翻弄し、ボットレーンの有利をドラゴン獲得につなげたシーン。
【3:SN SofM選手(ジャーヴァンⅣ)】(SN vs TES 第4試合)
最序盤のボットレーンにLv3ギャンクを仕掛けた結果、チームで合計3キル。1000ゴールドの有利を得たシーン。
【2:DWG Ghost選手(アッシュ)】(DWG vs G2 第2試合)
的確なチームプレイにより、Wunder選手のカミールを視界外から放たれたアッシュのアローに追い込んだシーン。
【1:SN huanfeng選手(エズリアル)】(SN vs TES 第4試合)
トップレーンにて4人がかりでBin選手を仕留めたTESだが、ボットレーンではSNのキャリー陣がインヒビタータワーを攻略中、勝利を目前にしてSNのhuanfeng選手が放ったトゥルーショットバラージがTESのリコールを妨害したシーン。
かくして「Worlds 2020」最後のステージに2つのチームが残った。
意外に思われるかもしれないが、「Worlds」決勝戦でLPLチームとLCKチームが対峙するのは、2014年の決勝戦以来となる。2015年から2017年までの決勝戦はLCKチームが独占しており、2018・2019年はLPLとLECの対決だったので、決勝でこの2地域が相まみえるのは久しぶりということになる。
しかし、前回と異なることもある。それはLPLが迎え撃つ側で、LCKが挑む側という点だ。地域チームの「Worlds」三連覇によって、まさに覇権を打ち立てようとするLPL。それを阻み、かつての王座を奪還しようというLCK。これが今回の決勝戦の構図なのだ。
▲かつての最強地域の称号を取り戻すべく、挑戦者となって決勝の舞台に上ってきたLCK第1シード・DWG
決勝戦まで進んできたDWGは、実験的な構成を取った2試合を「Worlds 2020」中に落としたのみで、それ以外の試合は様々な構成を取りつつも、それぞれの構成の強みを確実に発揮する驚異的な実践能力で、ここまで勝ち上がってきた。
一方のSNも、大会前から評価の高いBin選手やSofM選手のみならず、「Worlds」を通してチーム全体の練度を高め、より上位シードのチームをBo5で破って決勝戦への進出を果たしている。的確なカウンターピックや、相手の予想を上回る構成の準備によってDWGに対抗していく形になるだろう。
▲昨年までは、LPLチームの中でもギリギリ中位層に入る程度のチームだったSN
どんな結末が訪れるにせよ、全てはこの決勝の舞台で明らかになる。10月31日19時より、最強の称号を掲げ、新たな伝説の始まりを告げるであろう勝者の姿を見届けよう。
▲世界王者の証、サモナーズカップ。これを手にするのは世界でただ1チーム
リーグ・オブ・レジェンド
http://jp.leagueoflegends.com/
LoL Esports Worlds 2020 試合スケジュール
https://lolesports.com/schedule?leagues=worlds
LJL公式Twitter(Worlds 2020 日本語情報)
https://twitter.com/Official_LJL
LoL Esports 公式Twitter(英語)
https://twitter.com/lolesports
LoL Esports Stats(リアルタイムで試合統計についてツイートする公式Twitter、英語)
https://twitter.com/LoLEsportsStats
Worlds 2020 データページ(Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/2020_Season_World_Championship
サモナーズカップへの一歩を進める権利を賭けて、各地域で最強の一角を占めるチーム同士が準決勝で激突した。
▲準決勝のステージ演出は「火」がテーマとなった。燃えたぎるマグマと舞い散る火の粉が戦いの舞台を囲み、ステージ奥には決勝ステージへの階段も見える
G2 Esports vs DAMWON Gaming
▲G2が唯一の白星を挙げた第2試合。戦闘の撤退ラインがLCKとLECで違うことがよくわかる、興味深い試合だLECで圧倒的な強さを誇り、準決勝でもGENを破ってLCKチームとの戦いに自信を見せるG2と、昨年のWorlds準々決勝の再戦としてリベンジマッチに挑むDWGが激突した準決勝。第1試合と第2試合は両チームがミッドでツイステッド・フェイトおよびサイラスをピック。少数戦とサイドレーン重視でアクションを増やしていきたいG2に対して、カウンターを取る、あるいは同じようにサイドレーンで勝負するDWGというのが基本的な構成となって1勝1敗と勝利を分けた。
▲第2試合、試合時間18:36~。ボットレーンを巡る争いで、互いのジャングラーとミッドがしのぎを削るが、DWG・ShowMaker選手のサイラスがコピーしたキンドレッドのアルティメットを活用した素晴らしいプレイで合計3キルへとつなげたWelcome to the show:
— LoL Esports (@lolesports) October 24, 2020
Take a closer look at ShowMaker's Sylas from the #Worlds2020 Semifinals! pic.twitter.com/y9ve7gWBhb
その後に決定的なポイントとなったのは、互いにツイステッド・フェイトやサイラスをバンして集団戦を念頭に置いた構成となった第3試合だろう。G2はアカリにキルを渡して一気に火力を高めていくゲームを狙った。だがDWGも同様にLv6から強力なプレッシャーを持てるシンドラをピックし、さらにシールドでダメージカットできるルルを加えることで、G2のアカリを抑えた。全員がLv6前後、リフトスカトルを奪い合う少数戦でシンドラがキルを獲得したところからDWGがミッドレーンの優位を確立して、それ以降も試合を完全にコントロールしきることに成功した。
G2はどのゲームにおいても積極的な動きを繰り返したが、DWGの反撃とそこで作った優位の広げ方は非常に的確で、G2にゲームの主導権を渡すことなく残る試合に勝利。第4試合ではG2の仕掛けに対してDWGが的確に強力な反撃を積み重ね、これまでの「Worlds」史上最短の試合となった。圧倒的な力を見せつけたDWGは昨年のリベンジと、久しぶりのLCKチームによる決勝戦進出を果たした。
▲LCK Summer Finals後に気胸が発覚し、一時は「Worlds」出場も危ぶまれたNuguri選手。無事に出場を果たしてDWGの圧倒的な勝利を支えている
Suning vs Top Esports
▲第4試合ではAngel選手のアカリが合計8キルの大活躍。SNのメンバーそれぞれが生き生きとプレイしているのがうかがえる準決勝第2試合は、LPLチーム同士で決勝戦に進む一方を決するための試合となった。この組み合わせは今夏のLPLプレイオフ準決勝の再戦であり、この時は3勝0敗とTESが勝利したカードではあった。しかしこの「Worlds」でのSNは、常に前評判を覆して勝ち上がってきたことから、結果が注目される試合となった。
前日に行われたG2 vs DWGとは変わって、ツイステッド・フェイトやサイラスが優先してピックされることはなく、両チーム共に集団戦を重視したドラフトを行った。全体的な展開としては、常に青側チームがボットレーン、赤側チームがトップレーンのピックで有利を築こうとする試合が繰り広げられた。
▲第4試合、試合時間29:04~。5対5の集団戦の最初にBin選手のジャックスが捕まって体力を大きく減らすものの、密集したTESにSN側の追撃が突き刺さり、ほぼ壊滅状態に"...SUNING WILL NOT BE STOPPED!"
— LoL Esports (@lolesports) October 25, 2020
Take a closer look at @sofm_m's 4-man Jarvan ult in their final game against Top Esports! #Worlds2020 pic.twitter.com/q0uO4iLFae
第1試合、第2試合ともに、序盤の有利よりも、集団戦が増えてくる中盤以降の勝負が試合の結果に影響を及ぼし、特に両チームのジャングラーが使うリー・シンの影響力が勝利に直結する形で1勝1敗でにらみ合った。流れが大きく動いたのは第3試合で、SNはTESにリー・シンをあえてピックさせてから、ジャングラーにシェンを割り当ててカウンターを企図した。Karsa選手のリー・シンが戦闘を仕掛けても、SofM選手のシェンがすかさずスキル「瞬身護法」でカバーする体制で、TESのアクションに反撃することに成功する。続く第4試合でも、勝利に向けてキル獲得が必須なアカリに、最序盤からリードを渡すことに成功したSNがゲームテンポを掌握。LPL第3シードのSNがLPL第1シードのTESを破り、LPL地域の3年連続優勝がかかった決勝戦へと進むこととなった。
▲TESのジャングラー・Karsa選手とSNのサポート・SwordArt選手は元チームメイト。どちらかしか決勝に進めない戦いを制したのはSwordArt選手だった
「The Penta」で振り返る準決勝
週ごとに世界中のプロシーンからプレイハイライトを集めた動画シリーズ「The Penta」も、この時期は「Worlds」一色だ。激しい戦いが行われた準決勝から5つの見どころがピックアップされているので、ぜひご覧いただきたい。【5:DWG Canyon選手(ヘカリム)】(G2 vs DWG 第4試合)
ドラゴンをめぐる集団戦にて、容赦ない追撃の先陣を切ったシーン。
【4:SN Bin選手(ジャックス)】(TES vs SN 第3試合)
機動力と回避能力を駆使してTESを翻弄し、ボットレーンの有利をドラゴン獲得につなげたシーン。
【3:SN SofM選手(ジャーヴァンⅣ)】(SN vs TES 第4試合)
最序盤のボットレーンにLv3ギャンクを仕掛けた結果、チームで合計3キル。1000ゴールドの有利を得たシーン。
【2:DWG Ghost選手(アッシュ)】(DWG vs G2 第2試合)
的確なチームプレイにより、Wunder選手のカミールを視界外から放たれたアッシュのアローに追い込んだシーン。
【1:SN huanfeng選手(エズリアル)】(SN vs TES 第4試合)
トップレーンにて4人がかりでBin選手を仕留めたTESだが、ボットレーンではSNのキャリー陣がインヒビタータワーを攻略中、勝利を目前にしてSNのhuanfeng選手が放ったトゥルーショットバラージがTESのリコールを妨害したシーン。
決勝戦、栄冠を手にするのは1チームだけ
かくして「Worlds 2020」最後のステージに2つのチームが残った。
意外に思われるかもしれないが、「Worlds」決勝戦でLPLチームとLCKチームが対峙するのは、2014年の決勝戦以来となる。2015年から2017年までの決勝戦はLCKチームが独占しており、2018・2019年はLPLとLECの対決だったので、決勝でこの2地域が相まみえるのは久しぶりということになる。
しかし、前回と異なることもある。それはLPLが迎え撃つ側で、LCKが挑む側という点だ。地域チームの「Worlds」三連覇によって、まさに覇権を打ち立てようとするLPL。それを阻み、かつての王座を奪還しようというLCK。これが今回の決勝戦の構図なのだ。
▲かつての最強地域の称号を取り戻すべく、挑戦者となって決勝の舞台に上ってきたLCK第1シード・DWG
決勝戦まで進んできたDWGは、実験的な構成を取った2試合を「Worlds 2020」中に落としたのみで、それ以外の試合は様々な構成を取りつつも、それぞれの構成の強みを確実に発揮する驚異的な実践能力で、ここまで勝ち上がってきた。
一方のSNも、大会前から評価の高いBin選手やSofM選手のみならず、「Worlds」を通してチーム全体の練度を高め、より上位シードのチームをBo5で破って決勝戦への進出を果たしている。的確なカウンターピックや、相手の予想を上回る構成の準備によってDWGに対抗していく形になるだろう。
▲昨年までは、LPLチームの中でもギリギリ中位層に入る程度のチームだったSN
どんな結末が訪れるにせよ、全てはこの決勝の舞台で明らかになる。10月31日19時より、最強の称号を掲げ、新たな伝説の始まりを告げるであろう勝者の姿を見届けよう。
▲世界王者の証、サモナーズカップ。これを手にするのは世界でただ1チーム
執筆:山口佐和子
執筆協力:ユラガワ
写真・画像出典:LoL Esports Photos, LoL Esports Twitter, LJL公式Twitter
リーグ・オブ・レジェンド
http://jp.leagueoflegends.com/
LoL Esports Worlds 2020 試合スケジュール
https://lolesports.com/schedule?leagues=worlds
LJL公式Twitter(Worlds 2020 日本語情報)
https://twitter.com/Official_LJL
LoL Esports 公式Twitter(英語)
https://twitter.com/lolesports
LoL Esports Stats(リアルタイムで試合統計についてツイートする公式Twitter、英語)
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Worlds 2020 データページ(Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/2020_Season_World_Championship
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