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『LoL』中国1部リーグ「LPL」開幕レビュー【後編】より高みを目指して拡大を続ける最大地域
目次
前回に続き、今回も『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の海外プロシーンガイド記事シリーズをお届けする。引き続いて取り上げるのは、2018年の国際タイトルを総なめにした中国のチームが競い合う、中国の一部リーグ「LoL Pro League(LPL)」に出場する8チームだ。これまでの国際大会でも王座に迫ってきた中国チームだが、そのほとんどが韓国チームに阻まれてきた。そんな中国が国際シーンで大きな躍進を遂げた2018年。2019年のLPLには大きな注目が集まっている。
今回は後編として、「LPL 2019 Spring Season」の残りの参戦チーム8チームをご紹介しよう。
またLPLは現在チーム数の拡大を行っている最中であり、1部最下位と2部優勝チームの入替戦は存在せず、2部リーグの優勝などで認められたチームはそのまま1部リーグに加わるシステムになっている。LPLへの参加チーム数が20に達するまで拡大が続き、その後はフランチャイズリーグとして入替戦は消滅する見込みだ。
さらにLPLをユニークなリーグにしているのが「ホーム」の存在だ。チームは拠点とする都市を「ホーム」として定めることができ、ホームには試合会場からパブリックビューイング会場、はては所属選手たちの練習施設までが備えられた、まさしくチームの本拠地として運用される施設がそびえ立っていることもしばしば。とはいえ全てのチームがホームを持っているわけではなく、RNGとJDGは北京、LGDは杭州、SSは重慶、OMGは成都、WEは西安を、それぞれホームとしている。ホームのあるチームはその都市で行う試合が「ホームゲーム」となり、春と夏にホームとアウェイでそれぞれ1対戦ずつプレイする決まりだ。ホームを持たないチームは上海で試合を行うことになっている。
・LPL 2018 Summer Playoffs 4位
・LPL 2018 Summer West 1位
・LPL 2018 Spring Playoffs 3位
・LPL 2018 Spring East 2位
RWは2017年12月に結成された新規チームにもかかわらず、かなりの好成績を残している。しかし、その原動力となった選手はほとんどが脱退。残ったのはKillua選手のみで、7名が新加入となっている。そんな新体制になって間もなく迎えたDemacia Cup 2018 Winterだったが、大方の予想を裏切る奮戦を見せてくれた。調子を維持することが出来れば、プレイオフ進出も狙えるだろう。
・トップ:Jiangqiao / ZhaoYun
・ジャングル:Xuzhu
・ミッド:KongMing / HuaTian / JingTian
・ボット:ZWuJi
・サポート:Killua
注目プレイヤー:Killua選手
昨シーズンは味方を守るピール役に徹する機会が多かったKillua選手。しかし、新体制後の試合では自分からゲームを動かすスタイルにシフトチェンジしつつあり、チーム内での立ち位置の変化が見て取れた。選手最年長の22歳は、サポート(母親役)としてチームをまとめ上げることができるのか。名前の由来は、漫画「HUNTER×HUNTER」から。
・LPL 2018 Summer Playoffs 7-8位
・LPL 2018 Summer East 4位
・LPL 2018 Spring East 5位
・Demacia Cup 2018 Winter 3位
昨年までのチーム名「Suning Gaming」をシンプルに、新たなるスタートを切ったSN。2017年の春に昇格して以降、中堅チームという印象が拭い切れていなかったが、今年は勝負に出た模様。台湾のプロチーム「Flash Wolves」からはMaple選手とSwordArT選手、RWからはSmlz選手を獲得するという大型補強に加え、コーチ陣も一新。Demacia Cup 2018 Winterでは、日を追うごとにチームパフォーマンスが改善され、期待が持てる内容だった。
・トップ:XiaoAL / Biubiu
・ジャングル:H4cker / WeiWei
・ミッド:Maple / Angel
・ボット:Smlz
・サポート:SwordArT
注目プレイヤー:Smlz選手
選手生活6年目を迎えるベテランで、ポーカーフェイス(もはや仏頂面)が特徴のプレイヤー。中国でも有数のボットレーナーとして名を馳せており、ヴァルス・シヴィア・エズリアルを得意としている。劣勢でも耐え凌ぐことさえできれば、彼が何とかしてくれるという信頼感がある。名前の由来は、三国時代の武将「司馬懿 (Si Ma Lao Zei)」の頭文字を並べたもの。ちなみに、無理やりファンサービスに駆り出された時のSmlz選手は、一周回ってコミカルなので要チェックだ。
・LPL 2018 Summer West 5位
・LPL 2018 Spring Playoffs 5-6位
・LPL 2018 Spring West 2位
中堅の中でも頭一つ抜けて安定していたSS。選手の入れ替えはそこそこ多いものの、長年チームを支えてきた二枚看板のFlandre選手とSofM選手が残っているのは大きい。しかしながら、今季のLPLには対抗馬が多く、チームの完成度次第ではプレイオフ進出に黄信号が灯ることになるだろう。
・トップ:Flandre
・ジャングル:SofM
・ミッド:Andy / Mala
・ボット:Asura
・サポート:Maestro
注目プレイヤー:SofM選手
LPLにおける初の韓国人以外の外国人選手。ベトナム人で初めて韓国サーバーにてチャレンジャーに到達し、TOP10入りも果たしている。超キャリータイプのプレイヤーで、昨年のファンネリングメタではレンガー&アイバーンというユーモラスな組み合わせを披露した。今年もFlandre選手と共にチームを引っ張る存在であり続けるだろう。
・LPL 2018 Summer Playoffs 6位
・LPL 2018 Summer West 3位
・LPL 2018 Spring East 7位
・Demacia Cup 2018 Winter 準優勝
昨年はパッとしない成績だったが、オフシーズンの補強にて大化けした注目チームがTOPだ。369選手・Knight選手・LokeN選手・Ben選手を迎え入れて新体制で臨んだDemacia Cup 2018 Winterでは、世界王者iG相手に通算3勝3敗。惜しくも決勝で敗れたものの、そのポテンシャルを十分に示した。優勝争いに関わってくる重要な立ち位置にいることは間違いない。
・トップ:369 / Moyu
・ジャングル:Xx
・ミッド:Knight
・ボット:LokeN / QiuQiu
・サポート:Ben / Cat
注目プレイヤー:Knight選手
「黄金の左手」と称され、数ヶ月にわたって韓国サーバーの1位をキープし続けた18歳の天才ミッドレーナー。Demacia Cup 2018 Winterでは、あのRookie選手 (iG) を相手に互角以上の戦いを見せ、圧倒的な存在感を示した。今年はメンバーにも恵まれており、世界に名を轟かせるまたとない機会が巡ってきている。
・LPL 2018 Summer East 7位
・LPL 2018 Spring West 7位
共和制ローマの将軍・カエサルの言葉「Veni, vidi, vici (来た、見た、勝った)」を由来とするVGは2012年に結成され、その翌年から『LoL』でも活動を開始している。昨年は、春夏ともに2勝17敗の最下位という無残な結果になってしまった。新たに選手6名の加入、新コーチの就任という補強を行ってはいるが、抜本的な改革を必要としているのは明白だ。
・トップ:Aodi / Chelizi
・ジャングル: Youdang / Aix
・ミッド:Jay / FireRain
・ボット:Snow / Puff / PiPiXuan
・サポート:SouthWind / Caveman
注目プレイヤー:Snow選手
VGの中でも比較的安定したプレイを続けていたSnow選手。彼を中心としたプランを遂行できるチームに成長すれば、内容は自ずと良くなるはず。Snow選手自身は、集団戦のパフォーマンスに波があるので、その振れ幅を小さくすることが求められるだろう。
・LPL 2018 Summer West 6位
・LPL 2018 Spring Playoffs 7-8位
・LPL 2018 Spring West 4位
・2017 Season World Championship ベスト4
WEは中国で最初に結成された『LoL』のチームだ。現JDGのHommeコーチが率いた2017年は輝かしい成績を残したが、2018年はスターティングメンバーをなかなか固定できず、残念な結果に終わった。2015年からチームを牽引してきた957選手・xiye選手・Mystic選手を軸に立て直せるか。登録選手11名は、VGと並んで最多となっている。
・トップ:957 / Coten / Poss
・ジャングル:Magic / beishang
・ミッド:xiye / Chen9
・ボット:Mystic / GENTLE
・サポート:Missing / Sun
注目プレイヤー:xiye選手
Team WE Academy時代から数えると7年目のシーズンを迎えるxiye選手。昨年はアジア競技大会に中国代表として出場し、見事に優勝を果たした。ミッドレーンの並み居る猛者たちを押さえつけることができるのか。昨年の悪い流れを断ち切るには、ベテランの奮起が必要不可欠だ。
・LDL 2018 Grand Finals 優勝
前身はYoung GloryというiGの下部組織だが、現在は運営母体が変わっている。32チームが参加したLDL(中国二部リーグ)を制し、今年からLPLに参加することと相成った。補強については、Mitsuki選手と元MVPのSarooヘッドコーチの加入のみに留まっている。
・トップ:Changhong
・ジャングル:Xiaopeng
・ミッド:Twila
・ボット:Gala
・サポート:Mark / Mitsuki
注目プレイヤー:Twila選手
中国二部における約2年間の活動を経て、今年がLPL初参戦となるTwila選手。DPSに長けるアジール・ライズに加え、ジリアン・ルルといったサポーティヴなチャンピオンも得意とする思い切りの良いプレーヤー。LPLにも通用する実力は兼ね備えている一方で、警戒心を欠くようなシーンも目につく。早めに修正できなければ、LPLの熱い洗礼を受けることになるかもしれない。
V5は2018年春に設立されたマカオ発の新規チームで、昨年11月にLPLへの新規参加が発表された。選手7名は全員LPL経験者で固められているが、サポートスタッフの不足が懸念事項として挙げられる。
・トップ:Jinoo
・ジャングル:Ben4 / Pepper
・ミッド:Corn
・ボット:Y4
・サポート:Realey / Road
注目プレイヤー:Y4選手
オリアナ・ビクター・スウェインを使いこなす異色のボットレーナー。昨年は6月からLGDにてプレイし、不調にあえぐチームを救う立役者となった。残念ながらLGDからは離れることになったものの、新天地でも独特のピックを見せてくれることに期待したい。
「LPL 2019 Spring Season」は1月14日~3月31日の約2カ月半にわたって開催される。英語配信は毎週月・水・土・日曜で、第一対戦が18時から、第二対戦が20時から予定されている (日本時間)。
繰り返しになるが、大会形式はシングルラウンドロビンとなっており、各対戦はBo3(2本先取)で行われる。レギュラーシーズンの終了後、上位8チームがプレーオフに進出し、春の中国最強の称号とMSIへの切符をかけて戦うという仕組みだ。また、各チームはホームスタジアムで試合を行う場合、春と夏でホームとアウェイを入れ替えることになる。たとえば春の「WE vs SS」がSSのホームである重慶で行われる場合、夏の同対戦カードはWEのホームである西安で開催される、といった具合だ。
開幕戦は「Topsports Gaming vs Invictus Gaming」という屈指の好カードとなっている。今年の国際大会でも必ず頂点に迫るであろう中国チームの激しい戦いを、ぜひお見逃しなく。
記事内画像出典:別に引用元を明記しない画像はLPL公式サイトおよびLPL公式Twitterより引用
■関連リンク
LPL 公式サイト (中国語)
https://lpl.qq.com
LPL リーグスケジュール (英語)
https://watch.na.lolesports.com/schedule?leagues=lpl
LPL 2019 Spring データページ (Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/LPL/2019_Season/Spring_Season
LPL 公式配信チャンネル (いずれも英語)
https://www.youtube.com/user/LoLChampSeries
https://www.twitch.tv/lpl1
LPL 公式Twitter (英語)
https://twitter.com/lplenglish
今回は後編として、「LPL 2019 Spring Season」の残りの参戦チーム8チームをご紹介しよう。
新チームも参戦! さらに8チームの過去戦績&メンバーを紹介
昨年までは東西の2リーグ制を取っていたLPLだが、今季は2015年以来となる統一1リーグ制へと変更され、Bo3(2本先取)のシングルラウンドロビン形式(全チームによる総当たり戦を1回)にて争うことが決まった。参加チーム数は、競技地域最大の16チームとなっている。またLPLは現在チーム数の拡大を行っている最中であり、1部最下位と2部優勝チームの入替戦は存在せず、2部リーグの優勝などで認められたチームはそのまま1部リーグに加わるシステムになっている。LPLへの参加チーム数が20に達するまで拡大が続き、その後はフランチャイズリーグとして入替戦は消滅する見込みだ。
さらにLPLをユニークなリーグにしているのが「ホーム」の存在だ。チームは拠点とする都市を「ホーム」として定めることができ、ホームには試合会場からパブリックビューイング会場、はては所属選手たちの練習施設までが備えられた、まさしくチームの本拠地として運用される施設がそびえ立っていることもしばしば。とはいえ全てのチームがホームを持っているわけではなく、RNGとJDGは北京、LGDは杭州、SSは重慶、OMGは成都、WEは西安を、それぞれホームとしている。ホームのあるチームはその都市で行う試合が「ホームゲーム」となり、春と夏にホームとアウェイでそれぞれ1対戦ずつプレイする決まりだ。ホームを持たないチームは上海で試合を行うことになっている。
▲LPL 2019 Spring Splitに参加する全16チームのロゴと略称。今回紹介するのは下段の8チームだ
Rogue Warriors (RW)
・LPL 2018 Summer Playoffs 4位
・LPL 2018 Summer West 1位
・LPL 2018 Spring Playoffs 3位
・LPL 2018 Spring East 2位
RWは2017年12月に結成された新規チームにもかかわらず、かなりの好成績を残している。しかし、その原動力となった選手はほとんどが脱退。残ったのはKillua選手のみで、7名が新加入となっている。そんな新体制になって間もなく迎えたDemacia Cup 2018 Winterだったが、大方の予想を裏切る奮戦を見せてくれた。調子を維持することが出来れば、プレイオフ進出も狙えるだろう。
・トップ:Jiangqiao / ZhaoYun
・ジャングル:Xuzhu
・ミッド:KongMing / HuaTian / JingTian
・ボット:ZWuJi
・サポート:Killua
注目プレイヤー:Killua選手
昨シーズンは味方を守るピール役に徹する機会が多かったKillua選手。しかし、新体制後の試合では自分からゲームを動かすスタイルにシフトチェンジしつつあり、チーム内での立ち位置の変化が見て取れた。選手最年長の22歳は、サポート(母親役)としてチームをまとめ上げることができるのか。名前の由来は、漫画「HUNTER×HUNTER」から。
Suning (SN)
・LPL 2018 Summer Playoffs 7-8位
・LPL 2018 Summer East 4位
・LPL 2018 Spring East 5位
・Demacia Cup 2018 Winter 3位
昨年までのチーム名「Suning Gaming」をシンプルに、新たなるスタートを切ったSN。2017年の春に昇格して以降、中堅チームという印象が拭い切れていなかったが、今年は勝負に出た模様。台湾のプロチーム「Flash Wolves」からはMaple選手とSwordArT選手、RWからはSmlz選手を獲得するという大型補強に加え、コーチ陣も一新。Demacia Cup 2018 Winterでは、日を追うごとにチームパフォーマンスが改善され、期待が持てる内容だった。
・トップ:XiaoAL / Biubiu
・ジャングル:H4cker / WeiWei
・ミッド:Maple / Angel
・ボット:Smlz
・サポート:SwordArT
注目プレイヤー:Smlz選手
選手生活6年目を迎えるベテランで、ポーカーフェイス(もはや仏頂面)が特徴のプレイヤー。中国でも有数のボットレーナーとして名を馳せており、ヴァルス・シヴィア・エズリアルを得意としている。劣勢でも耐え凌ぐことさえできれば、彼が何とかしてくれるという信頼感がある。名前の由来は、三国時代の武将「司馬懿 (Si Ma Lao Zei)」の頭文字を並べたもの。ちなみに、無理やりファンサービスに駆り出された時のSmlz選手は、一周回ってコミカルなので要チェックだ。
Snake Esports (SS)
・LPL 2018 Summer West 5位
・LPL 2018 Spring Playoffs 5-6位
・LPL 2018 Spring West 2位
中堅の中でも頭一つ抜けて安定していたSS。選手の入れ替えはそこそこ多いものの、長年チームを支えてきた二枚看板のFlandre選手とSofM選手が残っているのは大きい。しかしながら、今季のLPLには対抗馬が多く、チームの完成度次第ではプレイオフ進出に黄信号が灯ることになるだろう。
・トップ:Flandre
・ジャングル:SofM
・ミッド:Andy / Mala
・ボット:Asura
・サポート:Maestro
注目プレイヤー:SofM選手
LPLにおける初の韓国人以外の外国人選手。ベトナム人で初めて韓国サーバーにてチャレンジャーに到達し、TOP10入りも果たしている。超キャリータイプのプレイヤーで、昨年のファンネリングメタではレンガー&アイバーンというユーモラスな組み合わせを披露した。今年もFlandre選手と共にチームを引っ張る存在であり続けるだろう。
Topsports Gaming (TOP)
https://www.weibo.com/5449734852/HaSy62fCl
・LPL 2018 Summer Playoffs 6位
・LPL 2018 Summer West 3位
・LPL 2018 Spring East 7位
・Demacia Cup 2018 Winter 準優勝
昨年はパッとしない成績だったが、オフシーズンの補強にて大化けした注目チームがTOPだ。369選手・Knight選手・LokeN選手・Ben選手を迎え入れて新体制で臨んだDemacia Cup 2018 Winterでは、世界王者iG相手に通算3勝3敗。惜しくも決勝で敗れたものの、そのポテンシャルを十分に示した。優勝争いに関わってくる重要な立ち位置にいることは間違いない。
・トップ:369 / Moyu
・ジャングル:Xx
・ミッド:Knight
・ボット:LokeN / QiuQiu
・サポート:Ben / Cat
注目プレイヤー:Knight選手
「黄金の左手」と称され、数ヶ月にわたって韓国サーバーの1位をキープし続けた18歳の天才ミッドレーナー。Demacia Cup 2018 Winterでは、あのRookie選手 (iG) を相手に互角以上の戦いを見せ、圧倒的な存在感を示した。今年はメンバーにも恵まれており、世界に名を轟かせるまたとない機会が巡ってきている。
Vici Gaming (VG)
https://twitter.com/ViCi_Gaming/status/1081865771389722624
・LPL 2018 Summer East 7位
・LPL 2018 Spring West 7位
共和制ローマの将軍・カエサルの言葉「Veni, vidi, vici (来た、見た、勝った)」を由来とするVGは2012年に結成され、その翌年から『LoL』でも活動を開始している。昨年は、春夏ともに2勝17敗の最下位という無残な結果になってしまった。新たに選手6名の加入、新コーチの就任という補強を行ってはいるが、抜本的な改革を必要としているのは明白だ。
・トップ:Aodi / Chelizi
・ジャングル: Youdang / Aix
・ミッド:Jay / FireRain
・ボット:Snow / Puff / PiPiXuan
・サポート:SouthWind / Caveman
注目プレイヤー:Snow選手
VGの中でも比較的安定したプレイを続けていたSnow選手。彼を中心としたプランを遂行できるチームに成長すれば、内容は自ずと良くなるはず。Snow選手自身は、集団戦のパフォーマンスに波があるので、その振れ幅を小さくすることが求められるだろう。
Team WE (WE)
・LPL 2018 Summer West 6位
・LPL 2018 Spring Playoffs 7-8位
・LPL 2018 Spring West 4位
・2017 Season World Championship ベスト4
WEは中国で最初に結成された『LoL』のチームだ。現JDGのHommeコーチが率いた2017年は輝かしい成績を残したが、2018年はスターティングメンバーをなかなか固定できず、残念な結果に終わった。2015年からチームを牽引してきた957選手・xiye選手・Mystic選手を軸に立て直せるか。登録選手11名は、VGと並んで最多となっている。
・トップ:957 / Coten / Poss
・ジャングル:Magic / beishang
・ミッド:xiye / Chen9
・ボット:Mystic / GENTLE
・サポート:Missing / Sun
注目プレイヤー:xiye選手
Team WE Academy時代から数えると7年目のシーズンを迎えるxiye選手。昨年はアジア競技大会に中国代表として出場し、見事に優勝を果たした。ミッドレーンの並み居る猛者たちを押さえつけることができるのか。昨年の悪い流れを断ち切るには、ベテランの奮起が必要不可欠だ。
SinoDragon Gaming (SDG)
https://twitter.com/gaming_sino/status/1077633226447835136
・LDL 2018 Grand Finals 優勝
前身はYoung GloryというiGの下部組織だが、現在は運営母体が変わっている。32チームが参加したLDL(中国二部リーグ)を制し、今年からLPLに参加することと相成った。補強については、Mitsuki選手と元MVPのSarooヘッドコーチの加入のみに留まっている。
・トップ:Changhong
・ジャングル:Xiaopeng
・ミッド:Twila
・ボット:Gala
・サポート:Mark / Mitsuki
注目プレイヤー:Twila選手
中国二部における約2年間の活動を経て、今年がLPL初参戦となるTwila選手。DPSに長けるアジール・ライズに加え、ジリアン・ルルといったサポーティヴなチャンピオンも得意とする思い切りの良いプレーヤー。LPLにも通用する実力は兼ね備えている一方で、警戒心を欠くようなシーンも目につく。早めに修正できなければ、LPLの熱い洗礼を受けることになるかもしれない。
Victory Five (V5)
V5は2018年春に設立されたマカオ発の新規チームで、昨年11月にLPLへの新規参加が発表された。選手7名は全員LPL経験者で固められているが、サポートスタッフの不足が懸念事項として挙げられる。
・トップ:Jinoo
・ジャングル:Ben4 / Pepper
・ミッド:Corn
・ボット:Y4
・サポート:Realey / Road
注目プレイヤー:Y4選手
オリアナ・ビクター・スウェインを使いこなす異色のボットレーナー。昨年は6月からLGDにてプレイし、不調にあえぐチームを救う立役者となった。残念ながらLGDからは離れることになったものの、新天地でも独特のピックを見せてくれることに期待したい。
LPL 2019 Spring Season 試合日程&配信情報
16チームと世界の『LoL』競技地域でも最大規模を誇るLPL。ざっとではあるが各チームについて紹介してきたが、いかがだっただろうか。「LPL 2019 Spring Season」は1月14日~3月31日の約2カ月半にわたって開催される。英語配信は毎週月・水・土・日曜で、第一対戦が18時から、第二対戦が20時から予定されている (日本時間)。
繰り返しになるが、大会形式はシングルラウンドロビンとなっており、各対戦はBo3(2本先取)で行われる。レギュラーシーズンの終了後、上位8チームがプレーオフに進出し、春の中国最強の称号とMSIへの切符をかけて戦うという仕組みだ。また、各チームはホームスタジアムで試合を行う場合、春と夏でホームとアウェイを入れ替えることになる。たとえば春の「WE vs SS」がSSのホームである重慶で行われる場合、夏の同対戦カードはWEのホームである西安で開催される、といった具合だ。
開幕戦は「Topsports Gaming vs Invictus Gaming」という屈指の好カードとなっている。今年の国際大会でも必ず頂点に迫るであろう中国チームの激しい戦いを、ぜひお見逃しなく。
記事執筆:Merryday (@Merryday_lmn)
記事内画像出典:別に引用元を明記しない画像はLPL公式サイトおよびLPL公式Twitterより引用
■関連リンク
LPL 公式サイト (中国語)
https://lpl.qq.com
LPL リーグスケジュール (英語)
https://watch.na.lolesports.com/schedule?leagues=lpl
LPL 2019 Spring データページ (Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/LPL/2019_Season/Spring_Season
LPL 公式配信チャンネル (いずれも英語)
https://www.youtube.com/user/LoLChampSeries
https://www.twitch.tv/lpl1
LPL 公式Twitter (英語)
https://twitter.com/lplenglish
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