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【Alienware x15 R1レビュー 前編】薄型&高性能なxシリーズの「買い」ポイントとは?

目次
  1. あらゆる面でハイスペックを維持したまま、薄さを追求したxシリーズ
  2. 最高級のディスプレイに先進的なインターフェイス
  3. PCゲームのプレイを考え抜かれたキー配列
  4. Alienwareの伝統とも言える背面に集中したポート類
  5. ゲームへの没入感を高める内蔵サラウンドスピーカーも意外に高音質
  6. 小型化&軽量化を果たしたACアダプターのおかげで可搬性が大幅に改善

薄型の筐体を採用したというゲーミングノートPC「Alienware x15」シリーズ。

ゲーミングPCは高性能、とりわけ高い3Dグラフィックス性能が求められるため、消費電力が増し、発熱が増える。筐体を薄型化すると、ヒートシンクやファンなどの冷却機材を組み込むスペースが減るため、排熱処理が難しくなる。つまり設計の難度が上がるわけだ。

しかしユーザーの視点では、薄くて小さなPCでもゲームをしたいというニーズがあるのも当然のこと。高性能ゲーミングPCの代名詞であるAlienwareは、高性能化と薄型という相反する課題にどう取り組んだのか。今回は「Alienware x15」の初代にあたるR1の実機を試用して、xシリーズの真価を確かめてみよう。

なお、2022年3月現在、CPUなどが第12世代インテルCPUに進化した「Alienware x15 R2」も発売されており、R1は併売というかたちで値下げされている。やや古い世代となるが、ユーザーによってはお買い得に購入できるので、このレビューを参考にしてみてほしい。

あらゆる面でハイスペックを維持したまま、薄さを追求したxシリーズ


今回試用したのは、「Alienware x15 R1」のプレミアムモデルを一部カスタマイズしたもの。主なスペックは下記のとおり。()内はプレミアムの基本仕様。

・CPU:Core i7-11800H
・GPU:GeForce RTX 3070
・メモリ:32GB DDR4-3200(16GB)
SSD:1TB M.2 NVMe(512GB M.2 NVMe)
・ディスプレイ:15.6インチ/1920×1080ドット/360Hz/1ms(2560×1440ドット/240Hz/2ms)
・無線LAN:Killer Wi-Fi 6 1675
・OS:Windows 11 Home
・サイズ:幅359.7×奥行き277.25×高さ15.9mm
・重量:2.27~2.36kg
・税込価格:25万7776円 ※24%OFFクーポン適用後、2022年4月12日現在。
※最新の価格はこちらから。

プレミアムの基本仕様は、CPUは8コア16スレッドのCore i7-11800H、GPUはGeForce RTX 3070、メインメモリは32GB。ストレージもM.2 NVMe接続の512GBあり(試用機は1TBにアップグレード済み)、薄型筐体ながらデスクトップPCと張り合える豪華な構成となっている。

ディスプレイは15.6インチのQHD(2560×1440ドット)で、リフレッシュレートは240Hzと、広さと速さの両面をカバー。今回の試用機はもう1つの仕様となるフルHD(1920×1080ドット)でリフレッシュレートは360Hzとなっており、より高速な描画を求める人に向いている。

有線LANポートは非搭載ながら、USB Type-C接続の有線LANアダプターが標準で同梱されている。基本的には最大2402Mbpsに達するWi-Fi 6接続を使用し、有線LANは必要に応じてアダプターを使用する、という形だ。

サイズは厚さ15.9mmと圧倒的に薄い。しかも最薄部ではなく、全面一律に薄くなっている。フットプリントは15.6インチディスプレイ搭載機なりの大きさがあるだけに、より薄さが際立っている。実測でも厚さは確かに16mm程度だが、裏面のゴム足部分は含まれておらず、置いた時の高さは実測で約20mm。とはいえ、それでも十分過ぎるほど薄い。

▲15インチのゲーミングPCとしては圧倒的な薄さ

重量に関しては、2kg台前半というのはスペックから見れば十分軽いが、特別軽量というほどでもない。大きさや軽さよりも薄さ最優先で設計されているのがわかる。

カラーリングはシルバーホワイトをベースにしたルナライトのみとなる。Alienwareのイメージカラーではあるが、市場全体で見るとホワイト系のゲーミングノートPCは珍しく、存在感がある。

最上位モデルとなるプラチナでは、GPUがGeForce RTX 3080に強化され、価格は税込32万8457円となっている(24%OFFクーポン適用後、 2022年4月12日現在)。

最高級のディスプレイに先進的なインターフェイス


続いては注目の薄型筐体をチェックしていく。ルナライトをベースカラーにした筐体は、側面にダークコアコンセプトで暗色を配色。ディスプレイの周辺やキーボード周りも暗色で、ディスプレイを閉じるとホワイト、開くとブラックという外観だ。キーボード周辺を暗色に統一し、スクリーンの反射を減らすことでゲームへの集中力を向上させている。

▲ディスプレイを閉じたところ。ルナライトのカラーリングにLEDを仕込んだAlienヘッドがある

▲ディスプレイを開くと、キーボード周辺を含めて暗色に統一

ディスプレイは発色が鮮やかながら、ノングレア処理もしっかりしており、目に優しい色味。ハードウェアベースのブルーライト軽減テクノロジーが搭載されているため、画質を落とすことなく長時間のゲームプレイができる。

視野角も極めて広く、どの角度から見ても色味が破綻しない。光量も最大にするとまぶしいほどで、普段使いのディスプレイとして見てもパーフェクトな品質だ。さらに、顔認識機能で、より迅速かつ安全にサインオンできる。

もちろんリフレッシュレート360Hzで応答速度1msというスペックも素晴らしい。アクション性の高いゲームで残像感のない映像を楽しめるだけでなく、Webブラウジングでのスクロールなど日常的な用途でも、ヌルヌルと滑らかな動きが体感できる。360Hzというと単体のディスプレイ製品でも最高峰に当たるだけに、ノートPCでありながらも極限の性能を持つと言って過言ではない。

▲ディスプレイは明るく、視野角も十分に広い

PCゲームのプレイを考え抜かれたキー配列


キーボードはアイソレーションタイプ。テンキーは非搭載で、その分のスペースをゆったりと使うことで、ファンクションキーを除くほぼ全てのキーでキートップが正方形を維持している。特に方向キーも正方形を保って配置しているのは、ゲームユーザーにとっては嬉しいポイントだ。

キー配列も主要なキーはデスクトップ向けのキーボードとほぼ同等。薄型筐体だけにキーストロークは浅めながら、しっかりしたクリック感を持たせており、ホームポジションに手を置いてのタイピングはとても快適だ。

▲キー配置は余裕があり、デスクトップPCとほぼ同じ感覚で打てる

またキーボードの右端に音量関係の専用ボタンを配置しているのがユニーク。音量の上げ下げとミュート、さらにマイクミュートを用意しており、ボイスチャットを使用しながらのゲームプレイで便利に活用できる。

▲ゲーマーに嬉しいボリューム調整キー

キーボード周りはうっすらとラバーコートされたようなマットな手触りで、冬場の寒い時期でもひやっとした感触が少ない。長時間の使用で手汗がついたりしても不快感が少なく快適だ。

キーボードにはバックライトも搭載されている。本機のカスタマイズツール「Alienware Command Center」を使ってカラーや光り方を変更できる。完全消灯も可能なので、必要に応じて使い分けたい。

▲「Alienware Command Center」でキーボードバックライトを含むLEDライティングを調整できる

また「Alienware Command Center」では、キーボードのマクロ機能も使用できる。連続したキー入力と遅延(入力時間)を記憶させ、1回のキー入力で複雑なキー操作を入力させることも可能。マクロ化するキーはF2からF6までの5つのキー。テーマとして保存し、ゲームごとに使い分けも可能だ。

▲キーボードマクロも設定可能


Alienwareの伝統とも言える背面に集中したポート類


端子類はかなり独特な仕様になっている。左側面に電源端子、右側面にヘッドセット端子があるほかは、全て背面に集中している。

背面にはHDMI 2.1、USB Type-C、Thunderbolt 4、USB Type-A、microSDカードスロットが各1つずつ搭載されている。USB Type-CとThunderbolt 4はどちらも電源供給とDisplayPortに対応している。電源供給に関しては、3Dゲームなどで高負荷の際にはUSB PDの最大100Wでも不足するはずなので、ビジネス用途などでの補助電源として考えるのがいいだろう。

注意すべきはUSB Type-Aが1つしかない点。ゲームプレイ時にはおそらくマウスを接続すると思われるので、さらに何かUSB Type-Aの機器を接続したい場合は、USBハブかUSB Type-Cからの変換を用いることになる。将来的にはUSB Type-Cの機器が主流になっていくと思われるが、現時点では良くも悪くも先進的だ。


▲左側面には電源端子のみ


▲右側面にはヘッドセット端子のみ


▲背面にHDMI 2.1やThunderbolt 4など各種端子が集中している

ゲームへの没入感を高める内蔵サラウンドスピーカーも意外に高音質


スピーカーは筐体の左右に内蔵されている。1基4Wのステレオスピーカーで、音量はかなり大きい。ただ音質の面では、薄型筐体なりに低音を何とかサポートしたいという意図は見えるもののかなり苦しく、中高音もややこもり気味の音になってしまっている。動画鑑賞などで軽く流すだけならいいが、音楽鑑賞を考えるならヘッドフォンが欲しいところ。

しかしゲームプレイに対しては強く意識が向いており、サラウンド感は抜群にいい。FPSなどで位置情報としての音を取るなら、ヘッドフォンなしでもかなり使える。もちろん一般的なノートPCと比較しての話で、ヘッドフォンがあった方が間違いはないが、ゲーム向けの味付けをしているのがよくわかる。特に「Alienware Command Center」のオーディオ再構成プロファイルをいじると、音の位置表現のうまさがとてもよくわかる。

▲「Alienware Command Center」で音質を調整できる

小型化&軽量化を果たしたACアダプターのおかげで可搬性が大幅に改善


ACアダプタは240Wの大出力。その割にはかなりコンパクトで丸みがあり、持ち運びやすく威圧感が少ない。厚さは実測で23mmあり、本体よりは厚いのだが、これは本体が薄すぎると言うべきだろう。

▲240W出力のACアダプタ。大出力の割にはコンパクトで丸みがある特殊形状

AlienwareノートPCのACアダプターについては、これまでも本体サイズ以上に大型で持ち運びに苦労するという声も多かった。それを考えると、xシリーズは自宅内の移動だけでなく、頻繁に持ち運ぶ学生やビジネスマンなどを含めて、積極的に選択できるようになったと言ってもいいだろう。

後編では、各種ベンチマークテスト、および3Dゲームのテストプレイの結果を紹介する。

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