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4Kレイトレーシングのハイスペックゲームも余裕!【Alienware Aurora Ryzen Edition R10レビュー 後編】

目次
  1. ベンチマークで見るAlienware Aurora Ryzen Edition R10の実力
    1. PCMark 10
    2. 3DMark
    3. VRMark
    4. ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
    5. CINEBENCH R23
    6. CrystalDiskMark
  2. スロットリングの気配なし。『バイオ』最新作も4Kレイトレで快適に動作
    1. バイオハザード ヴィレッジ
    2. サイバーパンク2077
    3. フォートナイト
    4. エーペックスレジェンズ
  3. 静粛性を担保にした高い冷却性が安定した性能を生む

ベンチマークで見るAlienware Aurora Ryzen Edition R10の実力

デルのプレミアムゲーミングPCブランドであるAlienwareエイリアンウェア)製品を徹底レビューするこの企画。前編では、「Alienware Aurora Ryzen Edition R10」の外観やスペックなどを確認してきた。ここからは各種ベンチマークテスト、および3Dゲームのテストプレイの結果を見ていこう。なお、「Alienware Command Center」の設定は「オーバークロックなし」の初期設定のままにしている。

PCMark 10

PCMark 10:7,755
Essentials:10,087
Apps Start-up score:13,037
Video Conferencing Score:8,081
Web Browsing Score:9,742
Productivity:9,320
Spreadsheets Score:11,387
Writing Score:7,629
Digital Content Creation:13,460
Photo Editing Score:20,689
Rendering and Visualization Score:18,457
Video Editing Score:6,387

PCの総合的なパフォーマンスをチェックするPCMark 10(バージョンはv2.1.2508)。オフィス向けの用途などで困ることは当然なく、どの処理でも高い性能を発揮している。


3DMark

Time Spy:15,778
Port Royal:11,264
Fire Strike:32,737
Wild Life:89,455
Night Raid:63,914

3Dゲームのパフォーマンス指標の定番となっている3DMark(バージョンはv2.18.7185)。DirectX 12のテストとなるTime Spy、およびリアルタイムレイトレーシングのテストとなるPort Royalの両方で高い評価になっており、最新ゲームも高画質でプレイできそう(実際のゲームのテストは後ほど)。CPUやGPUのクロックのグラフが安定しているのも素晴らしい。


VRMark

Orange Room:14,977
Cyan Room:16,081
Blue Room:5,398

VR向けのベンチマークテストとなるVRMark(バージョンはv1.3.2020)。最もヘビーなBlue Roomでも、平均フレームレートが117.68fpsとなっている。VRの利用も数年は困らないだろう。


ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

1,920×1,080 最高品質:25,189
3,840×2,160 最高品質:14,217

ゲーム系ベンチマークテストの定番となった「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」。フルHD(1,920×1,080)で快適なのは当然として、4K(3,840×2,160)でも最高評価の「非常に快適」。平均フレームレートは約95fpsで、もはやオーバースペックと言わざるを得ない。

▲ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(4K・最高品質) © 2010 – 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

CINEBENCH R23

CPU(Multi Core):20,604pts
CPU(Single Core):1,598pts

CPUのベンチマークテストとなるCINEBENCH。Ryzen 9 5900Xは12コアなのでマルチコアの性能が高いのは当然とも言えるのだが、シングルコアの性能も相当に高く、MP Ratioも12.9で実コア数を超えている。まさに死角がなく、これまでのCPUとは一線を画した高い性能を発揮している。


CrystalDiskMark

ストレージの速度を調べるCrystalDiskMark(バージョンは8.0.2)。SSDはシーケンシャルリードで約3,500MB/sとかなり高速で、大容量ゲームも快適にこなせそう。HDDもリード・ライトとも200MB/s以上で、ゲームプレイの録画などで十分活用できる。

▲M.2 SSD

▲3.5インチ HDD


スロットリングの気配なし。『バイオ』最新作も4Kレイトレで快適に動作

バイオハザード ヴィレッジ

ここからは実際のゲームタイトルを試す。『バイオハザード ヴィレッジ』では、グラフィックス自動設定で「レイトレーシング」を選択し、解像度を「4K」とした。ゲーム序盤からしばらくプレイしたところ、フレームレートは概ね100fps前後。屋外のオブジェクトが多く見える場所でも80fpsを下回ることはほぼなかった。レイトレーシングで際立つグロテスクな映像で、激しいアクションを存分に楽しめる。



サイバーパンク2077

サイバーパンク2077』では、画質設定のクイックプリセットで最高となる「レイトレーシング:ウルトラ」を選択し、解像度を「4K」とした。こちらもゲーム序盤からのプレイで、フレームレートは50fps前後。場所によるフレームレートの変化は少なく、カーチェイスシーンでもほぼ同等だった。少し画質を下げて60fpsを目指す手もあるが、この状態でもプレイ感に問題はなく、ドラマ性の高い本作を楽しむためにも最高画質をおすすめしたい。



フォートナイト

フォートナイト』では、画質設定のクオリティプリセットを「最高」に設定し、解像度を「4K」とした。フレームレートは平均すると80fps程度だが、ゲーム開始前の人が集まるシーンや、遠景まで見渡せる場所、他のプレイヤーとの撃ち合いなど、あらゆるシーンで60fpsを下回ることはなかった。4Kの最高画質でも何の問題もなくプレイできる。

さらに解像度をフルHDに下げ、クオリティプリセットを1つ下の高にしてみると、フレームレートは一気に向上し、狭い場所だと300fpsを超えてくる。特に遠景が見渡せるような場所でなければ、ほとんどのシーンで200fpsを超えている。ハイリフレッシュレートのモニターでも存分に楽しめるだろう。



エーペックスレジェンズ

Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)では、設定可能な項目を全て「最高」とし(ラグドールのみ「中」までしか選べなかった)、解像度を「4K」とした。ドロップシップから風景を見下ろすシーンで70fps程度となったが、その後のプレイシーンではほぼ100fps超え。最近増え始めた4Kのハイリフレッシュレートモニターを導入すれば、画質・解像度・フレームレートの全てを満たすプレイ環境が実現できる。

さらに解像度を「フルHD」に下げ、各種画質設定も「中」程度に設定すると、多くのシーンで200fpsを超え、閉所では300fpsで頭打ちになる場面もあった。本作のフレームレートは標準では144fpsが上限で、特殊な起動オプションを記述すると上限を超えられるが、144fpsを超えるハイリフレッシュレートモニターであれば上限を開放する価値があると言える。



今回、4つのゲームを試すにあたり、まず「4K」でプレイしてみて、プレイ感に支障があれば解像度を「フルHD」に下げてプレイしようと思っていた。ところが実際に試してみると、可能な限りの最高画質で試しても何ら不快感はなく、むしろオーバースペックを感じることすらあった。処理負荷が増えるレイトレーシングを使うゲームでも問題にならなかったのは素晴らしい。

現時点で本機のパフォーマンスをフルに発揮させようと思うなら、先述の4Kハイリフレッシュモニターか、より低い解像度でも300fpsを超えるような超ハイリフレッシュモニターの導入を検討すべきだ。それでも最高画質に設定してようやく性能を使い切れる程度。現時点で存在するゲームをプレイするのに困ることはまずないと思われる。

ちなみにゲームのテストは、Windows 10の標準録画機能を使ってキャプチャしながらプレイした。ゲームを録画したい人も安心して使える、ということを付け加えておきたい。

静粛性を担保にした高い冷却性が安定した性能を生む

▲見た目からは想像できない冷却性能が魅力だ

本機の性能については、搭載されているパーツを見れば概ね想像でき、実際その通りに高い性能を発揮している。

その上で、本機の特徴は高い冷却性能にあると感じる。処理負荷が重いゲームでも、性能を落とすことなく安定した動作を続けるというのは、当たり前のようで難しい。一見がんばりすぎに見える冷却機構によって、高性能なパーツ群をしっかり冷却し、最高性能を維持させるという開発者のポリシーを感じる。

筆者が以前試した同型ケースのPCでは、もう少しスペックが低かったこともあるが、騒音が静かなことに驚かされた記憶がある。本機は同じクラスの他社製品に比べて、特に静かという印象は持たない。静粛性と冷却性能は相反するもの。本機は元々持つ静粛性を担保に冷却性能を大幅に高め、そこそこの騒音で極めて高い冷却性能を実現した、という印象だ。

騒音が出ないに越したことはないが、ヘッドフォンをして騒音を塞いだり、設置場所を工夫することも可能なだけに、ゲーマー的にはより高い性能を安定して出してくれるほうが喜ばれるはず。もしどうしても不満なら、「Alienware Command Center」にてカスタマイズもできるので、基本的な考え方としては本機のやり方が最もよいと筆者も思う。

近未来的な外見が注目されがちなAlienwareの製品だが、実際に触ってみると、むしろゲーマーのことを研究し尽くした作り込みやセッティングにこそ、一歩先を行く近未来性がある。本機もそのことを改めて感じさせてくれる1台だった。


▲Alienware Command Centerで、オーバークロック設定やケースファンのコントロールが可能

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