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【Alienware Aurora R11 CYCLOPS athlete gamingモデル レビュー(前編)】eスポーツで“勝つ”ために生まれたゲーミングPCの実力は?
目次
ALIENWAREは、プロeスポーツチームのCYCLOPS athlete gaming(CAG)のスポンサーを務めており、これに合わせて「ALIENWARE AURORA R11 CYCLOPS athlete gaming モデル」を展開している。CAGの選手がトレーニングや大会で実際に使用するモデルと同等のスペックを備えたもので、各種ゲームプレイにも安心して使用できる。
CAGと言えば、10月17〜18日に開催された「レインボーシックス Japan Championship 2020」で見事優勝を勝ち取った国内最強チーム。彼らが使っていたのもこのCAGコラボモデルだ。今回は、プロのeスポーツ選手も愛用している基本構成(GeForce RTX 2070 SUPERを搭載)でのパフォーマンスを、現状のeスポーツタイトルを中心にあらためて検証してみたい。
なお、執筆時点(11月10日現在)において、最新GPUであるNVIDIA GeForce RTX 3080/3090もリリースされており、本機でもBTOオプションで選択できるようになっている。また、12月5日からはRTX 3070のオプションも追加されている。価格は上乗せになるが、最新のGPUでプレイしてみたいという人は検討してみてもいいだろう。
ALIENWARE AURORA R11 CYCLOPS athlete gaming モデル スペック
CPU:第10世代インテル® Core™ i7 10700KF(8-コア, 16MB キャッシュ, 3.8GHz~5.1GHz w/Turbo Boost Max 3.0)
OS:Windows 10 Home(64ビット)日本語
ビデオカード:NVIDIA® GeForce® RTX 2070 SUPER™ 8GB GDDR6(オーバークロック対応)
メモリー:32GB(16GBx2) HyperX® FURY DDR4 3200MHz XMP
ハードドライブ:1TB M.2 PCIe NVMe SSD(ブート)+2TB 7200RPM SATA 6Gb/s(ストレージ)
シャーシ:1000W EPA 水冷 ルナライト(シルバーホワイト)
ネットワーク:Killer™ Wi-Fi 6 AX1650(2x2)802.11ax ワイヤレス と Bluetooth 5.1
前面ポート:Type-A USB 3.2 Gen 1ポート×2、Type-A USB 3.2 Gen 1ポート(PowerShareテクノロジー搭載)×1、Type-C USB 3.2 Gen 1ポート(PowerShareテクノロジー搭載)×1、ヘッドホン/ライン出力×1、マイクロフォン/ライン入力×1
背面ポート:SPDIFデジタル出力(同軸)×1、SPDIFデジタル出力(オプティカル)×1RJ45 Killer E3000 2.5ギガビットEthernet×1、Type-A USB 2.0ポート×6、Type-C USB 3.2 Gen 2(PowerShareテクノロジー搭載)×1、Type-A USB 3.2 Gen 2×1、側面サラウンド出力×1、マイク入力×1、ライン出力×1、Type-A USB 3.2 Gen 1×3、背面サラウンド出力センター/サブウーハー出力×1、センター/サブウーハー出力×1、ライン入力×1
まったく新しい本体デザインと外観部分を徹底チェック
ALIENWARE AURORAについては、弊誌でも2018年に先代エピックデザインのモデルを紹介している。当時のモデルとは様々な点が異なっており、どのように進化したかも含めて見ていきたい。ゲーミングPC「New ALIENWARE AURORA スプレマシーVR」のハードウェアを徹底検証!(前編)
ゲーミングPC「New ALIENWARE AURORA スプレマシーVR」のパフォーマンスを徹底検証!(後編)
アッパーミドルクラスのゲーミングデスクトップパソコンの構成
まず基本的なスペックから確認しよう。CPUは第10世代インテル® Core™ i7 10700KF(8コア/16スレッド、3.8~5.1GHz)、GPUはオーバークロック対応のNVIDIA® GeForce® RTX 2070 SUPER™となっている。CPUは上位のインテル® Core™ i9 10900KFなどにカスタマイズが可能だ。メインメモリーは32GB、ストレージは1TBのNVMe SSDと2TBのSATA HDDとなっており、最新の大容量ゲームにも対応できる。SSDはさらに2TBの品へカスタマイズも可能。
ネットワーク周りも充実している。有線LANはKiller E3000による2.5GBASE-T、無線LANはKiller Wi-Fi 6 AX1650(2x2)で、いずれも1Gbpsを超える通信が可能だ。
サイズは222.8×431.9×441.8~481.6mm(幅×奥行き×高さ、前方が低く後方が高い形状)で、重量は最大構成で17.8kg。丸みを帯びたフォルムでサイズ感がわかりづらいが、ミドルタワーPCのサイズに近く、それほど巨大ではない。ケースはシルバーホワイトとブラックの対比が効いたルナライトのほか、ダークカラーで統一されたダークサイド オブ ザ ムーンも選べる(今回はルナライトを選択している)。
機能が計算し尽くされた独創的な本体デザイン
前面パネルは独創的なデザインで、各種インターフェイスが中央部に縦に並び、その周囲がくぼんだ楕円形をしている。凝ったデザインの空調家電のようなたたずまいで、PCらしからぬ印象を抱かせる。前面のくぼみは広い吸気口になっており、PC内部へ潤沢に冷却用の空気を運んでいる。▲前面は端子部が縦に並び、その周辺が広く吸気口になっている
電源ボタンは、端子類が並ぶパネルの最上段にあるALIENWAREのロゴ。電源を入れると、ロゴと楕円形のパネル、そして吸気口部分がLEDで光る仕掛けになっている。ほかに右側面のALIENWAREの文字が光るが、いずれも光量は控えめで、派手過ぎない程度に近未来感を醸し出してくれる。
▲電源を入れると、前面に仕込まれたLEDが光る
▲右側面もALIENWAREの文字が光る
LEDライティングは、プリインストールされている専用ソフト「Alienware Command Center」でカスタマイズできる。色や明るさ、光り方を部位ごとに自由に設定できるので、好みや部屋の雰囲気に合わせて調整したい。
▲Alienware Command CenterでLEDの演出をカスタマイズ。前面3カ所、サイドのロゴの合計4カ所
前後の端子類は非常に充実
前面パネルには、USB 3.2 Gen1ポートが4つ並び、うち1つはType-Cポート。このType-Cポートとその上のType-AポートはPowerShare機能を有し、USBデバイスの充電にも適している。その下にはヘッドフォンとマイク端子も備えている。▲前面の端子部
他の部位も見ていこう。左側面は大きなスリットが空いており、電源ユニットの吸気部分となっている。右側面は先述のLED演出文字のほかにはスリットもない。天面にはスリットがあり、CPUの水冷ユニットから伸びるラジエーターの排気口となっている。
▲左側面は大きなスリットがある
▲天面にも大きなスリット
背面を見ると、映像出力系はビデオカードに任せることで、背面パネルの端子類を充実させている。USBポートは3.2 Gen2が2つ(うち1つはType-C)、3.2 Gen1が3つ、2.0が6つで、背面だけで計11ポートも用意されている。このほか2.5GBASE-T、スピーカー用のライン入出力ポート、オプティカルおよび同軸のS/PDIF出力ポートを備える。PS/2ポートはないので、PS/2キーボードを使用している人は注意。
▲背面パネルには多数のUSB端子を備えるほか、熱の排気口が配置されている
▲底面にも六角形のハニカムデザインが施され、ゴム製の土台が滑りを防止し、システムの安定性を保っている。
無駄のない内部デザインが安定動作に寄与
続いて内部を見ていこう。完成品のPCを開けるのは怖いと思う人もいるかもしれないが、デルではALIENWAREを含め、内部にアクセスするためのサービスマニュアルが公開されている。本機についても100ページ以上にわたるサービスマニュアルが用意されている。内部の掃除や、パーツ交換・アップグレード等の際にはご覧いただきたい。※ALIENWARE AURORA R11 サービスマニュアル
https://topics-cdn.dell.com/pdf/alienware-aurora-r11-desktop_service-manual_ja.pdf
ワンタッチで内部にアクセスできる機構は健在
左サイドパネルは、背面にあるリリースラッチ(黒い出っ張り部分)のネジを1つ外し、リリースラッチを引くと外れる。独特な仕組みだが、やってみれば簡単に開閉でき、ズレなくきっちり閉まる。▲背面のリリースラッチからネジを外す
▲リリースラッチを上に引くと左サイドパネルが外れる仕組み
内部を見ると、外装の大きさから想像するより一回り狭い。手前側に電源ユニットがあり、CPU付近はその奥にあるため、より狭そうな印象を受ける。
このままだとCPU周りなどが見えないのだが、背面のロックを2つ解除することで、電源ユニットを引き起こして内部にアクセスできる。また、スイング型の電源ユニットはどの角度でもしっかりと固定され、作業中のケガなどを防ぐように設計されている。変形ロボかと思うようなユニークな機構で、狭い場所に効率的にパーツを配置するための努力が感じられる。ちなみにこの作業は、CPU周りのほかメインメモリーの増設や交換の際に必要になる。
▲左サイドパネルを外したところ。スイング型の電源ユニットを開くと、メモリーやグラフィックボードなど中を確認できるようになってる。
▲電源ユニットはスイング型となっており、引き起こすように動かせる
マザーボードはALIENWAREのロゴとAURORAの文字が入ったオリジナル基板。拡張スロットは4本分のスペースがあり、空きはPCI-Expressが2つ(x16とx4)。スペック上の記述はないが、マザーボードのサイズはmicroATXに見える。
▲マザーボード周辺。基板にはAURORAの文字も入っている
CPUは水冷ユニットが使われており、こちらもALIENWAREロゴが入っている。ラジエーターは上面に取り付けられており、前面から吸気して上面から排気するというエアフローが見える。
▲CPUから伸びる水冷ユニット。上部にラジエーターが配置されている
内部の配線は極めて無駄なく、最低限の距離で接続されている。特に電源からマザーボードへの給電は非常に近い位置に設計されており、ケース内を電源ケーブルが這う必要がない。よってエアフローを邪魔するものはなく、狭い筐体内でもスムーズなエアフローを実現しているのがよくわかる。自作PCでは到達困難な美しい設計だ。
▲電源からマザーボードまでの距離がとても短く、配線に無駄がない
ストレージはM.2 SSD/2.5インチ/3.5インチ
3.5インチや2.5インチのストレージの増設・交換については、電源ユニットを動かす必要はなく、左サイドパネルを開ければすぐにアクセスできる。特に2.5インチベイは2基空いている状態なので、後々SSDを増設したい時にも簡単に取り付けられる。▲2.5インチベイは2基空いている
この手の完成品のPCというのは、後々のカスタマイズの自由度を持たせることで、配線やエアフローの無駄が出るものが多い。逆に配線やエアフローにこだわると、後々のカスタマイズは難しくなるのが通例だ。しかし本機はその両方を極めて高いレベルで実現している。
電源ユニットの開閉機構を始め、配線の位置やエアフローなど、設計には相当苦労しただろうと思うが、ここまで独自のデザインで作り込めていることこそがALIENWAREの価値だなと感じさせられる。おそらく組み立て時の作業エラーも出にくいだろうし、良好なエアフローは安定した動作にも寄与するだろう。
BTOメーカーがリリースしているパソコンならまだしも、デル/ALIENWAREのようなパソコン専門メーカー製の完成品PCの内部を開ける人は少ないだろうし、後々カスタマイズをしたい人も多くはないと思う。それゆえ、本機の作り込みのすばらしさを知る人は少ないだろう……というのが残念に感じられるほど。
とにかく、本機はそうそうお目にかかれないレベルの贅沢な設計がなされている、ということさえ伝わればいい。
▲2.5インチSSDやGPUの追加のための配線も、どれも最低限の長さで、とても美しい
後編では、実際のeスポーツタイトルでのゲームプレイも交えつつ、本機のパフォーマンスや使用感をお伝えしたい。
ALIENWARE AURORA R11 ゲーミングデスクトップ
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