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カプコンプロツアーのシーズン終盤戦ポイントレースを楽しもう!【『ストV』を観るための動画勢デビュー講座 第4回】

格闘ゲームはうまくないけど観戦するのは好き、という方に向けて、お楽しみポイントを提案する本連載。第4回となる今回は、カプコンプロツアー後半戦を楽しむため、現在のポイント状況を整理してみよう。

「EVO 2018」閉幕! 勝ったのはProblem X!


8月3日から5日にかけて開催された格闘ゲームの祭典「EVO 2018」。その『ストリートファイターV アーケードエディション』部門の参加人数は実に2492名。いかにトッププレイヤーと言えども、頂点までの長い道のりのどこで足元をすくわれるかわからない超巨大トーナメントとなった。

その中で勝ち残り、最終ステージ上で優勝を争ったのは以下の8名。

Problem X(イギリス/ベガ・アビゲイル)
ガチくん(日本/ラシード)
ふ~ど(日本/レインボーミカ)
Luffy(フランス/レインボーミカ)
THE COOL KID93(アメリカ/アビゲイル)
Caba(ドミニカ共和国/ガイル)
藤村(日本/いぶき)
※smashggのトーナメント表:https://smash.gg/tournament/evo-2018/events/street-fighter-v-arcade-edition/brackets/329216

いずれ劣らぬ強豪ぞろいとなったこのメンバーのトーナメントをさらに勝ち上がり、ファイナリストとなったのは昨年のEVO 2017覇者であるときど選手と、イギリスのProblem X選手。

ウィナーズ側トーナメントで日本のふ~ど選手に敗れ、ルーザーズ側トーナメントに落とされたときど選手だったが、そこから尻上がりに調子を上げて、ルーザーズファイナルでは風格さえ感じさせる攻めでふ~ど選手を圧倒してリベンジ。

続くグランドファイナルでも一度はProblem X選手のベガに勝ち切り、あと1勝のところまで追いつめる。すわ昨年のグランドファイナル、ルーザーズからの逆転優勝の再現かと思われたが、Problem X選手は強かった。

そこまでの対戦でときど選手の使う技術とクセを見抜いた(本人談)Ploblem X選手は、残る3戦を圧倒。絶好調に見えたときど選手をさらに上回る戦いを見せ、EVO 2018の頂点に輝いた。

もしまだ観戦していない方がいるのならば、ぜひOPENREC.tvでの日本語配信( 『ストⅤAE』は12時間42分~)を観ていただきたい。トッププレイヤーによるわかりやすい解説や、観戦歴2カ月ながら溢れるリスペクトと勤勉さで動画勢を虜にしている"格ゲー女神"こと八田亜矢子さんのリアクションも含め、大変素晴らしい配信となっているので、ぜひ!

▲見てみぃ、この会場! ボクシングの世界戦や世界レベルのアーティストがコンサートを行うアメリカ、ラスベガスはマンダレイ・ベイ・イベントセンターにて世界最大の格闘ゲームの祭典EVO 2018決勝戦が行われた

▲ルーザーズに落ちてからのときど選手は、何かに覚醒したかのような堂々たる立ち回りでLuffy選手、ガチくん選手を倒し、ふ~ど選手にもリベンジ、さらにグランドファイナルでのProblem X選手を相手に1勝を上げ、2年連続優勝の偉業に王手をかけるが……

▲お互いがルーザーズとなったグランドファイナル2戦目。ときど選手の動きを見切ったProblem X選手の大逆襲。ときど選手が上から攻めれば高火力の対空攻撃で迎撃され、地上から攻めようにもリーチに勝るベガの攻撃に阻まれる。去年はEVOを制したときど選手の豪鬼が、手詰まりになっているようにさえ見えた。Problem X選手、強かった……!

残されたポイントの争奪戦、開始!


EVOが終わると、トッププレイヤーたちの次なる大目標は年末に開催される「カプコンカップ2018」への出場となる。シーズン前半を終えた今、改めてその出場条件と、該当者の確認をしてみよう。

出場権(1) カプコンカップ2017優勝者1名

これは昨年のカプコンカップ2017決勝戦にてときど選手を破り優勝したドミニカ共和国のバーディ使い、MenaRD選手に確定している。

出場権(2) 獲得したグローバルポイントが多い上位26名

プロツアー終了時にグローバルポイントをより多く獲得している26名がこの該当者となる。参考として、EVOで付与されたポイントを加算した状態のランキング(8月6日時点)を確認してみよう。

【 グローバルランキング表 】

EVO優勝によってProblem X選手に破格の1750ポイントが付与されてなお、1位を譲らない藤村選手のとてつもない強さがわかるだろうか。

表中に引かれたラインが、グローバルポイント順位によるカプコンカップ出場権利者26名のボーダーラインだが、これが27位の下に引かれているのは、18位のMenaRD選手が前年優勝者としてすでに出場権を持っているため。

EVOの後で残されている、グローバルポイントを得る機会は以下の31大会(8月6日時点)だ。

・プレミア大会:11大会(7大会+各地域決勝大会に付随するオープンプレミア大会4大会)
・ランキング大会:15大会
・オンラインイベント:5回

現在27位以下にいるプレイヤーがポイントを伸ばしてくるのか、それとも上位のプレイヤーがさらなるポイントを加算してより出場を盤石にしていくのか、激化するポイントレースに注目していきたい。

▲何ポイント獲得すればカプコンカップに出られるかは、今後のポイントを誰が獲得していくかによる。700ポイント前後がボーダーラインになるのでは、などと予想されているようだ

出場権(3) 地域決勝大会の勝者4名

プロツアー終盤になると開催される、アジア・北米・南米・欧州の各地域の決勝大会の優勝者にはカプコンカップの出場権が与えられる。

各地域の決勝大会に出場できるのは、その地域に在住で、地域ランキングポイント上位8名となる。8月6日時点の各地域の地域ランキングポイントは以下のとおり。

【アジア地域ランキング表】

【北米地域ランキング表】

【南米地域ランキング表】

【欧州地域ランキング表】

地域決勝大会の前日にはオープンプレミア大会という、プレミア大会が併設される。このオープンプレミア大会は通常のプレミア大会と異なり、同地域に在住のプレイヤーが上位入賞した場合、地域ランキングポイントも獲得でき、これがその地域で獲得できる最後の地域ランキングポイントとなる。

直近で言うと9月20日に開催される欧州オープンプレミア大会がそれにあたる。このオープンプレミア大会をもって、欧州地域のランキングポイントは打ち止め。そこで欧州の地域ランキングが確定する。

その時点で欧州地域ランキングポイント上位の8名が、カプコンカップへの出場権をかけて決勝大会を戦うことになる。

なお、この地域決勝大会の優勝者がグローバルポイントの上位26名以内ですでに出場権を持っていた場合、その地域の地域ランキングポイントの上位者が地域代表としてカプコンカップに出場する権利を得る。

▲地域決勝大会の優勝者がすでに出場権を持っている場合は地域ランキングポイント上位者がその地域の代表者となる

出場権(4) カプコンカップ2018最終予選の勝者1名

残る1枠はカプコンカップ2018の前日に行われる最終予選大会の優勝者が出場権を得る。最終予選大会には出場資格は設けられていないため、そこまでに本戦出場権を得ていない強豪すべてが参戦するサバイバルトーナメントとなる。

前シーズンでは、最強候補と噂されながらも仕事の都合でプロツアーを転戦していなかった裏番長、日本のネモ選手がこの最終予選を勝ち抜き、そのままカプコンカップ本戦でも3位まで勝ち上がる活躍を見せた。

8月、9月のプロツアー公式大会はこちら

上に記した出場権をめぐって争われるプロツアー後半戦。今月~来月の公式大会は以下のとおり。9月末には他地域に先駆けて欧州地区の代表を決める地域決勝大会も予定されており、ますますポイントレースから目が離せなくなりそうだ。

8月、9月のCPT公式戦(★印がプレミア大会)
――――――――――――――――――――――――――――
★TWFighter Major 2018(台湾・台北)8/17~8/19
CPTオンラインイベント(欧州・東2)8/18
Lima Salty 2018(ペルー・リマ)8/18~8/19
CPTオンラインイベント(中南米・南2)8/25
Celtic Throwdown 2018(アイルランド・ダブリン)8/25~8/26
★Esports Festival Hong Kong 2018(香港・ワンチャイ)8/25~8/26
Ultimate Fighting Arena 2018(フランス・パリ)8/31~9/2
Summer Jam 2018(アメリカ・フィラデルフィア)8/31~9/2
First Attack 2018(プエルトリコ・サンフアン)9/1~9/2
★Final Fighters China(中国・詳細不明)9/1~9/2
CPTオンラインイベント(アジア・東2)9/2
Street Grand Battle 2018(フランス・リヨン)9/7~9/9
Treta Championship(ブラジル・クリチバ)9/7~9/9
★Dreamhack Montreal(カナダ・モントリオール)9/7~9/9
★SoCal Regionals 2018(アメリカ・ロサンゼルス)9/14~9/16
★EGX 欧州地域オープンプレミア(イングランド・バーミンガム)9/20〜9/23
EGX 欧州地域決勝(イングランド・バーミンガム)9/20~9/23
Never Give Up(チリ・サンチアゴ)9/22~9/23
東京ゲームショウ2018(日本・千葉)9/22~9/23
Fighting Fest(ドミニカ共和国・サントドミンゴ)9/29~9/30
――――――――――――――――――――――――――――

EVOでも大活躍! 注目プレイヤー紹介!


今後のポイントレースやカプコンカップ本戦に向けて、この人たちを追っかけてれば楽しめるよ! という注目のプレイヤーを紹介するこのコーナー、第2回となる今回はこの人たち!

・Problem X@MrProblemX
イギリス出身、欧州……いや世界最強のベガ使い。攻めは強いが守りが弱いと言われ続けているベガを使っているにも関わらず、プレミア大会を連覇するなど数々の実績を残し、ついに今回、欧州ではLuffy選手に続いて2人目となる『ストリートファイター』シリーズでのEVO覇者となった。ベガが苦手とするキャラクターとの対戦で使うために、今回のEVOではサブキャラのアビゲイルも仕上げており、多くのライバルを圧倒している。

・藤村│Fujimura@fujimura333
現在、世界最強のプレイヤーは誰なのか? と聞かれたら、筆者ならばこの人、日本の藤村選手を挙げる。今シーズンの活躍ぶりは、Problem X選手がEVOを優勝して1750ポイントという破格のポイントを獲得してなお、ポイントランキングで抜くことができなかったほどに圧倒的。多彩な攻め手を持つキャラクターを好み、『ストV AE』ではいぶきを使っている。あらゆる局面で勝ち筋を見失うことはなく、試合の中盤以降で藤村選手の攻撃が当たったなら、あと1回か2回の連続技やセットプレーでそのままゲームセットとなってしまうことも少なくない。穏やかそうな見た目に反して、個人配信などで見せる毒舌も独特な味わい。

・ふ~ど@TheFuudo
格闘ゲームに限らず、あらゆるゲームで天才的なセンスを見せつけるレインボーミカ使い。『バーチャファイター』シリーズのトッププレイヤーとして活躍していたふ~ど選手が『ストリートファイターⅣ』シリーズに参戦するやメキメキと頭角を現し、EVO 2011を制してしまったのに驚いた古参ファンは多いだろう。リスクを冒した無理攻めに頼らず、相手の行動を見極めての反撃と、不利な状況でも勝ち筋を掴みにいく勝負勘とで、カプコンプロツアー公式大会ではつねに上位にランキングされている。大好きなラーメンにアルコールに旅行にと、人生をフルに楽しむ上でもその攻略センスはいかんなく発揮されている。

・ガチくん│gachikun@gachikun0423
広島弁が印象的な最強のラシード使いの一角。格闘ゲームを始めたのは『ストIV』からだが、とにかく真面目で堅実なスタイルで実力を知られていた。『ストV』の上達のために上京し、強豪ぞろいの充実した練習環境に身を置くことで世界に届くほどにその努力が結実、EVO 2018では4位に入賞している。黙っていればプロ野球ファンの好青年だが、彼の使うラシードはキャラクターのトリッキーさに頼り切ることなく、正しい攻略で相手の体力を削り取っていく風格さえ感じさせる。

マゴ│Mago@magotto3
8月6日現在、カプコンカップ出場の26位以内にいるわけではないが、今回のEVOを語るときにマゴの名を外して語るわけにはいかない。日本格闘ゲーム界隈であまりにも愛されるこの男が戦った対戦台の周りには、つねに人だかりができていた。現在キャミィを使っているこの男は、かつて自らを“2D格闘ゲーム神”と自称したベテランプレイヤー。その攻略能力は誰もが口を揃えるほどに高く、普段の対戦では世界のトッププレイヤーとも互角以上。ただしその実力とは裏腹に、大舞台では緊張で負けることも少なくない。そのメンタルと戦う人間臭いドラマが、まさに現在の等身大の魅力となっているのだ。愛嬌のある人懐っこい性格で誰からも愛される世界の“MAGO-SAN”。ライバルたちとの、自分との戦いを制してカプコンカップに出場できるのか? その戦いから目が離せない。
ALIENWARE ZONE連載「プロゲーマー マゴのゲーム人間論」

……他にも紹介したいプレイヤーは大勢いるところだが、今回はここまで。少しずつでも、応援するプレイヤーを増やして群雄割拠のカプコンプロツアーを楽しんでほしい。

またプロツアーだけでなく、今月からは「TOPANGA」が運営する国内最強リーグ戦、「TOPANGA LEAGUE 7」もスタートする。

こちらもプロツアーに勝るとも劣らない最高のプレイが見られることは確実なので、ぜひぜひ……いや必ず! チェックしていただきたい。

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■関連リンク
ストリートファイターV アーケードエディション
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