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真夏のCPT後半戦! sako、ふ~ど、ももちの戦いに感動!【『ストV』を観るための動画勢デビュー講座 第5回】
格闘ゲームはうまくないけど観戦するのは好き、という方に向けて楽しみ方を提案する本連載。第5回となる今回は、カプコンカップ本戦の出場を賭けて行われた8月~9月のプレミア大会大連戦にフォーカスしてご紹介。
熱戦・好試合の連続なので、もし見逃している方がいるならばぜひTOP8の試合だけでも見てもらえれば幸いだ。
前回記事でもお伝えしたように、8月後半に差し掛かると、毎週のように世界各地でプレミア大会が開催される大会ラッシュとなった。各プレミア大会の結果は以下のとおり。
日本最年長プロゲーマー・sakoのパーフェクトゲーム!
大会最終日日本語配信
優勝:sako(日本)
準優勝:ときど(日本)
3位:Caba(ドミニカ共和国)
4位:板橋ザンギエフ(日本)
5位タイ:Xian(シンガポール)
5位タイ:NL(韓国)
7位タイ:ネモ(日本)
7位タイ:マゴ(日本)
約6週連続、7大会にもおよぶプレミア大会ラッシュの初戦となる台湾プレミアの決勝戦は、ときど選手とsako選手の日本人対決。ウイナーズのままグランドファイナルへと進めたsako選手はここでもメナトを自由自在に操り、ときど選手を圧倒。3-0のストレート勝利で優勝を飾った。
なんと、この勝利をもってsako選手はプール緒戦からグランドファイナルまで、1セットも落とさず、すべてストレート勝ちのパーフェクトスコアという偉業も達成している。また意外なことに、sako選手はこの優勝が『ストV』シリーズのCPTプレミア大会での初優勝でもあった。
「シルバーコレクター」を返上! ふ~どがプレミア大会を初制覇
大会最終日日本語配信
優勝:ふ~ど(日本)
準優勝:NL(韓国)
3位:Oil King(台湾)
4位:ハイタニ(日本)
5位タイ:藤村(日本)
5位タイ:sako(日本)
7位タイ:ボンちゃん(日本)
7位タイ:Caba(ドミニカ共和国)
夏のプレミアラッシュの2戦目は香港大会。ここでも日本勢の目覚ましい活躍が見られた。決勝を争ったのは韓国のNL選手と日本のふ〜ど選手。NL選手は今シーズン最強キャラクターの一角とされるキャミィを使用するプレイヤーの中でもトップの実績を誇る強敵で、この日のウイナーズファイナルで一度はふ〜ど選手にも勝利を収めている。
ルーザーズファイナルでOilKing選手を倒してグランドファイナルに生還したふ〜ど選手は、一度はNL選手に先行され優勝リーチをかけられるも、動じず相手の動きを読み切り、自身の動きをアジャスト。NL選手の強力な攻めに対して受けにまわるのではなく、前に前に出てプレッシャーをかけ続ける猛攻で逆転優勝を飾ることに成功した。
混沌とした大会をしめくくる魂の熱いバトル!
大会最終日日本語配信
優勝:Oil King(台湾)
準優勝:ももち(日本)
3位:藤村(日本)
4位:ふ~ど(日本)
5位タイ:ストーム久保(日本)
5位タイ:HuangYangMian(中国)
7位タイ:PITHEAD(中国)
7位タイ:Tse4444(香港)
通常、CPT公式大会はすでに獲得しているポイントや実績を考慮して、大会序盤から強豪の偏りが出ないよう、事前にトーナメント表が組まれて開始されるもの。……が、この中国プレミアはその配置が抽選、しかもその内容は公開されないという、なんともその……中国らしい 公 平 な 条件でのトーナメントとなった。
その結果、各国の強豪が序盤から密集してしまう遠征組にとって地獄のようなトーナメントが実現、なるべく地元中国選手のプレイを配信するためのスケジューリングもあいまって、大会の進行はグダグダ。選手たちのSNSが阿鼻叫喚となるカオスが現出した。
だがそんな中でも、上位に進出するのが強いプレイヤーなのは変わらない。普段のCPT大会上位では見かけない中国プレイヤー、HuangYangMian選手の使う是空も、PITHEAD選手の使うファンも間違いなく強かったというのはしっかりと訴えておきたい。
波乱を乗り越え、決勝戦で相まみえたのは台湾のOilKing選手と日本のももち選手。後退のネジを外した超攻撃的なOilKing選手に対して、ももち選手は本来ならばガードを主体とした堅実な守りから攻めどころを見つけて一気に攻め込む、緻密な守りのプレイヤー。
ところがこの日のももち選手は普段使っているコーリンではなく、豪鬼を選択。しかもこの試合に限って、プレイスタイルはOikKing選手と同じく自分が不利な状況でも無敵技で強引に切り返していく殴り合いスタイル。
多くの試合の中での勝率を上げるためのスマートな攻略ではない、ただ目の前の相手の反撃する心を折りに行く気迫のぶつかり合いは最後まで止むことはなかった。ももち選手の勝ちたい意志が折れるより先に、豪鬼の体力がなくなり、OilKing選手が自身初となるCPTプレミア大会制覇を達成。最初から最後まで驚きに彩られた中国大会は幕を閉じた。
若手を引きずり込む古豪ジャスティンの達人の技
大会最終日日本語配信
優勝:Justin Wong(アメリカ)
準優勝:NuckleDu(アメリカ)
3位:Problem X(イギリス)
4位:ボンちゃん(日本)
5位タイ:マゴ(日本)
5位タイ:Xiaohai(中国)
7位タイ:CJ Truth(アメリカ)
7位タイ:ももち(日本)
アジア地域での大会ラッシュがひと段落すると開催された、北米地域、カナダでの大会。ここでは先の3大会よりも北米のトッププレイヤーたちが数多く参加し、熱戦を展開した。
決勝戦は“アメリカのウメハラ”とも言える古豪・Justin Wong選手と、2年前にアメリカに初のカプコンカップ優勝トロフィーをもたらした弱冠22歳・NuckleDu選手という、現地の新旧英雄対決。ウイナーズファイナルでの対戦ではJustin Wongf選手が競り勝っているが、ルーザーズファイナルで今年のEvolution覇者・Problem X選手を下したNuckleDu選手が再び上がって来た形だ。
使用キャラクターは今シーズンでの強キャラといわれるキャミィで一気呵成に攻め込むNuckleDu選手、遠距離攻撃で猛攻をしのぐJustin Wong選手のメナトといったところ。
この対決で特筆すべきところと言えば、やはりJustin Wong選手の操るメナトの動きだ。うまいし強いのだが、日本のsako選手や韓国のinfiltration選手ら、他のトッププレイヤーの操るメナトとは明らかに動きが違う。メナトの特徴である特殊な飛び道具をほぼ使わず、sako選手が使えば絶大な火力となるVトリガーからの連続技もJustin Wong選手のメナトでは見られない。
メナトの一番の特徴を駆使しているふうでもなく、ただただリーチの長い強パンチと弱パンチをNuckleDu選手の目の前に置くように、シンプルに遠距離戦を展開しているメナトの姿を見て、「Justinのメナトは、見た目がかわいいダルシムだよ!」なんて言う人もいるほどなのである。
じつはこれは本作に限った話ではなく、他の格闘ゲームにおけるJustin Wong選手のプレイでありがちなことだ。彼の技は独特の間をもって繰り出される。そのゲームの特徴を活かすかどうか、そのキャラクターを使いこなしているかどうかではなく、とにかく“相手が動きたいところに技を出す”センスがズバ抜けているのだ。
だからどんな格闘ゲームをやっても、Justin Wong選手はいつでも強い。正直、他のメナト使いのほうがテクニカルには見えるのだが、そんなことはJustin Wong選手には関係ない。格闘ゲームの達人たる彼の攻撃は“とにかく当たる”のである。
この試合でも、そのセンスは如何なく発揮された。グランドファイナルの初戦、一気呵成に攻め込むNuckleDu選手に一度は負けたJustin Wong選手だが、お互いがルーザーズとなったグランドファイナル2戦目では独特の間合いが機能しはじめ、ついにはNuckleDu選手にサブキャラであるレインボー・ミカを出させるにいたる。これに対してJustin Wong選手もサブキャラのかりんを投入。若手の猛追を凌ぎきり、優勝トロフィーを獲得したのだった。
現地プレイヤーが大活躍するもsako、絶好調!
大会最終日日本語配信
優勝:sako(日本)
準優勝:xiaohai(中国)
3位:Chris T(アメリカ)
4位:ボンちゃん(日本)
5位タイ:ストーム久保(日本)
5位タイ:XSK Samurai(アメリカ)
7位タイ:ももち(日本)
7位タイ:Punk(アメリカ)
アメリカ・オンタリオで開催されたプレミア大会、Socal Regionalsは大会序盤からときど、ふ~ど、藤村、ウメハラ、ガチくんといった日本の強豪たちが敗退する波乱のトーナメントとなった。代わりに活躍が目立ったのはCPTランキング上位には名を連ねていない現地アメリカの強豪たち。プロツアーで世界を転戦していないプレイヤーたちの中にも多くの強豪がいるのは日本に限ったことではないのだ。
だが、このプレミア大会でまたしても次元の違う強さを見せつけたのがsako選手のメナト。有名・無名含めて強豪ぞろいのプレミアトーナメントで一度も負けず、ウイナーズファイナル、グランドファイナルと中国の生んだ超反応の天才プレイヤー・xiaohai選手を撃破して圧倒的な優勝を飾った。
優勝こそCPTトップランカーのsako選手だったものの、この大会のTOP8に勝ち残ったのはグローバルランキングで20~30位前後くらいのプレイヤーたちが多かった。これにより3位のChris T選手や5位のストーム久保選手、7位のPunk選手ら、グローバルポイントが700ポイント未満だったプレイヤーたちがぐっとランキングを上昇させた形だ。彼らとボーダーラインを争うプレイヤーたちにとっては焦りを感じざるを得ないアメリカプレミア大会となった。
長かったプロツアーも終盤になり、残りの大会数が減ってくると、もうランキング上位陣のカプコンカップ本戦への参加は確定してくる。もちろんそれぞれに考えはあるだろうが、そろそろ彼らの照準は年末のカプコンカップに絞られてきてもおかしくない頃。
ポイント的に出場が確定しているふ~ど選手が普段は使わないVトリガー2を試していたり、ボンちゃん選手が新キャラのサガットを実戦投入しているのも、誰もがお互いを研究して臨んでくるカプコンカップに向けて、自分の戦略の幅を広げるべく、試行錯誤しているということなのだろう。現在メナトで絶好調中のsako選手も実はもうひとり、サブキャラクターを練習しているという噂も聞こえてくる。
一方で、グローバルポイントランキングで26位近辺のプレイヤーたちはいよいよお尻に火がついてきている。ランキング上位陣が活躍する分には自分の順位が抜かれることはないが、今回のアメリカプレミアのようにカプコンカップ出場ボーダーライン近辺のプレイヤーがポイントを獲得すると、彼らの出場権は揺れ動くことになる。もし仮に、sako選手が優勝せずに5位のXSK Samurai選手が優勝なんてしていたら、一気に700ポイント獲得で多くのプレイヤーのランキングが後退する事態になっていたわけだ。
いっそう激化するツアー参加者たちのサバイバルレース。そしてポイントレースから解放された上位陣が秘密裏に練り上げているかもしれない新戦略・新キャラクター。われわれ動画勢の楽しみはまだまだ続く。ボーダーライン付近のプレイヤーのSNSでのつぶやきなどを見ていると、ああ、本当に観客というのはわがままな立場なんだなあ、なんてことも思ったりする。そんな、熱い夏の日々であった。
【北米地域ランキング表】
【アジア地域ランキング表】
【南米地域ランキング表】
【欧州地域ランキング表】
8月後半から9月前半にかけて開催されたプレミア大会はすべてプレミア初優勝のプレイヤーが優勝(sako選手は一気にプレミア2勝!)し、それぞれが700ポイントの大量ポイントを獲得。ランクをジャンプアップさせた。20位以上に位置するプレイヤーたちはもう、焦ることなくカプコンカップ本戦に向けて牙を磨く段階に入ったと言えるのではないだろうか。
■9月以降のCPT公式戦(★印はプレミア大会。日付はいずれも現地時間)
-9月----------
★EGX 欧州地域オープンプレミア(イングランド・バーミンガム)9/20〜9/23
EGX 欧州地域決勝(イングランド・バーミンガム)9/20~9/23
Never Give Up(チリ・サンティアゴ)9/22~9/23
★東京ゲームショウ2018(日本・千葉)9/22~9/23
Fighting Fest(ドミニカ共和国・サントドミンゴ)9/29~9/30
-10月----------
CPTオンラインイベント(北米・東1)10/1
Thunderstruck VI(メキシコ・モンテレイ)10/6~10/7
BATS - Buenos Aires True Salt(アルゼンチン・ブエノスアイレス)10/13~10/14
★SEAM アジア地域オープンプレミア(シンガポール)10/13~10/14
SEAM アジア地域決勝(シンガポール)10/13~10/14
JAM Festival 2018(ブラジル・ブラジリア)10/19~10/21
East Coast Throwdown 2018(アメリカ・ニュージャージー)10/20~10/21
★Canada Cup 2018(カナダ・トロント)10/26~10/28
-11月----------
★中南米地域オープンプレミア(ブラジル・サンパウロ)11/2~11/4
中南米地域決勝(ブラジル・サンパウロ)11/2~11/4
CPTオンラインイベント(北米・東2)11/10
★Red Bull CONQUEST 北米地域オープンプレミア(アメリカ・ワシントンDC)11/17~11/18
Red Bull CONQUEST 北米地域決勝(アメリカ・ワシントンDC)11/17~11/18
-12月----------
Capcom Cup 2018 最終予選 (アメリカ・ラスベガス 12/14~12/16)
Capcom Cup 2018 (アメリカ・ラスベガス 12/14~12/16)
今月の注目のプレイヤーを紹介するこのコーナー、第3回となる今回はこの人たち!
・sako(@sakonoko)
※マネージャー兼夫人、あききさんのtwitter(@akikiwww)
日本国内最年長の子持ちプロゲーマー。2013年に始まったカプコン公式世界大会「カプコンカップ」シリーズの初代優勝者である。格闘ゲームに限ったことではないようだが、とにかく練習で技術を向上させることを喜びとしており、sakoにしか実現できないと言われるほどの超絶難度の連続技や連係も実戦で使いこなす。
操作がテクニカルなキャラクターを好み、メナトは、かつて“sakoコンボ”で怖れられた『ヴァンパイアセイヴァー』のバレッタ以来のお気に入りキャラクターとのこと。事実、昨今の大会でのメナトはセットプレーや連続技だけでなく、観る者の理解を超えた超絶テクニックによるアドリブの連続で、解説にあたる識者もただただ「うますぎる」と笑うしかない状態に追い込まれている。
フィニッシュを決めるときには、誰でもできる安定の連続技ではなく、わざわざ狙わなくてもいい難しい連続技を決めて美しく勝つのがポリシー。“どんな内容でも勝つ”ことよりも“うまさを見せる”ことが上位概念とされているゲームセンター対戦格闘の美学を貫いたまま、世界のトップで戦い続けている最強パパゲーマーである。
・ボンちゃん(@katitagaribon)
『ストリートファイターIV』シリーズから頭角を現してきた、格闘ゲーム配信の視聴者には古くからおなじみのプレイヤー。相手を攻め立てて択を仕掛けるよりも、精度高く守って、捌ききって、勝つ試合を好む守備型のプレイヤーである。2015年、『ウルトラストリートファイターⅣ』を使って開催されたレッドブル主催の世界大会Red Bull KUMITEを、得意のサガットを使って制覇したことをきっかけにレッドブルアスリートとして、かのRed Bullよりスポンサードされるように。
緻密な攻略理論にもとづき、調整の粗いと思った部分など、歯に衣着せぬ物言いでズバズバ切り込む一面が目立つが、性格は温厚で責任に対しては超がつくほどの真面目人間だったりもする。
『ストV』シリーズにおいてはナッシュにかりんと、良かれと思って選んだキャラクターがシーズンの節目のバランス調整で弱体化されがち。これはCPTを回るプレイヤーにとっては美学では済まない死活問題であることを意味するのだが、同キャラを使うトッププレイヤーが次々にキャラを乗り換えて行く中、ひたすら練度を高めてキャラ差をひっくり返しての大会制覇を連発し「ラストナッシュ」と異名を囁かれたのも記憶に新しい。
今年の8月、念願の“魂のキャラクター”サガットが『ストV AE』にお目見えするも、これまたお世辞には強いとは思えないキャラ性能の様子。それでも真面目にリスクリターンと向き合った攻略で強豪たちと渡り合っているのはさすがの一言だ。
・ももち(@momochi212)
自身もプロゲーマーとして活躍しつつ、夫人のチョコブランカ(@chocoblanka)と共に会社を設立、ゲーミングチーム「不動」も切り盛りするプレイヤー。夫婦ゲーマーということでメディアへの露出も多いため、動画勢になる前からももちの名前を聞いたことはある、という人もいるのではないだろうか。
カプコンカップ2014、EVO2015と、『ストリートファイター』シリーズでEVO、カプコンカップの両大会を制覇しているのは現在ももちただひとりである。『ストV』シリーズではコーリン、ケンなどのキャラを使い、ガードを主体とした堅いプレイスタイルで、相手の隙を見つけて一気に攻め切る試合展開が多く見られる。
今シーズンの使用キャラを定め切れず、ポイントレースではスロースタートになった感があるが、ここ最近は調子を上げており、カプコンカップでの活躍も期待される。
なおゲームでは誰もが舌を巻く操作精度だが、家事となるとチョコブランカには頭が上がらずピーマンはうまく切れない。sako家も近いところはあるのだが、トッププレイヤーはゲームに特化した人間性能であることも多く(笑)、夫人たちの内助の功は大きいと言わざるを得ない。
・ハイタニ(@hai090)
かつて格闘ゲームファンの間で“格ゲー五神”に数えられたベテラントッププレイヤー。読みの鋭さでどんな劣勢からも大逆転がある"まこと"を使って大暴れしていたが、プロゲーマーという立場になったことでキャラ選びの方向性を変更。お金をもらってプレイしている以上、勝つことは仕事であり、読みが通った、通らなかったで一喜一憂するのではなく、もっと堅実に勝ちへの段階を積み重ねるべきと考え、『ストV』ではネカリ、『ストV AE』からは豪鬼と、いわゆる万能タイプのキャラを使用している。
ゲームプレイは攻撃的だが、普段の性格は実に朗らかで、飄々として型に捉われることがない。無類の自然・動物好きであり、今年の猛暑の中、早朝から3時間にも渡ってセミ取りを配信してみたり、靴を脱いで川遊びをしてみたりと変わり種の多いゲーマーの中でも特に自然派の方向に突き抜けまくった変わり種。世界トップレベルのプレイヤーのはずなのに、配信を観ているとゲーム・虫取り・コーラと小学生三種の神器を携えた男児に見えてくる。筆者のようなオッサン動画勢の癒しとなってくれるプレイヤーである。
・ネモ(@GOOD_NEMO)
さまざまな格闘ゲームでトッププレイヤーとしてならしたベテランプレイヤー。『ストリートファイター』シリーズでも『ストIV』時代から輝かしい戦績を残している。本サイトの連載でも触れられているが、自らプレゼン書類を作成し、企業に提案することでスポンサー契約を締結し、通常の職業とプロゲーマー活動を両立する体制を作った情熱と信念の人である。
社会人プロゲーマーの肩書きとは裏腹に、そのプレイスタイルは豪快のひとことに尽きる。新しいゲーム、新しいキャラに振れたときに"勝ち方"を開拓する攻略を得意とし、ユリアンをメインキャラとしながらも、8月にリリースされたGを使っても並みいる強豪をボコボコにする大暴れをしている。
心理戦においても勝ちへの最短距離を見据えており、この技が当たる、と思うならばリスクのある攻撃でも大胆に仕掛けてダメージレースで一気に片をつけてしまう試合展開も多い。昔から現在に至るまで「投げキャラ嫌い」を公言し(どこまで本気かはわからない笑)、ザンギエフ使いの板橋ザンギエフ選手とのやり取りは格ゲーほのぼのコントとして愛されている。
……と、今回はここまで。少しずつ応援するプレイヤーを増やしてカプコンプロツアーをよりいろんな方向から楽しんでみてほしい。
先月から始まっている「TOPANGA」が運営する国内最強リーグ戦、「TOPANGA LEAGUE 7」もとてつもない名勝負が連発しているのでプロツアーと並行してチェックしたい。
sakoさん、ここでもあの地獄のCリーグを1位通過ってヤバすぎるでしょ……。これは今年のカプコンカップ制覇もありえるか……!?
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■関連リンク
ストリートファイターV アーケードエディション
http://www.capcom.co.jp/sfv/
CAPCOM PRO TOUR
https://capcomprotour.com/
熱戦・好試合の連続なので、もし見逃している方がいるならばぜひTOP8の試合だけでも見てもらえれば幸いだ。
プレミア大会ラッシュの覇者は?
前回記事でもお伝えしたように、8月後半に差し掛かると、毎週のように世界各地でプレミア大会が開催される大会ラッシュとなった。各プレミア大会の結果は以下のとおり。
日本最年長プロゲーマー・sakoのパーフェクトゲーム!
TWFighter Major 2018(台湾・台北)8/17~8/19
大会最終日日本語配信優勝:sako(日本)
準優勝:ときど(日本)
3位:Caba(ドミニカ共和国)
4位:板橋ザンギエフ(日本)
5位タイ:Xian(シンガポール)
5位タイ:NL(韓国)
7位タイ:ネモ(日本)
7位タイ:マゴ(日本)
約6週連続、7大会にもおよぶプレミア大会ラッシュの初戦となる台湾プレミアの決勝戦は、ときど選手とsako選手の日本人対決。ウイナーズのままグランドファイナルへと進めたsako選手はここでもメナトを自由自在に操り、ときど選手を圧倒。3-0のストレート勝利で優勝を飾った。
なんと、この勝利をもってsako選手はプール緒戦からグランドファイナルまで、1セットも落とさず、すべてストレート勝ちのパーフェクトスコアという偉業も達成している。また意外なことに、sako選手はこの優勝が『ストV』シリーズのCPTプレミア大会での初優勝でもあった。
▲強豪ぞろいの過酷なプレミアトーナメントを制したのは日本最年長プロゲーマーのsako選手。試合内容・結果ともに美しすぎるパーフェクトゲームを決め、優勝トロフィーと愛娘を腕に抱き、見守る妻は嬉し泣き。ハッピーすぎる表彰式に世界中のゲーマーが祝福を送った。今のsako選手はトーナメントを勝ち抜く実力・見る者を魅了する技術・そして家族を持つ人間としての生き様、すべてを見せてくれる理想のプロ選手と言える
「シルバーコレクター」を返上! ふ~どがプレミア大会を初制覇
Esports Festival Hong Kong 2018(香港・ワンチャイ)8/25~8/26
大会最終日日本語配信優勝:ふ~ど(日本)
準優勝:NL(韓国)
3位:Oil King(台湾)
4位:ハイタニ(日本)
5位タイ:藤村(日本)
5位タイ:sako(日本)
7位タイ:ボンちゃん(日本)
7位タイ:Caba(ドミニカ共和国)
夏のプレミアラッシュの2戦目は香港大会。ここでも日本勢の目覚ましい活躍が見られた。決勝を争ったのは韓国のNL選手と日本のふ〜ど選手。NL選手は今シーズン最強キャラクターの一角とされるキャミィを使用するプレイヤーの中でもトップの実績を誇る強敵で、この日のウイナーズファイナルで一度はふ〜ど選手にも勝利を収めている。
ルーザーズファイナルでOilKing選手を倒してグランドファイナルに生還したふ〜ど選手は、一度はNL選手に先行され優勝リーチをかけられるも、動じず相手の動きを読み切り、自身の動きをアジャスト。NL選手の強力な攻めに対して受けにまわるのではなく、前に前に出てプレッシャーをかけ続ける猛攻で逆転優勝を飾ることに成功した。
▲鋭い読みと、狙った相手の行動は逃さない反応の良さで常にCPT上位に食い込む超・超強豪のふ〜ど選手だが、どうにも準優勝という結果があまりにも多く、シルバーコレクターとの異名も囁かれていた。この激勝でそれも返上! ……いやそもそも安定してシルバーコレクターってのもとんでもなくスゴいことではあるのだが
混沌とした大会をしめくくる魂の熱いバトル!
Final Fighters China(中国・西安)9/1~9/2
大会最終日日本語配信優勝:Oil King(台湾)
準優勝:ももち(日本)
3位:藤村(日本)
4位:ふ~ど(日本)
5位タイ:ストーム久保(日本)
5位タイ:HuangYangMian(中国)
7位タイ:PITHEAD(中国)
7位タイ:Tse4444(香港)
通常、CPT公式大会はすでに獲得しているポイントや実績を考慮して、大会序盤から強豪の偏りが出ないよう、事前にトーナメント表が組まれて開始されるもの。……が、この中国プレミアはその配置が抽選、しかもその内容は公開されないという、なんともその……中国らしい 公 平 な 条件でのトーナメントとなった。
その結果、各国の強豪が序盤から密集してしまう遠征組にとって地獄のようなトーナメントが実現、なるべく地元中国選手のプレイを配信するためのスケジューリングもあいまって、大会の進行はグダグダ。選手たちのSNSが阿鼻叫喚となるカオスが現出した。
だがそんな中でも、上位に進出するのが強いプレイヤーなのは変わらない。普段のCPT大会上位では見かけない中国プレイヤー、HuangYangMian選手の使う是空も、PITHEAD選手の使うファンも間違いなく強かったというのはしっかりと訴えておきたい。
波乱を乗り越え、決勝戦で相まみえたのは台湾のOilKing選手と日本のももち選手。後退のネジを外した超攻撃的なOilKing選手に対して、ももち選手は本来ならばガードを主体とした堅実な守りから攻めどころを見つけて一気に攻め込む、緻密な守りのプレイヤー。
ところがこの日のももち選手は普段使っているコーリンではなく、豪鬼を選択。しかもこの試合に限って、プレイスタイルはOikKing選手と同じく自分が不利な状況でも無敵技で強引に切り返していく殴り合いスタイル。
多くの試合の中での勝率を上げるためのスマートな攻略ではない、ただ目の前の相手の反撃する心を折りに行く気迫のぶつかり合いは最後まで止むことはなかった。ももち選手の勝ちたい意志が折れるより先に、豪鬼の体力がなくなり、OilKing選手が自身初となるCPTプレミア大会制覇を達成。最初から最後まで驚きに彩られた中国大会は幕を閉じた。
▲無敵技をぶっパナす、もつれ合った攻防でお互いにミスもする。世界最高峰にウマい奴同士のウマいだけではない意地のぶつかり合い。もしかしたら観戦してる側が勝手に美化しているだけの泥試合かもしれない。だが優勝がかかったこのシチュエーションでこの人間力の比べ合いが見られるのは、すごく素敵なことなんじゃないかと思わせる一戦だった
若手を引きずり込む古豪ジャスティンの達人の技
Dreamhack Montreal(カナダ・モントリオール)9/7~9/9
大会最終日日本語配信優勝:Justin Wong(アメリカ)
準優勝:NuckleDu(アメリカ)
3位:Problem X(イギリス)
4位:ボンちゃん(日本)
5位タイ:マゴ(日本)
5位タイ:Xiaohai(中国)
7位タイ:CJ Truth(アメリカ)
7位タイ:ももち(日本)
アジア地域での大会ラッシュがひと段落すると開催された、北米地域、カナダでの大会。ここでは先の3大会よりも北米のトッププレイヤーたちが数多く参加し、熱戦を展開した。
決勝戦は“アメリカのウメハラ”とも言える古豪・Justin Wong選手と、2年前にアメリカに初のカプコンカップ優勝トロフィーをもたらした弱冠22歳・NuckleDu選手という、現地の新旧英雄対決。ウイナーズファイナルでの対戦ではJustin Wongf選手が競り勝っているが、ルーザーズファイナルで今年のEvolution覇者・Problem X選手を下したNuckleDu選手が再び上がって来た形だ。
使用キャラクターは今シーズンでの強キャラといわれるキャミィで一気呵成に攻め込むNuckleDu選手、遠距離攻撃で猛攻をしのぐJustin Wong選手のメナトといったところ。
この対決で特筆すべきところと言えば、やはりJustin Wong選手の操るメナトの動きだ。うまいし強いのだが、日本のsako選手や韓国のinfiltration選手ら、他のトッププレイヤーの操るメナトとは明らかに動きが違う。メナトの特徴である特殊な飛び道具をほぼ使わず、sako選手が使えば絶大な火力となるVトリガーからの連続技もJustin Wong選手のメナトでは見られない。
メナトの一番の特徴を駆使しているふうでもなく、ただただリーチの長い強パンチと弱パンチをNuckleDu選手の目の前に置くように、シンプルに遠距離戦を展開しているメナトの姿を見て、「Justinのメナトは、見た目がかわいいダルシムだよ!」なんて言う人もいるほどなのである。
じつはこれは本作に限った話ではなく、他の格闘ゲームにおけるJustin Wong選手のプレイでありがちなことだ。彼の技は独特の間をもって繰り出される。そのゲームの特徴を活かすかどうか、そのキャラクターを使いこなしているかどうかではなく、とにかく“相手が動きたいところに技を出す”センスがズバ抜けているのだ。
だからどんな格闘ゲームをやっても、Justin Wong選手はいつでも強い。正直、他のメナト使いのほうがテクニカルには見えるのだが、そんなことはJustin Wong選手には関係ない。格闘ゲームの達人たる彼の攻撃は“とにかく当たる”のである。
この試合でも、そのセンスは如何なく発揮された。グランドファイナルの初戦、一気呵成に攻め込むNuckleDu選手に一度は負けたJustin Wong選手だが、お互いがルーザーズとなったグランドファイナル2戦目では独特の間合いが機能しはじめ、ついにはNuckleDu選手にサブキャラであるレインボー・ミカを出させるにいたる。これに対してJustin Wong選手もサブキャラのかりんを投入。若手の猛追を凌ぎきり、優勝トロフィーを獲得したのだった。
▲ゲームやキャラの特徴を引き出すというより、自分の当て勘で攻略を組み立てるJustin Wong選手。達人の域でランキング大会を制覇しまくっている古豪も、じつはプレミア大会は初制覇
現地プレイヤーが大活躍するもsako、絶好調!
Socal Regionals 2018(アメリカ・オンタリオ)9/14~9/16
大会最終日日本語配信優勝:sako(日本)
準優勝:xiaohai(中国)
3位:Chris T(アメリカ)
4位:ボンちゃん(日本)
5位タイ:ストーム久保(日本)
5位タイ:XSK Samurai(アメリカ)
7位タイ:ももち(日本)
7位タイ:Punk(アメリカ)
アメリカ・オンタリオで開催されたプレミア大会、Socal Regionalsは大会序盤からときど、ふ~ど、藤村、ウメハラ、ガチくんといった日本の強豪たちが敗退する波乱のトーナメントとなった。代わりに活躍が目立ったのはCPTランキング上位には名を連ねていない現地アメリカの強豪たち。プロツアーで世界を転戦していないプレイヤーたちの中にも多くの強豪がいるのは日本に限ったことではないのだ。
だが、このプレミア大会でまたしても次元の違う強さを見せつけたのがsako選手のメナト。有名・無名含めて強豪ぞろいのプレミアトーナメントで一度も負けず、ウイナーズファイナル、グランドファイナルと中国の生んだ超反応の天才プレイヤー・xiaohai選手を撃破して圧倒的な優勝を飾った。
優勝こそCPTトップランカーのsako選手だったものの、この大会のTOP8に勝ち残ったのはグローバルランキングで20~30位前後くらいのプレイヤーたちが多かった。これにより3位のChris T選手や5位のストーム久保選手、7位のPunk選手ら、グローバルポイントが700ポイント未満だったプレイヤーたちがぐっとランキングを上昇させた形だ。彼らとボーダーラインを争うプレイヤーたちにとっては焦りを感じざるを得ないアメリカプレミア大会となった。
▲上の写真は大会終盤、あこがれのももち選手のケンと戦えることになったときのChris T選手の表情。最近の大会ではケンを久しく使っていないももち選手だが、ケン使いのChris T選手に胸を貸した形だ。世界各国の若手プレイヤーにとって、アジアのべテランプレイヤーはあこがれのヒーローであり、超えるべき壁でもある。そんな高い高い壁の中のひとり、sako選手の圧倒的なプレイは、1カ月前の台湾大会よりさらに強くなっているようにさえ見えた。英雄たちは、今でもまだ強くなり続けている
現状のランキングとポイント戦略の変化
長かったプロツアーも終盤になり、残りの大会数が減ってくると、もうランキング上位陣のカプコンカップ本戦への参加は確定してくる。もちろんそれぞれに考えはあるだろうが、そろそろ彼らの照準は年末のカプコンカップに絞られてきてもおかしくない頃。
ポイント的に出場が確定しているふ~ど選手が普段は使わないVトリガー2を試していたり、ボンちゃん選手が新キャラのサガットを実戦投入しているのも、誰もがお互いを研究して臨んでくるカプコンカップに向けて、自分の戦略の幅を広げるべく、試行錯誤しているということなのだろう。現在メナトで絶好調中のsako選手も実はもうひとり、サブキャラクターを練習しているという噂も聞こえてくる。
一方で、グローバルポイントランキングで26位近辺のプレイヤーたちはいよいよお尻に火がついてきている。ランキング上位陣が活躍する分には自分の順位が抜かれることはないが、今回のアメリカプレミアのようにカプコンカップ出場ボーダーライン近辺のプレイヤーがポイントを獲得すると、彼らの出場権は揺れ動くことになる。もし仮に、sako選手が優勝せずに5位のXSK Samurai選手が優勝なんてしていたら、一気に700ポイント獲得で多くのプレイヤーのランキングが後退する事態になっていたわけだ。
いっそう激化するツアー参加者たちのサバイバルレース。そしてポイントレースから解放された上位陣が秘密裏に練り上げているかもしれない新戦略・新キャラクター。われわれ動画勢の楽しみはまだまだ続く。ボーダーライン付近のプレイヤーのSNSでのつぶやきなどを見ていると、ああ、本当に観客というのはわがままな立場なんだなあ、なんてことも思ったりする。そんな、熱い夏の日々であった。
▲ボーダーライン付近のポイントが密集してくると、ランキング大会でベスト4に入賞した20ポイントが効いてくるかもしれない。あるいは距離も遠く、治安リスクもある中南米大会への遠征も考えなければならないかもしれない。各プレイヤーはツアー終盤のサバイバルレースをどのように走り切るのだろうか(写真は日本時間2018年9月18日現在)
9/18現在のグローバル/各地域ランキングと、残りのCPT公式大会
【グローバルランキング表】【北米地域ランキング表】
【アジア地域ランキング表】
【南米地域ランキング表】
【欧州地域ランキング表】
8月後半から9月前半にかけて開催されたプレミア大会はすべてプレミア初優勝のプレイヤーが優勝(sako選手は一気にプレミア2勝!)し、それぞれが700ポイントの大量ポイントを獲得。ランクをジャンプアップさせた。20位以上に位置するプレイヤーたちはもう、焦ることなくカプコンカップ本戦に向けて牙を磨く段階に入ったと言えるのではないだろうか。
【※前回記事の訂正】前回記事にて、地域決勝大会の優勝者がすでにグローバルランキングでのカプコンカップ出場権を持っている場合「その地域ランキングが高い選手に出場権が繰り下げになる」と記述しましたが、正しくは「出場権を持たないその地域の選手で、グローバルランキングがもっとも高い選手に繰り下げになる」でした。仮に、現在のポイントのまま欧州地域決勝大会が行われてPhenom選手が優勝したと仮定すると、出場権を持たない欧州選手の中で一番グローバルランキングの高いAkiainu選手が“欧州地域枠”として出場権を得ることになります。
■9月以降のCPT公式戦(★印はプレミア大会。日付はいずれも現地時間)
-9月----------
★EGX 欧州地域オープンプレミア(イングランド・バーミンガム)9/20〜9/23
EGX 欧州地域決勝(イングランド・バーミンガム)9/20~9/23
Never Give Up(チリ・サンティアゴ)9/22~9/23
★東京ゲームショウ2018(日本・千葉)9/22~9/23
Fighting Fest(ドミニカ共和国・サントドミンゴ)9/29~9/30
-10月----------
CPTオンラインイベント(北米・東1)10/1
Thunderstruck VI(メキシコ・モンテレイ)10/6~10/7
BATS - Buenos Aires True Salt(アルゼンチン・ブエノスアイレス)10/13~10/14
★SEAM アジア地域オープンプレミア(シンガポール)10/13~10/14
SEAM アジア地域決勝(シンガポール)10/13~10/14
JAM Festival 2018(ブラジル・ブラジリア)10/19~10/21
East Coast Throwdown 2018(アメリカ・ニュージャージー)10/20~10/21
★Canada Cup 2018(カナダ・トロント)10/26~10/28
-11月----------
★中南米地域オープンプレミア(ブラジル・サンパウロ)11/2~11/4
中南米地域決勝(ブラジル・サンパウロ)11/2~11/4
CPTオンラインイベント(北米・東2)11/10
★Red Bull CONQUEST 北米地域オープンプレミア(アメリカ・ワシントンDC)11/17~11/18
Red Bull CONQUEST 北米地域決勝(アメリカ・ワシントンDC)11/17~11/18
-12月----------
Capcom Cup 2018 最終予選 (アメリカ・ラスベガス 12/14~12/16)
Capcom Cup 2018 (アメリカ・ラスベガス 12/14~12/16)
カプコンカップでの活躍も確実!? 注目プレイヤー紹介!
今月の注目のプレイヤーを紹介するこのコーナー、第3回となる今回はこの人たち!
・sako(@sakonoko)
※マネージャー兼夫人、あききさんのtwitter(@akikiwww)
日本国内最年長の子持ちプロゲーマー。2013年に始まったカプコン公式世界大会「カプコンカップ」シリーズの初代優勝者である。格闘ゲームに限ったことではないようだが、とにかく練習で技術を向上させることを喜びとしており、sakoにしか実現できないと言われるほどの超絶難度の連続技や連係も実戦で使いこなす。
操作がテクニカルなキャラクターを好み、メナトは、かつて“sakoコンボ”で怖れられた『ヴァンパイアセイヴァー』のバレッタ以来のお気に入りキャラクターとのこと。事実、昨今の大会でのメナトはセットプレーや連続技だけでなく、観る者の理解を超えた超絶テクニックによるアドリブの連続で、解説にあたる識者もただただ「うますぎる」と笑うしかない状態に追い込まれている。
フィニッシュを決めるときには、誰でもできる安定の連続技ではなく、わざわざ狙わなくてもいい難しい連続技を決めて美しく勝つのがポリシー。“どんな内容でも勝つ”ことよりも“うまさを見せる”ことが上位概念とされているゲームセンター対戦格闘の美学を貫いたまま、世界のトップで戦い続けている最強パパゲーマーである。
・ボンちゃん(@katitagaribon)
『ストリートファイターIV』シリーズから頭角を現してきた、格闘ゲーム配信の視聴者には古くからおなじみのプレイヤー。相手を攻め立てて択を仕掛けるよりも、精度高く守って、捌ききって、勝つ試合を好む守備型のプレイヤーである。2015年、『ウルトラストリートファイターⅣ』を使って開催されたレッドブル主催の世界大会Red Bull KUMITEを、得意のサガットを使って制覇したことをきっかけにレッドブルアスリートとして、かのRed Bullよりスポンサードされるように。
緻密な攻略理論にもとづき、調整の粗いと思った部分など、歯に衣着せぬ物言いでズバズバ切り込む一面が目立つが、性格は温厚で責任に対しては超がつくほどの真面目人間だったりもする。
『ストV』シリーズにおいてはナッシュにかりんと、良かれと思って選んだキャラクターがシーズンの節目のバランス調整で弱体化されがち。これはCPTを回るプレイヤーにとっては美学では済まない死活問題であることを意味するのだが、同キャラを使うトッププレイヤーが次々にキャラを乗り換えて行く中、ひたすら練度を高めてキャラ差をひっくり返しての大会制覇を連発し「ラストナッシュ」と異名を囁かれたのも記憶に新しい。
今年の8月、念願の“魂のキャラクター”サガットが『ストV AE』にお目見えするも、これまたお世辞には強いとは思えないキャラ性能の様子。それでも真面目にリスクリターンと向き合った攻略で強豪たちと渡り合っているのはさすがの一言だ。
・ももち(@momochi212)
自身もプロゲーマーとして活躍しつつ、夫人のチョコブランカ(@chocoblanka)と共に会社を設立、ゲーミングチーム「不動」も切り盛りするプレイヤー。夫婦ゲーマーということでメディアへの露出も多いため、動画勢になる前からももちの名前を聞いたことはある、という人もいるのではないだろうか。
カプコンカップ2014、EVO2015と、『ストリートファイター』シリーズでEVO、カプコンカップの両大会を制覇しているのは現在ももちただひとりである。『ストV』シリーズではコーリン、ケンなどのキャラを使い、ガードを主体とした堅いプレイスタイルで、相手の隙を見つけて一気に攻め切る試合展開が多く見られる。
今シーズンの使用キャラを定め切れず、ポイントレースではスロースタートになった感があるが、ここ最近は調子を上げており、カプコンカップでの活躍も期待される。
なおゲームでは誰もが舌を巻く操作精度だが、家事となるとチョコブランカには頭が上がらずピーマンはうまく切れない。sako家も近いところはあるのだが、トッププレイヤーはゲームに特化した人間性能であることも多く(笑)、夫人たちの内助の功は大きいと言わざるを得ない。
・ハイタニ(@hai090)
かつて格闘ゲームファンの間で“格ゲー五神”に数えられたベテラントッププレイヤー。読みの鋭さでどんな劣勢からも大逆転がある"まこと"を使って大暴れしていたが、プロゲーマーという立場になったことでキャラ選びの方向性を変更。お金をもらってプレイしている以上、勝つことは仕事であり、読みが通った、通らなかったで一喜一憂するのではなく、もっと堅実に勝ちへの段階を積み重ねるべきと考え、『ストV』ではネカリ、『ストV AE』からは豪鬼と、いわゆる万能タイプのキャラを使用している。
ゲームプレイは攻撃的だが、普段の性格は実に朗らかで、飄々として型に捉われることがない。無類の自然・動物好きであり、今年の猛暑の中、早朝から3時間にも渡ってセミ取りを配信してみたり、靴を脱いで川遊びをしてみたりと変わり種の多いゲーマーの中でも特に自然派の方向に突き抜けまくった変わり種。世界トップレベルのプレイヤーのはずなのに、配信を観ているとゲーム・虫取り・コーラと小学生三種の神器を携えた男児に見えてくる。筆者のようなオッサン動画勢の癒しとなってくれるプレイヤーである。
・ネモ(@GOOD_NEMO)
さまざまな格闘ゲームでトッププレイヤーとしてならしたベテランプレイヤー。『ストリートファイター』シリーズでも『ストIV』時代から輝かしい戦績を残している。本サイトの連載でも触れられているが、自らプレゼン書類を作成し、企業に提案することでスポンサー契約を締結し、通常の職業とプロゲーマー活動を両立する体制を作った情熱と信念の人である。
社会人プロゲーマーの肩書きとは裏腹に、そのプレイスタイルは豪快のひとことに尽きる。新しいゲーム、新しいキャラに振れたときに"勝ち方"を開拓する攻略を得意とし、ユリアンをメインキャラとしながらも、8月にリリースされたGを使っても並みいる強豪をボコボコにする大暴れをしている。
心理戦においても勝ちへの最短距離を見据えており、この技が当たる、と思うならばリスクのある攻撃でも大胆に仕掛けてダメージレースで一気に片をつけてしまう試合展開も多い。昔から現在に至るまで「投げキャラ嫌い」を公言し(どこまで本気かはわからない笑)、ザンギエフ使いの板橋ザンギエフ選手とのやり取りは格ゲーほのぼのコントとして愛されている。
……と、今回はここまで。少しずつ応援するプレイヤーを増やしてカプコンプロツアーをよりいろんな方向から楽しんでみてほしい。
先月から始まっている「TOPANGA」が運営する国内最強リーグ戦、「TOPANGA LEAGUE 7」もとてつもない名勝負が連発しているのでプロツアーと並行してチェックしたい。
sakoさん、ここでもあの地獄のCリーグを1位通過ってヤバすぎるでしょ……。これは今年のカプコンカップ制覇もありえるか……!?
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