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【あかさんの『LoL』必勝セミナー 第3回】効率のいい「防具」の選び方

目次
  1. なぜ「武器」ではなく「防具」について解説するのか
  2. ダメージ計算式を覚えよう
  3. それぞれの防具の特徴を把握する
    1. 1つ目のコアアイテムとして買うべきアイテム群
    2. 2つ目以降に買うアイテム群
    3. 3つ目以降に買うアイテム群
    4. 状況に応じて買うアイテム群
    5. サポート寄りのアイテム群
  4. 効率のいい素材アイテムを知る
    1. グレイシャルシュラウド
    2. スペクターカウル
    3. キンドルジェム
  5. 防具としての靴
    1. 忍者足袋
    2. マーキュリーブーツ
  6. おわりに
こんにちは。『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』解説者兼ブロガーのあかさんです。

前回の記事もご好評いただけたということで、ALIENWARE ZONE様で記事を書かせていただくのもこれで3回目となりました。

さて、今年も『LoL』プレシーズンの時期がやってきました。タワーやミニオンの仕様変更、ルーンの一部リメイクなど、メタが大きく揺れ動いている時期ですが、今回はあえてそう言った最先端の変化の話ではなく、長らく変わっていない『LoL』の基本的な部分である「ダメージ計算」、なかでも「防具」をテーマに解説していこうと思います。


ダメージ計算の基本的な内容は、頻繁にゲーム内容が更新される『LoL』の中にあってもほとんど変化がなく、一度理解しておくと長く使っていける知識なので、ぜひこの機会に学んでいってもらえると嬉しいです。

なぜ「武器」ではなく「防具」について解説するのか

さて、同じダメージ計算をテーマにするとしても「武器」と「防具」、「攻撃側」と「防御側」、どちらをテーマにしてもいいはずですよね? 今回、私が防具をテーマにしたのは、2つのうちから適当に選んだ、というわけではなく、ちゃんとした理由があるのです。

それは、防具は武器と比べて、状況に応じて買うべきものが変化しやすいという点です。

試合前、統計サイトなどでビルドをチェックする方も多いと思いますが、統計サイトで教えてくれるビルドはあくまで採用率が高いものであって、毎試合毎試合そのビルドパスがうまく機能するかというと、そうでもないことの方が多いくらいです。

たとえば、「サンファイアケープ」→「スピリットビサージュ」→「ランデュイン・オーメン」というビルドパスが紹介されているとしても、対面が魔力系チャンピオンだったら先に「スピリットビサージュ」を完成させた方がいいですし、敵チームが全員物理攻撃チャンピオンだった場合、2つ目に「ランデュイン・オーメン」を買った方が当然効果的ですよね。

これは極端な例ですが、武器は自分から攻撃するためのアイテムなので、自分のチャンピオンと相性の良いものを選べばいいのですが、防具は敵チャンピオンに合わせてビルドするものなので、状況に応じたアイテムを買うためには、より知識を必要とするわけです。

ダメージ計算式を覚えよう

効率のいい防具の選び方を学ぶ前に、『LoL』のダメージ計算式を勉強しておきましょう。計算が面倒な方のために、具体例やざっくりとしたイメージも後述しますのでご安心を。

まず、基本式は以下の通りです。

●ダメージの計算式
ダメージ × 100 /(100 + 防御力 ー 防御貫通)= 実際に受けるダメージ

たとえば、物理防御貫通を持たないチャンピオンが500ダメージの物理ダメージスキルを使い、物理防御100の敵チャンピオンにヒットした場合、

500 × 100 ÷(100 + 100 ー 0 )= 250

となり、実際に受けるダメージは250となります。

この式からわかることは、防御力は積めば積むほど徐々に効率が悪くなっていくということです。

実際に例として挙げたケースで物理防御を50刻みに増減させてみると……

物理防御 50のとき → 実際のダメージは333
物理防御100のとき → 実際のダメージは250(物理防御50に対して83軽減)
物理防御150のとき → 実際のダメージは200(物理防御50に対して50軽減)
物理防御200のとき → 実際のダメージは167(物理防御50に対して33軽減)
※小数点以下は四捨五入

となります。
見ての通り、同じ物理防御50に対して軽減するダメージ量が徐々に減少していきます。

それなら体力だけを積んでいけばいいかというとそうでもありません。次の例を見てみましょう。

体力1500、防御100のチャンピオンがいるとして、ここからステータスを変化させてみます。
体力150と物理防御20が金銭効率面では等価なので、これをベースに計算してみると……

体力1500 防御100のとき → 受けられる軽減前のダメージ量は1500×2=3000
体力1800 防御60のとき → 受けられる軽減前のダメージ量は1800×1.6=2880
体力2100 防御20のとき → 受けられる軽減前のダメージ量は2100×1.2=2520

となります。

前者のように体力を増やしても防御力を上げないと受けるダメージが減らず、結果あまり意味がないわけですね。体力と防御力のバランスが重要なのです。

これは「エフェクティブ・ヘルス」という考え方に基づいていて、そこまで解説すると本筋からずれてしまうので本記事では深くは触れません(気になる方は、「lol effective health」とかで検索してみてください。英語の記事がいっぱい出てきます)

結論だけ言うと、防具のファーストアイテムには体力と防御力、両方がある程度上がる防具を買うのが効率的だということです。

具体的には「サンファイアケープ」や「アダプティブヘルム」などなど、体力が400前後、防御力が50前後上昇するアイテム類がオススメです。

「ソーンメイル」は体力が250しか上がらないので初手にはやや不向きですし、「ワーモグアーマー」は逆に体力しか上がらないので向いていません(ワーモグアーマーに関しては固有能力も発動しないので、初手に買うのは非常に効率が悪くなります)。

ただし、チョ=ガスやサイオンのように固有能力で大きく体力が伸びるチャンピオンの場合、「フローズンハート」のようなアイテムを初手に購入してもバランスが取れることがあります。ですが、これは例外中の例外です。

また、この効率のいい体力と防御力のバランスというのにも例外は存在します(このゲームは例外が存在しないことのほうが少ないですね)。

例えば、確定ダメージを多く与えてくるチームには、体力を多めにビルドした方が効果的ですし、体力に対する割合ダメージを多く持つチームに対しては、防御力を多めにビルドした方が効果的になります。

それぞれの防具の特徴を把握する

さて、ダメージ計算式と、体力、防御力のバランスが重要だ、ということはご理解いただけたかと思います。

次に、それをもとに完成後のアイテム(「コアアイテム」と呼んだりします)の特性について説明していこうと思います。

ひとことに防具といっても特徴があり、得意な状況や買うべきタイミングが異なります。1つひとつをじっくり解説していると前回の記事を越えるとんでもない分量になってしまうので、ポイントだけを押さえていこうと思います。

なお、これから説明する「初手に買う」や「2番目に買う」という評価に関しては、基本的にトップレーン目線で書いています。ジャングルやサポートの場合は得られるゴールドが少ないことや、初手にジャングルアイテムやサポートアイテムを完成させているはずなので、必ずしも当てはまるものではありません。ただ、性能別に解説しているので、十分参考にはなると思います。

1つ目のコアアイテムとして買うべきアイテム群

ステータスのバランスが良く、レーニング性能も増強される。買うタイミングをあまり選ばないアイテムです。これらのアイテムは体力と各防御力をバランスよく得られるので初手に向いています。


しかも「サンファイアケープ」以外のアイテムにはクールダウン短縮効果がついており、レーニング性能を補強してくれます。「サンファイアケープ」は固有能力がレーン戦でかなり強力なので、クールダウンなしでも初手に買って問題ないアイテムです。

もちろん、2つ目以降にこれらのアイテムを買っても問題ありませんが、「サンファイアケープ」は性能がかなりレーニングに特化しているので少なくとも2つ目までには完成させたいアイテムです。

「アビサルマスク」も前提アイテムの「久遠のカタリスト」が強力ですし、このアイテムをビルドしたい場合は対面も魔力系チャンピオンでしょうから、基本的には初手に買うことをオススメします。

2つ目以降に買うアイテム群

1つ目に買うには弱点があるものの、2つ目以降に買うと効果が高いアイテムたちです。


「ランデュイン・オーメン」は体力と物理防御のバランスは良いのですが発動効果を含め性能がやや集団戦向けですし、クールダウン短縮も得られないということであまり初手としては強くないことが多いです。

「フローズン・ハート」は前項で説明した通りですね。ヘルスが上がらないアイテムなので初手としての優先度は下がります。

3つ目以降に買うアイテム群

3つ目以降に買うアイテムは、2つ目に買った場合に効果が発動しなかったり、まだ効率が悪かったりするアイテムたちです。ある程度ゲームが進んでからの方が効果が大きいものです。


「ワーモグアーマー」は体力が3000を越えないと自動効果が発動しないため、多くのチャンピオンは2番目に積んでも効果が薄いです。
「ガーゴイルストーンプレート」は十分にヘルスを積んだ状態でないと発動効果の効率が悪いため、3番目以降が推奨されます。

状況に応じて買うアイテム群

対戦相手や自分のチャンピオンの性能に応じて選ぶアイテムです。どのアイテムも状況に応じて買うものなのですが、これらのアイテムは特に買うタイミングを選びます。


「ソーンメイル」は、on-hit系のADCなど攻撃速度が速いチャンピオンが相手にいる場合に有効です。物理防御過多なスタッツで、「フローズンハート」と違ってクールダウンやマナも得られないため、買う状況はやや限定されます。

「デッドマンプレート」は「ジャガーノート」と呼ばれる武器をビルドするトップレーナ—やジャングラー向けですが、正直ほとんどの場合は「ライチャスグローリー」のほうが性能面で優れています。
リー・シンやガレンなどマナを持たないチャンピオンで、チェイス性能を底上げしたいときに持つと良いでしょう。

サポート寄りのアイテム群

サポートジャングラーやサポートタンクが積むことが多いアイテム群。値段が安く、他のチャンピオンとのシナジーを重視したものです。


「ソラリのロケット」はトップレーナーや十分ヘルスを積んだジャングラーなどが使わないと効果が薄いのが難点。もちろんランブルなどの範囲アルティメットに対する対抗策としては強力です。

「ジーク・コンバージェンス」は効果発動時が強力かつ前提アイテムも強いので悩んだらコレがオススメです。「騎士の誓い」も前提アイテム、効果ともに強く、キャリーが育っているときはゴールド以上の価値を発揮するでしょう。

効率のいい素材アイテムを知る

アイテムは基本的に最終系まで完成させた方が強力です。とはいえ『LoL』はPvP(プレイヤーvsプレイヤー)のゲームです。一直線にビルドを進めさせてくれるほど、対面が甘くないかもしれません。

そこで完成させたいアイテムとは別に、レーニングや早期の集団戦などに耐えうるスタッツを得るために、ビルドパスを途中で寄り道させてみましょう。

もちろん、寄り道ばかりしているといつまで経ってもコアアイテムが完成せず本末転倒になってしまいます。そこで効率の良い寄り道アイテム、寄り道ルートをいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。

グレイシャルシュラウド

マナありのタンク系チャンピオンが、レーニングで欲しいスタッツをこれ1つで網羅しているお買い得商品。
ビルド例:(バミ・シンダー)→グレイシャルシュラウド→サンファイアケープ


進化先も攻撃的な「アイスボーンガントレット」、エンゲージ寄りの「ライチャス・グローリー」、クールダウン短縮が高く2つ目以降にアイテムとして強力な「フローズンハート」、サポート系アイテムの「ジーク・コンバージェンス」と、選択肢が広いのがポイント。

「グレイシャルシュラウド」で最低限のマナとクールダウン短縮が得られるので「サンファイアケープ」の弱点が補える非常に良い組み合わせ。魔法防御を優先したい場合は、「グレイシャルシュラウド」は派生させずに2つ目のアイテムとして「スピリットビサージュ」などを完成させても良いでしょう。「バミ・シンダー」から買うとよりウェーブクリアが強力になり、体力と防御力のバランスが早い時間帯から整うため単純に戦闘能力が上がります。

スペクターカウル

体力と魔法防御をバランスよく補強でき、なおかつ自動効果で高いサステインを得られるアイテム。進化先の「スピリットビサージュ」、「アダプティブヘルムはどちらも一般的な魔法防御アイテムで、進化先に困ることはまずありません。
ビルド例:ティアマット→スペクターカウル→タイタン・ハイドラ


他にも、「アイスボーンガントレット」や「ブラッククリーバー」、「サンファイアケープ」などを初手に完成させたい場合にも応用が利きます。
1つ目のアイテム完成までに「スペクターカウル」を挟むことで、対面が魔法ダメージ系のチャンピオンだった場合のレーニングが飛躍的に楽になります。

「スペクターカウル」に限らないですが、ウェーブクリア性能が上がるアイテムを最初に買ってから防具を挟む方が、CSが取りやすくなり、結果アイテムの完成が早まることが多いです。

キンドルジェム

最後は「キンドルジェム」です。
ビルド例:サンファイアケープ→キンドルジェム


「キンドルジェム」は決して金銭効率が良いアイテムでもなく、得られるスタッツも優秀とは言えません。

ではなぜ紹介しているかというと、現在のパッチでは上で紹介したような防具を1つ目のアイテムとしてビルドしたとしても、体力と防御力のバランスがやや防御力過多になりやすいのです。

「キンドルジェム」は理想的なスタッツに近づけるための体力を補給しつつ、クールダウン短縮という腐りにくい効果が1つのアイテム枠で得られるという意味で価値が高いのです。栄養バランスを整えるサプリメントのような効果ですね。

コアアイテムを完成させてから追加で買うアイテムになります。

またサポートやジャングルのチャンピオンにとっては早い段階でクールダウン40%を目指すために購入されたりもします。
進化先が豊富なのも買いやすいポイントですね。

防具としての靴

さて、ここまでこのゲームに登場するほとんどの防具について触れてきましたが、実はまだお話ししていないものがあります。

そう、「靴」ですね。靴の中にも防御効果がついているものがあります。

物理防御は「忍者足袋」、魔法防御は「マーキュリーブーツ」がそれにあたるわけですが、性能はそれぞれ全く異なるので注意が必要です。

忍者足袋

物理防御が上がるだけでなく敵の通常攻撃のダメージを割合でカットします。防具として非常に優秀で、通常攻撃を主体にダメージを与えてくるチャンピオンが対面なら、1つ目のコアアイテムよりも優先してビルドするべきでしょう。

マーキュリーブーツ

こちらの「マーキュリーブーツ」は魔法防御が上がり、行動阻害に対する耐性がアップします。もちろんCCを受ける時間が減れば集団戦で相手のキャリーを捕まえやすくなったり生き残りやすくなったりしますが、単純な防具としての性能は「忍者足袋」に劣ります。

2つの靴に共通して言えることなのですが、これらのティア2の靴(進化後の靴のこと)は防御性能に加えて移動速度が上昇する点も見逃せません。

移動速度が上がれば相手のスキルを避けやすくなったり、ロームが成功しやすくなったり、レーン復帰時のミニオンウェーブのロストが少なく済んだりと、目に見えづらい恩恵がたくさんあります。

特に「忍者足袋」は対面が物理ダメージ系のチャンピオンの時は防具としても強力なので、早めに完成させることをオススメします。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は、ダメージ計算や効率のいい防御スタッツに基づいてアイテムを選ぼうというテーマでした。記事の前半は突然算数の授業が始まって困惑した方もいらっしゃったかもしれませんが、結論だけでなく仕組みも理解していただいた方が攻略も深まると考え、ご紹介しました。

正直、防具の選び方に関しては「脅威」などの防御貫通効果や「ブラッククリーバー」の持つアーマー低下効果、敵チャンピオンのスキル構成などなど、考慮すべきことはまだまだあります。

ただ、すべての基本になる考え方自体はこの記事を通して学べるはずです。タンクチャンピオンを使ってアイテムをビルドする順番を考えたり、ファイターチャンピオンで最後のコアアイテムとして防具を選ぶときの参考になれば、と思います。


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