昨今は、eスポーツの盛況等によりゲーミングPC市場は以前にも増して活発な動きを見せている。そんなゲーミングPC市場の中でも老舗ブランドとして存在感を示しているのが「Alienware」だ。

Alienwareは、創業当初よりユーザーに最高のゲーム体験を提供するために製品力を磨いてきたブランドであるが、その魅力は単純な製品力にとどまらない。

今回は、そんなAlienwareが現行で発売しているデスクトップモデルのうち、Intel搭載モデルである「Alienware Aurora R12」を紹介しよう。

Alienwareシリーズのデスクトップモデルとしてあらゆるシーンに対応

「Alienware Aurora R12」は、2021年9月現在において、Alienwareの最新デスクトップモデルにあたるゲーミングPCだ。過去には「Alienware Area-51」というフラッグシップモデルもあったが、現在は「Alienware Aurora」の筐体のみとなっている。

※2021年9月現在

「Alienware Aurora R12」は、第11世代IntelチップとNVIDIA RTX 30シリーズのGPUを搭載しており、ゲームシーンに最適なスペックを備えている。

最上位モデルにあたるスプレマシーであれば、CPUを「第11世代Intel® Core™ i9 11900KF」、GPUを「NVIDIA® GeForce RTX™ 3090 24GB GDDR6X」、メモリーを128GBまで選択でき、「OBS」を起動して高負荷のゲームタイトルを配信するのはもちろんのこと、コンテンツ制作等のクリエイティブな現場での使用にも十分耐えうるポテンシャルを持ち合わせている。マルチタスクを想定しているユーザーにもおすすめできるモデルといえよう。

同時展開のモデルよりコスト面で優位

2021年時点で販売中のAlienwareシリーズのデスクトップモデルでは、インテル製CPUを搭載するのが「R12」で、AMD製CPUを搭載するのが「R10」だ。両者を比較すると、「Alienware Aurora R12」の方が低価格での販売となっている。

Intel搭載モデルである「Aurora R12」はオプションで選択できるCPUの最大コア数が8コアであり、並列処理能力や消費電力の面では、16コアのCPUを積むことができるRyzen搭載モデルの「Aurora Ryzen Edition R10」に軍配が上がる。

それでは、Ryzen搭載モデルの方がゲームシーンにおいて高いパフォーマンスを発揮するのかというと一概にそうとは言い切れない。ゲームタイトルによっては、Intelチップ用に最適化されているものもあるため、適切な構成を選択すれば単純なゲームプレイの中で不満を感じることはないだろう。

高解像度の動画編集の書き出し等を行うクリエイティブなシーンで、スピーディーなアウトプットを求めるユーザーでなければ、コストパフォーマンスに優れる当該モデルは有力な選択肢になり得るだろう。

Alienware Aurora R12各モデルの構成

全モデルでシャーシオプションとして水冷CPUを選択できる。また、フルカスタマイズであればモニター付きの製品を選択することも可能だ。

CPUは、第11世代Intelチップから選択が可能だが、Core™ i9 KFプロセッサーを選択する場合は、Alienware Command Centerを経由してカスタマイズされたオーバークロックが可能になる。

ストレージの標準構成はHDDとなっているので、SSDを選択することで、よりストレスの少ない使用が期待できるだろう。

Alienware Aurora R12構成表（2021年9月現在）
※太字は標準構成

Alienware Auroraならではの突出したポイント

高性能なCPU、GPUを搭載したゲーミングPCであれば、Alienwareと同様に快適なゲーム体験をもたらしてくれるだろう。しかし、単純なスペックの比較だけで語ることができないAlienwareの魅力が存在する。

より良いゲーム体験を追求してきたAlienwareの製品は、ハイパフォーマンスを長時間維持し、ユーザーにゲームへの没入感をもたらす工夫が随所になされているので紹介したい。

エアフローの最適化およびファンのAI制御で優れた冷却性能を実現

「Alienware Aurora R12」では、従来モデルのデザインコンセプトを引き継ぎつつもGPUを空気が流れる位置に配置する等、エアフローを改良することで冷却性能を高めている。これにより従来モデルの「Alienware Aurora R9」と比較し、電圧レギュレーターのヒートシンクの温度が最大8%低下した。

空冷の肝であるファンのAI制御にも優れており、CPUやGPUに高い負荷がかかると温度の上昇を待たずしてファンの回転数が上がる。これは、未然にサーマルスロットリングを防ぎ、処理の安定性を確保するというAlienwareの哲学が反映された設計といえよう。

Alienwareは、長年に渡り蓄積された開発ノウハウを駆使して、高いパフォーマンスを長時間維持するというゲーミングPCにとっての最重要ミッションを遂行しているのだ。

確かな機能性を備えた洗練されたデザイン

Alienwareは創業当初よりデザイン性にこだわったゲーミングPCを発表し続け、業界を牽引してきたブランドだ。

レジェンドデザインと名付けられたAlienware製品のデザインは、インテリアとしても秀逸なものとなっており、起動すれば鮮やかなライティングがユーザーのゲーム体験を彩る。ライティングはAlienware Command Centerでカスタマイズでき、各ゲームにテーマを割り当てることでさらなる没入感を得られるだろう。

さらに、このアイコニックなデザインには将来にわたって使用を続けるための高い機能性も備えられている。電源ユニットはスイングアームに据え付けられているため、コンパクトなシャーシサイズながらも各パーツにツールレスでアクセスでき、メンテナンスや換装が容易だ。

Alienware Aurora R12はどんな人におすすめ？

「Alienware Aurora R12」は、現在販売中のAlienwareの名を冠するデスクトップの中でも、快適なゲームプレイやシングルタスクでの使用を想定していてコストパフォーマンスに優れたデスクトップモデルを探している人にオススメのゲーミングPCだ。

最小構成のフルカスタマイズでも、通常用途での使用はもちろん、負荷が大きくないゲームであれば十分快適に遊べるパフォーマンスを発揮できる。

グラフィック負荷が大きいゲームタイトルを遊びたいユーザーであれば、最小構成でも「NVIDIA® GeForce RTX™ 3070 8GB GDDR6」を搭載するプレミアム以上や『ファイナルファンタジーXIV』推奨モデルが有力な選択肢になる。

なお、マルチタスクや開発シーンでの使用が難しいかというとまったくそんなことはない。確かに最上位のAMDチップを搭載したゲーミングPCと比較すると並列処理能力は劣るが、いずれのモデルであってもメモリーを128GBまで選択することができるので、コンテンツ制作等での使用を考えている場合はBTOオプションを利用して用途に合った構成のPCを選んで欲しい。

Alienware Aurora R12
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