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別れの季節に……Steamで遊べる「別れ」を描いたゲーム 10選

目次
  1. 「別れ」を描いたおすすめゲーム 
    1. farewell planet/ おわかれのほし
    2. Spiritfarer®: Farewellエディション
    3. SEASON: A letter to the future
    4. メグとばけもの
    5. イハナシの魔女
    6. 忘れないで、おとなになっても。
    7. South of the Circle
    8. Hindsight
    9. A Space for the Unbound 心に咲く花
    10. Detroit: Become Human
  2. まとめ
3月といえば卒業や転勤・引っ越しなどの時期。家族や友達、大切な人との別れもあれば、そのあとに新たな場所や人との出会いもあるだろう。

ゲームの世界、特に海外のゲームで「別れ」というと、残酷な死などの離別も含めてリアルに描かれることが多いが、心を揺さぶられるような別れの物語も実はたくさんある。

そこで今回は、PC・Steamで遊べる「別れ」を描いたゲームを編集部でチョイス。ゲームシステムとして「別れ」を体現しているもの、ストーリーで「別れ」を表すものの中から、印象的だった作品を選出した。

この季節だけの独特な雰囲気を、ゲームで味わってみてはいかが?


「別れ」を描いたおすすめゲーム 

farewell planet/ おわかれのほし

価格:499円
リリース日:2019年5月24日
開発元:ところにょり
パブリッシャー:ところにょり
https://store.steampowered.com/app/1052580/farewell_planet/?l=japanese

大切な人が亡くなった席で、
「つらかったろうねぇ、もっとたくさんやりたいことがあっただろう……」
「〜〜をするのが夢だって言っていたのになぁ。まだ若いのに……」
といった会話が何気なく聞こえてくることがある。それらは残された人々の想像であって、本人の本当の思いは誰にもわからない。

では、もし亡くなってしまった人の思いを知ることができたら。そしてその思いを残された者たちが叶えることができたら──『farewell planet/ おわかれのほし』はそんなゲームだ。

人間がいなくなったとある惑星で、自分を人間だと思いこんでいる機械たちの村が舞台。ひとりだけ生き残った“子どもの機械”が、死んだ村人たちの身体を借りながら、彼らが「明日したかったこと」を代わりに行い、思いを遂げることでお別れしていく。

人の形をしていないにも関わらず、姿形からは読み取れない感情がなぜこんなにも伝わってくるのか。人の本質、「別れ」の感情がより際立つ、時代に合致した作品だ。

Spiritfarer®: Farewellエディション

価格:3400円
リリース日:2020年8月18日
開発元:Thunder Lotus Games
パブリッシャー:Thunder Lotus Games
https://store.steampowered.com/app/972660/Spiritfarer_Farewell/

亡くなった人たちを運ぶ船の船頭をしている主人公のステラは、魂の旅人(Spiritfarer)として仕事をしている。あの世に行こうとしている人たちの世話をして、死後の世界への旅立ちをお手伝いするという意味では、いわゆる「三途の川の監視人」のような役割だろうか。

旅立つ人たちがわずかな時間を過ごすこの世界には、造船所で部屋を作ったり、作物を育てたり、魚を釣ったり、料理をしたりといったさまざまなクラフト要素もある。

亡くなった人たちと交流しながら、旅立つ勇気を持てるようにするのもステラの仕事だ。そして、船は最終的に旅立ちの場所に向けて出港し、最後の別れを経験していく。

キャラは小さいものの書き込みがとても丁寧で、細かな動きはまるでアニメーションのよう。「ハグ」というコマンドで他のキャラと抱き合うことができるのだが、単なるゲームの1アクションでしかないにもかかわらず、言いようのない幸せに包まれる。体験版も用意されているので、ぜひ試してみてほしい。


SEASON: A letter to the future



価格:2800円
リリース日:2023年2月1日
開発元:Scavengers Studio
パブリッシャー:Scavengers Studio
https://store.steampowered.com/app/695330/SEASON_A_letter_to_the_future/

人類はこれまでたくさんの自然災害に遭遇し、そのたびに深く傷つきながらも復興してきた。そんなひとつの時代の終わり際を描いたゲームが『Season』だ。

とある山奥の村で暮らす少女、エステルのもとに、「季節の終わり」がじきに訪れるという予言が知らされる。村の外の世界をまったく知らないまま育ったエステルは、自転車にまたがり世界を知るための旅に出る。旅の目的は、世界の姿を写真や音声に残して、世界の果てにあるという「博物殿」に収めること。

旅の中で判明する「季節が終わる理由」と、これから訪れる出来事には、自然界への畏れを忘れた愚かな人間たちの姿が垣間見える。人知や科学を超えた力をもってしても抗えないのは、時間と自然だ。

終末を迎える人々の思い思いの過ごし方や気持ちに寄り添いながら、この世界の「別れ」をエステルとともに記録していこう。

レビュー:『Season: A letter to the future』
https://gamerszone.jp/post/12204

メグとばけもの



価格:1650円
リース日:2023年3月2日
開発元:Odencat
パブリッシャー:Odencat
https://store.steampowered.com/app/1783360/_/

『メグとばけもの』は、人間の少女メグと最強のモンスターであるロイとゴランという、種族を超えた絆を深めていくRPGだ。

乱暴者のロイは、迷子になったメグと過ごすうちにメグと心を通わせ、人間界の母親のもとに送り届けることにする。たしかにロイは最強だが、幼いメグが泣いてしまうと世界が滅びる。怖がらないようにおもちゃを使ったり、傷つかないように守りながら、モンスターと戦う必要がある。

チート級のモンスターでありながら、か弱い存在を守らなければならない姿は、まるで親子のよう。そしてラストには大きな「別れ」が待っている。

イハナシの魔女

価格:1980円
リリース日:2022年8月20日
開発元:Fragaria
パブリッシャー:Fragaria, Seikei Production
https://store.steampowered.com/app/1950570/_/

少年が少女と出会い、恋に落ちる──。洋の東西を問わず、いつの時代にも愛されてきたボーイ・ミーツ・ガールというシナリオは恋愛ものの王道だ。

ただし、『イハナシの魔女』は少し複雑な事情を抱えた男女の出会いを描く物語。

叔母から祖父を頼れと言われて島にやってきた光(ひかる)は、家族を失った天涯孤独な高校生。しかし、祖父はすでに移住しており、生活力のない光はひとりで暮らすこととなる。

そんな島で出会ったのが、異国の衣装を身に纏い「魔女」を名乗るリルゥ。彼女にはこの島にやってきたある目的があった──。

琉球文化が色濃く残る島には、一癖も二癖もある人物も登場。コメディ要素もありながらも、結末に向かってはシリアスな物語が展開される。Steamではあまり見かけることのない、純粋な和製ノベルアドベンチャーの良作だ。

忘れないで、おとなになっても。


価格:1800円
リリース日:2022年1月13日
開発元:GAGEX Co., Ltd.
パブリッシャー:GAGEX Co., Ltd.
https://store.steampowered.com/app/1767220/_/

幼少期の思い出は、大人になってからよりも印象に残るもの。人生初の体験であればなおさらだ。

『忘れないで、おとなになっても。』は、母と妹とともに加賀美町を訪れた少年ミナトの、父親の足跡をたどる旅を描いたタイムスリップアドベンチャー。

ミナトは父と母が過ごした33年前の昭和時代にタイムスリップ。父から託された「七不思議ノート」に沿って、時空を超えて旅をする。当然そこで出会うのは幼い頃の父の姿。ミナトはどう思うのか、そして、「七不思議ノート」の秘密とは?

South of the Circle



価格:1320円
リリース日:2022年8月3日
開発元:State of Play
パブリッシャー:11 bit studios
https://store.steampowered.com/app/1811040/South_of_the_Circle/

東西冷戦と呼ばれた時代、主人公のケンブリッジ大学の教員、ピーターの乗った飛行機が南極に墜落ししてしまうところから『South of the Circle』の物語は始まる。

負傷した仲間を救うため、助けを求めながら基地に向かうピーター。しかし、基地には人がらおず、フラッシュバックのように彼が経験してきた過去を思い起こしていく。

幼少期の父母の喧嘩、政府に反対するデモ活動、成果を出せない自分への周囲の目、不器用な異性との関係……それらをどう導くのかを決めるのは、「感情」による選択肢を選ぶプレイヤー自身だ

モーションキャプチャーとアニメーションを組み合わせた表現は、ゲームでありながらまるで映画のような完成度。ボイスアクターとして「ボヘミアン・ラプソディ」のグウィリム・リー、「ウーマン・イン・ホワイト」のオリビア・ヴィナルをはじめとする映画俳優が多数出演しているのも特徴だ。


Hindsight



価格:1900円
リリース日:2022年8月5日
開発元:Team Hindsight
パブリッシャー:Annapurna Interactive
https://store.steampowered.com/app/1122700/Hindsight/

誰にでもいつか訪れる家族の死。人はその時に初めて、亡くなった人と自分との関係を再構築し、それぞれの「別れ」を経験する。そして、「後になってから後悔しても遅い」ということを痛感する。『Hindsight』は、母親の遺品を片付けながら、過去の記憶や当時の思いをたどっていくアドベンチャーゲームだ。

ゲームシステムも非常にユニーク。基本は一人称視点で移動や視線を動かすのだが、たとえばピアノを片付けている時、鍵盤のひとつの中に何かが描かれ、クリックするとその世界(過去の場面)に移動する、といったかたちだ。それらは開いた手紙の中、カーテンからのぞく窓、地面に落ちた水たまりなど、さまざまな場所にある。

しつけに厳しかったという母が、日本人なことも同じ日本人として気持ちを寄せやすいかもしれない。大切な人に対して、生きている間に思いを伝えることの大切さを、ゲームを通して感じさせてくれる。


A Space for the Unbound 心に咲く花



価格:2300円
リリース日:2023年1月19日
開発元:Mojiken
パブリッシャー:Toge Productions
https://store.steampowered.com/app/1201270/A_Space_for_the_Unbound/

学校生活の中で繰り広げられる“アオハル”は、日本だけの専売特許ではない。日本と比較的気候や学校環境が近いインドネシアでも、同じような淡くてはかない出会いと別れが描かれている。

1990年代後半のインドネシアの田舎町を舞台とした、世界の終わりを乗り越える高校生たちの物語。突然謎の超能力を手にした高校生のアトマとラヤは、終末を生き抜くために世界に隠された秘密を解き明かしていく。レトロゲーム調のピクセルアートがなめらかに動き、JRPGのファンである作者の思いも詰まった、日本人にも遊びやすい作品だ。

高校生活の終わりとともに訪れる世界の終わりを、ふたりは食い止めることができるのか──。

Detroit: Become Human



価格:3990円
リリース日:2020年6月18日
開発元:Quantic Dream
パブリッシャー:Quantic Dream
https://store.steampowered.com/app/1222140/Detroit_Become_Human/

最後は重厚な出会いと別れ、それも人間の知能を超えた新たな人類の物語だ。

あたかも意思を持っているかのようなAI「ChatGPT」が話題だが、『Detroit: Become Human』は「プログラミングされた意思」を持った人型お手伝いアンドロイドが商品化された世界を描くSFアドベンチャーだ。

オムニバス形式で描かれる3体は、アンドロイド犯罪を専門とするエキスパート、著名な画家に実の息子以上にかわいがられたサポートロボット、そして妻を亡くした男とその娘のもとで働くメイドという立場の異なる者たち。

立場の異なる3体のアンドロイドたちだが、とあるアンドロイドによる殺人事件を皮切りに、自らにプログラムされた行動規範とまるで人間のように生まれてきた“感情”とのせめぎあいを、プレイヤー自身の選択によってマルチエンディングとして描く。

人とはなにか、アンドロイドは機械でしかないのか。それぞれが経験する悲しくも残酷な出会いと別れは、AIがこれだけ発展した今だからこそリアルに感じられるだろう。


まとめ


今回は、やや感傷的になりがちなこの3月〜4月という季節、思い切って心温まる出会いと別れのゲームを楽しみ、「涙活」(るいかつ)をしてみるのもいいかもしれない。

年度末でお別れする人とは後悔のない別れを。
そして、新たに出会う人とは素敵な出会いを。

普段遊んでいるゲームとはひとあじ違った、濃厚な物語を楽しみたい方のお役に立てれば幸いだ。
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