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【『LoL』世界大会2018現地レポート】FNC Hylissang選手「中国とヨーロッパが二強だと思う。Fnaticが決勝に進む可能性は十分にある」

リーグ・オブ・レジェンドLoL)』世界大会「World Championship(Worlds)」も今年で8回目の開催となる。積み重ねられた歴史の最初の一歩、2011年の王者がヨーロッパの名門「Fnatic」だ。ヨーロッパの『LoL』プロシーンを牽引してきたFnaticは、黎明期から名選手を抱え続けてきた。Shushei選手(トップ)、 YellOwStaR選手(サポート)、xPeke選手(ミッド)、Huni選手(トップ)といった『LoL』競技シーンそのものに名を刻む選手たちは、Fnaticでの活躍をもって歴史に躍り出た選手たちだ。

名選手を輩出し続けているということは、ヨーロッパのプロシーンで良好な結果を出し続けていることとイコールでもある。昨シーズン終了後にヨーロッパから多くの選手が北米へと流出したため、今シーズンはロースターをリニューアルしたチームが多い。プロキャリア5年目になる大黒柱のRekkles選手(ADC)、若手ではあるが恐るべき技量を誇るCaps選手(ミッド)といった有力選手を核に、Fnaticも新しい選手を積極的に迎え入れている。10月17日、グループDの結果が確定した深夜に、今年からの加入選手であるサポートのHylissang選手を迎え、WorldsでのFnaticをめぐる状況を聞いた。


――まずは第1シードでのグループ勝ち抜けおめでとうございます。振り返ってみて、振り分けられたグループの印象はどんな感じでしたか?

Hylissang: 当時の第一印象は…やはり厳しいグループだな、ということでしたね。Invictus Gaming(IG)はかなり強いチームだし、どんなクレイジーなことをしてくるか分からない予測不可能なところがありましたから。

個人的には1位抜けは難しいかなとも思ってたんです。もちろん取りたかったですけど、難しそうだと。初日終わって2勝1敗でしたから。ただ、すごく強いチームだけどミスも多いぞ、とも見てました。ただ今日を全勝で終えるということまでは予測してなかったです。だから今は、自分たちがグループで一番強いと証明できて嬉しいです。

――次の質問はちょっと気が早いですが…もしFinalまで勝ち上がったとしたら、どこと当たりたいですか?(トーナメント表の反対側、決勝相手になりうるチームはRoyal Never Give up[RNG]、G2 Esports、kt Rolster、Invictus Gaming)

Hylissang: うーん…KTかRNG…やってみたいのはRNGです。前回ステージ上で対戦した時は負けているので。彼らのプレイスタイルはiGと似たところがあり、戦闘をよく仕掛ける印象ですが、各個人の技術面ではIGよりもRNGのほうが上で、ゲーム運びも上だと思っています。だからIGとの対戦時には、RNGの弱いバージョンみたいだ、と思ったんです。そしてRNGとの対戦時も、勝ち目はあると思ってました。たしかその時は3連敗とかしたと記憶していますけど、それでも。だからRNGと戦って、僕らはRNGに勝てるんだと証明したいです。

――次の質問はもう何度となく聞かれているかとは思いますが…多くの人が「地域間の勢力バランスが変わっている」と言っていますよね。そして先日Phong Vũ BuffaloのADC、BigKoro選手にインタビューした際、彼は今の三強は韓国・中国・ヨーロッパだと仰っていたんです。Hylissang選手はこの点についてどう思われますか?

Hylissang: 興味深い意見だけど、僕の意見はちょっと違いますね。(しばらく考え込んで)…それぞれに強みが違うのは前提として、地域としての強さなら中国とヨーロッパが二強だと思ってます。わずかな差で中国のほうが上かな。あとは当然韓国もあるわけですが…Team LiquidとCloud9(C9)は北アメリカ代表として恥じない素晴らしいプレイをしたと評価しています。個人的には、C9のほうがKTよりも強いと思っていて、だから3位が北アメリカ、続いて韓国、というのが僕の意見です。

――さて準々決勝の対戦相手はEdward Gaming(EDG)になったわけですが、自信のほどはいかがでしょう?

Hylissang: EDGは中国第2シードでしたっけ?第3?

――第3ですね。

Hylissang: なるほど…僕は中国のチームはどこも似たプレイスタイルを持っていると思っていて、かつEDGがIGよりも強いとは思わないので、勝てないとは思わないですし、FnaticがFinalまで勝ち進む可能性はあると思います。

――続いては少し軽めの質問です。今回Fnaticはアジアで初めてポップアップストアを開いてファンミーティングも行ったわけですが、地元ヨーロッパでの時と何か違いはありましたか?

Hylissang: 僕はFnaticに入って一年目で、Worldsも初めてなのであまり比較がうまくできないんですよ…韓国に来たことはあるんですけどね。

――おそらく(旧所属チーム)Unicorns of Love時代からヨーロッパでのファンミーティングは何度もされていると思うのですが、そことの違いってありましたか?

Hylissang: それほど違いはないですけど…ファンのみんなが興奮している感じはありましたかね。「本物だ!」って感じで。ヨーロッパだともうちょっとカジュアルな感じだけれど、韓国の時は「ハグして!」みたいな人がいたり、興奮の度合いが高かった気がします。あとはほぼ同じでした。

――我々は日本のメディアなのですが、日本には熱心に海外リーグを観る人たちが一定数いて、Fnaticの、そしてあなた個人の熱心なファンもいます。そんなみんなのために、メッセージをいただけますか?

Hylissang: いつもチームを、僕自身を応援してくれてありがとうございます。

僕自身もどこかでパイクをプレイできること、そして自分のパイクの力を証明できることを願っています。本当に応援ありがとうございます。


サポートアサシンチャンピオン「パイク」の名手としても知られ、ドラフトのBANフェーズではターゲットBANを受けることも多いHylissang選手。ボットレーンの相方であるADCのRekkles選手とは、プレイヤー席で笑顔を交わすこともあり、チームワークも良好なことが見て取れる。

ファンミーティングの盛り上がりからしても、Fnaticファンは世界中に存在している。遠方から現地に出向いて直接応援に参加する熱心なファンも。ファンの声援を受けて進む彼らの背中を、どこまでも見守りたい。
【レポート】『リーグ・オブ・レジェンド』世界大会「Worlds 2018」

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