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『Warlander』メディア体験会レビュー:最大100人対戦がとにかく熱い! 個々の力とチーム力と戦略が鍵を握る、剣と魔法のストラテジー

目次
  1. 最大100名での壮大な陣取り合戦
  2. 20人に与えられるそれぞれの役割
  3. ジョブは戦士・魔法使い・僧侶の3種類。外見や能力のカスタマイズも
  4. シンプルな操作で遊びやすい戦闘感覚
  5. ド派手で強力な大魔法やロボットによる逆転要素も
  6. 勝負の分かれ目は「同盟」
  7. ゲーマーが感じた『Warlander』への期待と可能性
    1. 『Warlander』に似たゲーム
    2. eスポーツ化の可能性
    3. 初心者でも楽しめる? 一見さんお断り?
トイロジックが開発を進めている基本プレイ無料のオンラインマルチプレイヤーゲーム『Warlander』のメディア向け体験会が9月9日に開催された。開発途中ではあるものの、100名(うち40人分はAI)による同時&大規模戦闘は新鮮な体験だった。9月12日よりSteamにてプレイテストの申し込みも始まり、気になっている人も多いだろう。

そこで今回は、体験会で判明したゲームシステムや実際のプレイ感、編集部から参加した3名のゲーマーによるインプレッションをお届けしよう。

最大100名での壮大な陣取り合戦


そもそも100名で戦闘というと、最近では『PUBG: BATTLEGROUND』や『フォートナイト』のようなバトルロイヤルが思い浮かぶが、『Warlander』は少し違う。

ゲームモードは、20対20の陣営に分かれて戦う最大40人での「2チームバトル」と、1陣営20人×5陣営で互いの陣地を奪い合う最大100人での「5チームバトル」の2種類。20人のチームはさらに4人ずつの小隊に分かれているようなイメージだ。つまり、スクワッド(4人1組)が5つ寄せ集まってひとつの陣営となっている。

目標は、各陣営のタワーを占拠しながら、最終的に相手の砦の奥にある「コア」を破壊すること。このあたりはMOBAと同様だ。ただし、MOBAのようにタワーも砦も攻撃してくることはなく、ザコ敵が邪魔することもない。つまり、純粋にプレイヤー対プレイヤーの対決がメインだ。

▲これが敵の砦の中にある「コア」。破壊することでその陣営は敗北となる

今回の体験会では、チュートリアルとして「2チームバトル」を行った上で「5チームバトル」をプレイ。メディアごとに最大3名+開発スタッフ1名によるスクワッドが組まれ、それが5部隊集まった20人単位での戦い。5つの陣営のうち、2つはAIボットが配置されたが、20人といえば野球やサッカーなら2チーム合同だし、小中学校でいえば男子対女子の対決くらいの規模感と考えると、リアルな人間同士の戦いがイメージできるだろう。

コミュニケーションはDiscordでのボイスチャットを用いて、スタッフからの説明を受けつつ、相談しながら一緒に戦う。チャットは4人ずつでの会話となったが、20人でいっせいに声を掛け合うとなるとなかなか難しそうだ。ゲームのイメージとしては、『ファイナルファンタジーXIV』の討滅戦・討伐戦のようなMMO RPGにおける集団戦が近そうだ。


20人に与えられるそれぞれの役割


これだけ大人数になると、個々に勝手な動きをされては勝てるものも勝てない。そのため、ゲーム前に各プレイヤーや小隊には役割が設定される。

まずは「コマンダー」と呼ばれる陣営全体の指揮を取る人物がひとり必要だ。コマンダーはマッチング前に立候補でき、選出されるとその試合で攻めるべき敵や最初に落としたいタワーなどの指示が行える。

次に、陣営全体の「作戦」を決める。これは全員の投票により選択され、何を重視するのかによって小隊の構成も変わってくる。

▲作戦は攻撃重視・バランス重視・防衛重視の3つ。攻撃・防御の部隊数などが変わってくる

こうして決まった作戦に沿って、今度は5つの小隊を攻撃・防衛・遊撃といった役割に振り分けていく。どの役割をやりたいかは小隊ごとに挙手で申請できるところが面白い。

▲各チームが担当したい役割への立候補は挙手。中央の3人が手を上げて攻撃部隊に志願している

ひとりひとりのプレイヤーが目の前の相手を倒したり仲間を守ったりする部分は、一般的なFPSアクションゲームと同じだ。基本は仲間4人で声を掛け合いながら協力し、その協力体制が20人の陣営の勝利にも結びつく。まさに中世の戦争時のような、戦略的要素が求められるストラテジー要素が問われる。

そして、それぞれが演じたい役割によっても『Warlander』の楽しみ方はまったく変わってくる。コマンダーであれば隊を率いるマネジメントだし、戦士なら最前線で敵をねじふせるタイマン力、魔法使いなら遠くから敵を狙う射撃力、僧侶なら仲間を守るサポート力、場合によっては敵の裏をかいて相手陣地に潜入し戦況をひっくり返すステルス力などなど、プレイヤーの得意なムーブや戦い方次第でいかようにも遊べそうだ。

▲戦闘中は混戦になりがちが、フォーカスする相手を定めたり、前線を作ったりする動きも求められる

ちなみに、プレイ中にやられてしまってもリスポーンされるので、ゲーム中は何度でも挑戦可能。初心者でもあまり怖がらずに安心して戦える。

ジョブは戦士・魔法使い・僧侶の3種類。外見や能力のカスタマイズも


『Warlander』でプレイヤーが操れるキャラクターのクラス(職業)は、現在のところ3種類だ。

「戦士」は肉弾戦を得意とし、剣で敵を薙ぎ倒したり、盾で攻撃を防いだりする。「魔法使い」は魔法による遠隔攻撃で敵の死角から強力なダメージを出せる代わりに、防御力は非常に低く近接攻撃には弱い。そして「僧侶」は仲間を回復したりサポートできる補佐的な役割で、接近戦もある程度こなせる。

▲3つのクラスは最初から自由に選べる

これらのクラスにはそれぞれ上位職がある。プレイしていくことで利用可能になり、見た目はもちろん、基礎能力などもアップする。その代わりに、リスポーンまでの時間がかかるといった不利な面もあるので、使いどころが重要だ。

▲デフォルトの戦士職はこれ

▲こちらが戦士職の上位職に当たるセンチュリオン。基礎HPなどが格段にアップしている

そして、ひとつひとつのクラスは単に職業が異なるだけでなく、外見(スキン)の変更、装備する武器や魔法の選択、特殊能力(タレント)などの組み合わせも行える。これらはゲームイン前に「デッキ」としてビルドなどを考えておけるというわけだ。そのため、同じ戦士であってもまったく異なる特徴を持たせることもできる。

また、上位クラスはリスポーンに時間がかかるため、序盤は弱いキャラクターをチームや陣営のクラス配分を見ながら選択し、途中からクラスを変えるといったことも可能になる。

クラスの要素は現時点でも十分だが、リリース後のアップデートなどで新クラスやレア武器、スキンなどの登場も期待できるかもしれない。「かもしれない」というのは、ゲームバランスの偏りなどが少し心配だからだ。あとからリリースされるクラスはどうしても従来職と比べて有利になりがちで、ゲームバランスを崩す理由にもなりかねない。慎重な調整が求められるだろう。

ちなみに、基本無料のタイトルというとどこで収益を上げるかが問われるところだが、こうしたアイテム関連の課金要素や、シーズンパス、ブーストアイテムといったものを収益源と考えているとのこと。長い目で見れば新クラスやアイテムなどの登場にも期待していいだろう。

シンプルな操作で遊びやすい戦闘感覚


ここまでは全体的な戦略などについてみてきたが、ここからはキャラクターの操作性についても触れてみたい。

基本的には一般的なTPSのアクションゲームなどと同様の操作系なので、戸惑うことなく遊べるだろう。コントローラーの場合、左スティックで移動し、右スティックで視点を操作。ボタンで攻撃やマップ閲覧などが行える。移動にはダッシュ、しゃがみ、ジャンプなどもある。移動速度はマップの広さに対してそれほど早いわけではないが、いつでも自分のタワーや砦にワープすることができるので、さほど煩わしさは感じなかった。

攻撃手段については、キャラクターごとの固有攻撃もあるものの、近距離攻撃(メレー)と遠距離攻撃(レンジ)の武器を切り替えられる。例えば戦士であれば、剣による近接とボウガンによる遠隔の2種類を距離によって使い分けられるという感じだ。近接攻撃には、3連撃やジャンプ斬りといった固有のアクションも用意されている。さらに、盾を構えることであらゆる攻撃から味方をかばう動きもできる。

▲戦士のボウガンでの戦闘シーン。照準が表示され、矢を連射できる

遠隔攻撃の方は魔法使いが得意としている。というよりも、魔法使いと言いつつFPSの射撃のようなイメージで、エイムして連打も可能な魔法を撃てる。ただし、ヘッドショットのように一瞬で倒せるような要素はなさそうで、体のどこを狙ってもダメージが蓄積され、一定量に達するとダウンする。このあたりは、初心者にはほぼ勝ち目がないFPSなどと比べると、誰もが遊びやすいゲームを目指したという開発元の考えなのだろう。

中世のようなファンタジーな世界観を選んだ理由については、「最近流行っているのがで撃ち合うような殺伐としたゲームが多いので、そうではないものを目指した」と岳さん。また、城や城壁といったオブジェクトの多くが壊せるようにもなっており、巨大ロボットが登場するなどのSF要素も含まれているので、変に剣と魔法の世界観だけにこだわったわけでもないようだ。

ド派手で強力な大魔法やロボットによる逆転要素も


剣と魔法のファンタジーアクションゲームではあるが、正直これだけでちまちま戦っているだけでは地味に感じるかもしれない。しかしその点はご安心を。広大なフィールドの中で、超強力な攻撃手段なども用意されている。

例を挙げると、隕石を降らせるような「大魔法」と呼ばれるものがある。まさにこの世の終わりかと思えるような強力な攻撃が雨のように降ってくるのだ。さらに、突然ロボットが出現し、圧倒的な力で相手陣地に突撃することも。西洋ファンタジー要素の中にあえてSFも入れているところが面白い。

▲敵が大魔法を撃って城を破壊した瞬間。このあと城壁が崩れ落ち、下敷きになってダウンしてしまった

また、こういった大規模な攻撃だけでなく、城壁に備わっている砲台で遠くの敵を攻撃することもできるし、城壁を上から攻めるための木造の攻城塔などの設備もある。これらの設備も破壊可能なので、城攻めされている時は敵だけでなくこれらの破壊も重要だ。


勝負の分かれ目は「同盟」


4人の息を合わせて陣営内の結束を高めていっても、数の論理にはなかなか勝てないもの。それが5陣営に分かれているとなればなおさらだ。

だからこそ『Warlander』には共通の敵を協力して倒す「同盟」という考え方がある。一時的に他の陣営と同盟関係を結ぶことで、他の陣営を一緒に攻撃できるわけだ。しかし、一定の時間が経過したり、陣営内で反対する人が増えれば同盟は解消される。

▲画面右の「同盟関係」に同盟の状況が表示される。時間経過で解消されるため、そこから最後の勝負だ

陣営が減っていけば、最終的にはどこかひとつが生き残るまで戦うしかない。「同盟」という仕組み自体はシミュレーションゲームなどでよく実装されているが、誰と協力し、誰を信用し、または信用しないか。残り数分の攻防は過激になっていくことは間違いない。

実際に体験してみた印象としては、思った以上にとっつきやすいシンプルな操作系でありながらも、知識や習熟により確実に勝率が上がるであろうやり込みの要素もあり、相当に遊びがいがありそうだと感じた。さまざまなオブジェクトが破壊できることや、今回は自分自身では使えなかった大魔法などの逆転要素も、ぜひ使ってみたいと思わせるワクワク感がある。

そして、20人×5陣営=100人という大人数バトルについては、ただただ圧巻だった。一度に100人が集結することはないとはいえ、こういった多人数バトルとはそもそもそういうものだ。

そして、目の前にいるのは数人の敵でしかないとしても、同じフィールドの中で一緒に戦っているという一体感というか共闘感が、マップの状況や仲間とのボイスチャットなどで常に感じられるところもあまりない体験だった。これだけの人数ともなれば間違いなくさぼるプレイヤーも出てくることが予想されるが、しっかり100人対戦が成立するような気がするのだ。

体験中に思い浮かべたのはマンガ『キングダム』。一介の兵士が大規模戦で活躍し、成長していく様子が、なんとなく『Warlander」のプレイヤーひとりひとりの心情にも近いように思った。


ゲーマーが感じた『Warlander』への期待と可能性


ここまで『Warlander』のシステムや魅力をご紹介してきたが、実際にプレイしていないとなかなか伝わりにくいと思う。そこで最後に、今回一緒にプレイした編集部のゲーマー3名とともに「ここが気になる」というポイントもお伝えしたい。

タケイ:『リーグ・オブ・レジェンド』とレトロゲーが大好きなアラフィフ。FPSは下手の横好き。
ミヤ:『Apex Legends』や『CoD』などFPS全般を愛するクールガイ。世が世ならプロになれるほどの腕前。
コヤ:『Dead by Daylight』とホラー映画をこよなく愛するエンジニア。

『Warlander』に似たゲーム


50対50とか20人×5陣営と言われてもピンとこない人も多いだろう。似たようなゲームとしてどんなものがあるかだが、スクウェア・エニックスの『ファンタジーアースゼロ』がとても近いという意見があった。あちらも3つのジョブがあり、大規模戦闘を行うタイプのゲームだ。残念ながら最近サービスが終了してしまったが、やはり50対50の戦闘が魅力のゲームだった。前述した『ファイナルファンタジーXIV』や、やや不完全ながら『Battlefield 2042』も人数規模では近いと言える。これらのゲームをプレイしたことがある人なら、イメージしやすいだろう。対人戦という意味ではユービーアイソフトの『フォーオナー』も近い印象だ。

システム的にはMOBAなども近そうだが、MOBAよりも圧倒的に覚えることが少なく、誰でもとっつきやすくなっているところは好感が持てた。

eスポーツ化の可能性


続いて、eスポーツでの展開について。最近は猫も杓子もeスポーツ化している印象があり、『Warlander』もその可能性は高いと感じた。開発者の岳氏も「バトロワの要素を入れたりeスポーツ化も狙いたい。ただ、当面は犬派vs猫派のようなコミュニティ同士の戦いが多いのではないか」と語っていた。

たしかにeスポーツ化に関しては難しい課題がいくつか考えられる。第一に、20名という大人数をチームとして抱えることが現実的ではない。4人1組のチームを作ったとしても、どのように勝敗を決めるのかも難しい。また、「同盟」システムとは別に、あるチームとあるチームが共闘してひとつのチームをつぶしたり、あるいはあえて負けるといったゲーム内システムを使わない「人間同士の同盟」、いわば八百長試合も容易に行えてしまうだろう。

こうした点から、eスポーツ化にあたっては厳格なルールを設定する必要があるだろう。開発元は「今はバトロワやMOBAが人気ですが、2年、3年後にどんなゲームが来るかはわからない。私たちがその先陣を切りたい」とも話していたが、現時点でのeスポーツの考え方とは違う、新たなeスポーツの仕組みが生まれてくるかもしれない。

初心者でも楽しめる? 一見さんお断り?


最後は、初心者層でも楽しめるかという点。開発元によれば、実力や経験が近いプレイヤー同士がマッチングされる仕組みを考えているという。たしかにゲーム自体は、初心者であっても相手を見つけたら攻撃したり防御したりするだけで雰囲気を含めて楽しめるとは思う。ただし、圧倒的な経験者と対峙した時にはやはりすぐにやられてしまうだろう。友人などと一緒にマッチングして、スクワッドチームとしてボイチャしながら一緒に戦うのがベストな楽しみ方と思われる。

逆に上級者にとっては、ひとりで無双できるような要素も必要という意見もあった。というのも、初心者が入りやすい環境を作ることと同様に、やり込み甲斐も用意されていないと飽きられてすぐに遊ばなくなってしまうからだ。この点は、アップデートによって息の長いタイトルにして行きたいとも語られているため、期待して待ちたいところだ。


『Warlander』は、9月13日よりPC向けにプレイテスト版の配信がスタートしており、すぐにプレイできる。このあとオープンベータを実施後に年内にリリース予定で、その後コンソールでもリリースが予定されている。ファンタジー好き、マルチプレイ好きな人はいますぐプレイしてみてほしい!


Warlander(ウォーランダー)
ジャンル:対戦型オンラインファンタジーアクション
対応機種:PC・コンソール
発売日:未定
価格:基本プレイ無料
企画・開発:株式会社トイロジック
販売:PLAION

© 2022 Toylogic Inc., Japan. Published by PLAION GmbH, Austria. Warlander is a registered trademark of Toylogic Inc. The PLAION logo is a registered trademark of PLAION GmbH. All rights reserved.

WarlanderのSteamページ
https://store.steampowered.com/app/1675900/Warlander/
トイロジック
https://www.toylogic.co.jp/

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