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観る人も戦う人も知っておきたい、『レインボーシックス シージ』国内大会事情【FAV Gaming・ShiN選手のR6S戦術論】

皆さん、お久しぶりです。また、初めまして。PC版『レインボーシックス シージ(Rainbow Six Siege)』(以下『R6S』)のチーム、FAV gaming(ファブゲーミング)でリーダーを務めているShiN(シン)です。

前回までは、各地域のプロリーグの解説をメインに連載させていただきましたが、今回は少し趣向を変えて、日本の国内大会を紹介しようと思います。というのも、競技シーンを目指す方は大会に基本的には出たほうがいい! と思っているからです。

しかし、日本国内はユーザー主催の大会も含めるとかなり多くて、自分自身も把握しきれていません。今回は、競技シーンプレイヤー、観戦者両方向けに大会の紹介を行っていこうと思います。

大会の種類

大会の種類は大きく分けて3つあります。


私の所属するFAV gamingも参加している「プロリーグ」のAPAC Northをトップリーグとして、年1回行われる入れ替え戦進出をかけた戦いを行う「チャレンジャーリーグ」、それから公式主催の大会とユーザー主催大会が並列になっています。

プロリーグ

プロリーグは言うまでもなく、世界大会進出をかけて各国の強豪が日々しのぎを削る大きな大会であり、参加チームも国内では優勝経験のあるトップクラスのチームばかりです。賞金額も大きく、優勝した場合は100万円以上の賞金を手にすることができます。

基本的には、週2回のオンライン大会とシーズン1回の「Six Major」、それから1年に1回の王者決定戦(*1)によって構成されています。全試合日本語の配信もあるため、多くのユーザーは日本チームはもちろんのこと、アジア各国の強豪チームの試合を楽しみに視聴されているでしょう。日本の実況陣も毎度おなじみの方々なので、視聴者はそのあたりも楽しみに見ているかと思います。

*1 2020年シーズンはGiants gaming vs Cloud9の試合が2021年1月に実施された。

チャレンジャーリーグ

プロリーグは年1回の入れ替え戦が行われており、下位4チームは入れ替え戦を戦うことになります。その中で、入れ替え戦チームの所属する地域とプロリーグ参加チームが最も少ない地域に該当すれば、入れ替え戦が行われることになります。

2020年の例で例えてみますと、日本で最大級の大会「Japan Championship」がチャレンジャーリーグに該当し、賞金額的には『R6S』の世界各国の大会を見ても最高位のTier1に該当していました。予選を勝ち上がったチームのうち、Sengoku Gaming、Gearmix esports、Northeption、エヴァ:e、ELEMENT.36 JAPANの5チームは、入れ替え戦進出資格を有していました。結果、最も順位の高かったエヴァ:eが入れ替え戦に進出し、11月末に入れ替えチームの野良連合と戦っています。(※結果は野良連合が2-1で勝利)

公式主催大会/ユーザー主催大会

最後に公式主催大会とユーザー主催大会です。

公式主催大会は主にJCGが運営する大会を指します。年数回行われている「玄人志向杯」や、「Japan Nationals」が該当します。賞金額は最大10万円がベースですが、上記プロリーグ、チャレンジャーリーグに比べ頻繁に行われているため、定期的に腕試しをしてみたい人が気楽に参加できるのもメリットです。

ユーザー主催大会は、主に有志によって主催される大会ですが、基本的にはユービーアイソフトの許可を得ている大会で、企業がスポンサードしているものもあります。私が把握しているものがすべてではありませんが、例えば「Joshin CUP」などがそれに該当すると思います。

では、次に各大会をもう少し詳細に見ていきましょう。

プロリーグ APAC North

プロリーグ APAC Northはアジア地域各国の強者が集まる大会(リーグ)になっています。「Six Major」と呼ばれる大会出場と、年1回行われる世界最大の大会「Six Invitational」に出場するためのポイント獲得を目指しています。

基本的には週2回(火・木)、12チームで行われるため、深夜遅くまで配信していることもあります。


日本語の配信は下記2つのいずれかで視聴することができます。

▼レインボーシックス シージ ESPORTS YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC67gYd3-k37yrn5nISYxZzg
▼Rainbow6JP Twitch
https://www.twitch.tv/rainbow6jp

競技シーンで頂点に立ちたい、世界大会で戦いたいというプレイヤーは誰しもが憧れる大会であり、参加チームも限られています。ただ、出場チームはどこも別格で実際に戦ってみるとさすがはトップリーグだと思わせる戦い方をしています。

「Six Major」に進出できるのは上位6チームであり、2020年シーズンに限っては前半戦、後半戦ともに同じ6チーム、Giants Gaming、Cloud9、CYCLOPS athlete gaming(CAG)、Xavier Esports、GUTS gaming、FAV gamingでした。下位チームに対して取りこぼすことが少ない6チームのため、牙城を崩すのは難しいですが、下位チームも各国内の優秀選手を補強し新しいチームを作り上げ、次のシーズンでの上位進出を目論んでいることでしょう。

競技シーンプレイヤーは、このリーグに参加するには2つの方法しかありません。

①APAC Northチームに加入する。
②年1回の入れ替え戦を勝ち抜く。

2020年の入れ替え戦を見ていると、いくら下位4チームに沈んだ野良連合とはいえ、他の国内チームとは違う凄みを感じさせていました。プレッシャーに勝つことも大事ですが、EUなどの他地域の「チャレンジャーリーグ」チームレベルの躍進が必要になってくると思います。(※EUリーグのMkersというチームは、「Six Invitational」予選でプロリーグチームを数多く破って進出しました)

かといって、①の選手を募集している時期もほぼなく、圧倒的な実力を示す必要があります。

いずれにせよ最高峰のリーグのため、生半可なプレイはできませんが、競技シーンで戦う以上は目指してほしい場所でもあります。

視聴者向きには、現在APAC Northに参加している日本4チームの応援はもちろんのこと、他のチームも日本向けにアピールしているチームは多くあります。応援したいと思えるチームを探したり、面白い作戦をしているチームに注目するなど、いち視聴者の目線で見てみるのも面白いと思います。日本語配信はおなじみのメンバーですし、親しみやすいでしょう。

チャレンジャーリーグ

2020年は10月に幕張メッセでチャレンジャーリーグの集大成となる「Japan Championship」が行われました。CAG、FAV gaming、GUTS GamingといったAPAC Northでおなじみの3チームに加え、予選を勝ち上がってきたSengoku Gaming、GEARMIX esports、Northeption、エヴァ:e、ELEMENT.36 JAPANの5チーム、計8チームによるオフライン決戦が行われました。

Japan Championshipオフライン決戦

結果はCAGがAPAC Northでの実力そのままに優勝しましたが、APAC North参戦中のチームの壁が高く感じられるような大会でした。

こちらは年1回しかないので、日本での大会規模も最大級です。2020年はコロナウイルスの影響で残念ながら無観客での試合となりましたが、2021年もおそらく行われると思うので、観客入りで楽しみたいものです。

公式主催大会

公式主催大会として今年有名だったのは玄人志向杯とJapan Nationalsでした。

玄人志向杯

玄人志向杯は玄人志向がスポンサードする公式大会です。かつて私の所属していたチームeiNsも玄人志向杯での優勝を皮切りに有名になった記憶があります。カジュアルな大会を自称しているので、多くのチームが参加することでも有名です。

BO1で行われる大会のため、ジャイアントキリングが発生することもしばしば……その都度、プレイヤーやファンの間で盛り上がること間違いなしです。

不定期ですが、基本的には年数回行われているので、競技シーンを目指すプレイヤーや大会と大会が離れていて今の実力がわからないといったチームはぜひ参加してみましょう。2日制の大会で、2日目には日本のおなじみキャスターの実況解説も受けられるかもしれません!

Japan Nationals

Japan NationalsはJCGが主催する公式大会で、前述のJapan Championshipを除けば最大の大会です。

1カ月間に3、4回の予選、そして本選を勝ち上がったチームによる最終決戦がBO3で行われるため、チャレンジャーリーグに上がる前の大会にはもってこいです。

また、決勝大会は大々的に配信されるため、APAC Northのチームも視聴しており、補強選手としてPickupされる可能性もあります。競技シーンを目指すプレイヤーはまずはこの大会を中目標として設定するのもいいかもしれません。

ユーザー主催大会

ユーザー主催大会として有名なところは、Joshin CUPだと思います。

Joshin cup

Six Invitationalの予選で大躍進したCrestGaming Lstも決勝に参加していますね。こちらもオフラインで行われることもあるため、オフライン慣れにはもってこいかもしれません。

他にも多くのユーザー主催大会が行われていることは知っていますが、すべては把握しきれていないため、今回は1つの紹介になります。

最後に

いずれにせよ、大きな大会に出るためには「経験」が大事になってきます。大会を経験して自分たちに足りないこと、上位チームはどう戦っているのかを痛感することができます。大会が終わった後にどう反省するかで今後の成長が大きく変わってくるので、とりあえずは出てみることが大事だと思います。

私も過去、eiNsとして国内大会は可能な限りすべて参加するようにしてきました。その結果が今のFAV gamingにつながっていると思うので、都合をつけてぜひ出てみて下さい。

そして、視聴者の皆さん、いつも大会を視聴いただき、盛り上げていただいていることは大変ありがたいです。面白い試合や名場面が生まれるのも、視聴者の皆さんあってこそだと思っています。

今回紹介したのはメジャーな大会ばかりですが、ぜひこれ以外にも、小さな大会ものぞいてみてください。思わぬ発見があるかもしれません。

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レインボーシックス シージ
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【連載】FAV gaming・ShiN選手による『レインボーシックス シージ』戦術論

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