『Night in the Woods』におけるメッセージ性と、ゲームの三要素のゆらぎ【インディーゲームレビュー 第76回】
田舎町で生きづらさを抱える主人公となり、友人と交流しつつ、町の大きな闇に頭を突っ込んでいくアドベンチャーゲーム『Night in the Woods』。ゲーム要素を曖昧にすることで可能性を広げようとしているタイトルだ。
田舎町で生きづらさを抱える主人公となり、友人と交流しつつ、町の大きな闇に頭を突っ込んでいくアドベンチャーゲーム『Night in the Woods』。ゲーム要素を曖昧にすることで可能性を広げようとしているタイトルだ。
鳥の少女クレアとなって島を探索し、山頂をめざす癒やし系アドベンチャーゲーム『A Short Hike』。IGF2020で大賞を受賞した本作が、多くの英語圏ゲーム開発者の心をとらえた理由とは何か。
ゲームの評価は文脈によって変わる。1970年代のカルト教団がテーマの『The Church in the Darkness』も同様で、新型コロナウイルスの影響で社会生活が麻痺する中、複雑な意味を醸し出している。
短編アドベンチャーゲーム『HEADLINER』をレビュー。ゲームデザインには現実世界の抽象化と誇張化という側面があり、ゲームは現実に対する批評性を帯びる。こうした特性を上手くいかし、社会問題に切り込んだタイトルだ。
声を失った女性が精神世界を旅するインディーゲーム『GRIS』。本作から、『風ノ旅ビト』の影響を受けたゲームたちが抱える、ノンバーバルな物語体験を実現する上での課題を探る。
ミニマルでフラットなアートデザインがかわいらしいパズルアドベンチャー『Pikuniku(ピクニック)』。パズルを解きながらストーリーを進めていく本作には、ゲームと物語の抜きがたい関係性が秘められている。
台湾のインディーゲーム『還願 Devotion』が不適切な表現があったとして配信停止、中国市場におけるSteamの存在まで巻き込み、政治問題化している。ゲームはなぜ社会問題化するのか、現実とゲームの関係性を考える。
1分間で死んでしまう主人公というアイディアがユニークで、世界的なヒットを記録したタイトル『Minit』。プロトタイプがゲームジャムで制作された本作は、ゲームジャム時代を象徴するインディーゲームである。
航海中に消息を絶ったオブラ・ディン号の謎をときあかしていく『Return of the Obra Dinn』は、“謎が謎を呼ぶ展開”を巧みに演出し、優れた難易度構造で高い評価を得ているタイトルだ。
台湾のインディーゲームスタジオが開発した、宇宙葬がテーマのアドベンチャーゲーム『OPUS 魂の架け橋』。「こちら側」と「あちら側」が交錯する世界の中で綴られる美しい物語は台湾ならではのローカルな宗教観と深い関係があった。
TGS2018「センスオブワンダーナイト」で注目を浴びたインディーゲーム『The Gardens Between』は、スマホゲーム会社ならではの知見が光る挑戦的なタイトルだった。
ゲームには必ず顧客が存在する。アメリカ版『ぼくのなつやすみ』ともいえる、人生に疲れた白人男性が主人公のウォーキングアドベンチャー『Firewatch』は、顧客を絞り込むことで高い評価を集めたユニークなタイトルだ。
ゲームと物語は水と油の存在だ。アドベンチャーゲームの歴史は、この両者を融合させるための、さまざまな挑戦の過程だといえる。絵本風のグラフィックとカートゥーン的なドタバタ劇が楽しい『CHUCHEL』もまた、そうしたゲームの一つだ。『フィンチ家の奇妙な屋敷で起きたこと』で論じたように、ゲームとはプレイヤーに再挑戦を強いるメディアだ。もっとも、そのためにはルールが常に同じでなければならない。事実、コンティニューのたびにゲームのルールが変わるようでは、プレイヤーが過去の経験を活かせないことは明白だろう。プレイヤーは
テレビゲームは、プレイヤーの関与を経て初めて価値が生まれる「永遠の未完成品」だ。そのためゲームの魅力を正しくプレイヤーに伝える必要がある。MSX向けに制作された『タロティカ・ブードゥー』も、伝えることに自覚的なゲームだ。
茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方に「守破離」がある。この考え方はゲームデザインにおいても同様だ。RPGツクールでオリジナル版が作られた『OneShot』もまた、ゲームデザインにおける「守破離」を感じさせる内容だ