『タロティカ・ブードゥー』作ることと、それ以上に大切な伝えること【インディーゲームレビュー 第29回】
テレビゲームは、プレイヤーの関与を経て初めて価値が生まれる「永遠の未完成品」だ。そのためゲームの魅力を正しくプレイヤーに伝える必要がある。MSX向けに制作された『タロティカ・ブードゥー』も、伝えることに自覚的なゲームだ。
「ゲーム批評」編集長などを経て、2000年からフリーランス。「ゲーム教育ジャーナリスト」「コミュニティサポーター」「ゲーム教育者」という3つの分野で活動している。主な役職にNPO法人ゲーム開発者協会名誉理事・事務局長、ゲームライターコミュニティ代表、日本ゲームシナリオライター協会監事、東京国際工科専門職大学講師など。主な著書・編著に『ゲームクリエイターが知る97のこと(2)』(オライリージャパン)などがある。
テレビゲームは、プレイヤーの関与を経て初めて価値が生まれる「永遠の未完成品」だ。そのためゲームの魅力を正しくプレイヤーに伝える必要がある。MSX向けに制作された『タロティカ・ブードゥー』も、伝えることに自覚的なゲームだ。
国産インディーズゲームには、「人間でないもの」をプレイヤーキャラクターに据えた、ユニークなゲームの潮流がある。海産物になって仲間を従え、海の王者になる『エース・オブ・シーフード』も、きわめて日本的なインディーゲームだ。
茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方に「守破離」がある。この考え方はゲームデザインにおいても同様だ。RPGツクールでオリジナル版が作られた『OneShot』もまた、ゲームデザインにおける「守破離」を感じさせる内容だ
人間は短期的に7桁の数字を認識できるという「マジックナンバー7」。しかし、実際には多すぎるとして否定されている。この問題を逆手に取ったゲームが、英爆撃機が主役の『BomberCrew』だ。
『RUINER』はツインスティックシューターで遠距離攻撃・近距離攻撃・アビリティなどを使い分けながら、周囲の敵をなぎ倒していくアクションシューティング。自由度の高い成長システムと、その果てにある究極の「ゲーム」像とは?
ドイツのディベロッパーが開発した和風ステルスゲーム『Shadow Tactics: Blades of the Shogun』は、静と動の状況をプレイヤー自らが演出し、独自のリズム感でゲームを進めることができる快作だ。
老舗ゲーム会社バンダイナムコエンターテインメントからリリースされた『リトルナイトメア』。UE4の大域照明による「光と影」を生かしたパズルが特徴の本作は、様々な表現技法が投入されたリアルタイム3DCGの集大成だ。
アメリカの民間刑務所をモチーフにした異色の経営シミュレーションゲームが『Prison Architect』だ。当のアメリカで民間刑務所の段階的な廃止が進む一方で、本作が世界的なヒットを収めている。
台湾の白色テロの時代を扱った異色の2Dアドベンチャーゲーム『返校』。独自の世界観を生み出すストーリーテリングと、2Dのカメラ視点が与える演劇的な効果とは。
丁寧に作られた日本語版で真価を発揮した『UNDERTALE』。ゲームが個人で作れるようになった今、ローカライズのあり方もまた変わっていくのではないか……。
近年、インディーゲームのムーブメントが高まる中国ゲーム業界。国内外のインディーゲームが集結した、その象徴ともいえるイベント「WePlay Game Expo」(2017年10月28、29日上海で開催)をリポートする。
インディーゲームを盛り上げるための国際的な取り組み「Global Top Round(GTR)」が、10月23、24日にオーストラリアで開催。カンファレンス選出10作品の紹介と、インディーゲームを取り巻く現状をレポート
異色のゲームとして注目されるアクションシューティング『CUPHEAD』だが、その背後にあるのは基本に忠実なレベルデザインである。インディーゲームらしい個性的なスタイルと基本のゲームデザインが融合された唯一無二のタイトルだ
「センス・オブ・ワンダーナイト2017」ファイナリストにも選出された『Old Man’s Journey』。ハリウッド映画の脚本セオリーと、回想シーンを活用したゲームならではの作劇法が垣間見える作品だ
ゲームとはプレイヤーに対して「擬似的な死」を何度も繰り返させるメディアだ。エピソードがすべて「死」で終わる『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』は、ゲームが持つ構造的な特性を十二分に活用したアドベンチャーゲームだ。