『Baba Is You』多様なダイナミクスを生み出す優れたメカニクス【インディーゲームレビュー 第56回】
フィンランドの学生が作ったパズルゲーム『Baba Is You』がインディーシーンを席巻している。シンプルなメカニクスで多様なダイナミクスを生み出すという、ゲームデザインの原点に立ち返った良作だ。
「ゲーム批評」編集長などを経て、2000年からフリーランス。「ゲーム教育ジャーナリスト」「コミュニティサポーター」「ゲーム教育者」という3つの分野で活動している。主な役職にNPO法人ゲーム開発者協会名誉理事・事務局長、ゲームライターコミュニティ代表、日本ゲームシナリオライター協会監事、東京国際工科専門職大学講師など。主な著書・編著に『ゲームクリエイターが知る97のこと(2)』(オライリージャパン)などがある。
フィンランドの学生が作ったパズルゲーム『Baba Is You』がインディーシーンを席巻している。シンプルなメカニクスで多様なダイナミクスを生み出すという、ゲームデザインの原点に立ち返った良作だ。
世界第2位の経済大国・中国の等身大の若者文化を伝えてくれるインディーゲーム『WILL-素晴らしき世界-』。日本のビジュアルノベルゲームと変わらないテイストを通して、日本と変わらない日常が広がっていることを教えてくれる。
現代人が異世界に転生して無双する「異世界転生モノ」のインディーゲームが韓国から登場した。三国志の世界を舞台とした『Lu Bu Maker』は一見するとイロモノながら骨太なゲームデザインが光るタイトルだ。
箱庭系インディーゲーム『Forager』は、なぜ高い評価を得ているのだろうか。そこには、ゲームジャムから誕生したという制作経緯と、ファンコミュニティを意識した現代的なゲームのあり方があった。
独立したクリエイターが元のゲームエンジンをベースに新作を開発することは海外で多い。中でも学校経営シミュレーター『Academia : School Simulator』は、アーリーアクセス版ながら今後が期待される作品だ。
声を失った女性が精神世界を旅するインディーゲーム『GRIS』。本作から、『風ノ旅ビト』の影響を受けたゲームたちが抱える、ノンバーバルな物語体験を実現する上での課題を探る。
ミニマルでフラットなアートデザインがかわいらしいパズルアドベンチャー『Pikuniku(ピクニック)』。パズルを解きながらストーリーを進めていく本作には、ゲームと物語の抜きがたい関係性が秘められている。
『FTL: Faster Than Light』開発チームの新作ゲーム『Into the Breach』は、ワンアイディアでターン制ストラテジーに革新をもたらし、GDCAのBestDesign部門も受賞した作品だ。
台湾のインディーゲーム『還願 Devotion』が不適切な表現があったとして配信停止、中国市場におけるSteamの存在まで巻き込み、政治問題化している。ゲームはなぜ社会問題化するのか、現実とゲームの関係性を考える。
錬金術がテーマのインディーゲーム『Opus Magnum』は、あえて本編の制約を緩くすることで遊びの本質を浮かび上がらせている。人はなぜ遊ぶのかを思い出させてくれる良質パズルゲームだ。
1分間で死んでしまう主人公というアイディアがユニークで、世界的なヒットを記録したタイトル『Minit』。プロトタイプがゲームジャムで制作された本作は、ゲームジャム時代を象徴するインディーゲームである。
世界中で開発されるようになったゲーム。南アフリカのインディーゲームディベロッパー、Nyamakopのデビュー作『Semblance』もそれを象徴するタイトルの一つ。幻想的なグラフィックと優れたパズル性のユニークな作品だ。
航海中に消息を絶ったオブラ・ディン号の謎をときあかしていく『Return of the Obra Dinn』は、“謎が謎を呼ぶ展開”を巧みに演出し、優れた難易度構造で高い評価を得ているタイトルだ。
ゲームのUIデザインは、そのコントローラーにも影響される。リズムゲーム『Old School Musical』の定石を否定する画面レイアウトが成功した裏には、コントローラーの操作に最適化されたゲームデザインがあった。
台湾のインディーゲームスタジオが開発した、宇宙葬がテーマのアドベンチャーゲーム『OPUS 魂の架け橋』。「こちら側」と「あちら側」が交錯する世界の中で綴られる美しい物語は台湾ならではのローカルな宗教観と深い関係があった。