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【Epic Games Store 無料ゲーム紹介】生き残りをかけた2つの戦い『Adios』と『Hell is Others』が無料配信中

目次
  1. Adios(アディオス)
    1. 退役軍人の養豚家とマフィアの旧友が繰り広げる、とある1日の会話劇
    2. FPS視点でタスクをこなしながら知る二人の関係
    3. “選べない選択肢”が感情を補完する
  2. Hell is Others(ヘルイズアザーズ)
    1. 深い闇夜に封じられたアパートで見つけた“BONSAI”からすべてが始まる
    2. 探索・収集・戦闘という基本を学ぶ序盤のチュートリアル
    3. 本番はここから。生き残るために収集し、戦え
Epic Games Storeより、毎週提供されている無料ゲームをご紹介するこの企画。

今週の無料ゲームは2本立て。マフィアの殺人幇助から足を洗う養豚農家の会話劇『Adios』と、生き血で育つ不思議な植物“BONSAI”を栽培しながら生き残りをかけて戦うPvPvEオンラインシューター『Hell is Others』。方向性は違えど、どちらも生き延びるためにあがく主人公を描くゲームだ。

今回はいずれも日本語非対応の作品だが、他のゲームとは一味違うコンセプトは注目に値する。ぜひ以下のレビューを読んでみてほしい。


Adios(アディオス)


価格:1880円
無料期間:~2023年2月3日 1:00
開発者:Mischief
パブリッシャー:Mischief
リリース日:2021年6月29日
https://store.epicgames.com/ja/p/adios-b378b4


退役軍人の養豚家とマフィアの旧友が繰り広げる、とある1日の会話劇


『Adios』(アディオス)は、2時間程度でプレイできる一人称視点のアドベンチャーゲームだ。ゲームとは不思議なもので、英語がそれほど理解できていなくても、キャラクターの行動などを見ているだけで不思議とプレイできてしまった。ここではかいつまんでストーリーをご紹介しよう。

カンザス州で養豚をメインに営む農家である“あなた”は、ひんやりと冷え込んだ10月のある日、旧友のマフィアから引き受けてきた「豚を使って死体を処分する仕事」をやめることを決心する。いつものようにバラバラにされた肉塊を持ってきた旧友とともにそれらを豚に与えながら、旧友との会話が始まる。


勇気を出して「もうこれでおしまいだ」と告げたものの、もちろん旧友は“あなた”に仕事を辞めてほしくはない。朝食をとりながら説得を試みるため、旧友は“あなた”の考えを聞き、昔話をしながら、その養豚場での雑用を一緒にこなしていくことになった。

FPS視点でタスクをこなしながら知る二人の関係


養豚場内の移動などはFPS方式だが、操作としては「E」で道具をつかんだり、左クリックで実行したりといった簡単な作業のみだ。やるべきタスクは「tab」キーを押せば表示され、移動時には行くべき場所までの距離が数値化されるので迷うこともない。

会話の中で徐々に見えてくる“あなた”と旧友の過去には、1970年代のベトナム戦争での話、若かった頃の仲間の話、妻や息子の話なども出てくる。仕事の合間には蹄鉄投げをしたり、馬に餌をあげたり、ヤギの乳搾りをしたり。アメリカ西部の農家の日常を描きながらも、ふたりの心の中には決して理解し合えない断絶があることがわかってくる。

人殺しを何とも思わない人間と、小さな生活を守るために悪いとわかっていながら罪悪感にさいなまれ続ける人間では、理解し合えるはずもない。


ストーリーは主に“あなた”と旧友との会話劇で進むが、時折現れる選択肢によって、自分の意志を確かめながら次の行動が決まっていく。まるで1本の映画のように紡がれるふたりの会話劇には、ゲームで描かれる1990年代のアメリカ映画でよく題材にされた、ベトナム戦争後の退役軍人の生活の悲哀と苦悩がテーマになっている。

ある者は静かな暮らしを。ある者は戦争体験をもとに職を。ロシアとウクライナの戦争が続くいま、『Adios』を遊びながら、戦争は被害者しか生まないことは時が経たなければわからず、時がたつほどに忘れられてしまうということに気付かされる。

互いの気持ちを確認しながら1日の仕事を終え、「Adios」と告げて去る旧友。このスペイン語の別れのあいさつには、「じゃあまたな」というよりも、永い別れの意味で使われることが多いのだという。


“選べない選択肢”が感情を補完する


魅力に感じたのは、グレーアウトして選べない選択肢が、ゲーム的なフラグの関係で選択できないのではなく、心に秘めてはいるものの相手に伝えられない“あなた”の葛藤表現として使われているところだ。

一見選択肢が与えられているようで、実は心に秘めた思いをプレイヤーに感じさせるための手法として選択肢を活用しているのだ、それは、旧友と別れた後の隣人や息子との会話の中で見られる。

“あなた”が伝えたいと思いながらも伝えられなかった気持ちを知ったときには胸に迫るものがあった。人は、別れの時にしか本音を伝えられないものなのかもしれない。


親しい人々との会話を終え、ゆっくりと夕食を作る。食卓には1丁のショットガン。どんな結末が待っているのか、自身で確かめてみてほしい。




Hell is Others(ヘルイズアザーズ)


価格:1580円
無料期間:~2023年2月3日 1:00
開発者:Strelka Games & Yonder
パブリッシャー:A List Games
リリース日:2023年1月27日
https://store.epicgames.com/ja/p/hell-is-others-789262


深い闇夜に封じられたアパートで見つけた“BONSAI”からすべてが始まる



『Hell is Others』(ヘルイズアザーズ)は、PvPvEのサバイバルホラー見下ろし視点型シューター。PvPvEとは、人間対人間の対戦に加えて、コンピューターの敵キャラも現れるゲームのことだ。

主人公のAdam Smithsonが住むのは、地獄のような光景が広がるノワール調の街「Century City」。その街の最上部に位置する高層アパートにAdamの部屋はある。

ある日、その高層アパートが突然停電、地震などに見舞われる。自分の部屋を見回すと、バスルームの鏡が割れ、壁に大きな傷があった。廊下には「10日間面倒をみてほしい」という言葉とともに置かれた植物の鉢“BONSAI”が置かれており、Adamは部屋に持ち帰ってそれを育てることにする(ちなみに、BONSAIという表現は海外でも低木に育てた植物を指す言葉として使われているそうだ)。


このBONSAIを育てるために必要なのは生き血。試しにけがをした自分のシャツを洗い、絞って与えてみると成長を見せた。このBONSAI、実はバトルで必要な弾薬の元を生み出してくれるいわば弾薬の元。育成時に加えるアイテムなどによってさまざまな効果も付加できる。


とはいえ、部屋にいるだけでは血は手に入らない。ウサギの管理人Alfredによると、止まっていたエレベーターも動くようになったため、地上に降りることもできそうだ。

探索・収集・戦闘という基本を学ぶ序盤のチュートリアル


実はこの段階はまだチュートリアルの途中。地上の街にある家や店などには人はおらず、クローゼットや冷蔵庫などを家探しすることでさまざまなアイテムが手に入る。一度に持てるアイテムの種類は8個+ポケット1個の合計9個だが、同じ種類のアイテムなら上限いっぱいまで重ねて持てる。キッチンにはナイフやフォークが、バスルームには薬や回復アイテムがあるなど、探す場所によってアイテムの種類も予想できる。

しばらく街をうろついていると、ハットをかぶった紳士OCTAVEと出会い、「金目のものを探してくれ」と頼まれる。OCTAVEと会話することでマップの右側に行けるようになるのだが、そこの地面に生えている植物が銃の弾丸として補充できる。こうしてここで初めて銃を使えるようになる。



ミッションは「J」キーで確認できるほか、最初のうちは画面右上にも表示される。「CHATEAU CONSTANT」という建物から「GOLDEN OBJECT」、つまり金目のものを探してこい、ということだ。


アイテムには、回復アイテムや武器アイテムのほか、のちのちOCTAVEに売り捌ける金目のものもある。所持品の余裕がある限りゲットしておきたいところだ。



最終的に上りエレベーターを見つけて自宅に戻れれば、持っていたアイテムをそのまま持ち帰り、BONSAIに新たな生き血や強化アイテムを補充して弾丸などを強化できる。エレベーターにたどり着けなかったり、敵の攻撃でやられてしまった場合は、経験値こそ得られるものの、集めたアイテムは水の泡だ。



こうして、
エレベーターで地上へ降りる
→アイテムを物色しながら敵を倒して生き残る
→利用可能なエレベーターを探す
→自宅に戻る

という流れを繰り返すバトルロイヤルゲームとなっている。

本番はここから。生き残るために収集し、戦え


操作はWASDで移動、マウスで照準を合わせて左クリックで撃つというFPSと同様。見下ろし視点なのでわかりにくいが、実は地上に降り、アイテムを探し、敵を倒して生き残るという主目的は『PUBG: BATTLEGROUNDS』などのバトルロイヤルゲームとシステム自体は非常に似ている。さらに言えば、プレイヤー同士でアイテムを奪い合う『Escape from TALKOV』の方がより近いと言える。

日本から最も近いサーバーは香港で、ヨーロッパ、北米の3つのサーバーが用意されている。現在は無料提供中なためかマッチングも早いため、楽しみやすいだろう。

英語とは言え、操作に慣れてしまえば特に言葉は関係なく、ストーリーも非常にシンプル。レトロゲーム調でありながらも、操作性はしっかり現代風のクセがないプレイ感覚を実現している。

PvPタイトルでバチバチに戦うのが好きという方にはぜひオススメしたい。



Adios
https://store.epicgames.com/ja/p/adios-b378b4
Hell is Others
https://store.epicgames.com/ja/p/hell-is-others-789262
【これから始めるPCゲーム】「Epic Games Store」の使い方
https://gamerszone.jp/post/2327
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