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『FILMECHANISM』Steam版レビュー:ブロック位置を記録&復元する独自ルールの、8ビット風アクションパズル
ファミコンやゲームボーイカラー時代を彷彿とさせる8ビット風グラフィックが特徴的な、2Dパズルアクションゲーム『FILMECHANISM』(フィルメカニズム)Steam版が、2021年12月16日に発売された。キャラクターを左右+ジャンプボタンで操作するというシンプルなルールであり、ジャンプアクションにもシビアさは求められないので、「誰でも遊べる」カジュアルなゲームとなっている。
ルールは簡単。プレイヤーキャラ「レック」を旗(ゴールフラッグ)に触れさせればクリアとなる。WORLD1-1では、ジャンプ移動や、移動可能な「きいろブロック」を押す基本操作のチュートリアルとなっているが、次のステージ以降は独自要素である「記録(レコード)」および「復元(リストア)」を行わないとクリアできない。
そんなパズル&アクションな本作のレビューをお届けする。
▲緑色の一つ目キャラクター「レック」を、ゴールフラッグまで届ければステージクリア。ただしレックのジャンプ力は2つぶんのブロックに届かない程度と低い
『FILMECHANISM』のポイント
このシステム、感覚的にはパソコン操作のCTRL+Z(復元)に近い。パソコン操作では直前の操作を取り消すが、このゲームでは「記録」を行った段階に戻すというイメージだ。
▲緑色の「フィルム」アイテムを取ると、記録できるようになる。記録されるのは、画面中央に見えるきいろブロックと、画面右にある鍵穴のある扉のみ
いくらルールを説明したところで、このゲームの魅力を伝えるのは難しそうなので、その面白さを伝えるためにステージの画面をいくつか掲載し、それぞれの解法を説明することにした。
「記録」と「復元」というシンプルなシステムではあるが、クリアするためのキモは「いつ記録して、いつ復元するか」という部分。オブジェクト数はそれほど多いわけではないので、動かしつつ試行錯誤しているうちにほとんどの問題はクリアできてしまうはず。そしてステージをクリアできたときの「!」という気持ち。小さくガッツポーズしたくなるくらいには幸せな気分になったので、この気持ちは皆さんにもぜひ味わってほしい。
ステージ数は全部で200以上もあるので、まだまだ楽しめると思うとつい口角が上がってしまう。
【WORLD1-06】
▲フィルムを取ってすぐに記録。きいろブロックを2マス押してから復元すると初期位置(移動後のレックの左側)へ移動するため、レックが先へ進めるようになる
【WORLD1-11】
▲フィルムを取ったあと、鍵穴のある扉を開けないうちに記録し、2つの扉の鍵を開けてからレックが画面右側に到達したら復元。すると鍵を開けた扉が復活するので、きいろブロックを右側から押して、扉の上に1つずつブロックを乗せる。そして最後の1個を左端まで押してから、それを足場にゴールフラッグへ向かう
【WORLD2-01】
▲フィルム(緑)を取ったら画面中央の赤い足場を記録。足場を飛び越えて右側の鍵を取ったら、復元で足場を復活させる。これで画面左側へ戻れるようになる
【WORLD2-09】
▲緑と青のフィルムが出てきた。きいろブロックを左に押し、フィルム(緑)で記録。ブロックはフィルムを通り抜けられる。さらにきいろブロックを左に押してフィルム(青)も入手してから左端のスイッチにブロックを乗せ、半透明ブロックの橋が実体化したら記録する。これでフィルム(緑)の記録を復元して通路を通り抜けてから、フィルム(青)を使った記録を復元すると、きいろブロックがスイッチの上に移動し、足場が出現する
【WORLD3-01】
▲中央のジャンプ台は一度しか使えない。しかしフィルムを取ったらすぐに記録し、ジャンプ台を使って左上の鍵を取ってから復元するとジャンプ台が未使用の状態になるため、右上の鍵穴扉へ行けるようになる
【WORLD3-05】
▲スタート地点にあるフィルムを取ったらすぐに記録し、一度左下へ。下の通路を通って右下から回り込み、きいろブロックをレックの初期位置へ移動。さきほど通ってきた下の通路を使って左上へ登り、きいろブロックを踏み台にして中央の◆ブロックへ。そこで復元すると、きいろブロックが初期位置に戻るため、右上への足場に使える
このゲーム、欠点らしい欠点は見つからなかったのだが、強いて言うならばヒントがわかりづらいステージがあったこと。ステージごとに4段階でヒントが用意されているものの、「最初に動かすもの」「記録する状態」「復元する状態」という断片的なヒントなので、どうすればその状態にすればいいのかがわからないというステージがあった。
ただ、パズルゲームで完全な回答を見せられても仕方ないので、最後は自分で考えるのが正しいとは思う。はい、頑張ります(筆者の心の声)。
つまり、このゲームはSteamがインストールされていれば、そこそこ古いPCでも問題なく遊べてしまうという対象ユーザーの広さもひとつの特徴だ。
さらに言えば、操作についても左右+ジャンプボタン(spaceキー)以外の「X」キー(記録)と「Z」キー(復元)の操作時にはリアルタイム性は要求されない。アクションパズルではあるが、ゲームパッドを持っていなくても、キーボードのカーソルキーの左右+spaceキーで問題なく遊べたという点も評価したい。
パズルゲームなので、解けないと悔しいのは当然。でも、固定画面なのでオブジェクトはそれほど多いわけではない。それに、フィルムで記録できるものも限られている。少し動かしてみて、記録して試して……という行動を繰り返していれば、そのうちクリアできてしまうという「ちょうどいい」難易度。
派手な3Dグラフィックで表現されたゲームが目立つ昨今。あなたのSteamライブラリの中にも、疲れた時に肩の力を抜いて遊べるこのゲームを加えてみてはどうだろうか。
(C)Chemical Pudding Published by Phoenixx Inc.
(C)RYOCHAN COMPANY/Ryosuke
●タイトル:FILMECHANISM
●ジャンル:2Dパズルアクションゲーム
●発売元:Phoenixx Inc.
●開発元:Chemical Pudding
●プラットフォーム:PC(Steam)、Nintendo Switch
●発売日:2021年12月16日
●価格:2050円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 7/8/8.1/10 64bit
メモリー:1GB
グラフィック: Intel UHD Graphics 620
ストレージ:120MB
●公式サイトURL:http://chemicalpudding.com/filmechanism/
●ダウンロードサイトURL:
https://store.steampowered.com/app/1608270/FILMECHANISM/
ルールは簡単。プレイヤーキャラ「レック」を旗(ゴールフラッグ)に触れさせればクリアとなる。WORLD1-1では、ジャンプ移動や、移動可能な「きいろブロック」を押す基本操作のチュートリアルとなっているが、次のステージ以降は独自要素である「記録(レコード)」および「復元(リストア)」を行わないとクリアできない。
そんなパズル&アクションな本作のレビューをお届けする。
▲緑色の一つ目キャラクター「レック」を、ゴールフラッグまで届ければステージクリア。ただしレックのジャンプ力は2つぶんのブロックに届かない程度と低い
『FILMECHANISM』のポイント
- 謎を解いた瞬間が楽しいパズルゲーム
- 8ビット時代を連想させるピクセルグラフィック
- 超低スペックPCでも遊べる対象ユーザーの広さ
謎が解けた瞬間の「!」を楽しむパズルゲーム
フィールド内に落ちているアイテム「フィルム」を入手したあとに「X」キーを押すと、フィールド内にある特定のオブジェクト(ブロックや鍵穴のある扉、落ちる床など動かせるもの)をその位置に記録できる。記録された場所には点線の枠が表示され、このあとブロックを押したり、鍵扉を開けたり、落ちる床を落としたりした後に「Z」キーで復元すると。記録した位置に復元されるというもの。このシステム、感覚的にはパソコン操作のCTRL+Z(復元)に近い。パソコン操作では直前の操作を取り消すが、このゲームでは「記録」を行った段階に戻すというイメージだ。
▲緑色の「フィルム」アイテムを取ると、記録できるようになる。記録されるのは、画面中央に見えるきいろブロックと、画面右にある鍵穴のある扉のみ
いくらルールを説明したところで、このゲームの魅力を伝えるのは難しそうなので、その面白さを伝えるためにステージの画面をいくつか掲載し、それぞれの解法を説明することにした。
「記録」と「復元」というシンプルなシステムではあるが、クリアするためのキモは「いつ記録して、いつ復元するか」という部分。オブジェクト数はそれほど多いわけではないので、動かしつつ試行錯誤しているうちにほとんどの問題はクリアできてしまうはず。そしてステージをクリアできたときの「!」という気持ち。小さくガッツポーズしたくなるくらいには幸せな気分になったので、この気持ちは皆さんにもぜひ味わってほしい。
ステージ数は全部で200以上もあるので、まだまだ楽しめると思うとつい口角が上がってしまう。
【WORLD1-06】
▲フィルムを取ってすぐに記録。きいろブロックを2マス押してから復元すると初期位置(移動後のレックの左側)へ移動するため、レックが先へ進めるようになる
【WORLD1-11】
▲フィルムを取ったあと、鍵穴のある扉を開けないうちに記録し、2つの扉の鍵を開けてからレックが画面右側に到達したら復元。すると鍵を開けた扉が復活するので、きいろブロックを右側から押して、扉の上に1つずつブロックを乗せる。そして最後の1個を左端まで押してから、それを足場にゴールフラッグへ向かう
【WORLD2-01】
▲フィルム(緑)を取ったら画面中央の赤い足場を記録。足場を飛び越えて右側の鍵を取ったら、復元で足場を復活させる。これで画面左側へ戻れるようになる
【WORLD2-09】
▲緑と青のフィルムが出てきた。きいろブロックを左に押し、フィルム(緑)で記録。ブロックはフィルムを通り抜けられる。さらにきいろブロックを左に押してフィルム(青)も入手してから左端のスイッチにブロックを乗せ、半透明ブロックの橋が実体化したら記録する。これでフィルム(緑)の記録を復元して通路を通り抜けてから、フィルム(青)を使った記録を復元すると、きいろブロックがスイッチの上に移動し、足場が出現する
【WORLD3-01】
▲中央のジャンプ台は一度しか使えない。しかしフィルムを取ったらすぐに記録し、ジャンプ台を使って左上の鍵を取ってから復元するとジャンプ台が未使用の状態になるため、右上の鍵穴扉へ行けるようになる
【WORLD3-05】
▲スタート地点にあるフィルムを取ったらすぐに記録し、一度左下へ。下の通路を通って右下から回り込み、きいろブロックをレックの初期位置へ移動。さきほど通ってきた下の通路を使って左上へ登り、きいろブロックを踏み台にして中央の◆ブロックへ。そこで復元すると、きいろブロックが初期位置に戻るため、右上への足場に使える
このゲーム、欠点らしい欠点は見つからなかったのだが、強いて言うならばヒントがわかりづらいステージがあったこと。ステージごとに4段階でヒントが用意されているものの、「最初に動かすもの」「記録する状態」「復元する状態」という断片的なヒントなので、どうすればその状態にすればいいのかがわからないというステージがあった。
ただ、パズルゲームで完全な回答を見せられても仕方ないので、最後は自分で考えるのが正しいとは思う。はい、頑張ります(筆者の心の声)。
超低スペックPCでも遊べる対象ユーザーの広さ
対応OSはWindows 7以降で、要求されるグラフィックボードもオンボードのIntel UHD Graphics 620。さらに「推奨」スペックはなし、という割り切り。つまり、このゲームはSteamがインストールされていれば、そこそこ古いPCでも問題なく遊べてしまうという対象ユーザーの広さもひとつの特徴だ。
さらに言えば、操作についても左右+ジャンプボタン(spaceキー)以外の「X」キー(記録)と「Z」キー(復元)の操作時にはリアルタイム性は要求されない。アクションパズルではあるが、ゲームパッドを持っていなくても、キーボードのカーソルキーの左右+spaceキーで問題なく遊べたという点も評価したい。
パズルゲームなので、解けないと悔しいのは当然。でも、固定画面なのでオブジェクトはそれほど多いわけではない。それに、フィルムで記録できるものも限られている。少し動かしてみて、記録して試して……という行動を繰り返していれば、そのうちクリアできてしまうという「ちょうどいい」難易度。
派手な3Dグラフィックで表現されたゲームが目立つ昨今。あなたのSteamライブラリの中にも、疲れた時に肩の力を抜いて遊べるこのゲームを加えてみてはどうだろうか。
(C)Chemical Pudding Published by Phoenixx Inc.
(C)RYOCHAN COMPANY/Ryosuke
●タイトル:FILMECHANISM
●ジャンル:2Dパズルアクションゲーム
●発売元:Phoenixx Inc.
●開発元:Chemical Pudding
●プラットフォーム:PC(Steam)、Nintendo Switch
●発売日:2021年12月16日
●価格:2050円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 7/8/8.1/10 64bit
メモリー:1GB
グラフィック: Intel UHD Graphics 620
ストレージ:120MB
●公式サイトURL:http://chemicalpudding.com/filmechanism/
●ダウンロードサイトURL:
https://store.steampowered.com/app/1608270/FILMECHANISM/
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