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『Blade Evolution』Steam版レビュー:大量の敵を薙ぎ払う爽快なローグライト・ハイスピード2Dアクション!

韓国パブリッシャーNEOWIZと、株式会社Teamsuneat開発によるローグライト・ハイスピード2Dアクション『Blade Evolution』(英題:Blade Assault)がSteam版における早期アクセスを経て、正式リリースされました。

※Steam上では購入リンクが『Blade Assault』表記になっていますが、本記事では正式名称となっている『Blade Evolution』を採用しています。


銀髪でチェーンソーブレイドを扱う主人公「キル」を操作し、ゲームを開始するたびに変わるステージ構成やアイテムをうまく利用しながら、天上の街にいる独裁者「パヌス」を倒すことが本作の目的となっています。

『Blade Evolution』のポイント
  • 軽快なアクションとローグライト要素の融合
  • 複数の武器・スキル・ギアによるビルド構成で何度でも楽しめる
  • 敵の数が多く、爽快感は抜群

本レビューにおけるプレイ環境を明記しておきます。ゲームバージョンはVer.1.01、主人公「キル」を含む現在実装されているプレイアブルキャラクター3人を使用し、ノーマルモードでプレイしました。

爽快感抜群のローグライト
+ハイスピード2Dアクション

ローグライト要素とハイスピード2Dアクションが組み合わさった本作は、各ステージに出現する数多くの敵を倒しながら進むゲーム内容となっています。


プレイヤーは「チェーンソーブレイド」など3種類の武器を使いこなす白髪の主人公「キル」をはじめ、居合術を操る「ダルシー」、鎖鎌を扱う女忍者「ジェニー」という開放キャラクターを含む3人のうち1人を操作しながら、地下都市から天上都市へと向かいます。ダッシュやジャンプ、連撃を加えながら大量の敵を高速で切り伏せる彼らの姿に、プレイした人はきっと心を奪われるでしょう。


そんな魅力的な本作ですが、ジャンルとしては「ローグライト」2Dアクションのため、一度敵に敗れてしまうとスタート地点に戻されてしまい、攻略の進捗は失われ、次回プレイ開始時は最初のステージからやり直しとなります。一度の攻略ですべてのステージをクリアするとなると、おおよそ1時間半ほどかかりますが、中断セーブやチェックポイントがないため通しでのプレイが必要です。

しかし、やり直しで心折れてしまう心配はありません。敵を倒すなどして手に入れた通貨の一部は持ち越され、キャラクター能力・武器のアップグレードやNPCの好感度上げに利用したり、先述した新たなキャラクターの開放にも使用できたりします。何度負けても諦めずに挑戦を繰り返し、キャラクターたちを成長・開放させていきましょう。

ランダムに選ばれる装備品を集めて、
最強のビルドを目指そう

プレイヤーはランダムに変わるステージのなかで、報酬として獲得できる装備品を取捨選択しながら攻略することになります。装備品は主にスキル・ギア・コアの3つに分かれており、それぞれの能力とレベルが存在。種類によって異なりますが、同じものを取得する、もしくはNPCに通貨を支払って改造することでスキル・ギア・コア能力の強化が可能です。


クリティカルヒット確率やクリティカルダメージを上げて大ダメージを狙うビルド、中毒や火傷といったデバフを敵に重ねがけして多大な継続ダメージを与えるビルド、さらにはダメージと攻撃速度を上げに上げ、DPSを最大限増幅させるビルド……など、その構成はさまざま。自分のプレイスタイルにあったものを作り上げる楽しさが本作にはあります。

いびつなバランスで成り立つ1周目の難度

『Blade Evolution』はプレイ当初、比較的難しめな印象がありました。「ローグライク」ジャンルなので周回前提の難度は当然といえば当然なのですが、さまざまな要素が絡み合うことで独特の難しさ、そして突き詰めていくと最終的に簡単すぎるものになってしまう、ある種いびつなゲームバランスを生んでいます。


まず1つ目の要素として、リスクレベル(画面右上)が挙げられます。本作では1つのエリアをクリアするために、各種能力を強化された敵=エリートを倒すことが必要です。ポートと呼ばれる機械を操作することでエリートとのバトルが始まりますが、エリートのHPは通常敵と比べ非常に多く、シールドも有していることもあり最初は苦戦を強いられることでしょう。

このポートが起動している時間にリスクレベルのゲージは上昇していきます。一定時間で段階が上がり、1レベル上昇するごとにランダムで敵の能力値が上がったり特殊能力が付与されたりします。


たとえば、HP量が〇〇%アップしたり、倒されたあとに地雷や猛毒を撒き散らしたりといった効果から、中には状態異常無効化や一度倒されても蘇生する……なんてものもあります。ボス戦に適用される効果(HP・攻撃力アップ、一定時間無敵時間発生など)も存在するため、慣れているボスでも油断しているとあっという間にやられてしまうことも。

そのため、プレイヤーはリスクレベルが上がる前に素早くエリートを倒していくか、あるいは事前に休憩エリアで通貨を支払ってリスクレベルを下げて難易度を下げておくか……といった判断が必要となってきます。


2つ目の要素はアップグレード機能。本作には数多くの強化要素がありますが、それらを行うためにはゴールドやジェム、ローズといった各種通貨が必要になります。集めれば集めるほど強くなる、というのがローグライトというジャンルの特徴であるとは理解しつつも、これはやりすぎなのでは? と思う箇所がありました。


それはステージ中に時折存在しているエクスチェンジャーを利用することにより、各種アイテム購入やスキル強化などに使用できる通貨が(ゴールドさえ持っていれば)簡単かつ多量に手に入る点です。エクスチェンジャーの配置はあくまでもランダムではあるのですが、1プレイ中に必ずあるほどには出現するため、難度を引き下げる要因になっているのです。

3つ目は各種コアの能力バランスが悪いという点です。点火・氷結・電流の3種類の属性コアをゲーム中に獲得してアップグレードすることができますが、現状各々の能力差が凄まじいです。


各種属性は攻撃をヒットさせるごとにそれぞれ特殊効果が発生します。点火であれば火傷、氷結であれば氷結・悪寒、電流であれば感電といった具合に、敵にデバフをかけられます。この3種類のうち、電流コアと氷結コアには、通常攻撃を当て続けていると、確率に応じて敵を足止め・硬直させるデバフ(感電・氷結)がかかるのです。

電流コアはクリティカル率・ダメージの底上げや複数の落雷による追加攻撃も可能になるコアがあり、氷結コアにいたってはボス戦に特化した改造項目があります。そのため、しっかりビルドを構成していくと、常に感電・氷結状態にさせたうえでの攻撃力アップが期待できてしまうのもバランスを崩している要因にも思えます。


その反面、点火コアでは最終強化を行っても火傷による継続ダメージや火炎爆発による固定ダメージを与える効果が多く、敵の足止め・硬直効果についてはあまり役立つ結果には至りません。そのため、ビルド構成やリスクレベルの状況によっては、ボス敵のHP回復分のダメージすら減らせず、堂々巡りになってしまうこともありました。

幸い、コアは別の属性のものであってもあわせて所持できるため、点火コアをメインに使用したい場合は、別の属性コアを防御や補助能力にまわせるとだいぶ扱いやすくはなります。

こうした要素が合わさった結果、攻略の合間に存在するアップグレードを推奨しているのに難易度の振れ幅が極端すぎるため、最初は“難しすぎる”一方で、進めていくうちに最終的には“簡単すぎる”といういびつな難易度になってしまうのです。ほどよい難しさを求める方は、自身でリスクレベルを調整しながら、ビルド構成を組む必要があるでしょう。


敵の数は多く倒したときの爽快感は抜群だが、
視認性の悪さが邪魔をする

ステージ中は出現する敵の数が多く、一度にまとめて攻撃が可能です。一部の敵を除きノックバックも発生するので、つねにコンボを叩き込むことで攻撃するタイミングを与えることなく一方的に殲滅できます。ド派手なエフェクトをまとってバタバタと倒していく姿にきっと爽快感を覚えることでしょう。


ただ、結構な頻度で爽快感が邪魔されてしまう場面も発生します……。敵は攻撃時に身体全体が赤く光るのですが、残念ながら、この光っている際に他のモンスターやエフェクトが重なっていると非常に見づらくなってしまうことがよくあるのです。

加えて、ステージによってはカメラ範囲外からの高速射撃などもあったりするので、攻略の際は注意しなければなりません。敵の位置にあわせてある程度カメラがズームアウトしてくれたらよかったのですが、残念ながらその仕様は実装されておらず。遠距離攻撃をしてくる敵、そして多数の敵が重なっている際の接近戦は要注意です。


ボス戦は大迫力かつ良い戦闘バランス!
パターンを見極めて勝利をつかめ

ステージの終点では、ドットで精細に描かれたボスたちが行く手を阻みます。初めて戦う際は苦戦すること間違いなしですが、攻撃パターン自体は把握しやすく、幾度も周回していくうちにたやすくひねることも可能になっていることでしょう。


このあたりは先述したリスクレベルとあわせて難度のバランスを取っているようで、パターンのランダム化や理不尽な難しさというよりも、HPや攻撃力の高さ、特殊効果の豊富さで攻めてくる印象です。


後半になればなるほど巨大なボスも登場し、より大迫力のバトルが展開されていきます。使用キャラクターの能力や装備アイテムを生かし、見事ボスを打ち負かしてみてください。

日本語ローカライズは正直難あり!?
早急な修正を希望したい

これまで挙げてきた画面写真を見てもわかるように、本作のローカライズは機械翻訳が中心だと思われるのですが、未適用の箇所が多く目立ちます。


加えて、イベントシーンやキャラクターとの会話デモにおいても、そもそも一人称がバラバラだったり、翻訳前の文章がそのまま残っていたりするので非常に読みづらくなっています。

初めてプレイした際、キャラクター同士の会話にこだわって作っているように思えたので、このような状態になってしまっているのは正直残念です。

ゲームによく使われる用語を理解できる方は、いっそのこと英語にしたほうが各アイテムやスキルの詳細把握、ゲームプレイを進めやすいかもしれません。


クリア後は基礎難易度を上げて、
より多くの報酬をゲットしよう

1周目の難度に関しては、先述した「最初は難しく、最後は簡単すぎてしまう」ものでしたが、クリア後は難易度を上昇させてプレイすることが可能となります。「アサルトレベル」はLV1→LV2→LV3……とクリアするたびに次のレベルが開放されていきます。


変更点としては、レベルに応じて敵の体力や攻撃力の上昇、取得できる通貨の数が増加していきます。ステージ攻略が難しくはなりますが、その分報酬も多く手に入るので、1周目をクリアしてもなお物足りないプレイヤーはぜひ挑戦してみてください。この「アサルトレベル」こそ、本作の真骨頂ともいうべき要素かもしれません。

懐かしさと新しさが融合した、
何度でも楽しめる2Dローグライト作品

ここまでゲーム内における評価点や不満点、改善してほしい箇所をいくつか挙げてきました。たしかに見逃せない問題点はありつつも、それでも筆者はこのゲームのアクション性に見事に引かれており、いまでも空いた時間に次のアサルトレベルクリアへと挑戦しています。


本作をプレイしながら、2DアクションMMORPGを楽しんだ記憶を思い出しつつも、ローグライトというジャンルかつシングルプレイでじっくり遊び込めるような出来になっています。懐かしさと新しさをうまくあわせもつ作品に仕上がっていました。


Steam上で確認できる開発者からの告知では、今後もしっかりアップデートが予定されており、ゲームバランス調整はもちろん、新たなプレイアブルキャラクターの実装も予定されているようです。どのような動きをして、どんな武器を扱うのか、いまから実装が楽しみで仕方ありません。

軽快な2Dアクションとローグライトを楽しみたい人にうってつけの作品となっています。

(C)NEOWIZ All rights reserved.

●タイトル:Blade Evolution
●ジャンル:ローグライト・ハイスピード2Dアクション
●発売元:NEOWIZ
●開発元:Teamsuneat
●プラットフォーム:PC(Steam)
●発売日:2022年1月18日発売
●価格:1840円
●必須スペック
OS: Windows 7 以上
プロセッサー: Intel Core i5以上
グラフィック: NVIDIA GeForce 460 または AMD Radeon HD7800
ストレージ: 3GB
●公式サイトURL:https://playneowiz.com/bladeassault
●ダウンロードサイトURL:https://store.steampowered.com/app/1367300/Blade_Evolution/
【連載】Alienware Zone PCゲームレビュー<2022年版>

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