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『TUNIC』Steam版レビュー:プレイヤー全員がクリアまで楽しめるのにソウルライクなアクションRPG
目次
Finjiから2022年3月17日、PC/Xbox版『TUNIC』(チュニック)が発売された。ジャンルはクォータービューのアクションRPGで、プレイヤーは擬人化された子ギツネを操作する。このキツネ、着ている服が「緑色」というあたり、『ゼルダの伝説』2頭身リンクを連想させる。
ゲームは、子ギツネは何もアイテムを持っていない状態で島に流れ着くところから始まる。操作もよくわからないし、状況説明もない。ただ、目の前には階段があるので、まずはここをのぼってみよう。小さな草のような部分は通れるようなので、このまま進んでみよう。その先にある坂をのぼって……。
この「わからない」だらけの冒険が、あなたの旅の始まりだ。
▲ゲーム開始時の画面。擬人化された子ギツネが目を覚ますところから始まる
『TUNIC』のポイント
ストーリーも操作も進め方も
このゲームにはチュートリアルのようなものはない。それどころか理解不可能な文字しか表示されない。
「言語設定が違っている?」とオプションを開けばキーの割当ては表示されるので、どのボタンを使うことになるかはわかった。だが、それ以外の情報は何ひとつわからない。アイテムを割り振るボタンが3つあることはわかったが、ゲームスタート時はアイテムを1つも持っていないので、そのボタンを押しても何もわからない。
ようやくフィールド上に看板のようなものを見つけたので確認してみると……意味不明な文字。そう、プレイヤーは「何もわからない」この世界で、ひとつひとつ試しながら知識と経験を重ねて進めるゲームだということを、この時点で理解する。
▲何か文字が表示されているが、意味はさっぱり
しかし、このゲームを買うようなプレイヤーは、過去に似たようなゲームをいくつも経験しているはずだ。まずは、そうした知識を活かして行けるところをくまなく探索してみよう。
そのうち、洞窟の中に置かれていた宝箱の中から、木の棒を手に入れることになる。このときに表示されるテキストメッセージも当然のように意味不明だ。
オプションメニューを開いて、手に入れた木の棒を装備する。すると、やっと木の棒を振るという「攻撃」ができるようになる。木の棒を装備するまでは攻撃手段が一切なかったため、敵を見かけても逃げることしかできなかったことから考えると、かなりの大進歩だ。
▲文字はさっぱり読めないが、木の棒を手に入れた
▲手に入れた木の棒を、XまたはC、Vいずれかのキーに割り当てる。これで敵を攻撃できるようになる
これで子ギツネは敵がうろつくエリアに向かい、敵を倒しつつ先へ進めるようになった。こうして、入手したアイテムを使って行動範囲を少しずつ広げていくというタイプのアクションRPGは珍しくない。しかし、言葉が通じない世界で、何もわからずにゲームの世界へ放り込まれるという経験は、ガチの異世界転生ものを体験しているかのような新鮮さがある。
チュートリアルもなく、文字も表示されない不親切なゲームを毛嫌いする層もいるだろうが、ここまで堂々と突き放されると、ゲーム好きならば「やってやろうじゃないか!」という闘志が生まれている人のほうが多いだろう。何を隠そう、本記事の筆者もだ。
ソウルライクなのに
本作のビジュアルはプレイヤーもモンスターも2頭身キャラ&パステルカラー彩色が多いため、パッと見では子供でも遊べそうなカジュアル系ゲームと誤解されがちだ。こう見えて、ガチのソウルライクゲームなのに。
▲プレイヤーが力尽きた場所には、水色の半透明死体がある。そこに触れられれば、ここまで入手したアイテム類を取り戻せる
ソウルライク「らしさ」としては、敵の攻撃を受けて体力が失われると、力尽きた場所に水色の魂のような物体が残る。これに触れることで力尽きる前に所持していた経験値を回収できる。だが回収できる経験値は「直前に力尽きたときのもののみ」なので、回収前に再び力尽きてしまうとアイテムが失われてしまう。
このほかにも、フィールド上の各所には親キツネを模したような彫刻が配置されており、最後に触れた彫刻がリスタートポイントになるといった「らしさ」もある。
こうしたシステムやルールは、ゲーム内での説明はゼロ。それどころか、前転回避ボタンを押したままで走れるということに気づいたのは、ゲーム開始後かなり経ってからだった。
このように、本作はソウルライクなシステムどころか、操作方法やアイテムの名称に至るまで、一切説明がない。「これは、昔遊んだアレ系?」というように、過去のゲームプレイ経験がなければ、いとも簡単に詰まってしまうだろう。
可愛い外観とは裏腹に、初心者お断りな、ゲーム慣れしたユーザーをターゲットとしたソウルライクのアクションRPGとなっている。
▲フィールド各所に配置されている、キツネ型の彫刻。ここに祈るとリスタートポイントになる……という説明はない
▲ゲーム開始当初、プレイヤーの行く手を阻んでいた四角いブロックも、剣を使えば斬って取り除ける。これで行動範囲が広がるのだが、そんな説明はゲーム内では行われない
ソフトのマニュアルは、
このゲームのマニュアルは、なんとゲーム内で入手するアイテムにより、少しずつ充実していく、という仕組みになっている。ゲーム内の子ギツネがマニュアルを見ているのかと思うと、ちょっぴり不思議な感覚だ。
だが、安心はできない。入手したマニュアルを開いてみると、日本語で書かれているのは半分程度。残りは謎の文字で記載されているため、あとはイラストなどから内容を推察するしかない。
マニュアルの内容は、昔なつかしのファミコンソフト用マニュアルのようなテイスト。ここでは日本語と謎文字との対比表が載っているページもあり、謎文字の読み方がわかった地名などが順次、ゲーム内での表示も日本語化されていくのは面白い。
▲ゲーム内で、白く光る手紙のようなアイテムはこのゲームのマニュアル
▲拾ったマニュアルの左下に、地名の日本語と謎文字との対比表が! これでゲーム内での地名表示も日本語化される
▲コントローラーの操作方法ですら、マニュアルを拾うまではわからないという徹底ぶり
難しいARPGだが、
アクションゲームとしての難度も、それなりに高い。敵をロックオンしながら接近して木の棒や剣を振って攻撃するのだが、ロックオンできるのは一匹のみだし、ロックオンしていない背後の敵から攻撃を受けることも多々。結果として、たかが雑魚でも数匹まとめて相手にしようとすると簡単に力尽きる……というバランスも、ソウルライク系ゲームとしては「らしい」調整だ。
しかし、このゲームには他のソウルライク系ゲームにはない特徴がある。それは、オプション内「アクセシビリティ」として、「無敵モード」というモードが用意されている点だ。
これをオンにすると、その名の通り無敵となり、どんなに敵の攻撃を受けても自分の体力が減らなくなる。高所からの落下というミスがなく、敵からの攻撃以外では体力が減らないこのゲームにおいて、このオプションを「オン」にすることは完全無敵を意味する。
もちろん、無敵になって遊ぶゲームは楽しいの? という疑問を持つ人もいるだろう。筆者もそう感じていたが、このゲームのアクション性はそれなりに難しいため、油断して遊んでいると冒頭でも同じ場所で何度も力尽きてしまった。
それに加えてこのゲームでは○○で剣を手に入れて、その先で手に入れた鍵を使って△△の扉を開けて……という謎解き要素も多い。無敵になってプレイしても、謎解きをするゲームとして遊ぶことができるのだ。
ソウルライク系ゲームは何度も力尽きて、覚えて、突破するという楽しみを味わうゲームだが、万人がクリアできるわけではない。このゲームはそこを割り切って、「アクションゲームが苦手な人でも、無敵モードにすれば謎解きゲームとしても遊べる」という遊び方を提案してくれている。
これは、ソウルライク系ゲームに限らず、非常に斬新かつ新しい試みとして評価したい。
▲アクション部分が難しくて詰まったら「無敵モード」をオンにしてみよう
プレイヤーが草の上を通過しようとすれば草が揺れ、少し大きな緑色のブロックは、まるで「そこにある」ようにグイっとプレイヤーを押し返す。そのブロックを剣で斬ると、切断されたブロックはふわりと宙に浮いてから消える。剣で壺を割っても、壺の破片は吹き飛び、階段の下へ転げ落ちる。
こうした、敵ではないフィールド上にあるオブジェクトに対するプレイヤーキャラの関与が、どれも「画面の向こうに本当にある」ような立ち居振る舞いをしてくれるのが心地良い。こうしたリアクションは、箱庭系ゲームにおいてリアリティを増す演出として非常に効果的だと感じた。
その心地良さを感じつつ、難しくてクリアできずイライラしたら、「無敵モード」をオンにして謎解きゲームとして遊んでもいい。そういう懐の広さが気に入った。
最後に、気になった点というよりはこのゲームを遊ぶ人に向けたアドバイスをひとつ。ゲームの初回起動時には言語設定が「ENGLISH」になっているので、オプション設定の項目もすべて英語表示になっている。ゲームの初回起動時に言語設定を「日本語」に変えてからゲームを始めることをお勧めする。
もっとも、ゲーム内の表示は謎言語で行われるため、オプション項目名以外は英語設定でも特に問題はないのだけれども。
▲ゲームの初回起動時、言語設定は英語になっている。まずはこれを日本語にするところから始めよう
TUNIC™ © ISOMETRICORP Games Ltd. 2021. All rights reserved.「Finji®」およびイタチ/王冠のロゴは「Finji, LLC」の商標です。
●タイトル:TUNIC
●ジャンル:3Dダンジョン探索型RPG
●発売元:Finji
●開発元:TUNIC Team
●プラットフォーム:PC(Steam、Epic Games Store、Microsoft Store)、Xbox One、Xbox Series X|S、Xbox/PC Game Pass
●発売日:2022年3月17日
●価格:
Steam 3090円[税込]
Epic Games Store 3080円[税込]
Microsoft Store 3630円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10
プロセッサー: Intel Core i5 2.7GHz
メモリー:8GB
グラフィック:NVIDIA GeForce GTX660 または AMD RX 460
ストレージ:2GB
●推奨スペック
OS: Windows 10
プロセッサー:Intel Core i5 3GHz
メモリー:8GB
グラフィック:NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti または AMD RX Vega 64
ストレージ:2GB
●公式サイトURL:https://tunicgame.com/
●ダウンロードサイトURL:
Steam https://store.steampowered.com/app/553420/TUNIC/
Microsoft Store https://www.xbox.com/ja-jp/games/store/tunic/9nlrt31z4rwm
Epic Games Store https://store.epicgames.com/ja/p/tunic
ゲームは、子ギツネは何もアイテムを持っていない状態で島に流れ着くところから始まる。操作もよくわからないし、状況説明もない。ただ、目の前には階段があるので、まずはここをのぼってみよう。小さな草のような部分は通れるようなので、このまま進んでみよう。その先にある坂をのぼって……。
この「わからない」だらけの冒険が、あなたの旅の始まりだ。
▲ゲーム開始時の画面。擬人化された子ギツネが目を覚ますところから始まる
『TUNIC』のポイント
- ストーリーも操作も進め方も「わからない」状態からのスタート
- ソウルライクなのにゲーム内での説明は皆無というドSぶり
- 難しいARPGだが、買った人全員がクリアできる安心感
ストーリーも操作も進め方も
「何もかもわからない」状態からのスタート
このゲームにはチュートリアルのようなものはない。それどころか理解不可能な文字しか表示されない。「言語設定が違っている?」とオプションを開けばキーの割当ては表示されるので、どのボタンを使うことになるかはわかった。だが、それ以外の情報は何ひとつわからない。アイテムを割り振るボタンが3つあることはわかったが、ゲームスタート時はアイテムを1つも持っていないので、そのボタンを押しても何もわからない。
ようやくフィールド上に看板のようなものを見つけたので確認してみると……意味不明な文字。そう、プレイヤーは「何もわからない」この世界で、ひとつひとつ試しながら知識と経験を重ねて進めるゲームだということを、この時点で理解する。
▲何か文字が表示されているが、意味はさっぱり
しかし、このゲームを買うようなプレイヤーは、過去に似たようなゲームをいくつも経験しているはずだ。まずは、そうした知識を活かして行けるところをくまなく探索してみよう。
そのうち、洞窟の中に置かれていた宝箱の中から、木の棒を手に入れることになる。このときに表示されるテキストメッセージも当然のように意味不明だ。
オプションメニューを開いて、手に入れた木の棒を装備する。すると、やっと木の棒を振るという「攻撃」ができるようになる。木の棒を装備するまでは攻撃手段が一切なかったため、敵を見かけても逃げることしかできなかったことから考えると、かなりの大進歩だ。
▲文字はさっぱり読めないが、木の棒を手に入れた
▲手に入れた木の棒を、XまたはC、Vいずれかのキーに割り当てる。これで敵を攻撃できるようになる
これで子ギツネは敵がうろつくエリアに向かい、敵を倒しつつ先へ進めるようになった。こうして、入手したアイテムを使って行動範囲を少しずつ広げていくというタイプのアクションRPGは珍しくない。しかし、言葉が通じない世界で、何もわからずにゲームの世界へ放り込まれるという経験は、ガチの異世界転生ものを体験しているかのような新鮮さがある。
チュートリアルもなく、文字も表示されない不親切なゲームを毛嫌いする層もいるだろうが、ここまで堂々と突き放されると、ゲーム好きならば「やってやろうじゃないか!」という闘志が生まれている人のほうが多いだろう。何を隠そう、本記事の筆者もだ。
ソウルライクなのに
ゲーム内での説明は皆無というドSぶり
本作のビジュアルはプレイヤーもモンスターも2頭身キャラ&パステルカラー彩色が多いため、パッと見では子供でも遊べそうなカジュアル系ゲームと誤解されがちだ。こう見えて、ガチのソウルライクゲームなのに。▲プレイヤーが力尽きた場所には、水色の半透明死体がある。そこに触れられれば、ここまで入手したアイテム類を取り戻せる
ソウルライク「らしさ」としては、敵の攻撃を受けて体力が失われると、力尽きた場所に水色の魂のような物体が残る。これに触れることで力尽きる前に所持していた経験値を回収できる。だが回収できる経験値は「直前に力尽きたときのもののみ」なので、回収前に再び力尽きてしまうとアイテムが失われてしまう。
このほかにも、フィールド上の各所には親キツネを模したような彫刻が配置されており、最後に触れた彫刻がリスタートポイントになるといった「らしさ」もある。
こうしたシステムやルールは、ゲーム内での説明はゼロ。それどころか、前転回避ボタンを押したままで走れるということに気づいたのは、ゲーム開始後かなり経ってからだった。
このように、本作はソウルライクなシステムどころか、操作方法やアイテムの名称に至るまで、一切説明がない。「これは、昔遊んだアレ系?」というように、過去のゲームプレイ経験がなければ、いとも簡単に詰まってしまうだろう。
可愛い外観とは裏腹に、初心者お断りな、ゲーム慣れしたユーザーをターゲットとしたソウルライクのアクションRPGとなっている。
▲フィールド各所に配置されている、キツネ型の彫刻。ここに祈るとリスタートポイントになる……という説明はない
▲ゲーム開始当初、プレイヤーの行く手を阻んでいた四角いブロックも、剣を使えば斬って取り除ける。これで行動範囲が広がるのだが、そんな説明はゲーム内では行われない
ソフトのマニュアルは、
アイテムとしてゲーム内で手に入れる
このゲームのマニュアルは、なんとゲーム内で入手するアイテムにより、少しずつ充実していく、という仕組みになっている。ゲーム内の子ギツネがマニュアルを見ているのかと思うと、ちょっぴり不思議な感覚だ。だが、安心はできない。入手したマニュアルを開いてみると、日本語で書かれているのは半分程度。残りは謎の文字で記載されているため、あとはイラストなどから内容を推察するしかない。
マニュアルの内容は、昔なつかしのファミコンソフト用マニュアルのようなテイスト。ここでは日本語と謎文字との対比表が載っているページもあり、謎文字の読み方がわかった地名などが順次、ゲーム内での表示も日本語化されていくのは面白い。
▲ゲーム内で、白く光る手紙のようなアイテムはこのゲームのマニュアル
▲拾ったマニュアルの左下に、地名の日本語と謎文字との対比表が! これでゲーム内での地名表示も日本語化される
▲コントローラーの操作方法ですら、マニュアルを拾うまではわからないという徹底ぶり
難しいARPGだが、
買った人全員がクリアできる安心感
アクションゲームとしての難度も、それなりに高い。敵をロックオンしながら接近して木の棒や剣を振って攻撃するのだが、ロックオンできるのは一匹のみだし、ロックオンしていない背後の敵から攻撃を受けることも多々。結果として、たかが雑魚でも数匹まとめて相手にしようとすると簡単に力尽きる……というバランスも、ソウルライク系ゲームとしては「らしい」調整だ。しかし、このゲームには他のソウルライク系ゲームにはない特徴がある。それは、オプション内「アクセシビリティ」として、「無敵モード」というモードが用意されている点だ。
これをオンにすると、その名の通り無敵となり、どんなに敵の攻撃を受けても自分の体力が減らなくなる。高所からの落下というミスがなく、敵からの攻撃以外では体力が減らないこのゲームにおいて、このオプションを「オン」にすることは完全無敵を意味する。
もちろん、無敵になって遊ぶゲームは楽しいの? という疑問を持つ人もいるだろう。筆者もそう感じていたが、このゲームのアクション性はそれなりに難しいため、油断して遊んでいると冒頭でも同じ場所で何度も力尽きてしまった。
それに加えてこのゲームでは○○で剣を手に入れて、その先で手に入れた鍵を使って△△の扉を開けて……という謎解き要素も多い。無敵になってプレイしても、謎解きをするゲームとして遊ぶことができるのだ。
ソウルライク系ゲームは何度も力尽きて、覚えて、突破するという楽しみを味わうゲームだが、万人がクリアできるわけではない。このゲームはそこを割り切って、「アクションゲームが苦手な人でも、無敵モードにすれば謎解きゲームとしても遊べる」という遊び方を提案してくれている。
これは、ソウルライク系ゲームに限らず、非常に斬新かつ新しい試みとして評価したい。
▲アクション部分が難しくて詰まったら「無敵モード」をオンにしてみよう
画面の向こうに見える「リアリティ」が心地良い
もうひとつ、このゲームで評価したいポイントがある。それは画面の向こうにある「リアリティ」だ。プレイヤーが草の上を通過しようとすれば草が揺れ、少し大きな緑色のブロックは、まるで「そこにある」ようにグイっとプレイヤーを押し返す。そのブロックを剣で斬ると、切断されたブロックはふわりと宙に浮いてから消える。剣で壺を割っても、壺の破片は吹き飛び、階段の下へ転げ落ちる。
こうした、敵ではないフィールド上にあるオブジェクトに対するプレイヤーキャラの関与が、どれも「画面の向こうに本当にある」ような立ち居振る舞いをしてくれるのが心地良い。こうしたリアクションは、箱庭系ゲームにおいてリアリティを増す演出として非常に効果的だと感じた。
その心地良さを感じつつ、難しくてクリアできずイライラしたら、「無敵モード」をオンにして謎解きゲームとして遊んでもいい。そういう懐の広さが気に入った。
最後に、気になった点というよりはこのゲームを遊ぶ人に向けたアドバイスをひとつ。ゲームの初回起動時には言語設定が「ENGLISH」になっているので、オプション設定の項目もすべて英語表示になっている。ゲームの初回起動時に言語設定を「日本語」に変えてからゲームを始めることをお勧めする。
もっとも、ゲーム内の表示は謎言語で行われるため、オプション項目名以外は英語設定でも特に問題はないのだけれども。
▲ゲームの初回起動時、言語設定は英語になっている。まずはこれを日本語にするところから始めよう
TUNIC™ © ISOMETRICORP Games Ltd. 2021. All rights reserved.「Finji®」およびイタチ/王冠のロゴは「Finji, LLC」の商標です。
●タイトル:TUNIC
●ジャンル:3Dダンジョン探索型RPG
●発売元:Finji
●開発元:TUNIC Team
●プラットフォーム:PC(Steam、Epic Games Store、Microsoft Store)、Xbox One、Xbox Series X|S、Xbox/PC Game Pass
●発売日:2022年3月17日
●価格:
Steam 3090円[税込]
Epic Games Store 3080円[税込]
Microsoft Store 3630円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10
プロセッサー: Intel Core i5 2.7GHz
メモリー:8GB
グラフィック:NVIDIA GeForce GTX660 または AMD RX 460
ストレージ:2GB
●推奨スペック
OS: Windows 10
プロセッサー:Intel Core i5 3GHz
メモリー:8GB
グラフィック:NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti または AMD RX Vega 64
ストレージ:2GB
●公式サイトURL:https://tunicgame.com/
●ダウンロードサイトURL:
Steam https://store.steampowered.com/app/553420/TUNIC/
Microsoft Store https://www.xbox.com/ja-jp/games/store/tunic/9nlrt31z4rwm
Epic Games Store https://store.epicgames.com/ja/p/tunic
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