GAME PCゲームで勝ち抜くための情報満載!
『CRIMESIGHT』Steam版レビュー:探偵vs犯罪者の推理バトル! 人狼テイストをまといつつ、まったく新しいロジカル推理マルチプレイゲーム!
KONAMIは2022年4月15日、Steamで『CRIMESIGHT』(クライムサイト)をリリースした。物語の舞台となるのは、2075年のロンドン。吹雪の中、洋館に閉じ込められた6名の登場人物達に、被害者不明の殺人事件が発生しようとしていた。その犯罪を阻止するのが探偵AIの「Sherlock」で、殺人事件を企てているのが犯罪者AI「Moriarty」。
プレイヤーはどちらかの陣営となり、2人~4人でプレイして犯行を阻止または実行するという、対戦型ミステリーシミュレーションゲームとなっている。人狼テイストもあったり、ボードゲームっぽさもあったりと、かなり独特なプレイ感覚だ。じっくりと解説していこう。
●『CRIMESIGHT』のポイント
シャーロックとモリアーティの戦い!
今までにないゲームシステムなので、プレイの流れを簡単に説明していこう。プレイヤーは「Sherlock」か「Moriarty」のいずれかの陣営に別れてゲームがスタート。ランダムで決定するので、どっちの陣営になるかはスタートするまでわからない。
Sherlock側(1~3人)についたプレイヤーは、洋館に閉じ込められた6名のキャラクターの中から誰がキラー(ターゲットを殺そうとしているキャラ)なのか、誰がターゲット(キラーに狙われているキャラ)なのかを推理しつつ(ゲームスタート時は完全に伏せられている)、キラーによるターゲットの殺人を阻止すれば勝利となるのが基本的な勝ち方だ。
Moriarty側(1人)はキラーとターゲットがそれぞれどのキャラなのかわかった状態でスタートし、4日目の朝(10ターン後)までに殺人が成功したら勝利となる。一見簡単そうだが、いくつかの条件を満たさないと殺人の実行ができないので、その状況にうまく持っていくようにしなければならない。
ゲームの進行はコマンドフェイズとアクションフェイズを行い、これで1ターンとなって時間が経過する。朝(コマンド→アクション)→夕方(コマンド→アクション)、夜(コマンド→アクション)の3ターンで1日、という構成だ。
各プレイヤーは、コマンドフェイズ中に各キャラクターに対して移動や探索などの指示を与え、部屋の構造を考慮し戦術を繰り広げていく。本作は推理力や心理戦に加え、6名の登場人物をいかに上手く移動させるかが最大のキモとなる。
▲Sherlock(シャーロック)。殺人計画を阻止するためのAI。情報を手に入れつつ推理と予測で事件を防いでいく
▲Moriarty(モリアーティ)。ターゲットを狙い、キラーに襲撃させ殺人事件を成就しようとしているAIだ
▲洋館に閉じ込められた6名。左からBerkeley(バークリー)、Catherine(カトリーヌ)、Ellery(エラリー)、Agatha(アガサ)、Dorothy(ドロシー)、Freeman(フリーマン)
キャラクターの見た目や雰囲気がバラエティに富んでおり非常にわかりやすいが、名前の頭文字がA、B、C……とアルファベット順になっているので、名前が覚えきれていない場合はイニシャルで呼び合っても良いだろう(※以降、本稿では登場人物をアルファベットで記載)。また、これらのキャラクター名は海外の有名な推理小説家の名前をモチーフにしているようだ。
この6人の中から、ゲームごとにキラーとターゲットが1人ずつランダムに決められて、物語(ゲーム)が展開していく。
キャラクターの動きを指示してから、
もう少しゲームの流れを詳しく解説しよう。
前述のとおり、ゲームが始まるとプレイヤーはSherlock側かMoriarty側に分けられて、最初に1日目の朝のコマンドフェイズが開始する。ここでは、どのキャラクターをどう動かすか、じっくりと吟味する場面だ。
4人プレイの場合、Sherlock側のプレイヤーはキャラクターひとりを1マス~3マス動かす指示を出すことができる(3人プレイの場合は2キャラまで、2人プレイの場合は3キャラまで)。ただし、このコマンドフェイズ中はあくまで「指示を出す」だけでキャラは動いていない。しかも、同時にMoriarty側もコマンドフェイズでキャラに指示を出しており、どのプレイヤーがどのキャラにどんな指示を出したのか基本的にはわからない。
もしSherlockとMoriartyが同じキャラクターに指示を出した場合は、Moriartyの制御が必ず実行される。Sherlock側は、指示を実行できなかった代わりに 、「Moriartyが動かした」という事実がわかる(後述するが超重要)。
ちなみに、Sherlock側同士で同じキャラクターを操作してしまった場合はどちらかの指示が行われ、指示を出さなかったキャラクターはランダムで移動することになる。
Moriartyはターゲット以外のキャラクターを2名操作できる。ただし、ターゲットに対してはまったく指示することができないので、「Moriartyが動かした」ということはつまりそのキャラクターが「ターゲットではない」ことがSherlock側に知られてしまう。Moriartyが満遍なくいろんなキャラに指示を出してしまうと、最終的に誰がターゲットなのかSherlock側に知られてしまう可能があるので(Sherlock側はターゲットが誰なのかわかると有利になる)、注意深く指示を出してきたい。
キラーがターゲットから遠く離れてしまうとキルのタイミングが難しくなるので、Moriartyはターゲットから離れすぎないようにしっかり距離を見ておくことがポイントだ。ただし近すぎてもSherlockに怪しまれる可能性もある。キャラクターを3マス動かすと疲れてしまい、Sherlock側は次のコマンドフェイズでは1~2マスまでしか移動できなくなる。対するMoriarty側は疲労状態のキャラクターに対しても無理やり3エリア動かすことが可能だが、それはつまり「Moriartyによる制御があった」ことが明確となるので、急ぎたい気持ちはわかるが動かしすぎは注意しよう。
▲チェスの駒を動かすようにマスを選んでフェイズを完了。ゲームスタート時、Sherlock側は誰がターゲットで誰がキラーか全くわからないので、それとなく動かしてみようという感じでOK!
▲コマンドフェイズでのポイントは、動かしたいキャラクターを「制御する」と宣言して他のプレイヤーに伝えることができる、という点だ。制御すると宣言したプレイヤーに対して「はい」「いいえ」で答えることもできる。例えば、制御すると宣言してあえて制御しないのも作戦となる
▲コマンドフェイズが終わるとアクションフェイズへ移行する。右上に表示されているキャラクターの順番に沿ってアクションが実行されていく。それぞれのキャラクターがどう動いたかを、しっかり見ておこう。
Sherlock 側は探索できる場所はわかってもそこに何があるかはわからない(ゲーム開始時に食料の位置を2つ分だけ把握している) 。一方、Moriarty側はそこにあるのは凶器なのか食料なのかがわかっているので、殺人を実行する際に必須アイテムの凶器を簡単に見つけることができる。どちらの陣営も1日1回の食事が必須で、食料を見つけておかないと体力が落ちて行動が制限されてしまう。Sherlock側にとっては、キラー捜しとともに食料探しも重要となってくる。
▲Moriarty側の視点。赤く光っているところには凶器、緑色のところには食料が落ちている
前述のとおり、Moriarty側がターゲットを襲撃するにはキラーに凶器を持たせないといけないのだが、尚且つ「ターゲットと2人きりの密室状態」でないとキルは成功しない。他のキャラクターがターゲットと同じ部屋にいるときに襲撃(殺人を実行)するとSherlockに阻まれてしまい、キラーが判明したことによって最終ターンとなってしまう。
▲最終ターンでの襲撃シーン。上の写真の状況でキラーが「B」、ターゲットは「F」だが、「D」が同じエリアにいるため殺人を防ぐことができた。この場合はSherlock側の勝利となる
▲上の写真は、ターゲット「C」を襲撃するキラー「B」(アイコンで見えないが「C」の目の前に「B」がいる)。同じエリアに「E」が居合わせているが、「空腹」や「負傷」の状態異常を2つ以上抱えていると「瀕死」状態となり視界を失ってしまうため、「E」は殺人を目撃することができなかった。この場合は、Moriarty側が殺人に成功、勝利というわけだ
お待ちかね、Sherlockの推理タイム!
3ターンごと、つまり夜のアクションフェイズを終えて殺人が起きなかった場合は、Sherlockの推理タイム「データ解析」が始まる。ここで「ターゲットの3エリア内にキラーがいるかどうか」の状況を推理してくれて、ターンを重ねることによってキラーが誰なのか少しずつ絞ることができる。
推理により、キラーとターケッドの候補者を少しずつ絞りこまれていき、その結果を表示してくれる。キラーを1人に絞り込んでキラーが確定されると、何日目だろうとキラーが確定した段階で最終ターンに突入する。
▲このようにキラー候補は矢印で表示することもできる
4日目の朝が経過して殺人が起きなかった場合、キラーが誰だったのかを投票で決めることができ、これを見事当てることができればSherlock側の勝利となる。
▲Moriarty側も投票は可能。全員が「E」(画面中央)に投票している。今回は「A」(画面左上)がキラーだった。この場合の勝敗はドローとなる
ちなみに筆者は上の写真のシーンではMoriarty側を操作していた。2日目の夜の時点で殺害は難しいと判断し、「E」をキラーに見立てるミスリードを行った。結果、Sherlock側は「E」に投票し、どうにかドローに持ち込んだ。最後の最後までSherlock側には絶対勝たせぬぞ……なんてプレイも可能だ。
また4人プレイ時は、Moriarty側の強い味方「Irene(アイリーン)」を含めたプレイも可能だ。
IreneはMoriartyの内通者であり、この2名のみが通信連携をとることができるコマンドアクションが加わる。人狼ゲームで言う狂人にあたるポジションだ。Ireneは制御可能なキャラクター数が少ないが、Sherlock側と同じキャラクターを動かした場合でも、それがIreneとの制御のバッティングかどうかをSherlock側は検知できず、Sherlock同士のバッティングと同様どちらの制御が採択されるかをランダムにするので、かなり強みになるだろう。Moriartyが勝利すればIreneも勝利することができる。
▲本作に慣れてきたら、Ireneを加えた4人プレイをオススメしたい。さらなる化かし合いの駆け引きがうまれてくるはずだ
殺される人を救うのであって、
実は筆者、『人狼』は好きだけど実際に人狼を引いたら手汗がやばーいという人種。様々な人狼タイプのゲームをデジタルでもアナログでもいくつかプレイしているが、それでも人狼側を引いたときはものすごく緊張してしまう。
しかし、本作でMoriartyになった場合、いつものような緊張感より少しマイルドだった。自分がMoriartyだとバレてしまっても、Sherlock側にキラーとターゲットがバレていなければいい。これがじつに大きいポイントだった。Sherlock側でプレイするときは「今の動きはおかしいな?」などの推理は面白く、キラーとターゲットがわかったときに殺人を妨害できたときは、じつに気持ちがいい。
本作の印象として、最初は人狼っぽいのかな?であったが、実際は人狼というよりストラテジータイプのボードゲームっぽい雰囲気があるようだ。
人狼や心理ゲームの場合、ボイスチャットが必須だったり、そもそもおしゃべりに自信がない人にはハードルが高く感じたりするが、『CRIMESIGHT』ならボイスの必要はないので気兼ねなく遊べる。実際にプレイヤー同士の会話はしなくても、「制御する」のアイコン表示等で意思疎通ができるからだ。もちろん、気心知れた友人とボイスチャットしながらプレイすれば楽しさが「上乗せ」されるが、むしろこのゲームではなるべくゲーム進行に関係する会話はしないことを前提とした作りになっていると感じた。
いろんなパターンで事件が遂行していくので非常に奥深い。覚えることは多めで難度高めに感じるかもしれないが、一連のルールを覚えてしまえばクリック操作だけでゲームが進行するので、人狼や推理ゲームの入り口として本作を始めてみるのもいいだろう。ロジックに物事を考えて推理することが好きな人は、ぜひプレイしてみてほしい。
©Konami Digital Entertainment
●タイトル:CRIMESIGHT(クライムサイト)
●ジャンル:対戦ミステリーシミュレータ
●メーカー:KONAMI
●プラットフォーム:Steam
●発売日:2022年4月15日
●価格:2200円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core i5 7300U 2.6GHz
メモリー: 8GB
グラフィック:Intel HD Graphics 620
ストレージ: 2GB
●推奨スペック
OS: Windows 60 64bit
プロセッサー: Intel Core i3 3220 3.3GHz
メモリー: 8GB
グラフィック: NVIDIA Geforce GTX 1050Ti
ストレージ: 2GB
●公式サイトURL:https://www.konami.com/games/crimesight/jp/ja/
●ダウンロードサイトURL:https://store.steampowered.com/app/1491710/CRIMESIGHT/
プレイヤーはどちらかの陣営となり、2人~4人でプレイして犯行を阻止または実行するという、対戦型ミステリーシミュレーションゲームとなっている。人狼テイストもあったり、ボードゲームっぽさもあったりと、かなり独特なプレイ感覚だ。じっくりと解説していこう。
●『CRIMESIGHT』のポイント
- 1人だけ殺人鬼が混じっている……という人狼のような推理ゲーム
- 人狼タイプでありながら、会話の必要がない
- 覚えることが多いので最初は戸惑うが、慣れてくると面白さが急上昇
シャーロックとモリアーティの戦い!
ちょっと変わった頭脳推理バトル!!
今までにないゲームシステムなので、プレイの流れを簡単に説明していこう。プレイヤーは「Sherlock」か「Moriarty」のいずれかの陣営に別れてゲームがスタート。ランダムで決定するので、どっちの陣営になるかはスタートするまでわからない。Sherlock側(1~3人)についたプレイヤーは、洋館に閉じ込められた6名のキャラクターの中から誰がキラー(ターゲットを殺そうとしているキャラ)なのか、誰がターゲット(キラーに狙われているキャラ)なのかを推理しつつ(ゲームスタート時は完全に伏せられている)、キラーによるターゲットの殺人を阻止すれば勝利となるのが基本的な勝ち方だ。
Moriarty側(1人)はキラーとターゲットがそれぞれどのキャラなのかわかった状態でスタートし、4日目の朝(10ターン後)までに殺人が成功したら勝利となる。一見簡単そうだが、いくつかの条件を満たさないと殺人の実行ができないので、その状況にうまく持っていくようにしなければならない。
ゲームの進行はコマンドフェイズとアクションフェイズを行い、これで1ターンとなって時間が経過する。朝(コマンド→アクション)→夕方(コマンド→アクション)、夜(コマンド→アクション)の3ターンで1日、という構成だ。
各プレイヤーは、コマンドフェイズ中に各キャラクターに対して移動や探索などの指示を与え、部屋の構造を考慮し戦術を繰り広げていく。本作は推理力や心理戦に加え、6名の登場人物をいかに上手く移動させるかが最大のキモとなる。
登場キャラクター紹介!
というわけで、ここで登場キャラクターを紹介しておこう。▲Sherlock(シャーロック)。殺人計画を阻止するためのAI。情報を手に入れつつ推理と予測で事件を防いでいく
▲Moriarty(モリアーティ)。ターゲットを狙い、キラーに襲撃させ殺人事件を成就しようとしているAIだ
▲洋館に閉じ込められた6名。左からBerkeley(バークリー)、Catherine(カトリーヌ)、Ellery(エラリー)、Agatha(アガサ)、Dorothy(ドロシー)、Freeman(フリーマン)
キャラクターの見た目や雰囲気がバラエティに富んでおり非常にわかりやすいが、名前の頭文字がA、B、C……とアルファベット順になっているので、名前が覚えきれていない場合はイニシャルで呼び合っても良いだろう(※以降、本稿では登場人物をアルファベットで記載)。また、これらのキャラクター名は海外の有名な推理小説家の名前をモチーフにしているようだ。
この6人の中から、ゲームごとにキラーとターゲットが1人ずつランダムに決められて、物語(ゲーム)が展開していく。
キャラクターの動きを指示してから、
一斉に動き出す
もう少しゲームの流れを詳しく解説しよう。前述のとおり、ゲームが始まるとプレイヤーはSherlock側かMoriarty側に分けられて、最初に1日目の朝のコマンドフェイズが開始する。ここでは、どのキャラクターをどう動かすか、じっくりと吟味する場面だ。
4人プレイの場合、Sherlock側のプレイヤーはキャラクターひとりを1マス~3マス動かす指示を出すことができる(3人プレイの場合は2キャラまで、2人プレイの場合は3キャラまで)。ただし、このコマンドフェイズ中はあくまで「指示を出す」だけでキャラは動いていない。しかも、同時にMoriarty側もコマンドフェイズでキャラに指示を出しており、どのプレイヤーがどのキャラにどんな指示を出したのか基本的にはわからない。
もしSherlockとMoriartyが同じキャラクターに指示を出した場合は、Moriartyの制御が必ず実行される。Sherlock側は、指示を実行できなかった代わりに 、「Moriartyが動かした」という事実がわかる(後述するが超重要)。
ちなみに、Sherlock側同士で同じキャラクターを操作してしまった場合はどちらかの指示が行われ、指示を出さなかったキャラクターはランダムで移動することになる。
Moriartyはターゲット以外のキャラクターを2名操作できる。ただし、ターゲットに対してはまったく指示することができないので、「Moriartyが動かした」ということはつまりそのキャラクターが「ターゲットではない」ことがSherlock側に知られてしまう。Moriartyが満遍なくいろんなキャラに指示を出してしまうと、最終的に誰がターゲットなのかSherlock側に知られてしまう可能があるので(Sherlock側はターゲットが誰なのかわかると有利になる)、注意深く指示を出してきたい。
キラーがターゲットから遠く離れてしまうとキルのタイミングが難しくなるので、Moriartyはターゲットから離れすぎないようにしっかり距離を見ておくことがポイントだ。ただし近すぎてもSherlockに怪しまれる可能性もある。キャラクターを3マス動かすと疲れてしまい、Sherlock側は次のコマンドフェイズでは1~2マスまでしか移動できなくなる。対するMoriarty側は疲労状態のキャラクターに対しても無理やり3エリア動かすことが可能だが、それはつまり「Moriartyによる制御があった」ことが明確となるので、急ぎたい気持ちはわかるが動かしすぎは注意しよう。
▲チェスの駒を動かすようにマスを選んでフェイズを完了。ゲームスタート時、Sherlock側は誰がターゲットで誰がキラーか全くわからないので、それとなく動かしてみようという感じでOK!
▲コマンドフェイズでのポイントは、動かしたいキャラクターを「制御する」と宣言して他のプレイヤーに伝えることができる、という点だ。制御すると宣言したプレイヤーに対して「はい」「いいえ」で答えることもできる。例えば、制御すると宣言してあえて制御しないのも作戦となる
▲コマンドフェイズが終わるとアクションフェイズへ移行する。右上に表示されているキャラクターの順番に沿ってアクションが実行されていく。それぞれのキャラクターがどう動いたかを、しっかり見ておこう。
とても重要なアイテム探索
コマンドフェイズでは移動以外に探索をすることが可能だ。部屋にはランダムでアイテムが落ちていたり、ギミックを起動することができるオブジェクトがあったりする。探索をした際に入手できるアイテムは凶器・食料・薬などがあって、ギミックには隠し通路や配電盤など様々だ。Sherlock 側は探索できる場所はわかってもそこに何があるかはわからない(ゲーム開始時に食料の位置を2つ分だけ把握している) 。一方、Moriarty側はそこにあるのは凶器なのか食料なのかがわかっているので、殺人を実行する際に必須アイテムの凶器を簡単に見つけることができる。どちらの陣営も1日1回の食事が必須で、食料を見つけておかないと体力が落ちて行動が制限されてしまう。Sherlock側にとっては、キラー捜しとともに食料探しも重要となってくる。
▲Moriarty側の視点。赤く光っているところには凶器、緑色のところには食料が落ちている
前述のとおり、Moriarty側がターゲットを襲撃するにはキラーに凶器を持たせないといけないのだが、尚且つ「ターゲットと2人きりの密室状態」でないとキルは成功しない。他のキャラクターがターゲットと同じ部屋にいるときに襲撃(殺人を実行)するとSherlockに阻まれてしまい、キラーが判明したことによって最終ターンとなってしまう。
▲最終ターンでの襲撃シーン。上の写真の状況でキラーが「B」、ターゲットは「F」だが、「D」が同じエリアにいるため殺人を防ぐことができた。この場合はSherlock側の勝利となる
▲上の写真は、ターゲット「C」を襲撃するキラー「B」(アイコンで見えないが「C」の目の前に「B」がいる)。同じエリアに「E」が居合わせているが、「空腹」や「負傷」の状態異常を2つ以上抱えていると「瀕死」状態となり視界を失ってしまうため、「E」は殺人を目撃することができなかった。この場合は、Moriarty側が殺人に成功、勝利というわけだ
お待ちかね、Sherlockの推理タイム!
キラーとターゲットを特定せよ
3ターンごと、つまり夜のアクションフェイズを終えて殺人が起きなかった場合は、Sherlockの推理タイム「データ解析」が始まる。ここで「ターゲットの3エリア内にキラーがいるかどうか」の状況を推理してくれて、ターンを重ねることによってキラーが誰なのか少しずつ絞ることができる。推理により、キラーとターケッドの候補者を少しずつ絞りこまれていき、その結果を表示してくれる。キラーを1人に絞り込んでキラーが確定されると、何日目だろうとキラーが確定した段階で最終ターンに突入する。
▲このようにキラー候補は矢印で表示することもできる
4日目の朝が経過して殺人が起きなかった場合、キラーが誰だったのかを投票で決めることができ、これを見事当てることができればSherlock側の勝利となる。
▲Moriarty側も投票は可能。全員が「E」(画面中央)に投票している。今回は「A」(画面左上)がキラーだった。この場合の勝敗はドローとなる
ちなみに筆者は上の写真のシーンではMoriarty側を操作していた。2日目の夜の時点で殺害は難しいと判断し、「E」をキラーに見立てるミスリードを行った。結果、Sherlock側は「E」に投票し、どうにかドローに持ち込んだ。最後の最後までSherlock側には絶対勝たせぬぞ……なんてプレイも可能だ。
また4人プレイ時は、Moriarty側の強い味方「Irene(アイリーン)」を含めたプレイも可能だ。
IreneはMoriartyの内通者であり、この2名のみが通信連携をとることができるコマンドアクションが加わる。人狼ゲームで言う狂人にあたるポジションだ。Ireneは制御可能なキャラクター数が少ないが、Sherlock側と同じキャラクターを動かした場合でも、それがIreneとの制御のバッティングかどうかをSherlock側は検知できず、Sherlock同士のバッティングと同様どちらの制御が採択されるかをランダムにするので、かなり強みになるだろう。Moriartyが勝利すればIreneも勝利することができる。
▲本作に慣れてきたら、Ireneを加えた4人プレイをオススメしたい。さらなる化かし合いの駆け引きがうまれてくるはずだ
殺される人を救うのであって、
人狼を見つけるゲームではない
実は筆者、『人狼』は好きだけど実際に人狼を引いたら手汗がやばーいという人種。様々な人狼タイプのゲームをデジタルでもアナログでもいくつかプレイしているが、それでも人狼側を引いたときはものすごく緊張してしまう。しかし、本作でMoriartyになった場合、いつものような緊張感より少しマイルドだった。自分がMoriartyだとバレてしまっても、Sherlock側にキラーとターゲットがバレていなければいい。これがじつに大きいポイントだった。Sherlock側でプレイするときは「今の動きはおかしいな?」などの推理は面白く、キラーとターゲットがわかったときに殺人を妨害できたときは、じつに気持ちがいい。
本作の印象として、最初は人狼っぽいのかな?であったが、実際は人狼というよりストラテジータイプのボードゲームっぽい雰囲気があるようだ。
人狼や心理ゲームの場合、ボイスチャットが必須だったり、そもそもおしゃべりに自信がない人にはハードルが高く感じたりするが、『CRIMESIGHT』ならボイスの必要はないので気兼ねなく遊べる。実際にプレイヤー同士の会話はしなくても、「制御する」のアイコン表示等で意思疎通ができるからだ。もちろん、気心知れた友人とボイスチャットしながらプレイすれば楽しさが「上乗せ」されるが、むしろこのゲームではなるべくゲーム進行に関係する会話はしないことを前提とした作りになっていると感じた。
いろんなパターンで事件が遂行していくので非常に奥深い。覚えることは多めで難度高めに感じるかもしれないが、一連のルールを覚えてしまえばクリック操作だけでゲームが進行するので、人狼や推理ゲームの入り口として本作を始めてみるのもいいだろう。ロジックに物事を考えて推理することが好きな人は、ぜひプレイしてみてほしい。
©Konami Digital Entertainment
●タイトル:CRIMESIGHT(クライムサイト)
●ジャンル:対戦ミステリーシミュレータ
●メーカー:KONAMI
●プラットフォーム:Steam
●発売日:2022年4月15日
●価格:2200円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core i5 7300U 2.6GHz
メモリー: 8GB
グラフィック:Intel HD Graphics 620
ストレージ: 2GB
●推奨スペック
OS: Windows 60 64bit
プロセッサー: Intel Core i3 3220 3.3GHz
メモリー: 8GB
グラフィック: NVIDIA Geforce GTX 1050Ti
ストレージ: 2GB
●公式サイトURL:https://www.konami.com/games/crimesight/jp/ja/
●ダウンロードサイトURL:https://store.steampowered.com/app/1491710/CRIMESIGHT/
【連載】Alienware Zone PCゲームレビュー<2022年版>
- 『Weird West』PC版レビュー: “奇妙に満ちた西部”で旅した時間を忘れられなくなる、ダークファンタジーな西部劇アクションRPG
- 『Syberia: The World Before』Steam版レビュー:趣深いグラフィックと考え込まれた演出で心が温かくなるアドベンチャーゲーム
- 『ファントムブレイカー:オムニア』Steam版レビュー:シンプルな操作でハイスピードバトル! 美少女キャラ・オンパレードの格ゲーシリーズ最新作!
- 『TUNIC』Steam版レビュー:プレイヤー全員がクリアまで楽しめるのにソウルライクなアクションRPG
- 『CRIMESIGHT』Steam版レビュー:探偵vs犯罪者の推理バトル! 人狼テイストをまといつつ、まったく新しいロジカル推理マルチプレイゲーム!
- 『ELDEN RING』Steam版レビュー:古き良きRPGの面白さと難しさを現代に蘇らせた、“覚悟”ある者たちに贈る壮大すぎる冒険譚
- 『ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ』Steam版レビュー:「本当の気持ち」が彩る、心温まるミステリー
- 『Shadow Warrior 3』Steam版レビュー:銃と刀が渾然一体となったハイテンション・ノンストップFPS
- 『ELEX II』Steam版レビュー:プレイヤー自身の旅にフォーカスした、清々しいほど古き良きオープンワールドゲーム
- 『両手いっぱいに芋の花を』Steam版レビュー:すべての戦闘で最善の選択を求められるストイックRPG
- 『Expeditions: Rome』Steam版レビュー:カエサルが活躍した時代を戦い抜く難しくも面白いターン制RPG
- 『GetsuFumaDen: Undying Moon』Steam版レビュー:「動く浮世絵」とやりごたえ抜群のローグライクが生み出す、唯一無二のゲーム体験
- 『THE KING OF FIGHTERS XV』Steam版レビュー:お世辞抜きに、初心者から上級者まで楽しめる対戦格闘ゲーム!
- 『Dying Light 2 Stay Human』Steam版レビュー:前作よりもリアル志向になって、さらに緊張感が高まる仕上がりに!
- 『Blade Evolution』Steam版レビュー:大量の敵を薙ぎ払う爽快なローグライト・ハイスピード2Dアクション!
- 『白き鋼鉄のX 2』Steam版レビュー:いつでもHPを回復可能!? 独自要素満載な2Dジャンプアクション!
- 『レインボーシックス エクストラクション』PC版レビュー:『シージ』未経験者こそ知ってほしい! 謎の生命体にタクティクスで立ち向かう楽しさ
- 『God of War』Steam版レビュー:非の打ち所がないアクションアドベンチャーを、グレードアップしたPC版でもう一度!
- 『It Takes Two』Steam版レビュー:「2人で協力」が最大の武器! Game of the Year 2021 受賞作を改めて評価!
- 『Hover Attack』Steam版レビュー:1980年代の癖のあるホバー操作で重力に抗うという快感
- 『Praey for the Gods』Steam版レビュー:『ワンダと巨像』リスペクトな巨大ボスとの大迫力バトルが楽しめるアクションアドベンチャー!
- 『FILMECHANISM』Steam版レビュー:ブロック位置を記録&復元する独自ルールの、8ビット風アクションパズル
- 『モンスターハンターライズ』Steam版レビュー:グラフィックも滑らかさもレスポンスも最高! 遊び尽くした人こそ遊んでほしい!!
- 『The Artful Escape』Steam版レビュー:今とは全く違う自分になりたいあなたへ。全ギタリストマストプレイの宇宙的独奏会音!