GAME PCゲームで勝ち抜くための情報満載!
『Destroy All Humans!』 伝説のカルトゲームが現代に蘇る!お下劣エイリアン侵略アクション
50年代のアメリカを舞台に、地球を侵略するエイリアンとなり悪逆の限りを尽くすアクションアドベンチャー『Destroy All Humans!』が、THQ Nordic より2020年7月29日にSteamにて発売された。
オリジナル版は2007年に発売、悪のエイリアンとして人類をサイコキネシスでふっ飛ばし、脳を抜き取り、UFOで街を火の海にできるやりたい放題のゲームとしてカルト的人気を誇った。日本でもリリースされたのだが、ローカライズするにあたって過激かつ下品なストーリーが大幅に改変され、日本特有のパロディーやミームだらけの内容となってしまった。これはこれで多くのファンの心を掴んだのだが、今回はオリジナルに忠実なままのHDリメイクとなっている。
本稿では、そんな『Destroy All Humans!』の面白さや魅力を詳しく紹介していこう。
合言葉は「Destroy All Humans!(人類皆殺し!)」
度重なる放射能実験で生殖機能を失い、使うたびに遺伝子の劣化するクローン技術でなんとか種を存続させているフロン星人が、はるか古代に地球人に植え付けた純粋な遺伝子を回収するために地球を征服していく……なんていうストーリー。プレイヤーはフロン星人のエージェント「クリプト-137」となり、地球に降り立つこととなる。
ゲーム内容はミッションをクリアしていき、そこで得たポイントでキャラクターを強化、そしてさらなるミッションを進めて行くアクションアドベンチャーとしてはオーソドックスなものだ。
特徴的なのは、プレイヤーが操作するクリプト-137が、強力な電撃銃やサイコキネシス、一瞬で肉体を蒸発させる光線銃など、他のゲームならばありえないような法外なパワーを序盤から持っているという点。このパワーでやりたい放題したいところだが、ゲームの目的は前述の通りなので、ミッション内容は「パーティに忍び込んで遺伝子のサンプルを集める」、「TVに洗脳電波を流すために街中のアンテナを細工する」など様々。ただ人類を滅亡させればいいというものではない。
さらには好き放題していると街の警戒レベルが上がっていく。警官隊が集まって攻撃してくるようになり、挙げ句の果てには軍隊まで出動してくる。こうなると絶え間ない戦闘に追われ、ミッションどころではなくなる。クリプト自身も脆く囲まれると割と簡単に倒されてしまうので、闇雲に戦っていけばいいというわけではない。
なので、じつはこっそりバレないように移動したり、地球人に擬態したりするなど、ステルスアクション的な立ち回りも必要になる。もちろん、エイリアンの超技術を自由に振りかざして街をめちゃくちゃに破壊するミッションもあり、あるときは超パワーで地球人をねじ伏せていく爽快感、あるときはステルスアクションのような緊張感のちょうどいい塩梅が、絶妙なゲームバランスと面白さを生み出していると言えるだろう。
▲空を飛び周りながら電撃銃を掃射!爽快だが大胆なプレイは警戒レベルが上がる
▲愚かな人類に擬態!エイリアンだとバレずにミッションを遂行しよう
▲UFOの破壊光線で街を蹂躙!こんな横暴が最序盤から許されていいんですか!?
▲抽出したDNAを使ってクリプト-137を強化
往年のSF映画のようなノスタルジックな世界観と
本作の舞台は1950年代のカリフォルニア。冷戦の真っ只中、かの有名なロズウェル事件が起きたり、NASAが設立されたりするなど、新時代の象徴として宇宙が注目されていた時代だ。そんな50年代を、今となってはノスタルジーさを感じる「グレイ型」のエイリアンとなってプレイできるのだから、アラフォーアラフィフにはノスタルジックに、若者にはむしろ斬新に見えるかもしれない。レトロでチープな町並みと脳天気な市民たちの一方で、「これ、よっぽど人間のほうが悪いだろ」と思わせるような陰謀が登場する往年のSF映画のような世界を、侵略する側のエイリアンのとして楽しめるのである。
▲エイリアンと敵対するのは黒服の男たち。時代錯誤なガジェットで対抗してくる
▲エイリアンといえば牛! キャトルミューティレーション! 切っても切れない存在だ
▲道行く地球人を思考盗聴。みんな頭のネジがゆるんでいるようなことばかり考えている
もう一つの魅力は、数々のブラックユーモアだ。ストーリー上では、クリプト-137の上司である科学者のオーソポックスが、つねにふざけた掛け合いを続けている。高知能なエイリアンの視点で地球人を取るに足らない存在として扱うようなものから、ただただ下品なだけのものなど、痛快なネタが飛び交い続ける。人間の頭が弾け飛ぶなど、視覚的にもエゲツないものが多く、最初は困惑するかもしれないが、ゲームの爽快感も相まって非道徳的な魅力にハマること間違いなしだ。
▲「アナルプローブ」を尻に突き刺して脳を摘出! とんでもない兵装……
▲ちょくちょく出てくる共産主義批判。これ怒られませんか?
カルト的名作の面白さのエッセンスを損なうことなく現代に蘇らせた本作。日本語ローカライズはテキストのみだが、翻訳の質は良好だ。街を壊して回り、愚かな地球人を蹂躙していくゲームでしか味わえないインモラルな爽快感を得たい人におすすめの作品である。
(C)2020 THQ Nordic AB, Sweden. Developed by Black Forest Games. Destroy All Humans, THQ and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Nordic AB. All rights reserved. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners.
●タイトル:Destroy All Humans!(テストロイ オール ヒューマンズ)
●発売元:THQ Nordic
●開発元:Black Forest Games,
●ジャンル:アクションアドベンチャー
●発売日:2020年7月29日(PlayStation 4、Xbox One版は7月28日発売)
●価格:3750円(PS4版は4781円、Xbox One版は4600円) ※価格はいずれも税込
●必須スペック:
OS: Windows 10 64 Bit
プロセッサー: AMD / Intel CPU 3.0 GHz以上
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック:4GB以上のVRAMを搭載したAMD/NVIDIAグラフィックボード
DirectX: Version 11
ストレージ: 19GB
●推奨スペック:
OS: Windows 10 64 Bit
プロセッサー:AMD / Intel CPU 3.5 GHz以上(AMD Ryzen 3 1300x / Intel Core i3 8100 以上推奨)
メモリー: 16GB RAM
グラフィック:4GB以上のVRAMを搭載したAMD/NVIDIAグラフィックボード
DirectX: Version 12
ストレージ: 19GB
●公式サイトURL:https://destroyallhumansgame.com/
●ダウンロードサイトURL:https://store.steampowered.com/app/803330/Destroy_All_Humans/
オリジナル版は2007年に発売、悪のエイリアンとして人類をサイコキネシスでふっ飛ばし、脳を抜き取り、UFOで街を火の海にできるやりたい放題のゲームとしてカルト的人気を誇った。日本でもリリースされたのだが、ローカライズするにあたって過激かつ下品なストーリーが大幅に改変され、日本特有のパロディーやミームだらけの内容となってしまった。これはこれで多くのファンの心を掴んだのだが、今回はオリジナルに忠実なままのHDリメイクとなっている。
本稿では、そんな『Destroy All Humans!』の面白さや魅力を詳しく紹介していこう。
▲オリジナル版の吹き替えで主人公を演じた山口勝平氏がナレーションを担当したスペシャル映像。
大幅改変された当時の国内版を偽物呼ばわりしていて思わず笑ってしまった
合言葉は「Destroy All Humans!(人類皆殺し!)」
エイリアンパワーでやりたい放題!?
度重なる放射能実験で生殖機能を失い、使うたびに遺伝子の劣化するクローン技術でなんとか種を存続させているフロン星人が、はるか古代に地球人に植え付けた純粋な遺伝子を回収するために地球を征服していく……なんていうストーリー。プレイヤーはフロン星人のエージェント「クリプト-137」となり、地球に降り立つこととなる。ゲーム内容はミッションをクリアしていき、そこで得たポイントでキャラクターを強化、そしてさらなるミッションを進めて行くアクションアドベンチャーとしてはオーソドックスなものだ。
特徴的なのは、プレイヤーが操作するクリプト-137が、強力な電撃銃やサイコキネシス、一瞬で肉体を蒸発させる光線銃など、他のゲームならばありえないような法外なパワーを序盤から持っているという点。このパワーでやりたい放題したいところだが、ゲームの目的は前述の通りなので、ミッション内容は「パーティに忍び込んで遺伝子のサンプルを集める」、「TVに洗脳電波を流すために街中のアンテナを細工する」など様々。ただ人類を滅亡させればいいというものではない。
さらには好き放題していると街の警戒レベルが上がっていく。警官隊が集まって攻撃してくるようになり、挙げ句の果てには軍隊まで出動してくる。こうなると絶え間ない戦闘に追われ、ミッションどころではなくなる。クリプト自身も脆く囲まれると割と簡単に倒されてしまうので、闇雲に戦っていけばいいというわけではない。
なので、じつはこっそりバレないように移動したり、地球人に擬態したりするなど、ステルスアクション的な立ち回りも必要になる。もちろん、エイリアンの超技術を自由に振りかざして街をめちゃくちゃに破壊するミッションもあり、あるときは超パワーで地球人をねじ伏せていく爽快感、あるときはステルスアクションのような緊張感のちょうどいい塩梅が、絶妙なゲームバランスと面白さを生み出していると言えるだろう。
▲空を飛び周りながら電撃銃を掃射!爽快だが大胆なプレイは警戒レベルが上がる
▲愚かな人類に擬態!エイリアンだとバレずにミッションを遂行しよう
▲UFOの破壊光線で街を蹂躙!こんな横暴が最序盤から許されていいんですか!?
▲抽出したDNAを使ってクリプト-137を強化
往年のSF映画のようなノスタルジックな世界観と
お下劣なブラックジョーク!
本作の舞台は1950年代のカリフォルニア。冷戦の真っ只中、かの有名なロズウェル事件が起きたり、NASAが設立されたりするなど、新時代の象徴として宇宙が注目されていた時代だ。そんな50年代を、今となってはノスタルジーさを感じる「グレイ型」のエイリアンとなってプレイできるのだから、アラフォーアラフィフにはノスタルジックに、若者にはむしろ斬新に見えるかもしれない。レトロでチープな町並みと脳天気な市民たちの一方で、「これ、よっぽど人間のほうが悪いだろ」と思わせるような陰謀が登場する往年のSF映画のような世界を、侵略する側のエイリアンのとして楽しめるのである。▲エイリアンと敵対するのは黒服の男たち。時代錯誤なガジェットで対抗してくる
▲エイリアンといえば牛! キャトルミューティレーション! 切っても切れない存在だ
▲道行く地球人を思考盗聴。みんな頭のネジがゆるんでいるようなことばかり考えている
もう一つの魅力は、数々のブラックユーモアだ。ストーリー上では、クリプト-137の上司である科学者のオーソポックスが、つねにふざけた掛け合いを続けている。高知能なエイリアンの視点で地球人を取るに足らない存在として扱うようなものから、ただただ下品なだけのものなど、痛快なネタが飛び交い続ける。人間の頭が弾け飛ぶなど、視覚的にもエゲツないものが多く、最初は困惑するかもしれないが、ゲームの爽快感も相まって非道徳的な魅力にハマること間違いなしだ。
▲「アナルプローブ」を尻に突き刺して脳を摘出! とんでもない兵装……
▲ちょくちょく出てくる共産主義批判。これ怒られませんか?
カルト的名作の面白さのエッセンスを損なうことなく現代に蘇らせた本作。日本語ローカライズはテキストのみだが、翻訳の質は良好だ。街を壊して回り、愚かな地球人を蹂躙していくゲームでしか味わえないインモラルな爽快感を得たい人におすすめの作品である。
(C)2020 THQ Nordic AB, Sweden. Developed by Black Forest Games. Destroy All Humans, THQ and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Nordic AB. All rights reserved. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners.
●タイトル:Destroy All Humans!(テストロイ オール ヒューマンズ)
●発売元:THQ Nordic
●開発元:Black Forest Games,
●ジャンル:アクションアドベンチャー
●発売日:2020年7月29日(PlayStation 4、Xbox One版は7月28日発売)
●価格:3750円(PS4版は4781円、Xbox One版は4600円) ※価格はいずれも税込
●必須スペック:
OS: Windows 10 64 Bit
プロセッサー: AMD / Intel CPU 3.0 GHz以上
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック:4GB以上のVRAMを搭載したAMD/NVIDIAグラフィックボード
DirectX: Version 11
ストレージ: 19GB
●推奨スペック:
OS: Windows 10 64 Bit
プロセッサー:AMD / Intel CPU 3.5 GHz以上(AMD Ryzen 3 1300x / Intel Core i3 8100 以上推奨)
メモリー: 16GB RAM
グラフィック:4GB以上のVRAMを搭載したAMD/NVIDIAグラフィックボード
DirectX: Version 12
ストレージ: 19GB
●公式サイトURL:https://destroyallhumansgame.com/
●ダウンロードサイトURL:https://store.steampowered.com/app/803330/Destroy_All_Humans/
【連載】Alienware Zone PCゲームレビュー<2020年版>
- 年末年始で遊びたい! 2020年下半期PCゲームレビューピックアップ
- 年末年始で遊びたい! 2020年上半期PCゲームレビューピックアップ
- PC版『アサシンクリード ヴァルハラ』レビュー! 斧か暗殺か、神か自分か、略奪者か仲間か。グレーなヴァイキングの生き様を味わう
- 『ウォッチドッグス レギオン』レビュー! 自分なりのデッドセックを作り、演じられるかどうかが面白さの分かれ目に!?
- 『STAR WARS: スコードロン』EP6と7のあいだの物語! 宇宙空間ならではのドッグファイトで堪能しよう【オススメPCゲームレビュー】
- 『Ghostrunner』レビュー! 素晴らしいビジュアルとアクションの心地よさに、刺さる人にはトコトン刺さる名作
- 『Rogue Company』レビュー! アクション映画の雰囲気たっぷりなTPS。個性豊かなローグたちを操作してチームを勝利へ導け
- 『クラフトピア』レビュー! 人気ゲームのいいとこ取り! 自由度万歳のオープンワールドサバイバルアクションゲーム
- 『Life is Strange』を作ったDONTNOD最新作。家族に秘められた過去を解き明かすミステリーアドベンチャー『Tell Me Why』レビュー
- PC版『Halo 3: ODST』レビュー! スパルタンに次ぐ最強特殊部隊が生んだ緊張感溢れるサバイバルFPS
- 冥界脱出ローグライト『Hades』 美しいギリシャ神話世界でスタイリッシュアクション! 【オススメPCゲームレビュー】
- ローグライク見下ろし型アクション『UnderMine』 金鉱石を集めてコツコツ強化!プレイしだしたら止まらない!
- 『Samurai Jack: Battle Through Time』プレイレビュー! 骨太アクションと隅々まで忠実な原作再現に心を打たれた一作
- 『ハイパースケープ』レビュー! SFな世界観をフル活用したバトルロイヤルが開幕!【オススメPCゲームレビュー】
- フライトシム新作『Microsoft Flight Simulator』レビュー! 最高の飛行体験には推奨スペック以上のPCが欲しい【オススメPCゲームレビュー】
- 『Cuisine Royale』ぶっ飛び具合と速い試合展開がくせになる、気軽に遊べるシュールバトルロイヤル!【オススメPCゲームレビュー】
- PC版『Halo 3』レビュー! ゲームを超えたかつての「遊び場」はさらに拡張するのか
- 『Destroy All Humans!』 伝説のカルトゲームが現代に蘇る!お下劣エイリアン侵略アクション
- 超異色メトロイドヴァニア『CARRION』は殺戮モンスターの知的パズルだ!
- 誰も死なない対戦TPS『ロケットアリーナ』レビュー! 思いも寄らない奥深さは、全対人ゲームファンが体験すべき!
- 『BOSSGARD』 ヒーロー?それとも悪役⁉ どちらも主役になれる、非対称マルチバトルゲーム!【オススメPCゲームレビュー】
- 『Desperados III』 往年の名作RTSが遊びやすくなって現代に蘇る! 西部劇ステルスストラテジー 【オススメPCゲームレビュー】
- PC版『Halo: CEA』『Halo: 2A』10年経っても色褪せない個性と、シリーズの意外な一面が光る初期2タイトル
- 『Deep Rock Galactic』 スペースドワーフになって洞窟を掘りまくれ! 自動生成ダンジョンがヤミツキになるSF系FPS【オススメPCゲームレビュー】
- 『カンニバルクッキング』 料理の素材は人間の肉や脳みそ!? 命をかけたサバイバルお料理パーティーゲーム登場【オススメPCゲームレビュー】
- 『マインクラフト ダンジョンズ』 世界中で親しまれている『マイクラ』最新作はイージーなダンジョンクローラー兼ハクスラ!?【オススメPCゲームレビュー】
- 『Legend of Keepers: 闇の守護神』ボスモンスターになってダンジョン運営! ローグライトでリプレイ性の高いゲームシステム!【オススメPCゲームレビュー】
- Amazon Gamesの基本無料ゲーム『Crucible』ファーストインプレッション! 魅力は少なからずあれど問題点も多め!?
- 『Gears Tactics』 人気TPS『ギアーズ』の面白さをそのままに、キャラ育成要素もあるターン制戦略ゲームに!【オススメPCゲームレビュー】
- 『千里の棋譜』ADVファンならマスト! 将棋ファンでもマスト! いまプレイすべきミステリーアドベンチャーの大傑作【オススメPCゲームレビュー】
- 『Darksiders Genesis』は今までと見た目は変わっても『Darksiders』としての魅力がそこにある!【PCゲームレビュー】