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『Darksiders Genesis』は今までと見た目は変わっても『Darksiders』としての魅力がそこにある!【PCゲームレビュー】
世界の調和を司る四騎士たちを追いかけ始めたのはいつ頃からだっただろうか? 初代『Darksiders』のクライマックス、主人公であるウォーから語られたセリフにわくわくした頃からもう何年も経ってしまった。そんな頃の記憶を呼び起こさせるきっかけとなった今作、『Darksiders Genesis』で私はシリーズへの熱を再燃させることになる。そして、本格的な登場となるストライフ、そしてウォーのバディが大好きになった。
THQ Nordicが3Dアクションゲームとして作品を展開している『Darksiders』シリーズ。今作はナンバリングではないものの、1作目の前日談として描かれる作品なので、シリーズファンだけでなく今作から興味を持った人でもぜひチェックしてみてほしい。
ゲームジャンルとしてもトップダウンビューのハック&スラッシュライクな3DアクションRPGとなり、シリーズ初の二人協力プレイが実装されている。PC版が先行して2019年12月6日に発売されていたが、国内ではNintendo Switch版(2020年2月14日発売)とPlayStation 4版(2月21日発売)もリリース。
調和を司る四騎士のなかで唯一、どんな活躍をしていたか詳細がいまだに語られていなかったストライフが、今作にて初のプレイアブルキャラクターに。また、彼に協力する形で『Darksiders』の主人公のウォーも参戦。どこかふざけた感じのあるストライフと任務に対して真面目なウォー、性格の合わない二人が互いに文句や冗談を言い合いつつも協力し合う姿は、バディものの映画のようで今作の良さのひとつになっている。
▲フレンドとのオンライン協力プレイ・ローカルでの画面分割プレイに対応
シリーズ作品によってその比重は違えども、その豪快かつ暴力的なアクションと繊細かつ解けると楽しい謎解きが『Darksiders』におけるゲームプレイの魅力となっていた。今作においてもその魅力は十二分に発揮されており、2丁拳銃「マーシー」と「リデンプション」による遠距離攻撃を中心としたストライフと、様々な属性に変化する大剣「カオスイーター」による近接攻撃に特化したウォーが通る道には破壊と調和の跡が続いていく。たとえ悪魔だろうと天使だろうと(そして用意された謎解きでさえも)跡形もなく葬り去られるのだ。
遠距離攻撃を主とするキャラクターが増えたこと、そしてトップダウンビューのゲームとなったことで、ツインスティックシューター的な要素も加わっている。必殺技やアビリティ使用、変身などプレイヤーが行えることが多すぎてキーバインドが複雑になっているが、画面上で常にキーヒントは出ているので安心だ。
マップ中にある謎についても、戦闘のしすぎで頭が固くなってしまうタイミングにちょうどいい塩梅の難易度で あったり、解けるとスッキリするものが多い。手に入れた能力を使って謎を解いていく楽しみと気持ちよさは、従来作品と同じ感覚で味わえることだろう。
特定のイベントシーンはスタイリッシュなアメコミ風のムービーによって物語が展開し、ストライフやウォーをはじめ、サマエルやアバドンなどシリーズに登場する人物たちをより色濃く描き出している。 コミックにおいても前日談やサイドストーリーが展開されている『Darksiders』シリーズのため、こうしたシーン演出でも違和感なく見ることができた。
クリアしたチャプターにはそれぞれ収集可能なアイテムの総数が記録され、アイテムがもとあった場所にも取得済みのマークが出現するので取り逃がしがあってもわかりやすい。途中でどこまで拾ったかわからなくなることが多い私にとってありがたい仕様だった。
チャプターごとにサイドクエストも用意されており、特定条件を満たすことで報酬がもらえるというシステムも存在している。クエスト内容もバリエーションが多く、不利な状況でボスを倒したり、マップのどこかに隠れているレアな敵を倒したりと、探索やゲームをやりこむことへの楽しみをより強めてくれる要素になっているのだ。
また、キャラクターの能力値をアップさせるためのクリーチャーコアというシステムも、RPG要素として成り立っている。これは倒した敵に応じてさまざまな能力が付与できるアイテムが存在しており、ランダムではあるものの、ほぼすべての敵からクリーチャーコアを入手することができる。手に入れたコアをスロットへ装着することによりストライフとウォー双方の攻撃力や体力などが○○%増加したり、アビリティに特殊効果を追加したりと、基本的にはメリットがある効果ばかりだ。装着にデメリットがありつつも、その分ステータスの増加量は多いといったものもある。加えて、コアにはそれぞれ属性が決まっていて、スロット側の属性と合わせることにより体力や攻撃力などといった能力値にボーナスが入ることもある。
このクリーチャーコアは同じ種類のコアを集めていくことでレベルアップしていく。コアによっては微々たる変化なものもあれば飛躍的に強化されるものもある。どのマップにどの敵が出現するかもチャプター選択で確認できるので、気に入った効果を見つけ次第、その敵を重点的に倒していくことが可能だ。配置の仕方、コア自体のレベル・能力によってプレイヤー好みのストライフとウォーを作り上げることができるので、RPGが好きなプレイヤーたちにも気に入ってもらえる要素のひとつであるはずだ。
こうした仕様により、キャラクターが壁に隠れてしまう際は水色の透過表示によって場所がわかるようになっているのだが、戦闘中敵とともに壁に隠れてしまうと相手の体力ゲージやフィニッシャーのタイミングを知らせるUIも一緒に見えなくなってしまう。なによりひどいのは、その水色の透過表示さえ行われないことがある点だ。条件はわからないのだが、おそらくカメラワークの悪さが一因となっているのだろう。柱や壁の向こうで何が起こっているのかがわからないまま戦闘が進むのは非常に困ってしまう。
そして極めて残念なことに、今作を遊ぶにあたり、バグの存在も避けて通れないものになっている。ダッシュ中地形に引っ掛かり、その場でダッシュをし続けたり、敵キャラが勝手に地面の中に埋もれて死んでしまうなど、なかなかの頻度で起こりうるコリジョンバグが興を削いでしまう要因となっている。なかでも地形の引っ掛かりはどこで起こるかが非常に把握しづらく、さまざまなチャプターで起こっていたので、戦闘中をはじめ危険な状況に面している際にこのバグが起こり、気分が悪くなってしまうことがあった。このようなバグはゲームプレイの障害となるのはもちろんのこと、プレイヤーのモチベーションにも関わる内容なので、早急に修正してほしい。
見過ごせないバグや仕様の不満はあるものの、根本のゲームプレイとしては比較的上質なものとなっている。こうした強化やアップグレードが多い作品にありがちな、序盤はやれることが少なく、プレイとしてもつまらなさが強いという問題もあるにはあるが、それも2,3チャプターを過ぎたころには戦闘や謎解き、探索やストーリー展開といった『Darksiders』がもつおもしろさがどんどん押し寄せてくる。
私自身、プレイ開始当初はゲームプレイのカメラ視点が違っていたり、キャラクターの切り替えもしくは二人で協力して遊ぶアクションということもあって、違和感を覚えたことは確かだ。しかし、主人公二人に課せられた任務をともに追いかけていくうちに、そしてキャラクターの能力がアップグレードされていくたびに、次第にゲームのやめ時が見つからなくなっていった。ゲーム後半にいたっては物語の展開、そして彼ら二人の騎士の行く末が気になり、時間を忘れクリアまで一気に遊んでしまったほどだ。
今作をプレイしたことにより、『Darksiders』の作品世界がより広がっていったのと同じくして、本シリーズにおけるゲームジャンルの広がりを感じた。今後、次回作が作られるとして、ナンバリングタイトルと同じような三人称視点の3Dアクションであっても、今作のようなトップダウンビューの協力アクションであっても私はプレイすると心に決めている。そしていつか、あの四騎士が一堂に会し、ともに戦える日がくる。その予感を感じながら、私はきっとまたシリーズをプレイし直すのだろう。私の『Darksiders』への熱量をふたたび呼び覚ますまでに至った、素晴らしい作品に仕上がっていた。
© 2020 THQ Nordic AB, Sweden. Darksiders, THQ and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Nordic AB. All rights reserved. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners.
Darksiders Genesis
https://darksiders.com/
Darksiders Genesis (Steam)
https://store.steampowered.com/app/710920/Darksiders_Genesis
THQ Nordic
https://www.thqnordic.com/
THQ Nordicが3Dアクションゲームとして作品を展開している『Darksiders』シリーズ。今作はナンバリングではないものの、1作目の前日談として描かれる作品なので、シリーズファンだけでなく今作から興味を持った人でもぜひチェックしてみてほしい。
ゲームジャンルとしてもトップダウンビューのハック&スラッシュライクな3DアクションRPGとなり、シリーズ初の二人協力プレイが実装されている。PC版が先行して2019年12月6日に発売されていたが、国内ではNintendo Switch版(2020年2月14日発売)とPlayStation 4版(2月21日発売)もリリース。
調和を司る四騎士のなかで唯一、どんな活躍をしていたか詳細がいまだに語られていなかったストライフが、今作にて初のプレイアブルキャラクターに。また、彼に協力する形で『Darksiders』の主人公のウォーも参戦。どこかふざけた感じのあるストライフと任務に対して真面目なウォー、性格の合わない二人が互いに文句や冗談を言い合いつつも協力し合う姿は、バディものの映画のようで今作の良さのひとつになっている。
▲フレンドとのオンライン協力プレイ・ローカルでの画面分割プレイに対応
見た目が変わっても、中身はしっかり『Darksiders』
今作はシリーズを触っていればいるほど、見た目で敬遠されがちかもしれない。『Darksiders』シリーズといえば三人称視点の3Dアクションだ! という声もあることだろう。しかし、その不安は実際にプレイしてもらえれば払拭できる。そう言い切れてしまうくらい、今作は『Darksiders』の要素をしっかりと含みつつ、協力アクションへと昇華されている。シリーズ作品によってその比重は違えども、その豪快かつ暴力的なアクションと繊細かつ解けると楽しい謎解きが『Darksiders』におけるゲームプレイの魅力となっていた。今作においてもその魅力は十二分に発揮されており、2丁拳銃「マーシー」と「リデンプション」による遠距離攻撃を中心としたストライフと、様々な属性に変化する大剣「カオスイーター」による近接攻撃に特化したウォーが通る道には破壊と調和の跡が続いていく。たとえ悪魔だろうと天使だろうと(そして用意された謎解きでさえも)跡形もなく葬り去られるのだ。
遠距離攻撃を主とするキャラクターが増えたこと、そしてトップダウンビューのゲームとなったことで、ツインスティックシューター的な要素も加わっている。必殺技やアビリティ使用、変身などプレイヤーが行えることが多すぎてキーバインドが複雑になっているが、画面上で常にキーヒントは出ているので安心だ。
マップ中にある謎についても、戦闘のしすぎで頭が固くなってしまうタイミングにちょうどいい塩梅の難易度で あったり、解けるとスッキリするものが多い。手に入れた能力を使って謎を解いていく楽しみと気持ちよさは、従来作品と同じ感覚で味わえることだろう。
特定のイベントシーンはスタイリッシュなアメコミ風のムービーによって物語が展開し、ストライフやウォーをはじめ、サマエルやアバドンなどシリーズに登場する人物たちをより色濃く描き出している。 コミックにおいても前日談やサイドストーリーが展開されている『Darksiders』シリーズのため、こうしたシーン演出でも違和感なく見ることができた。
サイドクエストやキャラアップグレードなどやり込み要素も充実
今作のやり込み要素として、敵を倒すことで入手できるソウルとマップに落ちているコインを消費したキャラクターのアップグレードはもちろん、敵からのドロップ品やマップ内に隠された宝箱、チャプターごとに発生するクエストやアリーナの報酬など多岐にわたっている。こうしたやりこみ要素はプレイヤーのプラスになることだらけなので、メインストーリーにすこし詰まってしまった、もしくは進めるのにちょっと疲れてしまったときに気軽にやることをおすすめしたい。クリアしたチャプターにはそれぞれ収集可能なアイテムの総数が記録され、アイテムがもとあった場所にも取得済みのマークが出現するので取り逃がしがあってもわかりやすい。途中でどこまで拾ったかわからなくなることが多い私にとってありがたい仕様だった。
チャプターごとにサイドクエストも用意されており、特定条件を満たすことで報酬がもらえるというシステムも存在している。クエスト内容もバリエーションが多く、不利な状況でボスを倒したり、マップのどこかに隠れているレアな敵を倒したりと、探索やゲームをやりこむことへの楽しみをより強めてくれる要素になっているのだ。
また、キャラクターの能力値をアップさせるためのクリーチャーコアというシステムも、RPG要素として成り立っている。これは倒した敵に応じてさまざまな能力が付与できるアイテムが存在しており、ランダムではあるものの、ほぼすべての敵からクリーチャーコアを入手することができる。手に入れたコアをスロットへ装着することによりストライフとウォー双方の攻撃力や体力などが○○%増加したり、アビリティに特殊効果を追加したりと、基本的にはメリットがある効果ばかりだ。装着にデメリットがありつつも、その分ステータスの増加量は多いといったものもある。加えて、コアにはそれぞれ属性が決まっていて、スロット側の属性と合わせることにより体力や攻撃力などといった能力値にボーナスが入ることもある。
このクリーチャーコアは同じ種類のコアを集めていくことでレベルアップしていく。コアによっては微々たる変化なものもあれば飛躍的に強化されるものもある。どのマップにどの敵が出現するかもチャプター選択で確認できるので、気に入った効果を見つけ次第、その敵を重点的に倒していくことが可能だ。配置の仕方、コア自体のレベル・能力によってプレイヤー好みのストライフとウォーを作り上げることができるので、RPGが好きなプレイヤーたちにも気に入ってもらえる要素のひとつであるはずだ。
不満を感じる仕様、バグの存在も
ナンバリングタイトルとはちがって、トップダウンビューの形式をとっていることもあり、敵がいまどれだけいるかといった状況を把握しやすくなっている。それはゲームプレイにおいてこそ利点ではあるのだが、そのぶん敵味方問わずキャラクターモデルが小さく表示されがちで、画面全体が寂しく感じてしまうことがあった。ズームイン・アウトも自由に行えないために、必殺技を使用する際、敵へとどめを刺す際など、せっかくの格好良いシーンがアップで見れない点も。キャラクターの造形やデザイン、モーションが素晴らしい分、そして今作でようやく動かせるようになったストライフを近くで見せてほしいと思っていた分、その不満がより高まってしまう。こうした仕様により、キャラクターが壁に隠れてしまう際は水色の透過表示によって場所がわかるようになっているのだが、戦闘中敵とともに壁に隠れてしまうと相手の体力ゲージやフィニッシャーのタイミングを知らせるUIも一緒に見えなくなってしまう。なによりひどいのは、その水色の透過表示さえ行われないことがある点だ。条件はわからないのだが、おそらくカメラワークの悪さが一因となっているのだろう。柱や壁の向こうで何が起こっているのかがわからないまま戦闘が進むのは非常に困ってしまう。
そして極めて残念なことに、今作を遊ぶにあたり、バグの存在も避けて通れないものになっている。ダッシュ中地形に引っ掛かり、その場でダッシュをし続けたり、敵キャラが勝手に地面の中に埋もれて死んでしまうなど、なかなかの頻度で起こりうるコリジョンバグが興を削いでしまう要因となっている。なかでも地形の引っ掛かりはどこで起こるかが非常に把握しづらく、さまざまなチャプターで起こっていたので、戦闘中をはじめ危険な状況に面している際にこのバグが起こり、気分が悪くなってしまうことがあった。このようなバグはゲームプレイの障害となるのはもちろんのこと、プレイヤーのモチベーションにも関わる内容なので、早急に修正してほしい。
四騎士にまた会える日が待ち遠しい
クリア時間としてはおそらく10時間ほどが目安となるが、アップグレードや収集要素をすべて集めたり、アリーナでのスコアアタックなどを含めるとプレイ時間はもっと増えることだろう。私自身メインストーリーをクリアした後、ストライフとウォーがどれだけ強化できるかを、マップ探索やアリーナ攻略などを行い時間の許す限り進めていた。見過ごせないバグや仕様の不満はあるものの、根本のゲームプレイとしては比較的上質なものとなっている。こうした強化やアップグレードが多い作品にありがちな、序盤はやれることが少なく、プレイとしてもつまらなさが強いという問題もあるにはあるが、それも2,3チャプターを過ぎたころには戦闘や謎解き、探索やストーリー展開といった『Darksiders』がもつおもしろさがどんどん押し寄せてくる。
私自身、プレイ開始当初はゲームプレイのカメラ視点が違っていたり、キャラクターの切り替えもしくは二人で協力して遊ぶアクションということもあって、違和感を覚えたことは確かだ。しかし、主人公二人に課せられた任務をともに追いかけていくうちに、そしてキャラクターの能力がアップグレードされていくたびに、次第にゲームのやめ時が見つからなくなっていった。ゲーム後半にいたっては物語の展開、そして彼ら二人の騎士の行く末が気になり、時間を忘れクリアまで一気に遊んでしまったほどだ。
今作をプレイしたことにより、『Darksiders』の作品世界がより広がっていったのと同じくして、本シリーズにおけるゲームジャンルの広がりを感じた。今後、次回作が作られるとして、ナンバリングタイトルと同じような三人称視点の3Dアクションであっても、今作のようなトップダウンビューの協力アクションであっても私はプレイすると心に決めている。そしていつか、あの四騎士が一堂に会し、ともに戦える日がくる。その予感を感じながら、私はきっとまたシリーズをプレイし直すのだろう。私の『Darksiders』への熱量をふたたび呼び覚ますまでに至った、素晴らしい作品に仕上がっていた。
© 2020 THQ Nordic AB, Sweden. Darksiders, THQ and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Nordic AB. All rights reserved. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners.
Darksiders Genesis
https://darksiders.com/
Darksiders Genesis (Steam)
https://store.steampowered.com/app/710920/Darksiders_Genesis
THQ Nordic
https://www.thqnordic.com/
【連載】Alienware Zone PCゲームレビュー<2020年版>
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