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『Cuisine Royale』ぶっ飛び具合と速い試合展開がくせになる、気軽に遊べるシュールバトルロイヤル!【オススメPCゲームレビュー】
こんなにもシュールなのに、遊びごたえのあるバトルロイヤルを私は見たことがありませんでした。気軽にバトルロイヤルが遊びたい?点滴バッグを装備して戦場を駆け巡りたい? そんなあなたにおすすめの一作が、8月20日からDMM GAMESで配信開始予定の『Cuisine Royale』になります(PS4版もDMM GAMESより近日配信予定)。いい意味でぶっ飛んでいる本作は、Gaijin Entertainmentが送る基本プレイ無料のバトルロイヤルシューターになっています。Steamではすでに配信されており、アカウントを持っていればインストールするだけですぐに遊べます!今回はこの『Cuisine Royale』の魅力を伝えていきます!
装備することになる武器はクラシックな銃器をメインに、近接武器が数種類存在しています。一部強力なものとして現代銃器が混ざっていますが、レア度が高いのか見かける機会は少ないかもしれません。ここまでは実在する銃を使用するバトルロイヤル作品ではよく見かけるものになっていますが、防具は違います。
本作のぶっ飛びポイントその1として、防具やアクセサリーの種類の多さとその意外さです。戦場で身を守るものとして大切な防具ですが、本作に存在するのは防弾チョッキやボディアーマー、軍用ヘルメットだけではありません。それらの代わりとしても使える鍋や皿、フライパンなどを頭や肩、腰につけて身を守ることとなります。
最初に見たときは、それらの防具を装備した格好のシュールさに思わず笑ってしまいました。なかにはどうやって取り付けているのか不思議なものも、絶対に守れていないだろうといったものも多々あります。しかし、この戦場ではそういったものも使っていかなくては勝てないのです。
キャラクターの能力をアップさせるアクセサリーも一癖二癖あるものばかりになっています。例として点滴バッグを装備すると、HPが一定時間で自動回復するようになったり、大きな葉巻を装備すると最大HPが60%増加したり、クラシックなメガネをかけると射撃性能が上がったりなどがあります。
どのアクセサリーも大抵の場合はプレイヤーにメリットをもたらすものばかりですが、荷物を所持しすぎたり、装備品の種類によっては移動時の音が大きくなったりするうえに、点滴バッグが掛けてあるガートル部分や葉巻の煙といったように視認性が高まる場合も。戦闘時に有利な装備が多くある分、それらを所持しすぎるとデメリットが発生するようになっているのです。
気付かれぬようになるべく遠距離から狙撃したり、敵がいそうな地点ではしゃがみや伏せ状態での移動を心がけたりと、プレイヤーの腕でカバーしていくことになるでしょう。
プレイヤーが操作することになるキャラクターたちは、デフォルトで下着です。コスチュームは多数存在しており、プレイヤーランクやゲームの進行度によって開放されていきます。基本的には服装の柄が変わっていくだけなのですが、なかにはマスクや魔除けをつけられるようになることも。コスチュームによっては後述するソウルの獲得量が増加したり、落ちているアイテムが見えやすくなったりと、身につけるだけで特殊効果を発動するものもあります。
さまざまな武器や防具を装備していき激戦区へと飛び出すと、そこはもうカオスの世界。一見なんの集団なのかわからない人たちが銃を連射したり、フライパンで殴り合ったりと、とてつもなくシュールな光景が繰り広げられます。しかし、そうした光景のなかには、なかなかに戦略性の高いゲームシステムが内包されていました。
これらは、戦闘中に敵を倒すことによって溜まるソウルを一定数集めると使用可能になり、内容によっては一度発動するだけでも戦闘を大きく有利にすることができます。初期状態で使用できるキャラクターの固有アビリティは一定時間獣となって体力や速度をはじめとした全能力が強化されるビースト化と、発動した地点から周囲の空間をスローモーションにさせるバレットタイムの2つがあります。
初期キャラクター「クライド・’ダース’・ムリカン」が使用できるアビリティ「ビースト」は、獣の魂を憑依させて戦いを始めるものとなっており、体力や攻撃力、移動速度などすべての面において大幅にパワーアップします。ダッシュ移動時は四足歩行になり姿勢も低くなるので、相手からは狙いづらくなるというメリットもあります。必要ソウルも初期状態で使用できるキャラクターのなかでは最少で、クールタイムの回復も速いので気軽に使っていくのもいいでしょう。しかし、デメリットとしてビースト化中は近接攻撃しかできなくなります。確実に相手を仕留める、もしくは緊急時の脱出時といった、ここぞというときに使っていきましょう。
もうひとりの初期キャラクター、「アニー・‘ピンナップ’・アシュリー」は「バレットタイム」が使用できます。一定時間ではあるものの、周囲の時間を遅くすることができるため、とっさの事態に陥った際でもバレットタイムが発動できれば落ち着いて狙いを定めることができるでしょう。また、バレットタイム中は敵を赤く照らしてくれるので、草むらや木の影に隠れていても視認しやすくなります。使用するためのソウルは先に述べたビリーのビースト化よりも多いですが、射撃やジャンプをはじめ通常通りの行動ができるので、より有利な状況を作り出すことができるでしょう。
ゲームの進行や課金によってアンロックできるキャラクターである「イッツ・オセロトル」は、自身の体が現世と魂の世界を行き来できるようになるアビリティ「スピリットウォーク」を持っていますし、雷神の力を持つ「エリック・‘トーデン’・ソーソン」は空中へ高く飛び上がってから、一定範囲の箇所に落下攻撃を仕掛けるアビリティ「サンダーストライク」が使用できるなど、もはや人の域を超えた神の所業も垣間見ることができます。
そしてもうひとつ、試合を有利にすすめることができる「神秘のスプレー」があります。プレイヤーのランクを一定レベルまで上げると、戦闘時最大3つまで壁や床に文様をスプレーすることができるようになり、さまざまな効果を生み出すことができます。スプレーを踏んだ敵をジャンプさせたり、特定方向へスライドさせたりといった強制移動をはじめ、範囲内のプレイヤー全員に最大体力増加や射撃の反動軽減などのバフ効果を与えるものや、エリア端からゾンビがどんどん湧いて襲ってくるなど、さまざまな種類の現象を起こすことができます。持っていける神秘のスプレーはメニュー画面で選ぶことができるので、どのようなセットを組むか事前に決めておきましょう。
このスプレーと同じ現象を起こす消費アイテムとして「巻物」も存在します。こちらの場合使用回数は有限ではあるものの、その巻物にちなんだ効果を起こすことができるため、「次の試合は確実に勝ちに行きたい!」と思ったら忘れずに準備しておきましょう。
また、広大なマップにおける降下地点の選択は戦略の幅を広げていますが、人気地点が固定されていたりすると、そこに降りたとしても真っ先にやられてしまいすぐさまマッチングし直し……ということもあります。そのやり取りを繰り返し、人気のある降下地点でもうまく立ち回れるようになっていくという成長の面白さもありますが、それを行うためには相当な忍耐が必要になるでしょう。
その点、本作では準備フェーズがまったくないうえに、落下地点は完全にランダムなので、純粋に運が絡んできます。準備フェーズと降下地点における他プレイヤーとの読み合いを排除したことにより、開始地点からどう動いていくか、アイテムをどうやって確保していくか、といった考えに集中することができます。
また、もし運が悪く建物内やアイテムがすでになかったとしても、道中に落下していることがある冷蔵庫やスロットマシーンで複数アイテムを獲得することができます。スロットマシーンはマップ中に手に入るアステカの金貨を14枚投入することで、ランダムでアイテムが排出されます。体力回復や防具、ときにはレアな武器やアクセサリーがゲットできることも。拾えるものはすべて拾っていく気持ちで探索していきましょう。
プレイ時間は全体を通しても大体の目安で15分~18分ほどで終わりますし、マップの広さもちょうどよく、ゾーンごとの制限時間やエリアの範囲指定もほどよい間隔で短く、小さくなっていきます。プレイヤーの移動速度はもともと速いうえに、移動に便利なアビリティや儀式も存在しています。そのうえいくつか乗り物もフィールドに用意されているので迅速な移動手段についてはこと困りません。肝心のマッチング時間に関しても、ソロプレイであれば非常に速いので気軽に遊べるようになっています。
このゲームでは三人称視点時、ほかのプレイヤーに位置がバレるようになっています。そのバレ方もかわいらしく、三人称視点時はミニマップやレーダーに表示される、といったものではありません。小さな蝶や鳥など、さまざまな飛翔物がプレイヤーのカメラ役として背後でずっとホバリングをしているのです。日差しが強い場面で立ち止まり床を見てみると、ぱたぱたしている影が見つかると思いますが、この影がカメラとなっています。
三人称視点のゲームでは、一人称視点のゲームと比べて視野が非常に広く、一見自分が隠れられているように見えていても、相手のカメラから見た場合角度をすこし変えただけで丸見えになっているということもよくあります。逆に、しっかり隠れられているプレイヤーからすれば、体勢を低くしつつ建物内での籠城や壁裏への潜伏、茂みに伏せて行動することが有利になりますが、この状態でカメラをぐるっと動かすことで、周囲の状況を詳細に把握することができました。その結果、一人称視点では絶対に確認できないから来る敵を確認することができるので、待ち伏せをする側に利点が多くなりがちな印象があります。
本作においては、このような待ち伏せ側の利点を極力減らすために、一人称視点への変更を余儀なくさせるシステムになっています。もし、隠れなければいけなくなってしまった場合、一人称視点にすることによってカメラ役が顔に来るため、壁裏や茂みなどで隠れていても相手からは格段にバレづらくなります。その分、こちらが把握できる視界も制限されるので、隠れる側からすれば、よりくまなく周囲を振り向いたり、音を気にしたりと注意する機会が増えるのです。しっかり一人称にしていないと、遠距離からスコープで覗かれてしまった場合、確実にバレてしまいます。カメラ役の蝶や小鳥は結構高所を飛んでいるので、体が隠れるくらいの塀や塹壕だったら普通に見えてしまうのです。
このように、それぞれの視点にメリット・デメリットを埋め込むことで、どちらの視点も活用していくゲームルールになっているので、状況によって適宜切り替えていく戦略性が生まれています。ダッシュをはじめとした迅速な移動や視界の確保を行いたいときは三人称視点、物陰に隠れたいときや戦闘地域に巻き込まれてしまったときは一人称視点を心がける。こうしたフェアなゲームルールが、本作の面白さをより引き出していると言っていいでしょう。
現状では、先述したようにソロプレイにおいてはマッチングが非常に速いので、空いた時間にささっとプレイするに適した作品になっています。プレイを続ければ続けるほどレベルは上がり、コスチュームや儀式の種類もどんどん増えていきます。課金要素としては、ゲーム進行でもキャラクターやコスチューム、儀式の早期開放、課金購入限定コスチュームやジェスチャーなどがあります。気に入ったキャラクターをもっと格好良くしたい、新しいキャラクターをもっと早く触りたい!という方は課金を視野に入れてみましょう。自分の戦い方にあったものを組み合わせ、最善の状態でこのシュールでぶっ飛んだ戦場へと繰り出してみてください!
Published by EXNOA LLC. ©2020 Gaijin Entertainment. Developed by Darkflow Software. All rights reserved.
●タイトル:Cuisine Royale(キジュイーヌロイヤル)
●発売元:DMM GAMES
●開発元:Gaijin Entertainment
●ジャンル:バトルロイヤルシューター
●発売日:2020年8月20日
●価格:基本プレイ無料(アイテム課金あり)
●必須スペック:
OS:Windows 7 64bit
プロセッサー: Intel Core i3
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: NVIDIA GeForce 560、AMD Radeon 77XX
DirectX: Version 11
ストレージ: 6 GB
●推奨スペック
OS: Windows 7/8/10 64bit
プロセッサー: Intel Core i7
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: Nvidia GeForce 1060 以上、AMD Radeon RX480 以上
DirectX: Version 11
ストレージ: 6 GB 利用可能
●公式サイトURL:https://cuisineroyale.games.dmm.com/
お鍋やお皿、点滴バッグ(?)を装備して戦いに挑め!
さて、表題にもあるとおり本作はいい意味でいろいろとぶっ飛んでいて、武器や防具、アイテムを集めて敵を撃つシューター要素と儀式や魂の回収などオカルト要素も混ざったものになっています。オカルト要素といってもおどろおどろしいものでもなく、ゾンビがわらわら湧いてくるくらいで全体的に雰囲気はゆるめです。装備することになる武器はクラシックな銃器をメインに、近接武器が数種類存在しています。一部強力なものとして現代銃器が混ざっていますが、レア度が高いのか見かける機会は少ないかもしれません。ここまでは実在する銃を使用するバトルロイヤル作品ではよく見かけるものになっていますが、防具は違います。
本作のぶっ飛びポイントその1として、防具やアクセサリーの種類の多さとその意外さです。戦場で身を守るものとして大切な防具ですが、本作に存在するのは防弾チョッキやボディアーマー、軍用ヘルメットだけではありません。それらの代わりとしても使える鍋や皿、フライパンなどを頭や肩、腰につけて身を守ることとなります。
最初に見たときは、それらの防具を装備した格好のシュールさに思わず笑ってしまいました。なかにはどうやって取り付けているのか不思議なものも、絶対に守れていないだろうといったものも多々あります。しかし、この戦場ではそういったものも使っていかなくては勝てないのです。
キャラクターの能力をアップさせるアクセサリーも一癖二癖あるものばかりになっています。例として点滴バッグを装備すると、HPが一定時間で自動回復するようになったり、大きな葉巻を装備すると最大HPが60%増加したり、クラシックなメガネをかけると射撃性能が上がったりなどがあります。
どのアクセサリーも大抵の場合はプレイヤーにメリットをもたらすものばかりですが、荷物を所持しすぎたり、装備品の種類によっては移動時の音が大きくなったりするうえに、点滴バッグが掛けてあるガートル部分や葉巻の煙といったように視認性が高まる場合も。戦闘時に有利な装備が多くある分、それらを所持しすぎるとデメリットが発生するようになっているのです。
気付かれぬようになるべく遠距離から狙撃したり、敵がいそうな地点ではしゃがみや伏せ状態での移動を心がけたりと、プレイヤーの腕でカバーしていくことになるでしょう。
プレイヤーが操作することになるキャラクターたちは、デフォルトで下着です。コスチュームは多数存在しており、プレイヤーランクやゲームの進行度によって開放されていきます。基本的には服装の柄が変わっていくだけなのですが、なかにはマスクや魔除けをつけられるようになることも。コスチュームによっては後述するソウルの獲得量が増加したり、落ちているアイテムが見えやすくなったりと、身につけるだけで特殊効果を発動するものもあります。
さまざまな武器や防具を装備していき激戦区へと飛び出すと、そこはもうカオスの世界。一見なんの集団なのかわからない人たちが銃を連射したり、フライパンで殴り合ったりと、とてつもなくシュールな光景が繰り広げられます。しかし、そうした光景のなかには、なかなかに戦略性の高いゲームシステムが内包されていました。
固有アビリティと儀式を使いこなせ!
本作の大きな特徴であり、筆者のぶっ飛びポイントその2として、選んだキャラクターによって固有アビリティが使える点と、レベルが上がるにつれてバトル中にトラップや儀式が使えるようになる点があります。これらは、戦闘中に敵を倒すことによって溜まるソウルを一定数集めると使用可能になり、内容によっては一度発動するだけでも戦闘を大きく有利にすることができます。初期状態で使用できるキャラクターの固有アビリティは一定時間獣となって体力や速度をはじめとした全能力が強化されるビースト化と、発動した地点から周囲の空間をスローモーションにさせるバレットタイムの2つがあります。
初期キャラクター「クライド・’ダース’・ムリカン」が使用できるアビリティ「ビースト」は、獣の魂を憑依させて戦いを始めるものとなっており、体力や攻撃力、移動速度などすべての面において大幅にパワーアップします。ダッシュ移動時は四足歩行になり姿勢も低くなるので、相手からは狙いづらくなるというメリットもあります。必要ソウルも初期状態で使用できるキャラクターのなかでは最少で、クールタイムの回復も速いので気軽に使っていくのもいいでしょう。しかし、デメリットとしてビースト化中は近接攻撃しかできなくなります。確実に相手を仕留める、もしくは緊急時の脱出時といった、ここぞというときに使っていきましょう。
もうひとりの初期キャラクター、「アニー・‘ピンナップ’・アシュリー」は「バレットタイム」が使用できます。一定時間ではあるものの、周囲の時間を遅くすることができるため、とっさの事態に陥った際でもバレットタイムが発動できれば落ち着いて狙いを定めることができるでしょう。また、バレットタイム中は敵を赤く照らしてくれるので、草むらや木の影に隠れていても視認しやすくなります。使用するためのソウルは先に述べたビリーのビースト化よりも多いですが、射撃やジャンプをはじめ通常通りの行動ができるので、より有利な状況を作り出すことができるでしょう。
ゲームの進行や課金によってアンロックできるキャラクターである「イッツ・オセロトル」は、自身の体が現世と魂の世界を行き来できるようになるアビリティ「スピリットウォーク」を持っていますし、雷神の力を持つ「エリック・‘トーデン’・ソーソン」は空中へ高く飛び上がってから、一定範囲の箇所に落下攻撃を仕掛けるアビリティ「サンダーストライク」が使用できるなど、もはや人の域を超えた神の所業も垣間見ることができます。
そしてもうひとつ、試合を有利にすすめることができる「神秘のスプレー」があります。プレイヤーのランクを一定レベルまで上げると、戦闘時最大3つまで壁や床に文様をスプレーすることができるようになり、さまざまな効果を生み出すことができます。スプレーを踏んだ敵をジャンプさせたり、特定方向へスライドさせたりといった強制移動をはじめ、範囲内のプレイヤー全員に最大体力増加や射撃の反動軽減などのバフ効果を与えるものや、エリア端からゾンビがどんどん湧いて襲ってくるなど、さまざまな種類の現象を起こすことができます。持っていける神秘のスプレーはメニュー画面で選ぶことができるので、どのようなセットを組むか事前に決めておきましょう。
このスプレーと同じ現象を起こす消費アイテムとして「巻物」も存在します。こちらの場合使用回数は有限ではあるものの、その巻物にちなんだ効果を起こすことができるため、「次の試合は確実に勝ちに行きたい!」と思ったら忘れずに準備しておきましょう。
ゲームを通してテンポが非常に早く、気軽に遊ぶにはもってこいの一作!
ぶっとびポイントその3として、本作ではマッチングの際にはさまる準備フェーズがまったくなかったことと、降下地点の選択をあえてなくしている点があります。バトルロイヤルゲームにおいて、たいていの場合はマッチング中に準備フェーズが入ることが多く、そこでは武器やアイテムを試したりエイムの練習をしたり、ほかのユーザーとコミュニケーションを取れます。マッチングが早ければそのフェーズも1~2分程度で終わるのですが、あまりプレイヤーがいなくなってしまった作品では時間がかかると、準備フェーズのまま試合がはじまらない……なんてことも。また、広大なマップにおける降下地点の選択は戦略の幅を広げていますが、人気地点が固定されていたりすると、そこに降りたとしても真っ先にやられてしまいすぐさまマッチングし直し……ということもあります。そのやり取りを繰り返し、人気のある降下地点でもうまく立ち回れるようになっていくという成長の面白さもありますが、それを行うためには相当な忍耐が必要になるでしょう。
その点、本作では準備フェーズがまったくないうえに、落下地点は完全にランダムなので、純粋に運が絡んできます。準備フェーズと降下地点における他プレイヤーとの読み合いを排除したことにより、開始地点からどう動いていくか、アイテムをどうやって確保していくか、といった考えに集中することができます。
また、もし運が悪く建物内やアイテムがすでになかったとしても、道中に落下していることがある冷蔵庫やスロットマシーンで複数アイテムを獲得することができます。スロットマシーンはマップ中に手に入るアステカの金貨を14枚投入することで、ランダムでアイテムが排出されます。体力回復や防具、ときにはレアな武器やアクセサリーがゲットできることも。拾えるものはすべて拾っていく気持ちで探索していきましょう。
プレイ時間は全体を通しても大体の目安で15分~18分ほどで終わりますし、マップの広さもちょうどよく、ゾーンごとの制限時間やエリアの範囲指定もほどよい間隔で短く、小さくなっていきます。プレイヤーの移動速度はもともと速いうえに、移動に便利なアビリティや儀式も存在しています。そのうえいくつか乗り物もフィールドに用意されているので迅速な移動手段についてはこと困りません。肝心のマッチング時間に関しても、ソロプレイであれば非常に速いので気軽に遊べるようになっています。
清々しさすらあるぶっ飛び加減で思わず見過ごしがちだが、その実フェアなルールに則っている!
私が考える本作の一番良き点として、ゲームシステムとしてとてもフェアに、そして研究し甲斐のあるルールやプレイデザインが作られているということが挙げられます。見た目の印象に引っ張られてしまいがちですが、武器や防具、アクセサリーやコスチュームの性能はしっかり差別化されており、プレイヤーによって多くの戦略が生み出されています。そして、私が「おおっ!」となった独特なカメラシステムには、開発者によるフェアなルールへのこだわりをうまく表しているように感じました。このゲームでは三人称視点時、ほかのプレイヤーに位置がバレるようになっています。そのバレ方もかわいらしく、三人称視点時はミニマップやレーダーに表示される、といったものではありません。小さな蝶や鳥など、さまざまな飛翔物がプレイヤーのカメラ役として背後でずっとホバリングをしているのです。日差しが強い場面で立ち止まり床を見てみると、ぱたぱたしている影が見つかると思いますが、この影がカメラとなっています。
三人称視点のゲームでは、一人称視点のゲームと比べて視野が非常に広く、一見自分が隠れられているように見えていても、相手のカメラから見た場合角度をすこし変えただけで丸見えになっているということもよくあります。逆に、しっかり隠れられているプレイヤーからすれば、体勢を低くしつつ建物内での籠城や壁裏への潜伏、茂みに伏せて行動することが有利になりますが、この状態でカメラをぐるっと動かすことで、周囲の状況を詳細に把握することができました。その結果、一人称視点では絶対に確認できないから来る敵を確認することができるので、待ち伏せをする側に利点が多くなりがちな印象があります。
本作においては、このような待ち伏せ側の利点を極力減らすために、一人称視点への変更を余儀なくさせるシステムになっています。もし、隠れなければいけなくなってしまった場合、一人称視点にすることによってカメラ役が顔に来るため、壁裏や茂みなどで隠れていても相手からは格段にバレづらくなります。その分、こちらが把握できる視界も制限されるので、隠れる側からすれば、よりくまなく周囲を振り向いたり、音を気にしたりと注意する機会が増えるのです。しっかり一人称にしていないと、遠距離からスコープで覗かれてしまった場合、確実にバレてしまいます。カメラ役の蝶や小鳥は結構高所を飛んでいるので、体が隠れるくらいの塀や塹壕だったら普通に見えてしまうのです。
このように、それぞれの視点にメリット・デメリットを埋め込むことで、どちらの視点も活用していくゲームルールになっているので、状況によって適宜切り替えていく戦略性が生まれています。ダッシュをはじめとした迅速な移動や視界の確保を行いたいときは三人称視点、物陰に隠れたいときや戦闘地域に巻き込まれてしまったときは一人称視点を心がける。こうしたフェアなゲームルールが、本作の面白さをより引き出していると言っていいでしょう。
現状では、先述したようにソロプレイにおいてはマッチングが非常に速いので、空いた時間にささっとプレイするに適した作品になっています。プレイを続ければ続けるほどレベルは上がり、コスチュームや儀式の種類もどんどん増えていきます。課金要素としては、ゲーム進行でもキャラクターやコスチューム、儀式の早期開放、課金購入限定コスチュームやジェスチャーなどがあります。気に入ったキャラクターをもっと格好良くしたい、新しいキャラクターをもっと早く触りたい!という方は課金を視野に入れてみましょう。自分の戦い方にあったものを組み合わせ、最善の状態でこのシュールでぶっ飛んだ戦場へと繰り出してみてください!
Published by EXNOA LLC. ©2020 Gaijin Entertainment. Developed by Darkflow Software. All rights reserved.
●タイトル:Cuisine Royale(キジュイーヌロイヤル)
●発売元:DMM GAMES
●開発元:Gaijin Entertainment
●ジャンル:バトルロイヤルシューター
●発売日:2020年8月20日
●価格:基本プレイ無料(アイテム課金あり)
●必須スペック:
OS:Windows 7 64bit
プロセッサー: Intel Core i3
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: NVIDIA GeForce 560、AMD Radeon 77XX
DirectX: Version 11
ストレージ: 6 GB
●推奨スペック
OS: Windows 7/8/10 64bit
プロセッサー: Intel Core i7
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: Nvidia GeForce 1060 以上、AMD Radeon RX480 以上
DirectX: Version 11
ストレージ: 6 GB 利用可能
●公式サイトURL:https://cuisineroyale.games.dmm.com/
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