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『Legend of Keepers: 闇の守護神』ボスモンスターになってダンジョン運営! ローグライトでリプレイ性の高いゲームシステム!【オススメPCゲームレビュー】

Goblinz Studioは2020年3月20日、Steamにてダンジョン運営ローグライトストラテジー『Legend of Keepers: 闇の守護神』(以下、Legend of Keepers)の早期アクセスを開始、5月18日にはアップデートが入り、MOD機能やいくつかの要素が追加された。本作は財宝の眠るダンジョンのボスモンスターとなり、トラップやモンスターを配置して冒険者のダンジョン攻略から財宝を守っていく。


定期的に訪れる冒険者に備えてダンジョンを運営・強化していき、ゲームオーバーになったら1からやり直しのいわゆる「ローグライト」スタイルのストラテジーゲームだ。

ローグライク×デッキ構築型カードゲーム『Slay the Spire』や、ブラック冒険者マネジメントRPG『Darkest Dungeon』などの影響を感じられる本作。それらの名作譲りのリプレイ性の高さはもちろん、冒険者ではなくモンスター側としてプレイしていくのが『Legend of Keepers』の持ち味となっている。

今回のレビューではその本作ならではの楽しさを紹介していこう。

ダンジョンボスは中間管理職!?
部下モンスターをケアしつつダンジョン運営!

『Legend of Keepers』では、プレイヤーは新任のダンジョンボスとして着任するところから始まる。1本道のダンジョンにトラップを仕掛け、部下の雑魚モンスターを配置していき、攻略する勇者とターンベースのコマンド式RPGの戦闘を行い、財宝を奪われないように撃退するのが基本の流れ。

だが『Legend of Keepers』はそれだけを繰り返すゲームではない。無事勇者を撃退したら次の勇者に備えて準備を行うのである。勇者が現れるまでの期間は数週間ほどあり、毎週の行動を選択していくのがこのゲームの基本的な行動だ。

新しいモンスターやトラップを購入、トラップやモンスターを強化、その他さまざまなイベントの中から一つの行動を選択し、勇者が来るまでの間にダンジョンを強化していく。モンスターたちやトラップには多数のバリエーションがあり、モンスターは部屋ごとに3体まで配置できる。モンスターとトラップをシナジーの生まれるように編成、強化を行っていくのは、本作の面白さのひとつ。

▲多彩なトラップ。毒霧でジワジワ勇者たちを削る

▲ダンジョンでは道中でボス(=プレイヤー)のスキルも使える

▲ボス面での戦闘。ボスだけを強化して己の力で戦うのもアリだ

本作の基本の流れは前述のとおりだが、勇者を撃退したらまず最優先で行わないといけないのが、戦闘で疲労しコンディションが低下した部下たちのケアである。勇者に倒された部下はネクロマンサーによってノーコストで蘇生(ロストしない)するが、倒されるたびにコンディションが低下し、コンディションが最悪になると長期間出撃させられない「燃え尽き症候群」になってしまう。

そこでプレイヤーは、部下のモンスターたちを駐屯地で休ませ、コンディションをマネジメントしていくことになるのだが、ここに本作のエッセンスが詰まっていると筆者は感じた。

強化したモンスターたちの理想的なシナジーがこのコンディション管理によって成立せず、今戦えるモンスターだけの即席パーティを作ることになったり、なんとか編成が成立するようにローテーションを組むことになったりする。これこそが本作の面白さの核、まさに「悩める中間管理職」なのである。

▲勇者に倒される部下の雑魚モンスター。だんだん可哀想になってくるがボスが倒されなければ問題ない

▲疲労した部下モンスターを管理。自分の考えたシナジーがまったく成立しなくなることも

本作のもうひとつの面白さは、やはりローグライトらしい「ランダム制」だ。プレイ毎に得られるモンスターやトラップが変化するのはもちろん、毎回異なるイベントに遭遇し、予期せぬ出来事が起こる。

さらには、ゲームオーバーになったら経験値がたまり、ボスキャラの育成を行うことができる。スキルツリー式の育成システムで、とれる様々なプレイスタイルを補強してくれるものが多い印象だ。

▲ダンジョン防衛に成功すると3種のうちから一つ報酬が得られる。『Slay the Spire』をプレイした人ならおなじみのシステムだ

▲時には本部にトラップの貸し出しを請われることも。来週には勇者たちが来るのに……

▲イベントでプレイヤーにダメージが! 「労災」の二文字にクスっとくる

▲ボス(=プレイヤー)を強化できるスキルツリー。とりたいプレイスタイルに合わせて育成しよう

ローグライク的なランダム制やビルドの楽しさ、そしてマネジメント要素がうまく合わさり、『Legend of Keepers』ならではの面白いシステムとなっている。ダンジョンを進んでくる勇者たちを、トラップや雑魚モンスターで削りつつゴールさせないシステムは、ターン制のバトルを採用していながらタワーディフェンスゲームも彷彿とさせる。名作の良い点をしっかり踏襲しながらも、独特のプレイフィールを実現しているといえるだろう。

日本語ローカライズは公式で対応済。少し直訳気味なところもあるが、問題なくプレイできる。ゲームが進んでいくとマネジメントが安定してしまい、当意即妙の楽しさなどが損なわれてしまう点や、一部敵のバランスなど、早期アクセス故にまだ調整不足な部分もあるが、基本的なシステムはよく出来ていると言っていいだろう。妙にコミカルな雰囲気や繊細なドット絵のグラフィックもいい雰囲気で、戦闘中の細かいアニメーションを見るだけでもこだわって作っているのがわかる作品だ。

早期アクセスを無事完遂したころには、インスパイア元の『Slay The Spire』や『Darkest Dungeon』と肩を並べるほどの良作になっているかもしれないので、今のうちからぜひチェックしておこう。

ⓒ2020 Goblinz Studio

『Legend of Keepers 闇の守護神』公式Twitter
https://twitter.com/legendok_jp
『Legend of Keepers 闇の守護神』Steamページ
https://store.steampowered.com/app/978520/Legend_of_Keepers/
【連載】Alienware Zone PCゲームレビュー<2020年版>

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