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歓喜と怒気のCAPCOM CUP【ストーム久保の「プロ格闘ゲーマーのゲンバから」第2回】

どうも、ストーム久保です。

2018年12月14日から16日にかけて開催された世界大会「CAPCOM CUP 2018」に出場してきました。この世界大会で優勝!なんて言葉から執筆を始めたかったのですけどね……。

結果は9位タイ。TOP8に残ることはできませんでしたが、ここは皆さんに上出来だと誉めてほしいところではあります。

1年間の集大成をぶつけ合うこの大会で経験したことを、「CAPCOM CUP 2018」の思い出が美化も歪みもしないうちに書きまとめたいと思います。

1回戦

初戦は韓国のN.L選手、使用キャラクターはキャミィです。N.L選手とは「CAPCOM Pro Tour」を巡っている最中何度かトーナメントで当たることがあったのですが、トータルの成績は負け越してしまっている相手です。

勝ち越すことができないまま、N.L選手は出場が確実な位置までポイントを稼ぎ終わり、そこからしばらく予選大会には参加しなくなったので、イメージを払拭することができずに本選を迎えることになってしまい、自分の中では大きな不安がありました。

そのことは前評判にも強く影響していて、どちらが勝つかの予想では僅かにN.L選手が上回っていましたが、逆に見返してやるチャンスなのだと自分を奮い立たせて試合に挑みました。

CAPCOM CUP 2018 TOP32(OPENREC.tv)

キャミィは強いキャラクターという事もあって国内外問わずプレイヤーがいますので、大会で勝つためにも一番対策をしていたキャラクターです。

最後にN.L選手と対戦したときとは格段に対策のレベルが上がっていたのでキャミィに対する苦手意識も無く、全体的に緊張せずに自分のプレイを崩さずに戦えたと思います。

対してN.L選手は緊張からなのか、普段なら高い精度で成功させるヒット確認を失敗する場面を見かけました。

この大舞台ではどれだけ強いプレイヤーもミスをしてしまう。それは「CAPCOM CUP 2018」すべての試合で言えることだったと、今私は噛みしめます。


本調子を取り戻される前にN.L選手を倒して2回戦に進出します

平成最後のマジギレ

2回戦目はアメリカの若手プレイヤーPunk選手、使用キャラクターはかりんです。

私は彼のファンでした。「EVO2017」であのときどさんを苦しめたところを見たからです。今年は身をもって彼の上手さ、強さを知りました。

それだけに彼を許せなかった。

《ストーム久保選手 vs Punk選手》

Punk選手の立ち回りの上手さに圧倒されて私は瞬く間に試合を取られてしまいました。あまりの強さに私は「これだけ上手い人にこの舞台で負けるなら悔いは無いな」と思ってしまうほど、彼は強かった。

2試合目もあっという間に画面端で気絶させられて負けが確定したときは、もう清々しさまで感じていたほどです。

しかし、トドメを刺す前に彼は私に対して屈伸(※立ち→しゃがみを繰り返して相手を煽る行為)をした。

それは、大会を盛り上げるパフォーマンスだったのか。もしかしたら、アビゲイルに苦しめられていた彼は、1年間のうっぷんを晴らすためだったのか、圧倒的な実力差を見せつけるつもりだったのか……。ここで私の心に火が付きました。

「ふざけんじゃねぇよッ!」


ここは私が1年前に憧れた夢の舞台で、すべてを懸けてやっと成し遂げた目標です。それを……いくら強くて尊敬している人でも汚すのは絶対に許さない。

頭の中で感情が爆発してアツくなって、一気に冷静になってこの大会で絶対に達成する目標を自分の中で設定。

「こいつ(Punk)を絶対にこの夢の舞台から引きずり落とす」

そこからは勝つために必死でした。読み合いを制して、ゲーム内でも外でもプレッシャーを感じさせて追い込む。

0-2から2-2まで追い上げるとPunk選手がキャラクターを「春麗」に変更しました。その瞬間勝利を確信したのをはっきり覚えています。


非常に嫌な気分でしたが、自分の大事なものを守れましたので良しとしましょう。本気で負けたくない試合を、この大舞台で経験できたことはプラスに働いてくれるでしょう。

今後、私と同じくあの舞台を夢見る人達のためにも、ああいった行為はやめてほしいと心の底から思っています。

力の差

3試合目。まさか最後の大会でこんなにも力の差を感じさせられるとは、思わず笑ってしまいました。

《ストーム久保選手vs藤村選手》

翌日に行われるTOP8を決める試合。相手は日本最強プレイヤーと名高いチーム不動の藤村選手、使用キャラクターはいぶきです。

私の使用キャラクターのアビゲイルは、藤村選手の使用キャラクターに対して有利に戦えるので、これは今回行けるところまで行けるのではないか?

……なーんて甘くはなく、藤村選手に試合のペースを握られ続けて0-3の圧倒的ストレート負けてルーザーズに落ちます。今大会で一番早く終わった試合だったのではないでしょうか?

実力そして大会力の差を感じてしまいました。何よりも終始自分のプレイがまったくできなかったのが悔やみきれません。


お前は何のために来たんだってしばらく自分の攻めます。

来年はもっと食らいつけるように練習あるのみですね。

4試合目

ルーザーズに行って、相手はももち選手、使用キャラクターはコーリンです。

《ストーム久保選手 vs ももち選手》

ももち選手はケン、是空、コーリンと複数のキャラクターをどれも高いクオリティで使えるプレイヤーなのでどれを使ってくるのか不安でした。

今思うと是空は相性的に出さない、ケンはウィナーズで板橋ザンギエフ選手のアビゲイルに負けてしまっているので消去法で使うのはコーリン! と導き出せるはずだったのに……。

ギリギリまで謎の是空読みをして是空対策を練っていた私は、いざ試合が始まるとコーリンに対しての対策を思い出せずに悪戦苦闘します。

途中でスマホに保存してある対策を書きまとめたメモを見て動きを思い出そうと目を通しますが、メモの内容がわかりづらい書き方をしていたことがこの場でようやく判明します。


ポイントだけは書いてあったのでそこを踏まえながら試合をしていくと、だんだんと思い出していくのですが、この切り替えが本当に遅い。切り替えている間に1試合取られているわけですからね!

途中から動きはよくなっていったものの、ここぞというところでジャンプキャンセルコマンド投げを失敗したり、危険なタイミングで甘えた行動を取ってしまったりでしっかり咎められてしまい、2-3のスコアで負けてしまいました。

実力はもちろん、普段の行いが悪かったのだと痛感した試合でした。ですが、そのときのコンディションでやれることはやったはずなので、次に繋げられるようにまた練習して来年に備えます。

こうして私の「CAPCOM Pro Tour」ならび「CAPCOM CUP 2018」は終わりました。夢の舞台に立つために目標を達成したことは、私の人生で1番誇れることとなりました。

また来年もこの舞台に立つことができるように必要なことには、すべて挑戦していく所存です。

最後に

2017年12月に憧れた夢が、2018年1月から目標となりました。その目標を達成して夢の舞台に立つまで多くの人に支えて頂きました。

活動開始初期から応援してくれているリスナーの皆さん、海外予選を回らせてくれたチームAtlasBear、サポートをしてくれたスポンサーの無敵時間様、迷惑をかけ続けた家族、友人。

皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。

「CAPCOM CUP 2018」の決勝の後にすぐゲームバランスの調整が入ったことで、オフシーズンとは? となりましたが、気を緩めなくて済むので誠心誠意努めていきます。今後ともよろしくお願い致します。

それではまた!


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