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『夏休みは切島邸にて』2時間ドラマ感覚で楽しむ200円のホラーノベル!【Steamジャケ買い1本勝負 第131回】

知らないゲームをジャケ買いしたい! こんにちは! ゲームブロガーのラー油です!

1月ということもあり、寒さが続く毎日。ここは夏休みを舞台にしたゲームを遊んで、気分だけでも暑い夏気分を味わおうと思ったら、ホラー展開で全然心が休まらなかったこちらをご紹介。


DELTARTSより、Steamにてなんと200円で配信中の『夏休みは切島邸にて(ナツキリ)』です。

選択肢でストーリーが分岐するノベルゲームで、3Dモデルや3D背景を使ったビジュアルが特徴になっています。


ストーリーは高校生であるアキセとその妹であるカエデが、初対面の叔父であるキリシマの家に遊びに行くというもの。これがタイトルにもある切島邸で、場所はバスと電車を乗り継がないと辿り着けない田舎。


遠路遥々やってきた2人を出迎える叔父さんは結構若いイケメンで料理も上手い! これは楽しい夏休みになりそう……ですが、こんな導入で平和に終わるはずもなく、待ち受けるのは恐怖の連続。2人は無事に脱出することができるのか!? という内容です。


テキストを読み進めてたまに出る選択肢を選んでいく構成で、複雑な分岐も無し。3Dを使っているのはあくまでも背景やキャラといったビジュアルのみで、ゲームとしてはオーソドックスなノベルゲームです。

ただ、要所でのボイス演出や、3Dならではの動きのあるシーンの多さが特徴ですね。キャラの髪の動きや、部屋を通るようなカメラワークなどで臨場感を出しており、舞台となっている切島邸の構造もわかりやすい。


頻繁に挟まる階段を上り下りするムービーなどは特に印象的です。製作者さんは意図していないと思うのですが、個人的には初代プレイステーション時代のADVのようだなと。荒々しい動画が挟まるからこそ、ジワジワ高まっていく怖い雰囲気が好印象でした。

一方で、画面表示の背景で白っぽいシーンが来ると文字が読みづらかったり、武器を振り回すシーンでカラフルなエフェクトが出まくるのが『スターウォーズ』みたいでシュールだったり。もうちょっと出番欲しかった……というキャラがいたりと、気になる点や物足りない点もチラホラ。とはいえ、お値段を考えれば十分過ぎるクオリティですね。

ラー油的お値段評価:これで200円は破格!


コンプまで2時間掛からないボリュームでシナリオも単純なものの、ポイントは押さえられていて、2時間ドラマ的なホラーノベルで満足できました。

フリー音源を一切使っていないオリジナルのBGMや、作者さん自ら歌唱する主題歌などなど、小規模制作ながら気合いと工夫が感じられる作りで、いい意味で低予算ホラー映画のような雰囲気がたまりません。3Dで作られた切島邸を行ったり来たりする構成が、「ロケでこの屋敷を借りた」っぽい空気感があるんですよね。

ゲームクリエイター甲子園2022で『竹谷彰人賞』も獲得したそうで、なかなかの掘り出し物でした。次回作にも期待!


©2022 DELTARTS

『夏休みは切島邸にて(ナツキリ)』Steamページ
https://store.steampowered.com/app/2154800/_/?l=japanese
【連載】ラー油のSteamジャケ買い1本勝負

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