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『僕たちが死ぬまであと七日』タイトル回収が光るサイコサスペンス!【Steamジャケ買い1本勝負 第85回】

2021年が始まったと思ったらもう結構時間が過ぎ去っている……。時の流れの速さに怯えつつ、まずは落ち着いてゲームのジャケ買い! 今回はキャッチーなタイトルに惹かれたこちらをチョイス。


致意から450円で発売中の『僕たちが死ぬまであと七日』です。物語を読み進めていくノベルアドベンチャーゲームで、選択肢によって分岐するオーソドックスな作りとなっています。タイトルに加えて、商品ページに書かれた「本作ではいかなるエンディングを迎えても最後は主人公が死に至ります」という文面がじつに強烈。

それはちゃんと見届けてお悔やみ申し上げなければ……と購入しました。


主人公は、とある高校でクラス委員長を務める寒川一郎。学校では模範生徒で上手くやっていたものの、頻繁にパンクする自分の自転車や、自殺をほのめかす怪しいカウンセリングサイトの噂、そして不審な内容の夢など……。

平穏な日常が少しずつ崩れていく上に、ゲーム内で1日経過する度に、「僕たちが死ぬまであと○日」とカウントダウンが進んでいきます。なかなか緊張感がある構成……。


マルチエンディングとストーリー分岐によって浮かび上がる、登場人物たちの生々しい境遇と、死生観にまつわる哲学的な会話の数々が印象に残る作品です。中国のデベロッパーによる中国を舞台にした作品ということで、日常パートの描き方もやや日本のゲームとは異なるのが興味深いところ。


登場キャラとの交流で一息付けるシーンもあり、個人的には主人公の近くにいる白髪の美少女、広末アキがお気に入り。小動物的な可愛さのあるキャラで、高価なカンガルー弁当を食べたがっている場面では、迷わず奢ってあげる選択肢を選びたくなりますね。

ストーリー分岐はやや複雑で、正解の選択肢を積み上げることでフラグが立ち、選べなかった選択肢や、異なるエンディングが解放される構造になっています。とはいえ、分岐が一目で分かるフローチャートや「次の選択肢まで画面をスキップする」機能もあるため、遊びやすい作り。

攻略することで謎めいた描写の正体が明らかになり「この段階でこれに気づくのか!」と驚く展開になったりと、物語を読み込む楽しさがしっかりあります。

ただ、短い作品なので登場人物の掘り下げはあっさりしていて、「このキャラ、これで終わり?」と思う箇所もあったり。そこはちょっと物足りないところでした。

【ラー油的適正価格:450円(Steam価格450円)】
続きが気になる展開に、なるほどと納得いくトゥルーエンド。海外作品ですが翻訳もまったく違和感の無い精度で、短編のサイコサスペンスとしてよく出来た1本でした。
タイトルに惹かれた人は、今すぐカウントダウン!

(C)2021 致意

『僕たちが死ぬまであと七日』Steamページ
https://store.steampowered.com/app/1528130/
【連載】ラー油のSteamジャケ買い1本勝負

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