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『Yuppie Psycho』ドットで描かれた世界観とムービーが秀逸のホラーアドベンチャーゲーム【Steamジャケ買い1本勝負 第46回】

多種多様なゲームが跳梁跋扈するSteamの中から、メジャー、マイナー問わず直感で選んだ1本をご紹介! 46回目となるSteamジャケ買い1本勝負はこのタイトル!


Another Indieが1730円で配信中の『Yuppie Psycho』。世界的大企業に入社した主人公が、血と腐臭で彩られた恐ろしい仕事に挑むことになるホラーアドベンチャーゲームです。購入した理由はアートワークなどから伝わるセンスの良さと、商品ページに書かれた設定の奇抜さに惹かれたから。

……と、いうのは建前で、本当はメインビジュアルに映っているロボットの女の子が、1989年の特撮作品『超獣戦隊ライブマン』に出てくるコロンというキャラに似ていたからですね!


舞台は厳しい階級制度が存在する架空の90年代的な世界。若者パスターナックのところに大企業シントラ社から採用の手紙が届く。低ランクな自分のところになぜ?と、半信半疑で入社してみたところ、そこは方々に死体が転がり、怪物がうろつく中で仕事をしなければいけないブラック企業だった! いや、そこら中が血まみれでレッド企業!

パスターナックに与えられた仕事は社内をおかしくしている「魔女」の抹殺。気弱でなんのスキルも持っていないパスターナックは、仕事を達成することができるのか? という内容になっています。


サポートしてくれるロボットのシントラに協力してもらったり、同僚から話を聞いたり、オフィスを探索して「魔女」に繋がる情報を集めていく流れですが、とにかくどこに行っても死体や、怪物のようになっている人間だらけ。

普通に働いてる人もいるものの、この状況で普通に働いてる人もそれはそれでおかしい……! 同僚たちもクセのある連中揃いで、ビビったり和んだりで魅力的なキャラが多くなっていますね。

ゲームとしてはホラー演出満載の社内で謎解きをしつつ、怪物が現れたら隠れてやり過ごしていく作り。待ち受けるのは首吊り死体、唾を弾丸のように発射する大口の人事部、目玉の付いた地雷、掴まると脳天を叩き割られる巨大プリンターなどなど。いくら給料が良くても割に合わないシチュエーションが次々に登場。

時折挿入されるデモムービーも素晴らしく、あの手この手でプレイヤーの心を揺さぶってきます。

「絶対進んだらダメなヤツじゃん!」
「えっ、これどうなっちゃうの?!」

など、とにかくこちらを不安にさせるような画作りが上手い! グラフィックが簡素なドットであることを効果的に活用しています。


ただ、ゲーム難易度は少し高め。

セーブするのに特別なアイテムを消費する仕様なのですが、敵の攻撃やトラップによるダメージがそれなりに激しく、死んだらセーブしたところからやり直し。回復アイテムの入手も限られており、さすがブラック企業という厳しさになっていますね。

しっかり探索すればそれなりにアイテムの余裕が出るバランスになっていて、ホラー的な緊張感にも繋がっているので、個人的にはこれはこれでアリ。

あと、マルチエンディングなのですがヒントが少なく、真エンドを見ようとすると苦戦は必至。ある程度攻略情報を見て遊ぶか、自分で頑張るかは貴方次第。

【ラー油的適正価格:2200円(Steam価格1730円)】
続きが気になるストーリーと秀逸な演出でグイグイ引き込んでくる内容。真エンドを見るまでガッツリ遊びこんでしまうほどハマりました。ブラック企業もたまにはいいもんですね(!?)。謎解きは手強いものの、ホラーゲーム好きならぜひとも入社してもらいたい1本でした。

© 2019 Baroque Decay/Another Indie

■ラー油のプロフィール
SIMPLEシリーズなどを応援するゲームブログ『絶対SIMPLE主義』を運営するブロガー。完全新作ソフトとダウンロード専用ソフトに目が無い。 宇宙人キャラをウリにしつつあるがキャラは固まっていない。
Twitter:https://twitter.com/daikai6
「シシララTV」連載コラム:http://sisilala.tv/myarticles/432

■関連リンク
Steam『Yuppie Psycho』のページ
https://store.steampowered.com/app/597760/Yuppie_Psycho/
【連載】ラー油のSteamジャケ買い1本勝負

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