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『市立カクレザ図書館』260以上の書が語る。すれ違う人の物語!【Steamジャケ買い1本勝負 第108回】

こんにちは! ゲームブロガーのラー油です!

ゲームを選ぶ際にまず見ることになるのがタイトル名。キャッチーなタイトルや、想像力を刺激されるタイトルが目に入ると、遊ぶ前からワクワクしてしまうもの。

今回はタイトルで興味を惹かれ、コンセプトを読んで買うしかない! となったこちらを紹介。


Norabakoから1010円で配信中の『市立カクレザ図書館』。図書館の新人職員となり、本の貸出業務を行うアドベンチャーゲームです。

期限は30日間。プレイヤーの選択次第でさまざまなエンディングに辿り着きます。


図書館のゲームということで、登場する本はなんと260種類。すべてに表紙や作者、あらすじが設定されている凝りっぷりが必見。こういう作り込みはゲームに厚みが出ますね。


基本は利用者が出した本をクリックするだけの単純な内容ですが、図書館ということで本を探すイベントも定期的に挟まります。

タイトルや表紙の断片的なヒントを元に、蔵書から該当する本を検索。正しい本をしっかりと選ばないといけません。


『三国英雄伝』というゲームの攻略本をお願いされて探したら、美少女ゲームである『三国姫設定資料集』の本が並んでるトラップも! 間違えて渡しても専用のセリフが用意されてるのがまた細かい。「三国ナントカ」という本やゲームは現実にも山ほどあるので、リアルさのあるイベントですね。

ただ、そこまで難解な依頼はなく、時間無制限なのでお気楽。利用者の皆さんには、こちらの気が済むまで待ってもらいましょう! 本のあらすじを読み込んでも怒られませんよ!


そして利用者が借りる本の傾向や、探している本、合間のデモシーンなどで、人間模様が浮かび上がってくるのが本作の魅力。

意外な人につながりがあったり、図書カードの情報からもいろいろと読み取れる構成。セリフは少なくても印象的なキャラばかりなので、会話などで楽しませてくれます。

もちろん図書館なので個人情報の扱いは重要! 最初に警告されますし、聞かれるイベントで教えてしまうと即バッドエンド! 図書館のゲームだけあってそこはちゃんとしてますね。


そしてたびたび出てくる「コトノリア」という謎の単語。

本の情報も交えながらこれを追う謎解きが物語の軸になっていて、意外な物語構造や演出も含めてこちらを引き込む作りです。

ただ、ゲーム自体はシナリオも含めてかなりあっさりした作り。

「利用者が希望する本を、全260冊の本から選ぶことでストーリーが分岐します」と、商品ページにはあるものの、大量のエンディングや個別ルートがあるわけではありません。

本探しイベントを間違えずに完了できるか、正しい選択肢を選べたか、の積み重ねでトゥルーエンドに行けるかが決まるので、アドベンチャーゲームとしては一本道に近い構成ですね。細かいイベント差分が多いのはいい所ですが……。

ラベルで本を探したり、利用者から投書が来るといった、図書館らしいイベントも1回限り。雰囲気作りやコンセプトは素晴らしかっただけに、もっとこのシステムと世界を深く堪能したかった! という気持ちになりました。

【ラー油的適正価格:1010円(Steam価格1010円)】
コンプリートまでは2~3時間ほど。小粒ではありますが、図書館司書を体験するゲームとして、確かな作り込みが感じられる1本でした。コンセプトに惹かれた貴方はぜひ。そしてより発展させた新作を希望します!

(C)2022 Norabako

『市立カクレザ図書館』Steamページ
https://store.steampowered.com/app/1854290/_/
【連載】ラー油のSteamジャケ買い1本勝負

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