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『Age of Empires II: Definitive Edition』レビュー:シリーズ屈指の人気作にしてRTSの金字塔! RTSを嗜むならまずはコレ!
今回はマイクロソフトの人気RTS『Age of Empires II: Definitive Edition』(エイジ オブ エンパイアII:ディフィニティブ エディション)のレビューをお届けします。タイトルからは『Age of Empires(AoE)』シリーズ第2作のリメイク版のように見えますが、実は少しややこしい事情があります。そのあたりの事情やオリジナル版が発売された当時の状況を交えつつ、本作の面白さを紹介したいと思います。
『Age of Empires II: Definitive Edition』のポイント
ちなみに昔話ですが、『AoK』はマルチプレイが可能な体験版が配布されていて、その完成度の高さから当時は体験版で対戦するというのがインターネット上の掲示板などで大きく盛り上がっていました。
筆者もその中のひとりで、とにかく時間が有り余っていた学生時代だったこともあり、夢中になってプレイしていました。体験版は若干の制限があったため、物足りなくなった筆者は製品版の『AoC』を購入し、学校の友人と共に1vs1のような少人数戦から4vs4人といったチーム戦、対AI戦など様々なモードで遊んでいました。
そのハマり具合は授業中もインターネットで戦略を調べたり、有効な戦い方を考え続けるほど。そして新しい戦い方を見つけるとすぐに友達を誘って実戦で試してみる。ひたすらにそんな繰り返しをしていました。
なぜそこまでハマったかというと。もちろん友人と遊ぶというコミュニケーションツールであったこともひとつの理由ですが、何よりもゲームの奥の深さだと思います。
具体的には、知識や経験という頭脳的要素と、理想の戦い方を実際に手を動かしてプレイするフィジカル的要素。強くなるためにはこの両方で強くならなければいけません。とくにフィジカル面は一朝一夕で身につくようなものでなく、時には単調に思えるような反復練習に明け暮れたこともあります。だからこそ他のプレーヤーに勝ったときの喜びが大きいのです。
ストイックだからこそやり込めて面白い!
さて、それでは改めてゲームについて解説していきます。
基本的なシステムは『AoE』シリーズと同じで、リアルタイムストラテジー(RTS)と呼ばれるジャンルです。リアルタイムに時間が経過する中、自分の文明を強化して、相手の文明より先に勝利条件を満たせばOKです。自分の文明で巨大な建造物を建てて守り切ったり、シンプルに相手の文明を叩き潰しても良いことになっています。ゲームシステムがシンプルであるがゆえにプレーヤースキルが大きく反映されます。
相手の文明に差をつけるためには、大きく「内政」と「軍備」の2つの要素が必要になります。そしてこの2つに共通するのが、プレーヤーの知識量、そして何より操作量が重要です。
知識面では普遍的な戦い方から、自分の文明、相手の文明の特徴を頭に入れる必要があります。具体的にはどの文明にどんなユニークな要素があって、どんな固有ユニットがあるか、ユニットごとの相性など知識面が勝敗に与える影響は大きいです。
例えば、弓兵には散兵が強い、騎馬兵には槍兵が強いといった相性があります。
また戦術にも様々な種類があり、速攻で勝負をしかける戦術とじっくりと発展させて勝負を決めにいく戦術など、それぞれに得意な点、弱点があり、マップの状況や相手の動き方にあわせて、適切な戦い方を選択しなければ勝利するのは難しいでしょう。
そしてそれ以上に重要なのが「操作量」です。操作量とは文字通り一定時間にどれだけ多くの操作を入力するかという要素です。
冒頭でも述べたとおり本作はリアルタイムにゲームが進行していきます。極端な表現をすれば対戦相手の2倍操作をすることができれば、2倍以上の戦闘ユニットを生産することもできるし、細かな操作で敵のユニットを効率よく倒すことができるというわけです。
そのストイックなゲーム内容から、eスポーツ的な文脈でも当時大きく盛り上がりを見せたタイトルです。
これらは前作の『Age of Empires: Definitive Edition』にも共通する要素です。もちろん続編なので大きく進化しています。そのひとつが文明の数です。拡張とリメイクを繰り返し30種類以上の文明が実装されています。そしてユニットの種類も大きく増えていて、文明やユニットごとの特徴を覚えたほうが勝ちやすい……というか、対人戦で本気で勝とうと思うと必須です。
そしてビジュアル面の表現も大きくレベルが向上しています。大元の雰囲気を活かしつつも、高解像度に対応し、細かなアニメーション表現なども追加されており、より生き生きとした住人たちの動きを見られます。
「スカーミッシュ」は本作の基本となるゲームモードです。これはシンプルに対戦を楽しむというモードです。対人戦はもちろん可能だし、AIを入れることも可能。もちろん難易度の調整も可能です。文明を指定することもできるし、ランダムにすることもできます。マップのタイプやゲームスピードの進行度なども設定可能です。
勝利条件は複数あり、例えば「民族の象徴」という巨大な建造物を建築して時間いっぱい逃げ切るだけでなく、「聖なる箱」という特殊なアイテムを集めることでも勝利できます。
もちろん圧倒的な軍事力で敵を蹂躙しても良いのです。平たく言えば攻めて勝っても良いし、守って勝っても良い。言葉通りにシンプルだが奥深いゲームプレイが楽しめるのです。
一方の「キャンペーンモード」は1人プレイ用のモードで、物語を楽しみながらコンピューター相手に対戦ができます。ただ敵と戦って終わりというものではなく、それぞれに勝利条件などが設定されており、「スカーミッシュモード」とは違う気持ちで楽しめます。シナリオは様々な国や時代をベースに作られており、歴史好きにはたまらないゲームプレイが楽しめます。
筆者は特に「スカーミッシュモード」が好きです。シンプルなのに何度も楽しめ、マップを変えたり、文明を変えたり、難易度を変えたり……、AI戦だけでも面白いのに、対人戦まで入れればその奥深さは無限大です。もっとも対人戦は熟練のツワモノが揃っているので、まずはAI戦をじっくりと楽しむのがオススメです。
文明ごとに戦い方が異なると記載しましたが、筆者が特に好きなのは「ゴート」という文明です。ゴートは城主の時代に「城」という建物から作成できるユニークなユニット「ハスカール」を持っていて、このユニットは移動速度が通常の歩兵より矢に対する防御力が高めになっているのが特徴です。
ただ真価はそこではありません。「無秩序」という技術を研究することで「戦士育成所」という建物からもハスカールを生産できるのです。城は建築するのに時間がかかる上に建築コストも高めで、ポンポンと複数建造できるような建物ではありません。しかし、「戦士育成所」はコストが非常に安く、建築速度が速いので容易に複数建築できます。
例えば4個の戦士育成所を建てれば理論上は4倍の速度でハスカールを生産できます。このハスカールによるラッシュはうまく決まると爽快です。大量のハスカールが敵文明を破壊していくのです。
他に筆者が知っている戦い方として、ビザンティンによる槍、散兵ラッシュという戦い方もあります。
チュートンは槍兵と散兵の生産コストが非常に安く、大量に生産することができます。また槍兵は騎兵の、散兵は弓兵のアンチユニットとなっていて、敵文明がこれらのユニットを生産していた場合でも比較的有利に戦闘を運ぶことができるし、そのまま残ったユニットで敵文明の村人などを倒していくと相手の成長を遅らせることができます。そのまま相手は降伏、そこまでいかないにしても大きく成長の差をつけ、その後の展開を有利に運べるというわけです。
RTSタイトルとして見ても非常に完成度が高いので、今プレイしてもかなり楽しめるのは間違いありません。やり込んでいけば対人戦で上を目指すという楽しみ方はもちろんできます。
過去に『AoK』や『AoC』をプレイした人は懐かしさや当時の戦略がそのまま通じる部分もあるので、ぜひプレイしてみていただきたい1本です。
(C) 2021 Microsoft. All rights reserved.
●タイトル:Age of Empires II: Definitive Edition
●ジャンル:リアルタイムストラテジー
●発売元:Xbox Game Studios(マイクロソフト)
●開発元:Forgotten Empires / Tantalus
●プラットフォーム:PC(Steam、Microsoft Store) ※Xbox Game Pass for PC対応(2021年7月現在)
●発売日:2019年11月14日
●価格:2350円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core 2 Duo または AMD Athlon 64x2 5600+
メモリー: 4GB
グラフィック:NVIDIA GeForce GT420 または AMD Radeon HD 6850 または Intel HD Graphics 4000
ストレージ: 30GB
●推奨スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core-i5 2.4Ghz または 同等のAMDプロセッサ
メモリー: 8GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 650 または AMD HD 5850
ストレージ: 30GB
●公式サイトURL:https://www.ageofempires.com/games/aoeiide/
●ダウンロードサイトURL:
Steam ダウンロードサイト
MSストア ダウンロードサイト
『Age of Empires II: Definitive Edition』のポイント
- シリーズの中でも屈指の人気を誇る1作
- 知識とフィジカルで戦うeスポーツライクな対戦
- 「スカーミッシュ」と「キャンペーン」でたっぷり遊べる
『AoE II』拡張版の、HD版の、さらにリメイク版!
本作はシリーズの第2作目『Age of Empires II: The Age of Kings』(AoK。エイジ オブ エンパイアII: エイジ オブ キング。1999年発売)の拡張版である「Age of Empires II: The Conquerors(AoC)』(2000年発売)のリメイク版『Age of Empires II: HD Edition』(2013年発売)の、さらにリメイク版という位置づけになっています。ちなみに昔話ですが、『AoK』はマルチプレイが可能な体験版が配布されていて、その完成度の高さから当時は体験版で対戦するというのがインターネット上の掲示板などで大きく盛り上がっていました。
筆者もその中のひとりで、とにかく時間が有り余っていた学生時代だったこともあり、夢中になってプレイしていました。体験版は若干の制限があったため、物足りなくなった筆者は製品版の『AoC』を購入し、学校の友人と共に1vs1のような少人数戦から4vs4人といったチーム戦、対AI戦など様々なモードで遊んでいました。
そのハマり具合は授業中もインターネットで戦略を調べたり、有効な戦い方を考え続けるほど。そして新しい戦い方を見つけるとすぐに友達を誘って実戦で試してみる。ひたすらにそんな繰り返しをしていました。
なぜそこまでハマったかというと。もちろん友人と遊ぶというコミュニケーションツールであったこともひとつの理由ですが、何よりもゲームの奥の深さだと思います。
具体的には、知識や経験という頭脳的要素と、理想の戦い方を実際に手を動かしてプレイするフィジカル的要素。強くなるためにはこの両方で強くならなければいけません。とくにフィジカル面は一朝一夕で身につくようなものでなく、時には単調に思えるような反復練習に明け暮れたこともあります。だからこそ他のプレーヤーに勝ったときの喜びが大きいのです。
ストイックだからこそやり込めて面白い!
色褪せないゲーム性
さて、それでは改めてゲームについて解説していきます。基本的なシステムは『AoE』シリーズと同じで、リアルタイムストラテジー(RTS)と呼ばれるジャンルです。リアルタイムに時間が経過する中、自分の文明を強化して、相手の文明より先に勝利条件を満たせばOKです。自分の文明で巨大な建造物を建てて守り切ったり、シンプルに相手の文明を叩き潰しても良いことになっています。ゲームシステムがシンプルであるがゆえにプレーヤースキルが大きく反映されます。
相手の文明に差をつけるためには、大きく「内政」と「軍備」の2つの要素が必要になります。そしてこの2つに共通するのが、プレーヤーの知識量、そして何より操作量が重要です。
知識面では普遍的な戦い方から、自分の文明、相手の文明の特徴を頭に入れる必要があります。具体的にはどの文明にどんなユニークな要素があって、どんな固有ユニットがあるか、ユニットごとの相性など知識面が勝敗に与える影響は大きいです。
例えば、弓兵には散兵が強い、騎馬兵には槍兵が強いといった相性があります。
また戦術にも様々な種類があり、速攻で勝負をしかける戦術とじっくりと発展させて勝負を決めにいく戦術など、それぞれに得意な点、弱点があり、マップの状況や相手の動き方にあわせて、適切な戦い方を選択しなければ勝利するのは難しいでしょう。
そしてそれ以上に重要なのが「操作量」です。操作量とは文字通り一定時間にどれだけ多くの操作を入力するかという要素です。
冒頭でも述べたとおり本作はリアルタイムにゲームが進行していきます。極端な表現をすれば対戦相手の2倍操作をすることができれば、2倍以上の戦闘ユニットを生産することもできるし、細かな操作で敵のユニットを効率よく倒すことができるというわけです。
そのストイックなゲーム内容から、eスポーツ的な文脈でも当時大きく盛り上がりを見せたタイトルです。
これらは前作の『Age of Empires: Definitive Edition』にも共通する要素です。もちろん続編なので大きく進化しています。そのひとつが文明の数です。拡張とリメイクを繰り返し30種類以上の文明が実装されています。そしてユニットの種類も大きく増えていて、文明やユニットごとの特徴を覚えたほうが勝ちやすい……というか、対人戦で本気で勝とうと思うと必須です。
そしてビジュアル面の表現も大きくレベルが向上しています。大元の雰囲気を活かしつつも、高解像度に対応し、細かなアニメーション表現なども追加されており、より生き生きとした住人たちの動きを見られます。
「スカーミッシュ」と「キャンペーン」の2大モード
ゲームには大きく「スカーミッシュモード」と「キャンペーンモード」の2つがあります。「スカーミッシュ」は本作の基本となるゲームモードです。これはシンプルに対戦を楽しむというモードです。対人戦はもちろん可能だし、AIを入れることも可能。もちろん難易度の調整も可能です。文明を指定することもできるし、ランダムにすることもできます。マップのタイプやゲームスピードの進行度なども設定可能です。
勝利条件は複数あり、例えば「民族の象徴」という巨大な建造物を建築して時間いっぱい逃げ切るだけでなく、「聖なる箱」という特殊なアイテムを集めることでも勝利できます。
もちろん圧倒的な軍事力で敵を蹂躙しても良いのです。平たく言えば攻めて勝っても良いし、守って勝っても良い。言葉通りにシンプルだが奥深いゲームプレイが楽しめるのです。
一方の「キャンペーンモード」は1人プレイ用のモードで、物語を楽しみながらコンピューター相手に対戦ができます。ただ敵と戦って終わりというものではなく、それぞれに勝利条件などが設定されており、「スカーミッシュモード」とは違う気持ちで楽しめます。シナリオは様々な国や時代をベースに作られており、歴史好きにはたまらないゲームプレイが楽しめます。
筆者は特に「スカーミッシュモード」が好きです。シンプルなのに何度も楽しめ、マップを変えたり、文明を変えたり、難易度を変えたり……、AI戦だけでも面白いのに、対人戦まで入れればその奥深さは無限大です。もっとも対人戦は熟練のツワモノが揃っているので、まずはAI戦をじっくりと楽しむのがオススメです。
文明ごとに戦い方が異なると記載しましたが、筆者が特に好きなのは「ゴート」という文明です。ゴートは城主の時代に「城」という建物から作成できるユニークなユニット「ハスカール」を持っていて、このユニットは移動速度が通常の歩兵より矢に対する防御力が高めになっているのが特徴です。
ただ真価はそこではありません。「無秩序」という技術を研究することで「戦士育成所」という建物からもハスカールを生産できるのです。城は建築するのに時間がかかる上に建築コストも高めで、ポンポンと複数建造できるような建物ではありません。しかし、「戦士育成所」はコストが非常に安く、建築速度が速いので容易に複数建築できます。
例えば4個の戦士育成所を建てれば理論上は4倍の速度でハスカールを生産できます。このハスカールによるラッシュはうまく決まると爽快です。大量のハスカールが敵文明を破壊していくのです。
他に筆者が知っている戦い方として、ビザンティンによる槍、散兵ラッシュという戦い方もあります。
チュートンは槍兵と散兵の生産コストが非常に安く、大量に生産することができます。また槍兵は騎兵の、散兵は弓兵のアンチユニットとなっていて、敵文明がこれらのユニットを生産していた場合でも比較的有利に戦闘を運ぶことができるし、そのまま残ったユニットで敵文明の村人などを倒していくと相手の成長を遅らせることができます。そのまま相手は降伏、そこまでいかないにしても大きく成長の差をつけ、その後の展開を有利に運べるというわけです。
RTSタイトルとして見ても非常に完成度が高いので、今プレイしてもかなり楽しめるのは間違いありません。やり込んでいけば対人戦で上を目指すという楽しみ方はもちろんできます。
過去に『AoK』や『AoC』をプレイした人は懐かしさや当時の戦略がそのまま通じる部分もあるので、ぜひプレイしてみていただきたい1本です。
(C) 2021 Microsoft. All rights reserved.
●タイトル:Age of Empires II: Definitive Edition
●ジャンル:リアルタイムストラテジー
●発売元:Xbox Game Studios(マイクロソフト)
●開発元:Forgotten Empires / Tantalus
●プラットフォーム:PC(Steam、Microsoft Store) ※Xbox Game Pass for PC対応(2021年7月現在)
●発売日:2019年11月14日
●価格:2350円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core 2 Duo または AMD Athlon 64x2 5600+
メモリー: 4GB
グラフィック:NVIDIA GeForce GT420 または AMD Radeon HD 6850 または Intel HD Graphics 4000
ストレージ: 30GB
●推奨スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core-i5 2.4Ghz または 同等のAMDプロセッサ
メモリー: 8GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 650 または AMD HD 5850
ストレージ: 30GB
●公式サイトURL:https://www.ageofempires.com/games/aoeiide/
●ダウンロードサイトURL:
Steam ダウンロードサイト
MSストア ダウンロードサイト
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