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『Castlevania Advance Collection』Steam版レビュー:4本の『悪魔城ドラキュラ』をストイックにもお手軽にも楽しめる!
1986年、ファミコン ディスクシステムにて産声をあげ、以降25年に渡り数多くのゲームハードで新作&リメイク作を発表している。その結果、国内外に根強いファンを獲得した『悪魔城ドラキュラ』こと『Castlevania』(キャッスルヴァニア)シリーズ。2021年9月24日に発売された『Castlevania Advance Collection』(Nintendo Switch、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X|S、Steam)は、これまでに家庭用ゲーム機で発売された『悪魔城ドラキュラ』シリーズの中から、ゲームボーイアドバンスでリリースされた”探索型アクション”に分類されるタイトルを中心に4作品が収録されている。本記事ではそのSteam版プレイレビューをお届けする。
『Castlevania Advance Collection』のポイント
探索型3本、ステージクリアー型1本、
まずは本作、『Castlevania Advance Collection』に収録されているゲームタイトルを軽く紹介していきたい。本作には、
・『悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン』(ゲームボーイアドバンス 2001年3月21日発売)
・『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲(コンチェルト)』(ゲームボーイアドバンス 2002年6月6日発売)
・『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲(メヌエット)』(ゲームボーイアドバンス 2003年5月6日発売)
・『悪魔城ドラキュラXX』(スーパーファミコン 1995年7月21日発売)、
の4作が収録されており、どのタイトルからでもプレイヤーの好きな順番でプレイすることができる。また、各タイトルの固有システムやモンスターの特性を確認できる図鑑や、制作時の未公開アート、発売時のパッケージ画像など、各タイトルにまつわる外部情報が充実しているのも特徴だ。
▲『悪魔城ドラキュラ』シリーズの中で“探索型”と分類される初期のタイトル3本と、スーパーファミコン時代のタイトル1本が収録されている『Castlevania Advance Collection』(写真は『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』)。
▲設定資料なども数多く収録。ゲーム中の言語やBGMのバージョンも複数用意されている
次は各タイトルのゲーム的な特徴について(筆者の感想も交えつつ)触れていきたい。
道中で入手できるカードを組み合わせることでメインウェポンのムチにさまざまな属性を付与し、武器そのものを変化させるといった効果を生み出す”デュアルセットアップシステム”(DSS)が大きな特徴。主人公のネイサン・グレーブスは、他3作品の主人公と比べると、歩く速度が遅い印象。とはいえダッシュやスライディングを使えば十分に補えるレベルだ。
▲探索型『悪魔城ドラキュラ』のスタンダードともいえる『サークル オブ ザ ムーン』。本作はオプション画面で図鑑を呼び出せば、DSSの組み合わせもすぐに確認できる
初代『悪魔城ドラキュラ』の主人公、シモン・ベルモンドの孫であるジュスト・ベルモンドがくり出すアクションで印象的なのが、サブウェポンと魔導書を組み合わせて発動する“スペルフュージョン”。手持ちのサブウェポンによって使い勝手(命中のさせやすさ)は大きく変わるが、ゲームをある程度進めると炎や氷、雷といった属性が付与された攻撃を広範囲に渡って放つことが可能。一見手ごわそうに見える敵も、スペルを活用すれば手際よく始末できる(むしろ巨大な敵の方が1度のスペルで何回も攻撃判定を当てられ、一気にダメージを奪えて気持ちいい)。
▲主人公ジュストの機動力と強力なスペルフュージョンが印象的な『白夜の協奏曲』
加えて倒した敵の魂を取りこみ、自分のスキルに変える“タクティカルソウル”も、ゲームを進めていくうえで重要なシステム。多くのモンスターを狩ることで、サブウェポン代わりに使える攻撃手段や、蒼真の移動能力を向上させる効果のソウルが得られるため、道中のザコ敵排除を高いモチベーションでこなせたのが印象的だった。
▲メインウェポン、タクティカルソウルを使い分けることで、行動の幅が広がる
リヒターの操作、とくに攻撃に関しては他作品と同じ感覚で実行できるが、ダッシュ、スライディング、アイテムクラッシュや装備によるアクションの強化、追加などはないため、移動に関する手触りは独自色が強い。また、探索型3タイトルだと、次のフィールドに続く入口でもある画面下の穴だが、『悪魔城ドラキュラXX』の場合だと、落ちたら一発死するポイントになっている。階段を利用したい際には、ジャンプ中に方向キーの上を入力し、一度階段の上に足をつけるというワンアクションが必要なのも特徴か。
▲唯一のスーパーファミコンタイトル。他作のようなゲームを進行させるフラグ立ては必要ないが、ボス敵を正面から倒したり、一発死の危険があるステージを踏破するアクションの腕前は要求される
“コレクション”だからこそ感じられる、
本作に限った話ではないが、まとめて同じシリーズが収録されているコレクション系のタイトルは、ゲームごとの微妙な差異をチェックして遊び比べられるのも面白いポイントだろう。
それほど『悪魔城ドラキュラ』シリーズに明るくない筆者の場合、メインウェポンのムチの使い勝手(当たり判定)に各ゲームで”なんとなくではあるが確実に違いがある”点が興味深かった。一番扱いやすかったのは『白夜の協奏曲』だったが(ムチの根元に判定が長く残っている感覚がある)、ムチっぽい軌道で攻撃判定が発生する”らしさ”を感じる『サークル オブ ザ ムーン』、そもそも最初の装備が短剣で、敵に接近して戦う体験が新鮮な『暁月の円舞曲』のムチにもそれぞれのよさがあり、探索型3タイトルのメインウェポンを比べても、いろいろと語れる余地がある。
▲メインウェポン、ムチのリーチや振った際の硬直はタイトルごとに微妙ではあるが異なる(写真は『暁月の円舞曲』のウィップソード)
さらに実際のゲームプレイではこういった細かい差異に加えて、各タイトルで大きく異なる主人公の移動能力、さらにDSS、スペルフュージョン、タクティカルソウルといった固有システムが絡んでくる。そのため同じ『悪魔城ドラキュラ』をプレイしたといっても、遊び終わった際に受ける印象は4つそれぞれで大きく異なるはずだ。
▲どのタイトルもMPやハートを消費してくり出す、固有システムの使いどころが重要(写真は『悪魔城ドラキュラXX』のアイテムクラッシュ)。
どこでもセーブと巻き戻し機能で
『Castlevania Advance Collection』に収録されている4タイトルは、固有システムの有無や主人公の機動力の違い、そして出現する敵の違いなどで、ゲームをクリアーするまでの難易度も当然異なる。筆者は主人公の身の動きが軽やかで(早い段階でバックダッシュや2段ジャンプを覚える)、困ったときにはスペルフュージョンの連打でゴリ押せる『白夜の協奏曲』はスムーズに探索を進められたが、残る2タイトルでは戦闘で瀕死に追いこまれることが少なくなかった。さらに一発死が存在する『悪魔城ドラキュラXX』は、道中での移動にも苦戦。ジャンプ中にコウモリや武器に接触→ノックバックで落下死……なんてパターンを何度も経験した。
▲『悪魔城ドラキュラXX』をのぞく探索型の3タイトルでは一発死がないため、ギミックの回避やボス戦などで、ダメージを受けつつも強引に突破を図ることも可能。スペルフュージョンが強力な『白夜の協奏曲』は、とくにその傾向が顕著
しかし本作に収録されたタイトルをプレイ中に万策尽きて“詰む”ケースはまったく起こらなかった。それはどのゲームにも、うまくゲームを進められている状態を保存、再生する機能がかなり手厚く用意されていたからだ。
ひとつは、ゲーム本編をプレイしているのであれば、いつでもセーブ機能を利用できる点。セーブできるタイミングが自由なだけではなく、セーブ可能な枠も1タイトルごとに10個用意されているため、不足を感じることはないはず。
もうひとつは巻き戻し機能。本作はどのタイトルもRトリガーを引き続ければどこまでもゲームの状況を遡れるため、極論を言ってしまえば、どんな状況も巻き戻し機能を駆使すれば打開可能。
先ほど挙げた『悪魔城ドラキュラXX』の一発死も、落ちた瞬間は「やっちまったな……」とは思いつつ、巻き戻し機能で事なきを得、数秒後にはなにごともなかったかのようにゲームを再開していた。このセーブ機能と巻き戻し機能があるおかげで、本作は気軽に遊ぼうと思えばどこまでもゲームクリア―までのハードルを下げられる。
もし『悪魔城ドラキュラ』シリーズに難しいアクションゲームというイメージを敬遠しているのであれば、本作はシリーズデビューを飾るには最適な1本になっているはずだ。
▲プレイヤーの責任で生じたあらゆる失敗を帳消しにしてしまえる巻き戻し機能。落下による即死がある『悪魔城ドラキュラXX』ではとくに重宝させてもらった
4つの『悪魔城ドラキュラ』が収録されているボリューム的なお得感がありつつ、各タイトルを2021年のゲームっぽくカジュアルに楽しむための機能も搭載されている『Castlevania Advance Collection』。初期の『悪魔城ドラキュラ』や本作に収録されているオリジナル版を知る人はもちろん、2Dアクションゲームに縁がない若いゲーマーにも無理なく楽しめるオススメのタイトルだ。
©Konami Digital Entertainment
●タイトル:Castlevania Advance Collection
●ジャンル:探索型アクションゲーム
●発売元:コナミデジタルエンタテインメント
●開発元:コナミデジタルエンタテインメント、エムツー
●プラットフォーム:PC(Steam)、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch
●発売日:2021年9月24日
●価格:2200円
●必須スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core i3-4160
メモリー: 4GB
DirectX: Ver.9.0
ストレージ: 500MB
●推奨スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel COre i3-6300
メモリー: 4GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX750Ti(VRAM 2GB)
DirectX: Ver.9.0
ストレージ: 500MB
●公式サイトURL:
https://www.konami.com/games/castlevania/advance_collection/jp/ja/
●ダウンロードサイトURL:
Steam https://store.steampowered.com/app/1552550/Castlevania_Advance_Collection/
『Castlevania Advance Collection』のポイント
- 4つの『キャッスルヴァニア』(『悪魔城ドラキュラ』)を収録
- 4本セットで遊ぶからこそ気づける手触りの違い
- どこでもセーブ、巻き戻し機能で無理なく全作品ゲームクリアが目指せる
探索型3本、ステージクリアー型1本、
4つの『キャッスルヴァニア』を収録
まずは本作、『Castlevania Advance Collection』に収録されているゲームタイトルを軽く紹介していきたい。本作には、・『悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン』(ゲームボーイアドバンス 2001年3月21日発売)
・『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲(コンチェルト)』(ゲームボーイアドバンス 2002年6月6日発売)
・『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲(メヌエット)』(ゲームボーイアドバンス 2003年5月6日発売)
・『悪魔城ドラキュラXX』(スーパーファミコン 1995年7月21日発売)、
の4作が収録されており、どのタイトルからでもプレイヤーの好きな順番でプレイすることができる。また、各タイトルの固有システムやモンスターの特性を確認できる図鑑や、制作時の未公開アート、発売時のパッケージ画像など、各タイトルにまつわる外部情報が充実しているのも特徴だ。
▲『悪魔城ドラキュラ』シリーズの中で“探索型”と分類される初期のタイトル3本と、スーパーファミコン時代のタイトル1本が収録されている『Castlevania Advance Collection』(写真は『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』)。
▲設定資料なども数多く収録。ゲーム中の言語やBGMのバージョンも複数用意されている
次は各タイトルのゲーム的な特徴について(筆者の感想も交えつつ)触れていきたい。
●悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン
オリジナルは2001年にゲームボーイアドバンスで発売されたタイトル。ドラキュラが復活した1830年の”悪魔城”を探索し、キーアイテムの発見やボス敵を撃破することでストーリーを進行させていく。道中で入手できるカードを組み合わせることでメインウェポンのムチにさまざまな属性を付与し、武器そのものを変化させるといった効果を生み出す”デュアルセットアップシステム”(DSS)が大きな特徴。主人公のネイサン・グレーブスは、他3作品の主人公と比べると、歩く速度が遅い印象。とはいえダッシュやスライディングを使えば十分に補えるレベルだ。
▲探索型『悪魔城ドラキュラ』のスタンダードともいえる『サークル オブ ザ ムーン』。本作はオプション画面で図鑑を呼び出せば、DSSの組み合わせもすぐに確認できる
●キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲(コンチェルト)
『悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン』のヒットを受けて制作、2002年に発売されたフィールド探索型の『悪魔城ドラキュラ』シリーズ。この『白夜の協奏曲』あたりから、日本国内でも『悪魔城ドラキュラ』の海外版タイトル、『キャッスルヴァニア』の名を冠するタイトルとして発売され始めた。初代『悪魔城ドラキュラ』の主人公、シモン・ベルモンドの孫であるジュスト・ベルモンドがくり出すアクションで印象的なのが、サブウェポンと魔導書を組み合わせて発動する“スペルフュージョン”。手持ちのサブウェポンによって使い勝手(命中のさせやすさ)は大きく変わるが、ゲームをある程度進めると炎や氷、雷といった属性が付与された攻撃を広範囲に渡って放つことが可能。一見手ごわそうに見える敵も、スペルを活用すれば手際よく始末できる(むしろ巨大な敵の方が1度のスペルで何回も攻撃判定を当てられ、一気にダメージを奪えて気持ちいい)。
▲主人公ジュストの機動力と強力なスペルフュージョンが印象的な『白夜の協奏曲』
●キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲(メヌエット)
2003年に発売された、ゲームボーイアドバンスの『悪魔城ドラキュラ』シリーズの3作目。近未来(2035年)の日本が舞台で、プレイヤーが操作することになる主人公は来須蒼真。シリーズおなじみのサブウェポンが存在しない代わりに、他作品ではムチ固定だったメインウェポンをナイフ、剣、斧などに切り替えて戦うことが可能(初期装備はナイフ。ムチは“ウィップソード”と名を変え、ある程度探索を進めると手に入る)。加えて倒した敵の魂を取りこみ、自分のスキルに変える“タクティカルソウル”も、ゲームを進めていくうえで重要なシステム。多くのモンスターを狩ることで、サブウェポン代わりに使える攻撃手段や、蒼真の移動能力を向上させる効果のソウルが得られるため、道中のザコ敵排除を高いモチベーションでこなせたのが印象的だった。
▲メインウェポン、タクティカルソウルを使い分けることで、行動の幅が広がる
●悪魔城ドラキュラXX
ゲームボーイアドバンスがオリジナルタイトルだった3作品とは異なり、この『悪魔城ドラキュラXX』は、1995年にスーパーファミコンで発売されたゲーム。最大の違いは、他3作品のようなフィールドを探索し、主人公がレベルアップするRPG的な要素がない純粋なアクションゲームという点だろう。プレイヤーはシモン・ベルモンドの末裔、リヒター・ベルモンドを操り、全9ステージのクリアーを目指していく。リヒターの操作、とくに攻撃に関しては他作品と同じ感覚で実行できるが、ダッシュ、スライディング、アイテムクラッシュや装備によるアクションの強化、追加などはないため、移動に関する手触りは独自色が強い。また、探索型3タイトルだと、次のフィールドに続く入口でもある画面下の穴だが、『悪魔城ドラキュラXX』の場合だと、落ちたら一発死するポイントになっている。階段を利用したい際には、ジャンプ中に方向キーの上を入力し、一度階段の上に足をつけるというワンアクションが必要なのも特徴か。
▲唯一のスーパーファミコンタイトル。他作のようなゲームを進行させるフラグ立ては必要ないが、ボス敵を正面から倒したり、一発死の危険があるステージを踏破するアクションの腕前は要求される
“コレクション”だからこそ感じられる、
シリーズ4作の違い
本作に限った話ではないが、まとめて同じシリーズが収録されているコレクション系のタイトルは、ゲームごとの微妙な差異をチェックして遊び比べられるのも面白いポイントだろう。それほど『悪魔城ドラキュラ』シリーズに明るくない筆者の場合、メインウェポンのムチの使い勝手(当たり判定)に各ゲームで”なんとなくではあるが確実に違いがある”点が興味深かった。一番扱いやすかったのは『白夜の協奏曲』だったが(ムチの根元に判定が長く残っている感覚がある)、ムチっぽい軌道で攻撃判定が発生する”らしさ”を感じる『サークル オブ ザ ムーン』、そもそも最初の装備が短剣で、敵に接近して戦う体験が新鮮な『暁月の円舞曲』のムチにもそれぞれのよさがあり、探索型3タイトルのメインウェポンを比べても、いろいろと語れる余地がある。
▲メインウェポン、ムチのリーチや振った際の硬直はタイトルごとに微妙ではあるが異なる(写真は『暁月の円舞曲』のウィップソード)
さらに実際のゲームプレイではこういった細かい差異に加えて、各タイトルで大きく異なる主人公の移動能力、さらにDSS、スペルフュージョン、タクティカルソウルといった固有システムが絡んでくる。そのため同じ『悪魔城ドラキュラ』をプレイしたといっても、遊び終わった際に受ける印象は4つそれぞれで大きく異なるはずだ。
▲どのタイトルもMPやハートを消費してくり出す、固有システムの使いどころが重要(写真は『悪魔城ドラキュラXX』のアイテムクラッシュ)。
どこでもセーブと巻き戻し機能で
誰でも完全クリアーを目指せる
『Castlevania Advance Collection』に収録されている4タイトルは、固有システムの有無や主人公の機動力の違い、そして出現する敵の違いなどで、ゲームをクリアーするまでの難易度も当然異なる。筆者は主人公の身の動きが軽やかで(早い段階でバックダッシュや2段ジャンプを覚える)、困ったときにはスペルフュージョンの連打でゴリ押せる『白夜の協奏曲』はスムーズに探索を進められたが、残る2タイトルでは戦闘で瀕死に追いこまれることが少なくなかった。さらに一発死が存在する『悪魔城ドラキュラXX』は、道中での移動にも苦戦。ジャンプ中にコウモリや武器に接触→ノックバックで落下死……なんてパターンを何度も経験した。▲『悪魔城ドラキュラXX』をのぞく探索型の3タイトルでは一発死がないため、ギミックの回避やボス戦などで、ダメージを受けつつも強引に突破を図ることも可能。スペルフュージョンが強力な『白夜の協奏曲』は、とくにその傾向が顕著
しかし本作に収録されたタイトルをプレイ中に万策尽きて“詰む”ケースはまったく起こらなかった。それはどのゲームにも、うまくゲームを進められている状態を保存、再生する機能がかなり手厚く用意されていたからだ。
ひとつは、ゲーム本編をプレイしているのであれば、いつでもセーブ機能を利用できる点。セーブできるタイミングが自由なだけではなく、セーブ可能な枠も1タイトルごとに10個用意されているため、不足を感じることはないはず。
もうひとつは巻き戻し機能。本作はどのタイトルもRトリガーを引き続ければどこまでもゲームの状況を遡れるため、極論を言ってしまえば、どんな状況も巻き戻し機能を駆使すれば打開可能。
先ほど挙げた『悪魔城ドラキュラXX』の一発死も、落ちた瞬間は「やっちまったな……」とは思いつつ、巻き戻し機能で事なきを得、数秒後にはなにごともなかったかのようにゲームを再開していた。このセーブ機能と巻き戻し機能があるおかげで、本作は気軽に遊ぼうと思えばどこまでもゲームクリア―までのハードルを下げられる。
もし『悪魔城ドラキュラ』シリーズに難しいアクションゲームというイメージを敬遠しているのであれば、本作はシリーズデビューを飾るには最適な1本になっているはずだ。
▲プレイヤーの責任で生じたあらゆる失敗を帳消しにしてしまえる巻き戻し機能。落下による即死がある『悪魔城ドラキュラXX』ではとくに重宝させてもらった
4つの『悪魔城ドラキュラ』が収録されているボリューム的なお得感がありつつ、各タイトルを2021年のゲームっぽくカジュアルに楽しむための機能も搭載されている『Castlevania Advance Collection』。初期の『悪魔城ドラキュラ』や本作に収録されているオリジナル版を知る人はもちろん、2Dアクションゲームに縁がない若いゲーマーにも無理なく楽しめるオススメのタイトルだ。
©Konami Digital Entertainment
●タイトル:Castlevania Advance Collection
●ジャンル:探索型アクションゲーム
●発売元:コナミデジタルエンタテインメント
●開発元:コナミデジタルエンタテインメント、エムツー
●プラットフォーム:PC(Steam)、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch
●発売日:2021年9月24日
●価格:2200円
●必須スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core i3-4160
メモリー: 4GB
DirectX: Ver.9.0
ストレージ: 500MB
●推奨スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel COre i3-6300
メモリー: 4GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX750Ti(VRAM 2GB)
DirectX: Ver.9.0
ストレージ: 500MB
●公式サイトURL:
https://www.konami.com/games/castlevania/advance_collection/jp/ja/
●ダウンロードサイトURL:
Steam https://store.steampowered.com/app/1552550/Castlevania_Advance_Collection/
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