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『Tribes of Midgard』Steam版レビュー:北欧神話を題材にアクション、サバイバル、ローグライクをミックスした欲張り協力プレイゲーム
『Tribes of Midgard』はモントリオールの開発会社Norsfellによる作品で、パブリッシュは『We Happy Few』などの販売を手がけたGearbox Publishingから2021年7月27日にリリースされた。
本作はとにかく暇を持て余している暇がない! そんなうれしい悲鳴をあげたくなる、やることだらけのゲームだ。主なゲームプレイはアクション、サバイバル、そしてローグライクの要素を融合させたものとなる。そう言われてもピンとこないかもしれないが、まずは見下ろし視点のアクションRPGだと思っていい。いいのだが、本作には独特なプレイフィールがある。
『Tribes of Midgard』のポイント
本作には時間の概念があり、昼夜と日数がある。昼、とりわけ初日は道具を使わずに素材収集を行い、集まった素材で伐採道具の斧と採掘道具のつるはしを作り、後々にわたって収集効率を上げて探検をしていく。
▲最初は手で拾って素材を集める
夜は拠点となる村の中央に位置する「ユグドラシルの種」の防衛を行う。この防衛パートではタワーディフェンスのように襲いかかってくる「ヘルの眷属」を倒し、朝まで持ちこたえることがメインプレイとなる。夜が明ければまた探検だ。
▲夜は左に見える青い木「ユグドラシル」を守る
これが、後述する最大10人まで接続できるマルチプレイであれば複数人で役割分担して、ユグドラシルを守る係と、夜間も探索する係に分かれてもよいだろう。
なにしろ本作は素材収集で得られる木や石のリソース管理が装備を作るうえで重要。さらには敵を倒したり素材を集めたりして獲得できる「ソウル」と呼ばれる特殊なリソースが、ユグドラシルのHPになっている。消耗したユグドラシルのHPはソウルで回復できるし、村にいるクラフトを行ううえで必要なNPCのランクを上げられる。上げればより強い装備が作れるようになる。これによって常に探検に追いやられることになる。
▲霜の巨人とのバトルは熱いし強敵だが1人で倒せないバランスではないのが巧妙
ここにゲームプレイを加速させる「グローバルイベント」というものが連日発生。例えば、村に「霜の巨人」と呼ばれる巨人が徐々に近づいてくるイベントが発生する。ユグドラシルを破壊されないように打倒しなければならない。
▲プレイヤーは「エインヘリャル」という死せる戦士。ヴァルハラよりあらわれヴァルハラへ帰る
……と、以上を踏まえて、最終目標は「サーガボス」(シーズン1はフェンリル)の打倒だ。これには手順があり、サーガボスに向かう橋をソウルやその他の素材を使って直し、ねぐらを再起動して……といった風にここにも素材や探検が関わってくる。すべて滞りなく終われば「ビフレスト」という転移空間を経てヴァルハラに帰るのだ。
▲ユグドラシルの種が破壊されるとゲームオーバー
しかし本作のローグライクの性質ゆえに、慣れるまでのプレイヤーを何度も死なせるし(死ぬと装備以外のアイテムを死んだ地点に落とす。しかし拾い直せる)、端的に敵が強いので頻繁にユグドラシルが破壊されてしまう。日数を経るほど夜間の襲撃が激しくなるので、きちんとキャラクターの装備を調えなければならない。
▲クラスにはスキルツリーもある
また8種類あるクラスの選択、キャラクターのレベルも重要となってくる。こう書いているとなにもかもが大切で、欠けていい歯車がないようなゲームとも呼べる気分になってくるが、実際にその通りだ。
マルチプレイとソロとで
冒頭で軽く触れたが、マルチプレイなら以上のことを役割分担できる分、大きく楽に遊べる。それも野良ではなく気心の知れたフレンドとの遊びならなおのことだ。10人いれば1プレイ2時間も掛からないだろう。日数は15日も経つかどうかだ。
本作は慣れるまで何度も死ぬし、時間の概念があると書いたが、ソロ以外では時間を止めることができないのも手伝ってゲームスピードも速く、アーケードライクな作品といえる。
これがソロならハードルは跳ね上がる。ゲームの骨子を押さえていなければならず、常に最適解の行動を取っていく必要がある。またソロプレイのキャラクターをマルチプレイに持っていくようなこともできない。ソロ・マルチ共有のパーマネントな強化はある。初期アイテムが替わるものなどだ。
▲初期装備を選択できるようになる
▲こういった夜襲回避イベントもある
▲ゲームオーバー、はたまたクリア、そのたびに見ることになるニューゲームの表記がいっそ清々しい
こういったペーシングのゲームのため、アーケード感がかなり高い。のんびり遊ぶとはいかない点が人を選ぶだろう。1回短時間で済むゲームプレイはハマれば夢中になれるが、思っている以上に速いゲームスピードに疲れる可能性もある。そして数回サーガボスを倒せばルーティンが決まってきてゲームが単調になってくる。この点が改良されることを今後のシーズンに期待したい。
なんにせよ、本作は毎シーズンごとに遊ぶプレイリストにおさまるポテンシャルを秘めている。
(C)2021 Norsfell. All rights reserved. Licensed and published by Gearbox Publishing.
●タイトル:Tribes of Midgard
●ジャンル:協力型ローグライクゲーム
●発売元:Gearbox Publishing
●開発元:Norsfell
●プラットフォーム:PC(Steam)、PlayStation 4、PlayStation 5
●発売日:2021年7月27日
●価格:2050円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 7 64bit
プロセッサー: Intel Core i5-2300 または AMD FX-6300
メモリー: 8GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 560 または AMD Radeon HD 7770
ストレージ: 8GB
●推奨スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core i5-2300 または AMD FX-6300
メモリー: 8GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 780 Ti/970 / 1070 またはAMD R9 290/AMD RX480
ストレージ: 8GB
●公式サイトURL:https://norsfell.com/en/tribesofmidgard/
●ダウンロードサイトURL:
Steam https://store.steampowered.com/app/858820/Tribes_of_Midgard/
本作はとにかく暇を持て余している暇がない! そんなうれしい悲鳴をあげたくなる、やることだらけのゲームだ。主なゲームプレイはアクション、サバイバル、そしてローグライクの要素を融合させたものとなる。そう言われてもピンとこないかもしれないが、まずは見下ろし視点のアクションRPGだと思っていい。いいのだが、本作には独特なプレイフィールがある。
『Tribes of Midgard』のポイント
- 北欧神話を土台にした舞台設定
- マルチプレイとソロの異なる体験
- 実はアーケードライクなゲームプレイ
基本的なゲームプレイは大忙し!
独特なプレイフィールとは何か?というと、基本サイクルとなる行動と、かなり早いゲームスピードにある。本作には時間の概念があり、昼夜と日数がある。昼、とりわけ初日は道具を使わずに素材収集を行い、集まった素材で伐採道具の斧と採掘道具のつるはしを作り、後々にわたって収集効率を上げて探検をしていく。
▲最初は手で拾って素材を集める
夜は拠点となる村の中央に位置する「ユグドラシルの種」の防衛を行う。この防衛パートではタワーディフェンスのように襲いかかってくる「ヘルの眷属」を倒し、朝まで持ちこたえることがメインプレイとなる。夜が明ければまた探検だ。
▲夜は左に見える青い木「ユグドラシル」を守る
これが、後述する最大10人まで接続できるマルチプレイであれば複数人で役割分担して、ユグドラシルを守る係と、夜間も探索する係に分かれてもよいだろう。
なにしろ本作は素材収集で得られる木や石のリソース管理が装備を作るうえで重要。さらには敵を倒したり素材を集めたりして獲得できる「ソウル」と呼ばれる特殊なリソースが、ユグドラシルのHPになっている。消耗したユグドラシルのHPはソウルで回復できるし、村にいるクラフトを行ううえで必要なNPCのランクを上げられる。上げればより強い装備が作れるようになる。これによって常に探検に追いやられることになる。
▲霜の巨人とのバトルは熱いし強敵だが1人で倒せないバランスではないのが巧妙
ここにゲームプレイを加速させる「グローバルイベント」というものが連日発生。例えば、村に「霜の巨人」と呼ばれる巨人が徐々に近づいてくるイベントが発生する。ユグドラシルを破壊されないように打倒しなければならない。
▲プレイヤーは「エインヘリャル」という死せる戦士。ヴァルハラよりあらわれヴァルハラへ帰る
……と、以上を踏まえて、最終目標は「サーガボス」(シーズン1はフェンリル)の打倒だ。これには手順があり、サーガボスに向かう橋をソウルやその他の素材を使って直し、ねぐらを再起動して……といった風にここにも素材や探検が関わってくる。すべて滞りなく終われば「ビフレスト」という転移空間を経てヴァルハラに帰るのだ。
▲ユグドラシルの種が破壊されるとゲームオーバー
しかし本作のローグライクの性質ゆえに、慣れるまでのプレイヤーを何度も死なせるし(死ぬと装備以外のアイテムを死んだ地点に落とす。しかし拾い直せる)、端的に敵が強いので頻繁にユグドラシルが破壊されてしまう。日数を経るほど夜間の襲撃が激しくなるので、きちんとキャラクターの装備を調えなければならない。
▲クラスにはスキルツリーもある
また8種類あるクラスの選択、キャラクターのレベルも重要となってくる。こう書いているとなにもかもが大切で、欠けていい歯車がないようなゲームとも呼べる気分になってくるが、実際にその通りだ。
マルチプレイとソロとで
大きく変わるプレイフィール
冒頭で軽く触れたが、マルチプレイなら以上のことを役割分担できる分、大きく楽に遊べる。それも野良ではなく気心の知れたフレンドとの遊びならなおのことだ。10人いれば1プレイ2時間も掛からないだろう。日数は15日も経つかどうかだ。本作は慣れるまで何度も死ぬし、時間の概念があると書いたが、ソロ以外では時間を止めることができないのも手伝ってゲームスピードも速く、アーケードライクな作品といえる。
これがソロならハードルは跳ね上がる。ゲームの骨子を押さえていなければならず、常に最適解の行動を取っていく必要がある。またソロプレイのキャラクターをマルチプレイに持っていくようなこともできない。ソロ・マルチ共有のパーマネントな強化はある。初期アイテムが替わるものなどだ。
▲初期装備を選択できるようになる
運営型ゲームのため、今後の発展が望まれる
重ねていうが、本作はゲームスピードがとにかく速い。その理由はやるべきこと、取るべき行動が多く、ミックスされたジャンル分の要素が詰め込まれているためだ。最終目標であるサーガボスを倒すための探索というベースとなる行動に、敵とのエンカウントおよび戦闘、戦闘で負けないための装備クラフト、それを役立てるワールドイベント、もし死んでしまったら落とした戦利品を拾いに行く必要性……これらが詰まっているため、暇を持て余している暇がない。▲こういった夜襲回避イベントもある
▲ゲームオーバー、はたまたクリア、そのたびに見ることになるニューゲームの表記がいっそ清々しい
こういったペーシングのゲームのため、アーケード感がかなり高い。のんびり遊ぶとはいかない点が人を選ぶだろう。1回短時間で済むゲームプレイはハマれば夢中になれるが、思っている以上に速いゲームスピードに疲れる可能性もある。そして数回サーガボスを倒せばルーティンが決まってきてゲームが単調になってくる。この点が改良されることを今後のシーズンに期待したい。
なんにせよ、本作は毎シーズンごとに遊ぶプレイリストにおさまるポテンシャルを秘めている。
(C)2021 Norsfell. All rights reserved. Licensed and published by Gearbox Publishing.
●タイトル:Tribes of Midgard
●ジャンル:協力型ローグライクゲーム
●発売元:Gearbox Publishing
●開発元:Norsfell
●プラットフォーム:PC(Steam)、PlayStation 4、PlayStation 5
●発売日:2021年7月27日
●価格:2050円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 7 64bit
プロセッサー: Intel Core i5-2300 または AMD FX-6300
メモリー: 8GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 560 または AMD Radeon HD 7770
ストレージ: 8GB
●推奨スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー: Intel Core i5-2300 または AMD FX-6300
メモリー: 8GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 780 Ti/970 / 1070 またはAMD R9 290/AMD RX480
ストレージ: 8GB
●公式サイトURL:https://norsfell.com/en/tribesofmidgard/
●ダウンロードサイトURL:
Steam https://store.steampowered.com/app/858820/Tribes_of_Midgard/
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