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『ENDER LILIES』Steam版レビュー:化物になった仲間を使役する少女となり、王国滅亡の謎に迫れ。弔いの激戦が体に沁みる高難易度2DアクションRPG
2021年6月21日、PC版『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』(エンダーリリーズ:クワイタス オブ ザ ナイツ)が発売された。
舞台は「死の雨」によって滅亡した王国「果ての国」。雨に打たれた人々は、凶暴で不死の「穢者(けもの)」になり果てた。プレイヤーは少女・リリィと穢者になってしまった同胞たちを操作して、王国滅亡の真実に迫っていくことになる。アクションだけではなく探索面にも力が入っているため、メトロイドヴァニアとも言えるだろう。
本稿では、可憐な主人公とは裏腹に、ダークで濃厚な魅力を持った本作のレビューをお届けしたい。
「スキル」としてかつての仲間を使う、
▲滅亡した王国の教会でリリィは目を覚まし、黒騎士と出会う
▲2人は穢者だらけになった「果ての国」を行く
本作はジャンプや回避を駆使する「死に覚えゲー」だ。しかし特徴的な点は、さまざまな穢者との戦いに勝ち、彼らを浄化することで、その魂を「スキル」として使役できるようになることだろう。
主人公・リリィは穢者を浄化して、その不死の呪いを解く力を持つ「白巫女」だ。そして穢者は皆、同じ王国で共に生きていた人間である。かつて白巫女と親しかった者も少なくない。リリィの旅は王国滅亡の謎を解くだけではなく、弔いのための旅でもあるのだ。
獲得できるスキルは26種類に及ぶ。最初に力を貸してくれる「黒騎士」は、剣を用いた素早い攻撃が行える。スキルを使うときだけゆらりと現れる演出がとてもかっこいい。黒騎士に限らず、異形の穢者たちをスタンドのように従える少女、というシチュエーションを見てグッとくる人は多いだろう。常に目が幸せなゲームである。
▲鉄球を使った範囲攻撃が可能な「守り人シーグリッド」
▲圧倒的パワーを誇るハンマー使い「老戦士ゲルロッド」
他にも広範囲に鉄球を振り回す「守り人シーグリッド」、強力なハンマー攻撃を持つ「老戦士ゲルロッド」、魔法による追尾弾を撃つ「黒の魔女イレイェン」など、多彩な穢者が登場。スキルは同時に6つと多めに装備できるので、状況に合わせて使い分けるパズルのような楽しさがある。ゲームを進めていくとスキルごとの必殺技「奥義」が解放されるので、バリエーション豊かな作戦を練られるだろう。
▲リリィは「祈り」によって回復できる
本作はSteamストアページにて「一瞬の気の緩みが命取りになる」と説明されているが、それはまぎれもない真実だ。リリィは「祈り」によって最低3回から回復できるものの、それをあざ笑うかのように被ダメージが大きく設定されている。これが高い緊張感をもたらしていた。まだ半分体力がある……と思っていたら、いつの間にか回復する隙もなく死んでいた、なんてことも一度や二度ではない。
とはいえ、祈りを適切なタイミングで使えば何発か食らっても生き延びられる。祈りは特殊アイテムなどではなく、デフォルトで装備されたもの。一撃さえ食らいたくないという緊張感と、リカバリー要素が上手く調和したシステムだ。
スキルとして使える穢者は、そのほとんどがボスとしてリリィの前に立ちはだかってくる。スキルを手に入れるためには、まず彼らを倒さなければならない。ボスは体力によって3段階ほど進化して、攻撃方法や見た目を変える。それに対してこちらも段階別に戦い方を考えていく、深みのある戦闘が魅力だ。ボスのビジュアルも不気味だが、個性豊かで惹かれてしまう。かつて人間だったものが、どんどんおぞましく変貌していく演出が悲劇的である。
初めのうちは、攻略したと思ったら初見の技に倒される、という行為を何度も繰り返すことになるだろう。心臓がバクバクするほど、ボスたちの動きは素早くて手ごわい。しかし歯が立たないように思えても、適切にスキルを使うと勝ちやすくなる。戦いの中で作戦を閃き、それをやり遂げる快感を味わえるはずだ。作戦の他に必要なものは「慣れ」だけである。
▲ボスを浄化すると、彼らが人間だった頃の物語を知ることができる
ボスとの戦いは厳しくも、倒した後に知る彼らの物語は切ない。ボスを倒すと、王国が滅亡したとき、つまり彼らがまだ人間だったころに何があったかをムービーや文書で知ることができる。ある者は愛する人と分かり合えないまま散り、ある者は英雄だったが力尽きるときは孤独だった。何度も刃を交えた、疲れた体にその物語は沁みる。激しい戦いを通してこそ生まれる愛着が忘れがたい。
「Mili」が手がけた壮麗なサウンドトラックのおかげで、ボス戦はより濃密な体験になっている。醜い姿に隠れたボスの心情が伝わってくるかのような音楽だ。筆者は特に狂い騎士ウルヴ戦の曲「Bloom」が好きで、聞くたびに胸をつまらせている。ウルヴ戦はステージ背景や彼のストーリーなどの演出も含め、舞台のような美しさがあるのでぜひ注目してみてほしい。
ちなみに「Mili」は世界各地にファンを持ち、アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」のエンディングテーマなどを担当する音楽集団だ。
▲セーブポイントに座ると姿を見せてくれる仲間たち
こうして思い入れができたボスたちが仲間(スキル)になると、まるでスキルという形でパーティを組んでいるような、新鮮な気分になる。この感覚が筆者は気に入った。
スキルとして装備した穢者は攻撃する瞬間だけではなく、セーブポイントでの休憩時やふと立ち止まったときにも姿を現す。一度は穢者になったので表情は固いものの、まるでリリィを見守ってくれているように見える。
リリィは王国唯一の生き残りだが、ひとりではないのだ。この虚しくも嬉しい感覚がたまらない。
ストーリーやボス戦と連動した、
▲下の赤黒い壁は、老戦士ゲルロッドのスキルがあれば破壊できる
▲グラップリングフックのようなスキルがなければ行けない場所もある
本作のマップは複雑かつ広大で、さまざまな仕掛けに満ちている。それらはボスから得たスキルを使って解くことが可能だ。未知のルートに進み、別のボスとスキルを見つければ、また新しい道が連鎖的に開けていく。その先には海藻のような植物が生えた森、夥しい数のガイコツが眠る地下墓地、高くそびえる城といったステージが広がっていて、風景や登場する敵はガラッと変わる。マンネリとは無縁の作りだ。二段ジャンプや壁のぼりといったスキルを使わなければ進めない道があり、アスレチック的なプレイが要求されるステージも多い。
またマップの各所には、ストーリーの真相が断片的に記された文書も点在している。なぜ死の雨が降ったのか? リリィと黒騎士は何者で、これからどんな未来を辿るのか? 不穏なストーリーが次第に明らかになり、ゾクゾクしてしまう。陰鬱で美しい風景がストーリーのヒントになっている時もあって、考察好きには嬉しいところだ。
このようにストーリー面でも仕掛けの面でも、謎が謎を呼ぶ探索しがいのあるマップになっている。早くから好きな順序で探索できる、自由度の高い分岐ルート設計もいい。
▲未開ルートは赤丸、未発見のものがあるエリアは水色で表示される
アクションはハードなものの、マメに置かれたセーブポイントやファストトラベルといったシステムは本作の間口を広げている。すべての解放したセーブポイント同士でファストトラベルが可能だ。ボス戦の直前にはほぼ必ずと言っていいほどセーブポイントがあり、回復やスキルの強化・変更ができる。遊びやすい親切設計だ。未開ルートや未発見アイテムがある場所も分かりやすく表示され、探索意欲を刺激してくれる。
マップでは、「レリック」という特殊効果を持ったアイテムも発見できる。祈りの回数を増やす、被ダメージを減らすなど、プレイヤーを支えてくれるありがたい効果ばかりだ。積極的に探しておこう。フレーバーテキストのひとつひとつにさえストーリーが詰まっていて、読み応えがある点にも注目だ。
本作はマルチエンディングを採用。いくつかの選択によって物語が分岐するというよりは、やり込めばやり込むほど違うエンディングを見られる仕組みである。遊び方によるが、最初のエンディングが終わっても探索要素はたくさん残っているだろう。違うエンディングを見るために単なる同じキャンペーンの繰り返しは必要なく、むしろ未発見要素をどんどん見つけられるのでお得感が強い。
ハードかつ戦略性が高くクセになるアクション、探索の手が止まらないマップ、充実したやり込み要素、雄弁なサウンドトラックと、非常に満足のいく作品に仕上がっていた『ENDER LILIES』。この体験を忘れられないものにしているのは、人間ではなくなった同胞の無念を背負い戦い続けるというコンセプトに違いない。他の高難易度2DアクションRPGにはあまりない、虚しく愛おしいプレイ感が新鮮だった。
モダンなメトロイドヴァニアに慣れた筆者からすると、ファストトラベルなど遊びやすい仕組みが多い点も好印象。死んで覚えるゲームが好きな人になら、手放しでおすすめできる作品だ。
(C)BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.
●タイトル:ENDER LILIES: Quietus of the Knights
●ジャンル:アクションRPG
●発売元:Binary Haze Interactive
●開発元:Live Wire, Adglobe
●プラットフォーム:PC(Steam)、Nintendo Switch、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X|S
●発売日:2021年6月9日 ※PS4/PS5版は2021年7月21日
●価格:2728円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 7 SP1 64bit
プロセッサー: Dual Core 2.00Ghz
メモリー: 2GB
グラフィック:1GBのVRAM
ストレージ: 2GB
●推奨スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー:Quad Core 2.50Ghz
メモリー: 4GB
グラフィック: 2GBのVRAM
ストレージ: 2GB
●公式サイト:https://www.enderlilies.com/
●ダウンロードサイトURL:
Steam https://store.steampowered.com/app/1369630/ENDER_LILIES_Quietus_of_the_Knights/
舞台は「死の雨」によって滅亡した王国「果ての国」。雨に打たれた人々は、凶暴で不死の「穢者(けもの)」になり果てた。プレイヤーは少女・リリィと穢者になってしまった同胞たちを操作して、王国滅亡の真実に迫っていくことになる。アクションだけではなく探索面にも力が入っているため、メトロイドヴァニアとも言えるだろう。
本稿では、可憐な主人公とは裏腹に、ダークで濃厚な魅力を持った本作のレビューをお届けしたい。
『ENDER LILIES』のポイント
- 死にゲー+メトロイドヴァニアなアクションRPG
- ハイクオリティーなビジュアルとサウンド
- 26種類に及ぶ多彩なスキルを使いこなす楽しさ
「スキル」としてかつての仲間を使う、
嗜好に刺さる召喚アクション
▲滅亡した王国の教会でリリィは目を覚まし、黒騎士と出会う▲2人は穢者だらけになった「果ての国」を行く
本作はジャンプや回避を駆使する「死に覚えゲー」だ。しかし特徴的な点は、さまざまな穢者との戦いに勝ち、彼らを浄化することで、その魂を「スキル」として使役できるようになることだろう。
主人公・リリィは穢者を浄化して、その不死の呪いを解く力を持つ「白巫女」だ。そして穢者は皆、同じ王国で共に生きていた人間である。かつて白巫女と親しかった者も少なくない。リリィの旅は王国滅亡の謎を解くだけではなく、弔いのための旅でもあるのだ。
獲得できるスキルは26種類に及ぶ。最初に力を貸してくれる「黒騎士」は、剣を用いた素早い攻撃が行える。スキルを使うときだけゆらりと現れる演出がとてもかっこいい。黒騎士に限らず、異形の穢者たちをスタンドのように従える少女、というシチュエーションを見てグッとくる人は多いだろう。常に目が幸せなゲームである。
▲鉄球を使った範囲攻撃が可能な「守り人シーグリッド」
▲圧倒的パワーを誇るハンマー使い「老戦士ゲルロッド」
他にも広範囲に鉄球を振り回す「守り人シーグリッド」、強力なハンマー攻撃を持つ「老戦士ゲルロッド」、魔法による追尾弾を撃つ「黒の魔女イレイェン」など、多彩な穢者が登場。スキルは同時に6つと多めに装備できるので、状況に合わせて使い分けるパズルのような楽しさがある。ゲームを進めていくとスキルごとの必殺技「奥義」が解放されるので、バリエーション豊かな作戦を練られるだろう。
▲リリィは「祈り」によって回復できる
本作はSteamストアページにて「一瞬の気の緩みが命取りになる」と説明されているが、それはまぎれもない真実だ。リリィは「祈り」によって最低3回から回復できるものの、それをあざ笑うかのように被ダメージが大きく設定されている。これが高い緊張感をもたらしていた。まだ半分体力がある……と思っていたら、いつの間にか回復する隙もなく死んでいた、なんてことも一度や二度ではない。
とはいえ、祈りを適切なタイミングで使えば何発か食らっても生き延びられる。祈りは特殊アイテムなどではなく、デフォルトで装備されたもの。一撃さえ食らいたくないという緊張感と、リカバリー要素が上手く調和したシステムだ。
試行錯誤するほど沁みるボス戦
▲攻撃方法が目まぐるしく変わるボスに挑むスキルとして使える穢者は、そのほとんどがボスとしてリリィの前に立ちはだかってくる。スキルを手に入れるためには、まず彼らを倒さなければならない。ボスは体力によって3段階ほど進化して、攻撃方法や見た目を変える。それに対してこちらも段階別に戦い方を考えていく、深みのある戦闘が魅力だ。ボスのビジュアルも不気味だが、個性豊かで惹かれてしまう。かつて人間だったものが、どんどんおぞましく変貌していく演出が悲劇的である。
初めのうちは、攻略したと思ったら初見の技に倒される、という行為を何度も繰り返すことになるだろう。心臓がバクバクするほど、ボスたちの動きは素早くて手ごわい。しかし歯が立たないように思えても、適切にスキルを使うと勝ちやすくなる。戦いの中で作戦を閃き、それをやり遂げる快感を味わえるはずだ。作戦の他に必要なものは「慣れ」だけである。
▲ボスを浄化すると、彼らが人間だった頃の物語を知ることができる
ボスとの戦いは厳しくも、倒した後に知る彼らの物語は切ない。ボスを倒すと、王国が滅亡したとき、つまり彼らがまだ人間だったころに何があったかをムービーや文書で知ることができる。ある者は愛する人と分かり合えないまま散り、ある者は英雄だったが力尽きるときは孤独だった。何度も刃を交えた、疲れた体にその物語は沁みる。激しい戦いを通してこそ生まれる愛着が忘れがたい。
「Mili」が手がけた壮麗なサウンドトラックのおかげで、ボス戦はより濃密な体験になっている。醜い姿に隠れたボスの心情が伝わってくるかのような音楽だ。筆者は特に狂い騎士ウルヴ戦の曲「Bloom」が好きで、聞くたびに胸をつまらせている。ウルヴ戦はステージ背景や彼のストーリーなどの演出も含め、舞台のような美しさがあるのでぜひ注目してみてほしい。
ちなみに「Mili」は世界各地にファンを持ち、アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」のエンディングテーマなどを担当する音楽集団だ。
▲セーブポイントに座ると姿を見せてくれる仲間たち
こうして思い入れができたボスたちが仲間(スキル)になると、まるでスキルという形でパーティを組んでいるような、新鮮な気分になる。この感覚が筆者は気に入った。
スキルとして装備した穢者は攻撃する瞬間だけではなく、セーブポイントでの休憩時やふと立ち止まったときにも姿を現す。一度は穢者になったので表情は固いものの、まるでリリィを見守ってくれているように見える。
リリィは王国唯一の生き残りだが、ひとりではないのだ。この虚しくも嬉しい感覚がたまらない。
ストーリーやボス戦と連動した、
探索中毒になるマップ
▲下の赤黒い壁は、老戦士ゲルロッドのスキルがあれば破壊できる▲グラップリングフックのようなスキルがなければ行けない場所もある
本作のマップは複雑かつ広大で、さまざまな仕掛けに満ちている。それらはボスから得たスキルを使って解くことが可能だ。未知のルートに進み、別のボスとスキルを見つければ、また新しい道が連鎖的に開けていく。その先には海藻のような植物が生えた森、夥しい数のガイコツが眠る地下墓地、高くそびえる城といったステージが広がっていて、風景や登場する敵はガラッと変わる。マンネリとは無縁の作りだ。二段ジャンプや壁のぼりといったスキルを使わなければ進めない道があり、アスレチック的なプレイが要求されるステージも多い。
またマップの各所には、ストーリーの真相が断片的に記された文書も点在している。なぜ死の雨が降ったのか? リリィと黒騎士は何者で、これからどんな未来を辿るのか? 不穏なストーリーが次第に明らかになり、ゾクゾクしてしまう。陰鬱で美しい風景がストーリーのヒントになっている時もあって、考察好きには嬉しいところだ。
このようにストーリー面でも仕掛けの面でも、謎が謎を呼ぶ探索しがいのあるマップになっている。早くから好きな順序で探索できる、自由度の高い分岐ルート設計もいい。
▲未開ルートは赤丸、未発見のものがあるエリアは水色で表示される
アクションはハードなものの、マメに置かれたセーブポイントやファストトラベルといったシステムは本作の間口を広げている。すべての解放したセーブポイント同士でファストトラベルが可能だ。ボス戦の直前にはほぼ必ずと言っていいほどセーブポイントがあり、回復やスキルの強化・変更ができる。遊びやすい親切設計だ。未開ルートや未発見アイテムがある場所も分かりやすく表示され、探索意欲を刺激してくれる。
マップでは、「レリック」という特殊効果を持ったアイテムも発見できる。祈りの回数を増やす、被ダメージを減らすなど、プレイヤーを支えてくれるありがたい効果ばかりだ。積極的に探しておこう。フレーバーテキストのひとつひとつにさえストーリーが詰まっていて、読み応えがある点にも注目だ。
本作はマルチエンディングを採用。いくつかの選択によって物語が分岐するというよりは、やり込めばやり込むほど違うエンディングを見られる仕組みである。遊び方によるが、最初のエンディングが終わっても探索要素はたくさん残っているだろう。違うエンディングを見るために単なる同じキャンペーンの繰り返しは必要なく、むしろ未発見要素をどんどん見つけられるのでお得感が強い。
死にゲー好きならやるべき新感覚の傑作
ハードかつ戦略性が高くクセになるアクション、探索の手が止まらないマップ、充実したやり込み要素、雄弁なサウンドトラックと、非常に満足のいく作品に仕上がっていた『ENDER LILIES』。この体験を忘れられないものにしているのは、人間ではなくなった同胞の無念を背負い戦い続けるというコンセプトに違いない。他の高難易度2DアクションRPGにはあまりない、虚しく愛おしいプレイ感が新鮮だった。
モダンなメトロイドヴァニアに慣れた筆者からすると、ファストトラベルなど遊びやすい仕組みが多い点も好印象。死んで覚えるゲームが好きな人になら、手放しでおすすめできる作品だ。
(C)BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.
●タイトル:ENDER LILIES: Quietus of the Knights
●ジャンル:アクションRPG
●発売元:Binary Haze Interactive
●開発元:Live Wire, Adglobe
●プラットフォーム:PC(Steam)、Nintendo Switch、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X|S
●発売日:2021年6月9日 ※PS4/PS5版は2021年7月21日
●価格:2728円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 7 SP1 64bit
プロセッサー: Dual Core 2.00Ghz
メモリー: 2GB
グラフィック:1GBのVRAM
ストレージ: 2GB
●推奨スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー:Quad Core 2.50Ghz
メモリー: 4GB
グラフィック: 2GBのVRAM
ストレージ: 2GB
●公式サイト:https://www.enderlilies.com/
●ダウンロードサイトURL:
Steam https://store.steampowered.com/app/1369630/ENDER_LILIES_Quietus_of_the_Knights/
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